「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ロドリーゴ  「アランフェス協奏曲」
Rodrigo: Rodrigo: Concierto de Aranjuez


ロドリーゴのアランフエス協奏曲は、1939年に作曲されたギター協奏曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
スペインの古都アランフェス(スペインの首都のあるマドリード州南部、タホ川に沿って広がり、世界遺産に登録されたスペイン王室の宮殿と庭園が有名な町)が、作曲当時のスペイン内戦で被害を受けたことから、平和への想いを込めて作曲したと言われています。3楽章の構成で、特に第2楽章は、哀愁をたたえた美しい旋律で、広く知られています。

第1楽章 ニ長調
主題は、1978年のギター曲「トリプティコ」の第3曲「スケルツィーノ」に転用されています。

第2楽章 ロ短調 変奏曲
冒頭のイングリッシュ・ホルンによって提示される主題が有名です。ポピュラー・クラシックとして編曲されるなど、広く知られています。ギル・エヴァンスの編曲を得て、59年に演奏されたトランペット奏者マイルス・デイヴィスのアルバム「スケッチ・オブ・スペイン」は有名です。

第3楽章 ニ長調 2/4、3/4 複合拍子
スペインの平和を願って作られたものだそうです。クラシック・ギターの音量が小さいことから、オーケストラが音のバランスに苦労することでも知られています。ランシス・プーランクは、「一音の無駄もない」と評しているそうです。

ロドリーゴは、ギター演奏に関する知識がほとんどなかったそうです。えっ、これほど有名曲なのに信じられません。
ワタシは、ロドリーゴさんは、てっきりギター奏者だと思い込んでいました。調べてみると盲目のピアニストだったのです。
では、何故、ギターで協奏曲を作曲しようと思われたのでしょうね。
ナルシソ・イエペスがこの曲をデビュー公演で演奏して、一躍有名になりました。19世紀までの作品は少ないのですが、アランフェス以降、多くのギター協奏曲は創られているので、また聴いていきましょう。

ジョン・ウィリアムス ルイ・フレモー フィルハーモニア管弦楽団 1983年
John Christopher Williams Louis Frémaux
Philharmonia Orchestra of London

録音状態は良い。オケも力強く快活である。アランフェス協奏曲は、3回目の録音だそうだ。
カップリング:ロドリーゴ ある貴紳のための幻想曲(バレンボイム、イギリス室内管弦楽団74年)、ヴィラ=ロボス「ギターと小管弦楽のための協奏曲」

1楽章
「そそそ そらふぁ そそそ そらふぁ・・・」
ウィリアムさんのギターは、メリハリがあって快活で現代的だ。冒頭のフレーズを何度か繰り返しているのだが、初めは曇り空だったのが、いっきに晴れてくる。はじめは、そそそ〜 と聞こえたのが、れれれ〜に音があがる。
その時に、一気に晴れて快晴になるのだ。
「れれれ れみどっ れれれ れみど そそそ そらふぁ〜」
この変わり方が、ほほ〜っ これはよいわ。と、思わず身を乗り出してしまう。 弦のキレが良いし歯切れが良いのだ。
オケの チャンチャカ チャンチャカ チャンチャンチャン。
「れふぁら〜 らららら ら〜 れふぁら〜 らしそふぁ〜 らしれ〜 どしら しそ〜」
このオケのフレーズも快適で、明るく元気だ。このフレーズに合いの手が入っている。
この合いの手を入れてくる木管の音色、「ふぁっららら〜」もキレがある。金管も幾分乾いた音色で吹かれている。

