「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

サン=サーンス チェロ協奏曲第1番
Saint-Saens: Cello Concerto No.1


サン=サーンスのチェロ協奏曲(イ短調 作品33)は、1872年に作曲されています。
サン=サーンスは1835年生まれなので、37歳頃の作品で、前後して、歌劇「サムソンとデリラ」、ピアノ協奏曲第4番や4つの交響詩が作曲されています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、この曲は73年に初演されており、第2番は、ちょっと間を置いた1902年に作曲されていますが、2番はほとんど演奏される機会がないそうです。

サン=サーンスのチェロを用いた作品は、次のとおりです。
1873年 チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33
1862年 組曲 作品16
1874年 ロマンス ヘ長調 作品36 ホルンでも演奏されます。
1875年 アレグロ・アパショナート ロ短調 作品43
1902年 チェロ協奏曲第2番ニ短調 作品119

さて、チェロ協奏曲第1番は、全3楽章が切れ目なく演奏されるもので、シューマンのチェロ協奏曲と同じ構成です。
サン=サーンスの場合はかなり徹底していて、全体が3つの部分からなる単一の楽章となっています。また各部の構成にも、伝統的な形式に縛られない創意を見ることができるとのこと。

第1部 イ短調 2分の2拍子 自由なソナタ形式。オーケストラの一撃に続き、独奏チェロが3連符を中心にした第1主題を力強く奏でる。ゆるやかな第2主題もチェロによって奏される。再現部は極端に圧縮され、第2主題が原調で再現されると終止しないまま次の部分に移る。
 
第2部 変ロ長調 4分の3拍子 3部形式。弦楽の弱奏から始まる、軽快なメヌエット風の部分。主部の再現の直前にはチェロの短いカデンツァがはさまれる。

第3部 イ短調 2分の2拍子 第1部の第1主題が回帰して始まり、全体としてはこの主題を両端に置いたアーチ構造をとる。コーダには第1部の小結尾に現れた主題も再現され、全曲の統一を強める。

ヨー・ヨー・マ マゼール フランス国立管弦楽団 1980年
Yo-Yo Ma Lorin Maazel Orchestre national de France

ばっちグー!


録音状態は良い。軽やかで爽やかな演奏である。
カップリング:
1 サン=サーンス チェロ協奏曲
2〜4 ラロ チェロ協奏
シューマンのチェロ協奏曲も含めてカップリングしている盤もある。
確かこのCDは、実質上、ヨーヨー・マさんのデビューアルバムだったと思う。
マさんが有名になってから購入したように思うが、ワタシが所有しているのは、2曲だけの収録。シューマンのチェロ協奏曲も含めて3つの協奏曲をカップリングしている盤もあるようだ。レーベルのSCは、ジャケットもカップリングも変わるのだが、もちろん、今も現役盤である。

で、サン・サーンスのチェロ協奏曲は、
冒頭、オケのアタッカで、でてくるところが印象的だ。「しっ ふぁ〜みれど みれど しらそら ふぁ そぉ〜ふぁ ふぁ そぉ〜ふぁ しぃ〜らそふぁら みれどし・・・」
とても早口で弾かれるので、ふぁ そぉ〜ふぁ ふぁ そぉ〜ふぁ ってところぐらいしか、音が書けないぐらい。
この早口3連符の主題が、繰り返されるのだが、たたぁ〜た たたぁ〜た と、良く流れて歌う。
このキレと軽妙さが、とてもいいなあ〜 こんな爽やかだっけ。
以前、イッサリースさんのチェロで聴いたときには、渋すぎて〜 超渋くて重い赤ワインを飲んだ後のように、舌にざらっとした感覚が残ったような気がする。
しかし、この盤で聴いた感じでは、爽やかで、こんなにも違うとは、ちょっと驚きだ。マゼールさんの振るオケの素速い動きがが、語り口が軽やかで爽やかな印象を残るのだろう。
また、「そぉ〜 ふぁそらふぁ らっら そぉ〜 みっふぁっみ・・・」と、チクタク時計のような主題が登場する。
優しい雰囲気のフレーズが、可愛い。フルートや木管が、同じ主題を奏でており、う〜ん ちょっと、チャイコのバレエ音楽のようで〜 舞台で、少女がバレエを踊っているような感じがする。

