「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ヴォーン・ウィリアムズ ヴァイオリン協奏曲 コンチェルト・アカデミコ
Ralph Vaughan Williams: Violin Concerto in d minor (Accademico)


プレヴィン ロンドン交響楽団 1972年
Andre Previn London Symphony
ヴァイオリン:ジェームズ・バスウェル James Oliver Buswell

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。
カップリング:1〜4 交響曲第2番「ロンドン」
5〜7 ヴァイオリン協奏曲 「コンチェルト・アカデミコ」
8 アリストファネス組曲「スズメバチ」序曲
ヴォーン・ウィリアムズ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(コンチェルト・アカデミコ)
Vaughan Williams Violin Concerto in d minor (Accademico)

この ヴァイオリン協奏曲は、1925年に作曲されている。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
ハンガリー出身の女性ヴァイオリニスト、イェリー・ダラーニのために書かれた作品であるとのこと。このヴァイオリニストは、大おじにヨーゼフ・ヨアヒムがいるそうで、姉妹で有名なヴァイオリニストだったようだ。
彼女のために、バルトークの2曲のソナタ(第1番、第2番)、ラヴェルの「ツィガーヌ」なども書かれているそうだ。
で、当初は「コンチェルト・アカデミコ」(Concerto Accademico, アカデミックな協奏曲)という副題がつけられていたが、後には、これは削除されているとのこと。

曲は独奏ヴァイオリンと弦楽合奏という簡素な編成で書かれており、バッハ風の新古典主義的な協奏曲といえる。

第1楽章 アレグロ・ペザンテ
第2楽章 アダージョ - トランクイロ
第3楽章 プレスト
以上、3楽章から構成されており、全曲で約17分の楽曲である。

「みっし〜 どっふぁ〜 ふぁられ れ〜みれ みられ〜 れれれれ・・・」
「らしどし られれれ らしどれ みふぁ ふぁそらし らみみみ・・・ そららら・・・」って感じの曲である。
バッハへのオマージュだと言われているが、確かに穏やかなフレーズだが、元気があって、とても親しみやすい。
オケは小編成で、弦楽合奏だ。
まあ、ヴァイオリン協奏曲とは言うものの、弦楽合奏という雰囲気を多く持っている。

で、この楽章は、キャピキャピしているのだが、品良くカッチリした構成なので、穏やかに聞こえる。教会旋法な雰囲気を持っているし、ヨナ抜き雰囲気もあるし、田園風景が漂い、どこかノスタルジックな雰囲気を持っているので、取っつきやすい。弦の「れれれれ・・・ らみみみ・・・」というところの力強いリズム感に、まずひきこまれる。
旋律自体は、とてもシンプルで歌謡風で、すぐに口ずさめちゃう感がある。
多分、最初に聴いて嫌になる人はいないんじゃーないだろうか。もっと、聴かれても良い曲だとは思うんだけどなあ。

2楽章は、とても静かで穏やかなフレーズが満載だ。
「らぁ〜ど しみら〜 らみ〜 れみふぁ そふぁみ〜 みぃらそみ らそみ〜・・・」
という感じのグリーンスリーブスによる幻想曲に似た雰囲気があり、ヴァイオリンのソロも入って、鎮静剤のような効果が期待されるような曲だ。夢のなかの物語のような、繊細で、和音の美しい、水彩の風景画を見ているような感がする。
これは、癒やしが得られるでしょうねえ。

3楽章は、細かなフレーズが運動体のようになっており、エネルギーを貯めては発散するような感じで、跳躍する楽章だ。
舞踊風なのだが、アクの強いものではなく、「らみみ そらら しどど ふぁらら ら〜れど・・・」と、細かやに動くもの。
すごい跳躍をしないかわりに、穏やかに限定された範囲を動きまわっている感じ。
農村のフォークソングって感もしないことはないが、古典的な柔らかさ、艶やかさを持っている短い曲だ。

超インパクトのある協奏曲ではない、さりげない日常にあるような楽曲で、小品だし、CDは少ない。
演奏会でもとりあげてくれたらいいのだが、まあ、わざわざ、ソリストを呼んでくるような曲でもないか。また、ソロを務めてくれるヴァイオリン奏者がいないかもしれないなあ〜と、ど素人感覚で思ってしまった。
んじゃ、自分ちのオケのコンマスがソロすればいいじゃん。
ヴァイオリン協奏曲として、丁々発止を期待するとダメである。
(まあ、V・ウィリアムズにそれを期待する人は、ほとんどいないと思うが・・・)

とても静かでこぢんまりしたもの。なので、どこかバロック的な雰囲気がする。弦だけのオケに、ソロのヴァイオリンが乗っかっているので、旋律が、オケとヴァイオリンの2本で対位法的に構成されているようだ。
とても平和的で穏やか、和む要素があり、それでいて、教会旋法のなかにも活気あるもの。
イギリスの作曲家って、どうしてこんなにも日本人のDNAに近親感を抱かせる作品を書くのだろう〜と思ってしまうが、いやそうではなく、イギリスから輸入された作品が、日本人のなかに定着したからなのかもしれない・・・。


アリストファネス組曲「スズメバチ」序曲
Overture to "the Wasps"

ついでに、このCDの8曲目に集録されているスズメバチ序曲は、劇付随音楽である。
ティンパニーの音と、ぶぶ ぶぶ〜んというスズメバチの飛んでいるさまが、弦によって表され、劇の幕開けのようなフレーズに変わる。
「そっら しっら そふぁみふぁ そっら しっら そらそふぁ それそれ そっら しれ みそみれ みれみれ〜っ」て感じで、まるで中国風活劇みたいな楽曲というか、途中で映画音楽のようになっていく。
「そっら しっら そふぁみふぁ・・・」というフレーズを繰り返す。
へ? ちょっと変わったスパイスの効いた楽曲だ。ペンタトニック つまり5音階なんですね。

調性の不思議さがあり、エキゾチックというか、中国風というか〜 とても、イギリスとは思えないんだけど、シャンシャンと打楽器と金管で描かれて、大太鼓まで入ってくる楽しそうな劇音楽だ。

完全な劇だと約1時間45分のものらしいが、管弦楽組曲にも編曲しているようで、5つの組曲になっているようだ。
ここに収録されているのは、その内の最初の序曲なのだ。
どうやら、劇そのものは、司法社会を皮肉ったモノらしいのだが、スズメバチの一刺って昔、あったような〜
楽曲は、R・コルサコフの熊ん蜂の飛行とは異なり、オリエンタルチックな序曲ということで楽しめる小品だ。
吹奏楽にも編曲されているのだろうか、軽妙でコミカルさを感じるもの。
弦も金管もメロディーラインを奏でるので、演奏会の幕開けにでも、使えば結構インパクトがありそうな楽曲だ。
もちろん親しみやすいし、子供向けの演奏会でもプログラムにも入れられそうだし、印象に残る小品である。
このプレヴィン盤だと、8分59秒の楽曲となっている。

1972年 バスウェル プレヴィン ロンドン交響楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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