ふふっ。熱くて太陽が燦々と照っている乾いた大地が、イメージされる。
録音状態も良い。ギターとオケのバランスが適度に保たれており、巧く調整されているようで、 セルシェル・オルフェウス室内管のように、ギターの音量が小さいってことはない。
で、キレも抜群で、オケのキレも良い、「れれ〜っ どらふぁ〜 みふぁみれみ〜」と、小節も回っている。
「そそ〜らどしそ〜 ふぁふぁ〜みっ ふぁふぁ〜みっ  どーどしっ しし〜らっ」
小節を小回りで利かせて、フレーズの最後には、シャン シャンっ と、後味爽やかに切っている。
弦を上から下に、じゃらら〜っと弾いたあとの残響もよく拾えているし。
で、このウィリアムスさんのギターが、ラテン的か。と言われたら、う〜ん それはどうでしょか。
少なくとも、乾いた大地に、燦々と照りつける太陽は味わえると思う。っという感じだろうか。スペインの陽と陰、光と影。
リズムのノリが良いか、多少汗くさいか?  う〜ん。汗くさいっ? これは、あまり感じないですね。
1楽章だけを聴くと、フライパンの熱さ(それじゃー セヴィリアじゃん。)までにはいかないまでも、オリーブに向日葵、乾いた赤茶色の土地がイメージされ、夏のお昼という印象がします。

2楽章
さて、2楽章は、夜のイメージを勝手にしていたのだが、薄暮風である。
甘ったるい演奏もあるが、アジアちっくな、熱い、湿気を含んだ夕暮れの気だるさはなく、もちろん、乾いた大地なので、さらり〜としており、湿気がない。
たらら〜 たらら〜 コーラングレ(イングリッシュホルン)の音色が、もう少し、まったりと絡んでくれたら良いのだが、わりと、すーっと流れてくる。
音量の変化がついていれば、もう少し、ぐっ〜っとくるのに。ちょっと惜しいかも。
「そふぁそ〜 そらし〜どしら そふぁそ〜 そらしど〜れ〜しららそふぁみふぁ〜 そみれみ〜ふぁれどれ〜」
コーラングレのフレーズもちょっと淡泊。で、ギターも少し淡泊系だと思う。
で、冒頭にも言ったように、甘くて砂糖菓子のような、けだるいという雰囲気ではなく、さっぱりとしつつも、郷愁を感じさせるものになっている。ここ大事かな。 抑制の効いた演奏で、オーバーアクションじゃないことは確か。品性もあって良い。

ただし、何度か聴かないと、じわっ〜っと来ないかもしれない。
オケの弦があわさってきて、木管2種類のフレーズ、で、ギターと続く。オケからギターに渡す時、音が切れないように持続しているし、最後、ギターの余韻をオケが被らないように気をつけているようだ。ここらあたりは、慎重に演奏されているみたいだが、オケの出だしがばらけてしまいそうになっていたり、難しそう。
で、ソロも部分もそうだが、オケの低音の響きが美しく、力もあるので、ぐぐ〜っと来ちゃう。
ギターのテクニックは、全くわからないけれど。う〜ん。絶品だと思う。
古楽器風の音色にも聞こえ、色彩もあり、弦を小刻みに震える余韻が良いなあ。と感じることができる。
弓で弾かない楽器なので、鋭さはないけれど、その分、音の広がり方に幅があるようです。

3楽章
「そそ どど れれ みっど ど れしど みふぁ そ そら ふぁみっど・・・」
少し、暗めでくぐもって始まる。テンポはゆったりめ。
少し重めだが、オケの金管や木管の歯切れのよい音が良く聞こえてくる。
調が途中で変わっているのか、暗さと明るさが微妙に交錯しているような、不安感や喜び感が、両方重なっている感じがする。
オケの弦の高いつま弾く音、ギターのくぐもった音色 1楽章や2楽章とは、また違う。
舞曲風の楽章なのだが、不思議な色彩、温度がある。ノー天気な開放的には演奏されていない。
ギターや弦の細かいフレーズがあって、ミュート付きの金管が、「し れどれみふぁ みれみ れどれみふぁ」という短いフレーズを吹いて、金管が「ふぁそ らら し〜 らら ふぁそららしそしふぁ〜」
で、ハープがいるのかな。高くて細い弦の細かいフレーズが聞こえる。
へぇ〜多彩な音色が詰まっているんだなあ。と、この楽章を、じっくり聴かせてもらった。