3部では、最初の主題が戻ってくる。
チェロが、「ふぁぁ〜 みれどし らそふぁみ ど れぇ〜どっ」って感じで、これが何度か繰り返され、またオケも同じ主題を奏でており、チェロが伴奏を務めたりする。木管フレーズも色彩的な音が響き、さりげないながらも、オケの歯切れの良さを感じて、ロマンティックだが、オケが素速くリズムを刻み、チェロも甘すぎず渋すぎず・・・。
朝、早くに目覚めて、ストレッチをし、軽いスポーツを楽しんでいるかのような、そんな伸びやかさを感じる。
チェロの開放的で、軽やかなタッチ、軽妙さや流麗さが、とっても清々しい。
マット・ハイモヴィッツ レヴァイン シカゴ交響楽団 1988年
Matt Haimovitz  James Levine Chicago Symphony Orchestra



録音状態は良い。しなやかな旋律で、綺麗な美音で綴られる。ハイモヴィッツさんのデビュー盤だったと思う。
カップリング:1〜3 ラロ チェロ協奏曲4 ブルッフ コル・ニドライ(作品47)
5〜7 サン=サーンス チェロ協奏曲第1番
1楽章
冒頭、オケのしっ!「ふぁ〜みれどみれど しらそらふぁ そぉ〜ふぁ ふぁそぉ〜ふぁ」というところはインパクトがある。
で、とっても柔らかいフレーズで、3連符のフレーズの主題が飛び出してくる。
木管が、その主題を奏で、ヴァイオリンが、同じような雰囲気で勢いがあるのだが、すぐに、この後、ふわーっと緩い静かになってしまう。再び、冒頭のフレーズが入ってくるが短い。

200CDファイオリン 〜弦楽器の名曲・名盤を聴く〜という本を読んでみると、独奏チェロは冒頭から、高音域を駆け抜け、8分音符で重音が続く。展開部でもエットラオッチラと地味な労働をさせられる。
第2楽章のピアニッシモの歌では、センスの良さと軽みも不可欠。もったいないほどの素材を投入して駆け抜ける終楽章。 せっかく出てきた素敵な旋律が放りっぱなしになったり。
上手で音が綺麗であればあるほど良い。極端に言えば、上手でさえあれば格好が付き、大喝采が確実な曲なのだ。
体力や構築力はさほど要求されないので、ヴィルトゥオーゾの卵が盛んに弾くのも当然だろう。・・・
この盤については、達者なチェロが良く聴こえるので曲を知るには最適。
重音がまるで濁らないのは怖ろしい限り。音の綺麗さではチェロという楽器の常識をあっさり破った天才である。
なーんて書いてあった。

2楽章は、穏やかな楽章で弦で綴られ、また軽快なフレーズもある。
聴き応えもあるが、これはマさんの演奏を聴いてみたいな〜と思う。イッサーリスさんの演奏を聴いた時には、初めてだったためもあって、眠い〜って思ったこともあるが、チェロの音質は、やっぱり基本的には穏やかな声で、 人の声に近いと言われる音域なので、ここだけでも、やっぱり聴いていると、ふわっと穏やかに、そしてしみじみ、そして、カデンツァの部分には耳を傾けることができる〜というのは確かだと思う。 また、ここでは、チェロの技巧というよりは、チェロの音に素直に耳を澄ますということに注力できるのではないだろうか。

