「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番
Shostakovich: Piano Concerto No.1


ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番(ハ短調 作品35)は、1933年に作曲されていて、正式の名称は、「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」といいます。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

4つの楽章で構成されており、実際には、いくつかの部分が、全てアタッカ続く単一楽章の作品として見なすことができるもので、約20分の楽曲です。
第1楽章 アレグレット
第2楽章 レント
第3楽章 モデラート とても短く、独立した楽章というよりは、終楽章の導入部とも言えます。
第4楽章 アレグロ・コン・ブリオ

で、自作や他人の作品からの引用が、全曲に散りばめられているのが特徴です。特に「24の前奏曲」との類似してて、劇付随音楽「ハムレット」からも引用がみられるとか。
そのほかにも、第1楽章の第1主題はベートーヴェンの熱情ソナタが、ハイドンのピアノ・ソナタとか、なんだか、イッパイ絡みついてるそうですが、作品はシニカルな性格があり、「正しくない調性」への横滑り、特殊奏法の要求やアンバランスな音色による風変わりな楽器法、ロシア音楽に伝統的な歌謡性の否定、リズミカルな楽想への極端な依存によって、当て擦りのような印象がもたらされているとのこと。
トランペットは、皮肉っぽい合の手を入れ、ピアノの走句のユーモアやウィットを醸し出しているし、う〜ん、若い頃の作品の割には、なんだか長けているというか〜 巧みというか、かなりクセモノです。

  アルゲリッチ イェルク・フェルバー ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団
1993年  Maria Argerich  Jörg Faerber
Württembergisches Kammerorchesters Heilbronn

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。スリリングに、即興性高く、爆発的で、テンションマックス状態に〜
カップリング:
1〜4 ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番
5〜7 ハイドン ピアノ協奏曲ニ長調(第11番)
1楽章
ショスタコのピアノ協奏曲は、生オケで1度聴いたことがある。小曽根真さんの京響との演奏会で、活き活きと、即興的に弾かれていたのが印象に残っている。
アルゲリッチさんの演奏も、豪快で痛快、自由奔放という感じがするが、とっても繊細だ。
まずは、
ピアノが、ぱらららら〜 金管のれぇ〜 られっ!と吹かれ、短い導入があって直ぐに、ピアノが主題を奏でていくのだが、ここがベートーヴェンの熱情に似ているという。
でも、すぐにピアノが跳ねて、駆けて行ってしまう。
おどけた風に短いパッセージがあったり、どっかで聴いたようなフレーズが出てきたり、唐突に楽しくトランペットが吹かれたり、性質の違う短いフレーズが、パッチワークのように繋がっていく。
気分がころころ変わっていくのだが、トランペットが重要な役割をしていて、沈み込んでいくところで、夜のムードを醸し出したりする。
ただ、全容を緻密に語るには、難しい楽曲で〜 多面的というか、複層的というか、いくつもの顔を持ってて、つかみどころがないというか、謎めいている。
その分、聴いてて飽きないで、何度も繰り返して聴けちゃうのだが・・・。
とにかく、あちこちに顔を出しては、忙しいフリをして笑っているかのような、人を食ったようなケッタイナ楽曲である。

2楽章
まあ、うって変わって、どうしてこうも、意気消沈した暗い曲になるんだろうと思わせる楽章だ。
これも人を食ってるんだろう〜と、勘ぐってしまうのだけど、何を言っているのやらわからないぐらい、モソモソ。
弦楽合奏だけで、静かにうねりを持って、モゾモゾ。お前は軟体動物になっちまったのかぁ〜というほど、動きが止まってしまうのだ。まあ、綺麗な音ではあるのだけど、ピアノは、黒光りしつつ、弦のフレーズとは、ほとんど相容れないまま、バックに従えて、悲劇風な大仰なフレーズとなって低音の響きを静かに叩く。
いったん静まったあと、ソロのトランペットが、静かに綴っていくのだが、疲れ果てた都会のサラリーマンが、夜、眠たい〜と言っているかのような感じだ。

3楽章
ピアノがパラパラと煌めく音を夢幻のように奏で、低音の弦が、ジャン ジャンっと音を立てて、歌いながら次の楽章へと流れて行く。

4楽章
この楽章は、1楽章と同様に忙しく駆け回っていくもので、まるで、柵を壊して飛び出しちゃったような駿馬のようだ。
打楽器風にピアノは細かく叩かれ、リズミカルなのだが、とっても速い。
そこに、トランペットが重なって吹かれるのだけど、調子はずれのフレーズっぽく、オケの方も、なんだか、壊れちゃったの?というほど、オチャラケ風になってしまう。
なんだか、オモチャ箱をひっくりかえしたかのような、楽しさがあり、暴れハッチャク、したい放題という無邪気だ。
ワルツのようになって、「どっ ふぁ〜 そらし どっら〜 ど しっそぉ〜 れ らっふぁ〜」とトランペットが歌うが、段々と調子がはずれていってしまう。
まあ、そこからは、どう表現したらよいやら。
トランペットの邪魔をピアノが始めるし、ピアノのソロに至るや、テンションマックスなのだ。えへへ〜 やっちまおうぜ〜というノリノリの感じで、即興的に奏でる。
トランペットは、「れふぁふぁ れふぁれふぁれ〜っ」と、勝手に吹いていくし、この駆け引きには笑えてしまう。
やっぱ壊れたんだ。
アハハ〜 といいつつも、この速さで、駆け抜けて行くピアノとトランペットのテクニックは、恐れ入る。
まあ、ホント、いつ聴いても、ラストは、ゼンマイで動く、シンバルを叩くオモチャのお猿のようになっているのだ。

まあ、パロディをつなぎ合わせた楽曲とも言えるのだろうけど、元々の曲を、ワタシ的には、まず知らないわけで〜
歌謡風フレーズが出てきたり、ジャズのようでもあり、マジメな顔をして、舌を出しているかのような、スリリングで、オチャメ。いろんな場面に遭遇して、あっという間に終わってしまう。
限られた時間のなかを、駆け足で巡るかのような楽曲で、ホント聴いてて、あっという間に駆け抜けてしまう。
アルゲリッチ盤で、1楽章は6分5秒、ちなみに2楽章は8分23秒、3楽章はたった1分43秒、4楽章は6分31秒というクレジットになっている。

1993年 アルゲリッチ フェルバー ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団 ★★★★★
所有盤を整理中です。

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