この協奏曲、3楽章最後は、静かに終わってしまう。
続けて、カップリングされている「ある貴紳のための幻想曲」が流れてくるのだが、これ4楽章かと思っちゃうぐらいで。
どちらかというと、尻すぼみ的な楽曲なのだ。 でも、このウィリアムス盤は、オケが上品に弱音で、じっくり〜演奏されているので、とっても好ましい演奏だ。 1楽章は、とっても元気だったので、最後も元気に終わって欲しいような気もするが、まっ これは楽曲の特性なのだろうと思う。総体的には、明るめ。現代風でさっぱり系ですね。


エドゥアルド・フェルナンデス マルティネス イギリス室内管弦楽団
1985年
Eduardo Fernandez Miguel Gomez Martinez
English Chamber Orchestra

まっ こんなモン

録音状態はまずまず。すっきとした明るさがあって、のびやかだが、どこか、アカヌケていないというか、ひたむきな情熱が欲しいような気がする。
カップリング:
1〜3  ロドリーゴ アランフェス協奏曲(85年)
4〜7  ロドリーゴ ある貴紳のための幻想曲(85年)
8〜10 ジュリアーニ ギター協奏曲op.30 (マルコム指揮 86年)
1楽章
ギターとオケのバランスも良く、あまり熱くならず、すっきりした明るさがある。
「そそそ そらふぁ そそそ そらふぁ・・・」 ギターの音の細さを感じるが、つまびかれており、ギターの音は聞こえてくるが、イマイチ、ヌケが良くない。室内オケなので、さほど人数は多くないと思うが、金管の明るい響きが彩りを添えているし、のびやかだが、肝心のギターの方が、ノリが悪いように感じる。何故なんだろ。
さほど、リズミカルでもなく、淡々とこなされている感じなのだけど。

2楽章
さほど、粘りあるわけではないし、オケの木管のフレーズ(コーラングレ)も、さほど甘いわけではない。
さっぱりしていると言えばいいのか、淡々と弾かれており、そこに情感が乗せられている風でもなく、まどろっこしい。
もう少し、ひたむきな感じがしたらいいんだけど〜 なよっとしているフレージングだ。
オケの方も、粘りが少なく、まずまずの盛り上がりがあるのだが、骨格が太くない。
「たらら らぁ〜ん」だけが妙に気合いが入っている。

3楽章
ギターの細かいフレージング、つま弾いた音が聞こえてきて、オケの明るい音が、弾みながら合わさっていくのだが、ギターの音が、あまりにも線が細い。か細いので〜 ちょっと。
木管のフレージングの方に耳が行ったり、金管の音や、オケの弦のパッセージなどに、どうしても気が行く。
トータルでの噛み合わせが難しいのだろうか。ギターの協奏曲って、やっぱり難しそう。という感じがする。
オケの明るさが、ギターの音と合っていないというか、なんだか、せっかく聴いたのに、ギターの方が、ぱっとしない。
パシッと決まってこないので、ちょっと不満がたまった。ラテン系の彩りが少ないというか、思い入れが少ないというか、なかなか主張してこないというか。まどろっこしい感じがしちゃう。


イェラン・セルシェル オルフェウス室内管弦楽団 1989年
Göran Söllscher
Orpheus Chamber Orchestra



録音状態は良い。ギター協奏曲というのは、オケとギターの音量バランスが難しいようで、ギターの音が、オケに食われてしまっており、聞き取りづらい。
爽やかで健康的だが、ラテン風の演奏ではない。
カップリング:ある貴紳のための幻想曲、ヴィラ=ロボス「ギターと小管弦楽のための協奏曲」