3楽章は、1楽章の冒頭のフレーズが帰ってくるので、全体的には一貫性があるのだな〜とは思うのだが、なんだか、この主題のみが存在するだけで、あとは、ちょっとインパクトが少ない。
速いフレーズが、メジロ押しだし、確かに重音の部分も、綺麗な音が聞こえてくる。
チェロと言うより、ヴァイオリンのような感じだ。 速いパッセージを、みごとに弾きぬけていく。
まあ、改めてチェロを聴いて、 この楽器の音域の広さと、いろんな音色で、ロマンティックにも枯れた風合いにもなることを知ったような気がする。また、いろんな楽曲を聴いていきたいと思う。
イッサーリス  ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1992年
Steven Isserlis  Michael Tilson Thomas
London Symphony Orchestra

う〜ん。どうだろ

録音状態は良い。ガット弦を使用しており、渋い音色が特徴だ。
1〜3 サン=サーンス チェロ協奏曲第1番 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1992年 
4〜5 サン=サーンス チェロ協奏曲第2番 エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団 1999年
6 ミューズと詩人たち(La Muse et le poete) 作品132 ヴァイオリ、チェロと管弦楽  1999年
  ヴァイオリン:ジョシュア・ベル
7〜11 チェロと管弦楽のための組曲(組曲ニ短調)Op,16プレリュード、セレナーデ、スケルツォ、ロマンス、ファイナル
12 祈り(Priere)Op.158 オルガン:フランシス・グリエール 1993年

チェロ協奏曲は、う〜ん。正直言って、あまり聴かない。
思い浮かべても、ドヴォルザーク、エルガーの作品ぐらいしか、すぐには出てこず、サン=サーンスのチェロ協奏曲を聴いたのは、たぶん初めだと思う。オケのなかで奏でられると、チェロの音色は甘く、とっても好きなのだが、ソロや協奏曲で聴くと、 いっきに渋いな〜という音に聞こえてしまって、どこか敬遠しがちである。
どうして印象が異なるのか・・・ 低い音になればなるほど、渋く〜なる。
この前、たまたまCD棚を、ごそごそ整理していたら、イッサーリス盤が出てきたのだが、サン=サーンスの当曲の所有盤を調べても、数枚程度しかなかった。
イッサーリスさんの演奏は、ガットの弦を使用されているが、素人なので、正直、違いがさっぱりわからないのである。
重い、渋い〜という感じで、ざらっとしている。

正直、冒頭の「たぁ〜ら たら らら らららら・・・」と、雪崩れ落ちするとこは、とてもインパクトがあるのだが、その後が続かない。2部のメヌエット部分になると、ふっと記憶が飛んでしまい、寝てしまいそうになる。
で、3部の主題が回帰したところで、はっと気づいて、でも、また、記憶が薄れてしまった。
冒頭から、チェロで。「しっ! ふぁ〜みれど みれど しらそふぁ ふぁっそぉ〜ふぁ ふぁそぉ〜ふぁ」
「しぃ〜ら そらそ ふぁみし れぇ〜 しぃ〜ら そふぁ・・・」
わっ 速すぎて音がわからない。で、オケも、「ふぁぁあ〜 みれどしらそふぁ・・・」と同じフレーズを奏でる。

木管が単独で吹いていたりするのだが、この3連符が速くて、艶のあるオケだな〜と感じたものの、愉悦性という点では、どうだろう。いくらなんでも、同じフレーズを続けられてしまうと、退屈してしまって、練習曲のように感じてしまった。
たかだか20分弱なのだが、どうも馴染めないのだ。暗いっ。渋いっ。
まずは、他盤を聴いて、比較してみないと・・・と思っている。

1977年 ロストロポーヴィチ ジュリーニ ロンドン・フィル EMI  
1980年 ヨー・ヨー・マ マゼール フランス国立管弦楽団 SC ★★★★
1988年 ハイモヴィッツ レヴァイン シカゴ交響楽団 ★★★★
1992年 イッサリース M・T・トーマス ロンドン交響楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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