1楽章
セルシェル盤は、爽やかな演奏だな。というのが、第一印象だった。
たんたら らん たたた たんたら らたた・・・ 
普通の音に直したら、「れれれ れみどっ。れれれ れみど そそそ そらふぁ〜」
「れれれみど れれれれ れみっど」 ってことになるのだろうか。う〜ん。
↑ 音を文字にするのは、超ムズカシイ。リズミカルなギターのフレーズは、鼻歌では歌えても、う〜ん。
書けないよぉ。巻き舌風だしなあ。
で、ギターって音量が小さいんだ。と改めて思っちゃった。録音のせいかもしれないのだが、このセルシェル盤で聴くと、オケの音がよく通ってよいのだが、肝心のギターの音が、ちょっと奥に埋没してしまっており、ギターを聴きたいという向きには、ちょっと・・・ モノ足らないと思う。
冒頭のギターの音が、ちょっと聞きづらかったのでボリュームをあげたら、バックのオルフェウス室内管弦楽団の音が、飛び込んできて。その音量と、威勢の良さに驚かされた。

「れふぁら〜 らららら ら〜 れふぁら〜 らしそふぁ〜 らしれ〜 どしら しそ〜」
めちゃバックの音が通ってて、透明度は高いのだが、ギターと比較するとかなりの音量である。
これが、メチャ元気で健康的な音なのだ。
通る声で明るく、透き通ってるっていうか、ノー天気風の底抜けな青空が広がっているという雰囲気というか。あっけらか〜ん。としたラテン風っていうか。(例えが、ちょっと悪いけど)
私的には、もっとノスタルジックな楽曲だと思っていたのだ。
それが・・・ はあ。ノリのよい、よく喋る少女のような声なのだ。
このオケと比べてしまうと、ギターが食われてしまっており、完全に食われているとしか言いようがない。
渋い素朴で、内気そうな音色が隠れてしまって、こりゃ〜聞き取りづらい。
ギターって、ヴァイオリンと比べると、かなり大きな楽器なのにねえ。
なんで〜小さくしか聞こえないんだろう。弦が長すぎなの? え〜わかんないなあ。

2楽章
ようやくギターが前面に出てきて、コーラングレ(イングリッシュホルン)と絡む。
「そふぁそ〜 そらし〜どしら そふぁそ〜 そらしど〜れ〜しららそふぁみふぁ〜 そみれみ〜ふぁれどれ〜」
この有名なフレーズは、ギターではない。なんと、コーラングレのフレーズなのだ。
そして、その後、「そふぁそ〜 そそら そふぁそ〜」 とギターがおもむろに入ってくる。
もちろん、このフレーズのなかで装飾音が入っているが、決定的に、コーラングレの甘い調べが耳に残り、 ギターは、ほとんど伴奏に回っている感じがする。
何度も言っちゃうが、オルフェウス室内管弦楽団は音色が明るい。少しBGM的になってしまう。

ギターのソロも、う〜ん。シンプルっていうか、こぶしには、粘りがあまりない。今風で、さっぱりしている。
男臭い、汗くさい、マッチョな演奏ではないので、さらり〜と聞くには良いかもしれない。
変奏曲になっているので、有名な主題が、アルペジオ風にギターのソロで奏でられているところがあり、そこは、聴きどころになっている。多少のタメはあるが、演歌風ではなく、ホントさっぱり系。
「れどれ〜 (しらし〜) れみ ふぁ〜そふぁみ れどれ〜(そふぁそ〜)
「れみふぁそ〜らら〜 ふぁみ みれ れどしど〜 れ〜しらしど〜らそら らしどしら ら〜そ〜」
このフレーズを、オケが結構ためて、ねばっこく演奏してくれているので、溜飲を下げるって感じ。

3楽章
「そそ どど れれ みっど ど れしど みふぁ そ そら ふぁみっど・・・」
軽やかな舞曲のフレーズが始まる。可愛いフレーズが続くし、ギターが前にでてくる。
でも、前に出てくるわりには、明瞭に聞き取りづらい。こもっているっていうか、ハッキリしないっていうか。
う〜ん。煮え切らない感じがするんですけど。
で、フレーズ自体も、ギターとバックが同じように踊っているのだが、う〜ん。喧嘩しているわけじゃーないけど、わりと単独行動って感じで、綺麗にハモることもないし、綺麗には絡まないんだなあ。と意外に感じてしまった。
オケの金管も、抑え気味だとは思うが、やっぱ開放的で、どちらかというとぶっ放しに近いかも。
真夏のアルハンブラ宮殿で、小さな噴水から、ふんだんに水が飛び出して、宮殿を潤しているような感じがする。
ギターより、ずーっとオケの方の印象が強く、ちょっとワタシ的には、イメージが違ってしまう。
健康的で伸びやかで、元気すぎかな。と思った演奏でした。
う〜ん 録音調整も難しいし、この雰囲気の調整も〜 とっても難しそうな楽曲です。


ジュリアン・ブリーム ラトル バーミンガム市交響楽団 1990年
Julian Bream
Simon Rattle
City of Birmingham Symphony Orchestra

ばっちグー!


録音状態は良い。とてもリズミカルな演奏で、まるでパーカッションのように弾み、ギターとオケの掛け合いがおもしろい。
カップリング:
1〜3 ロドリーゴ アランフェス協奏曲 (1990年)
4 武満徹 夢の縁へ (1992年)
5〜7 アーノルド ギター協奏曲(1991年)
このCDは、ジュリアン・ブリームさんのギターによる作品が集められている。
武満徹の作品を取りあげていたので購入したのだが、タケミツさんの楽曲は難しくて〜 ついつい、聴き慣れたアランフェス協奏曲を聴いてしまった。

ジュリアン・ブリームさんは、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
・・・1933年生まれのイギリス出身のクラシックギタリストである。ギタリストと言えばスペインという時代に活動を開始した世代である。ギタリスティックな表現を払拭し、普遍的な音楽性をギター演奏に持ち込み、スペインのギター音楽を斬新な切り口で解釈・演奏した。ルネサンス以前の音楽の演奏におけるパイオニア的存在でもあり、ビウェラやリュートも演奏した。1990年代後半からは、交通事故の後遺症と高齢から技術が衰え、2000年頃までに事実上引退した。
・・・とあった。

1楽章
キレ味が鋭く、細かなフレージングが刻まれていく。
ギターの動きも、細かく、ピンっと跳ねるというか、弾かれる音が、気持ち良いほどに入っている。
ワタシ的には、オケの方が、パーカッションのように、木管のリズミカルな動きがあって、おおっ、と驚かされるし、刻みが鋭い。ギターもオケも、繊細で鋭く、音が立ってピンピンっと、上に向かって、跳ねている、反射しているように動いている感じがする。オケも掻き鳴らしているので、情熱がないわけではないが、極めて機能的に動いている。
「らどみ〜み みみみ〜 らどみ〜み れそふぁみ〜 られみ れふぁみれみ〜」というフレーズになると歌うが、そこも、結構、さっぱりしている。
ギターの方も、まったりしているわけではなく、繊細な音でリズミカル。だが、やっぱりオケの方に耳がいってしまう。
チャカチャカチャカ チャン・・・と、音符が踊るかのように、流れるのではなく、終始弾んでいるのが、とても印象に残る。

2楽章
この楽章は、情熱的に歌いあげて、情感の籠もった熱い演奏が多いが、コーラングレの響きは、さすがに甘いが、とろっとしておらず、粘り気は少ない。現代的というか今風というか、サッパリしている。
でも、繊細だが強いタッチで描かれて、線の強さが出ている。
ギターのソロのところは、聴かせどころで、ボンっという残響きのなかで、細かな泣き節が入ってくるのだが、それが終わると、いっきに、オケが、ゲンダイオンガク風に、前につんのめるかのように無機質にならす。
また、ギターのソロで技巧的なフレーズを一気に奏でる。う〜ん なんだか斬新な響きというか、アグレッシブというか、弦の筈なのに、パーカッションのように聞こえてくる気がする。

3楽章
「そそ どど れれ みっど ど れしど みふぁ そ そら ふぁみっど・・・」というフレーズなのだが、なんともリズミカルで、几帳面な響きだが、ホントにパーカッション風に奏でられている。
ギターとオケの掛け合いがあるが、オケの方が、合いの手のなかで強調するフレーズを決めているようだ。
インパクトをつけて、メリハリを出している。ギターの音を消さないようにオケの方で、相当に神経を使って、強弱の調整をしているようだ。ミキシングで調整しているだけではないように思う。
金管のフレーズも、長くならないように歯切れ良く吹かれているし、全面的にリズム感があふれている。
ギターのソロだけを残して、オケは全て、パーカッションのようで〜 聴いていておもしろい。

村治佳織 山下一史 新日本フィル 1999年
Kaori Muraji

う〜ん。どうだろ


録音状態は極めて良い。
カップリング:
1〜3 ロドリーゴ アランフェス協奏曲
4 アーノルド ギターと弦楽のためのセレナード
5〜7 カステルヌオーヴォ=テデスコ ギター協奏曲第1番
8 ディアンス タンゴ・アン・スカイ 〜弦楽合奏版〜
このCDは、村治佳織さんが、二十歳過ぎの時の演奏だという。
作曲家のロドリーゴにお会いになった際のことが、CDのブックレットに詳細に記載されている。
演奏は、若い頃の演奏だからか、少し速めだが、しっかりとギターの音と、オケの音が、分離がされており、綺麗に聞こえる。すみだトリフォニーでの録音だが、奥行き感もあるし、透明度も高い。
ギターとオケの音量も、調整されているのだと思うが、違和感もなく、すんなり聴かせていただけた。

1楽章は、短い楽章だが、リズミカルだし、スマートだ。
2楽章は、この楽曲の聴かせどころ。コーラングレ(イングリッシュホルン)の主題が美しい楽章だが、う〜ん、まったりとした演奏とは、ちょっと言えないけれど、節回しも綺麗だし、瑞々しいなあと感じた。年齢を重ねていくごとに、どう演奏が変わっていかれるのかが楽しみだ。
3楽章は、歯切れが良いが、もっと明るくて速めでも良いかな〜っと思ったが、ギターの細かいパッセージがあるので、難しそう。オケの方は、木管の音が響きすぎるかな〜と思うが、この曲を、良い録音状態で聴けるのは、なかなか無いので、ワタシにとってはとても嬉しい1枚である。

確かに、若くて、もっと歌い込んで欲しいとか、もっと演出が欲しい〜とか、いろんな要望というか、思いはありますけれど、まだ二十歳の方に言うには酷でしょう。2007年には、同曲の新しい盤も出ているし、このCDにカップリングされている他の曲も、なかなかに楽しいので、またの機会にご紹介しようと思います。

ギターっていう楽器は、ワタシ的にはフォークというジャンル、または、ギンギンのハードロックなど、クラシック以外のジャンルで使われる楽器というイメージが強いです。
ワタシの一世代前は、猫も杓子も・・・的に、人気がありましたが、クラシックギターではなかったように思います。
もちろん、クロスオーバー的な分野もあるし、スペインにいっちゃ〜 フランメンコという独特の分野もあるし、掻き鳴らす、あの熱情的な楽曲も好きです。で、興味はつきないのですけれど・・・
クラシックのなかでは、やぱり、まだまだ馴染みが少ないのかもしれません。
この楽曲以降は、ギター協奏曲は、そこそこ作曲されているようなので〜 また機会があれば聴いてみようと思う。


1978年 P・ロメロ マリナー アカデミー室内管弦楽団 Ph  
1979年 イエペス ナバロ フィルハーモニア管弦楽団  
1980年 ボネル デュトワ モントリオール交響楽団 Dec  
1983年 ウィリアムス フレモー フィルハーモニア管弦楽団 SC ★★★★
1985年 フェルナンデス マルティネス イギリス室内管弦楽団 Dec ★★★
1989年 セルシェル   オルフェウス室内管弦楽団 ★★★
1990年 ブリーム ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI ★★★★★
1999年 村治佳織 山下一史 新日本フィル V ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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