「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
Vivaldi: Le Quattro Stagioni (The Four Seasons)


ヴィヴァルディの「四季」は、12楽章のヴァイオリン協奏曲集で、「和声と創意への試み」(作品8)のなかの1楽章から4楽章までの4曲を指します。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
「四季」の各協奏曲は、各3楽章で構成されており、それぞれの楽章にはソネットが付されています。
独奏ヴァイオリン、第1・2ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音(チェロ、ヴィオローネ、ポジティブ・オルガン:英語版)で演奏されます。通奏低音は、イ・ムジチ合奏団などが、チェンバロ等を用いています。

第1番 ホ長調 「春」RV.269:アレグロ ラルゴ アレグロ(田園曲のダンス)
第2番 ト短調 「夏」RV.315:アレグロ・ノン・モルト−アレグロ、アレグロ・プレスト・アダージョ、プレスト(夏の嵐)
第3番 ヘ長調 「秋」RV.293:アレグロ(小作農のダンスと歌)、アダージョ・モルト(よっぱらいの居眠り)、アレグロ(狩り)
第4番 ヘ短調 「冬」RV.297:アレグロ・ノン・モルト、ラルゴ、アレグロ

春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら祝っている。小川のせせらぎ、風が優しく撫でる。・・・という、ソネットを読みながら聴くのが楽しい楽曲で、とっても親しみやすい、わかりやすい楽曲です。

イ・ムジチ フェリックス・アーヨ 1959年
I Musici
Felix Ayo

 → 

1959年っていうから、50年以上経っている相当に古い時代の録音なのだが、録音状態は信じられないほどに良い。
重厚で、エレガントで、滑らかすぎるほど滑らかである。
ちょっと時代がかっており、最初は、えぇ〜っと驚いていたが、これぐらいやられると、ノックアウト。参りました。

ヴィヴァルディの四季を、何年ぶりかに聴いてみようと取り出したのだが、本当に、ウッソ〜って思うほど良い。
で、このアーヨさんがヴァイオリンを弾いている盤は、イ・ムジチの四季録音の2回目になる録音だと思う。そして、ヴィヴァルディの四季って言えば、このイ・ムジチ盤ということで、すごくブームになった時代があるらしい。 1家に1台TVどころか、今では1人TVはあたりまえ、ブラウン管から薄型液晶TVへと変遷した。
高度成長期になるのだろうか、ステレオ つまりオーディオ・セットなるものが流行りだした時、1家に1枚って感じで、このレコードが買われたようである。(←私自身は、リアルタイムで知らないので、これはオーバーだと思うんだけどね。)  まっ そんな爆発的に売れたという歴史的な盤らしい。

で、改めて聴いてみたのだが〜 う〜ん。すごい流麗で、重みたっぷりの恐ろしくエレガントな演奏だ。
カラヤンも真っ青なレガート奏法というか、コテコテというかテカテカというか、そのくせ上品っぽく豪華。 ゴージャスなのだ。
う〜ん。すげっ こんな演奏が流行っていたのか。
ポピュラーな「春」の冒頭など、春めいてきたな〜という雰囲気より、はるかに暑苦しい春で、日本の風情で例えると、染井吉野ではなく、ぼってっとした八重桜だ。
いや、こりゃ〜 例えると、牡丹(ぼたん)でありましょう。
しかし、これがみごとにハマル。
他の盤を、ちょこっとだけ聞き比べてみたのだが、アーヨ盤を聴いてしまうと、他が中味のないスカスカのように聞こえてきて。あちゃ〜 
アーヨ盤は、豊かな響きで、かなりの低音が入っている。ヴァイオリンの弾き方も、滑らかすぎるほど滑らかに音が継がれていく。時代遅れじゃないのかな〜とは思うものの、まるで宮殿でのサロン風演奏で 、優雅なこと、このうえなく、別世界に連れて行かれる。
確かに、テンポはゆったりしている。最初は、てれ〜っと続く旋律に恐れをなしたのだが、春だけは重苦しいものの、夏へと季節が巡っていくと、伸びやかに気持ちよく、すっと聴け、耳に馴染んでくる。
これは、もっとシッカリと聞かなくては・・・。

で、もうひとつ・・・ このヴィヴァルディの「四季」は、ヴァイオリン協奏曲というカテゴリーに整理されている。
ん? どうしてだろうと、改めて調べてみると、12曲のヴァイオリン協奏曲集「和声と創意への試み」という作品のなかの4曲が、四季と言われているのだ。
あちゃ〜 これは知らなかった。お恥ずかしいっ。
古楽器で演奏するスタイルや、ピリオドという奏法が流行った時、バロックやモーツァルトは 、敬遠してしまったため、すっかりベートーヴェン以前は、疎遠に〜 で、私の頭のなかでは、四季=イ・ムジチという構図になってしまっており、弦楽合奏曲ぐらいに考えていた。
最近は、ムターやムローヴァなどの有名なヴァイオリニストが演奏している盤が出ているのだが、それは知っていても、ヴァイオリン協奏曲だとは思い至らず。あ〜 恥ずかしいっ。メチャ未熟者である。
そんなわけで、次回、掲載するときには、各楽章、春夏秋冬ごとに、しっかり聴いてUPします。 ごめんなさい。(謝)


クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1982年
Christopher Hogwood
Academy of Ancient Music

録音状態は良い。古楽器を使用した盤で、原盤はオワゾリール。
古風な雰囲気で、懐かしい感じがして和む。

ホグウッド盤は、古楽器を使用しているとのことだ。この分野は、さっぱり勉強していないので、どんなモノかのか、詳細にはわからない。で、最初、春の冒頭を聴いた時、こりゃ〜マンドリンの合奏盤かと思った。
ヴァイオリンは、ヴァイオリンの音色がしているのだが、下支えをしている弦が、まろやかで豊かに響くこと。渋い低い声がすることから、胴部分が広いんだろうな〜っと思ったのだ。
で、マンドリン? ってなワケないのに。(笑)

調べてみたら、バロック・ギターと、アーチ・リュートを使用しているとのことだった。
テンポは幾分速めだが、妙に古風だが粋な感じがする。全体的に響きは柔らかい。

春の冒頭は、幾分、拍子抜け気味に感じる。イ・ムジチ盤が、耳タコ状態になっている人も多いだろうし、ムジチ盤がインパクト強すぎて〜 分が悪いかもしれない。
しかし、繰り返し聞いていると、人気のない昼下がり、草原や木々の下で聴いているような雰囲気になってきて、田舎風というか、牧歌的な響きに和まされてくる。
なんの変哲もないくせに、すっと入り込んでくるような〜 ちょっとした 昔なじみの友人に会った雰囲気というか、人なつっこい雰囲気がしてくる。
暖かく、そして充分な重量感もある。太い梁の通った木造の古民家というか、藁葺きの家というか、 とにかく田舎風情が漂う。イ・ムジチのアーヨ盤だと、宮廷音楽っぽい上品さがあるが、こちらは懐かしいような音色なのだ。
かなり雰囲気が違いますよね。
春は凡庸にも感じてしまうかもしれないが、夏の章では、弦が、かき鳴らされるフレーズで、低音が充分に鳴っているので迫力が出てくるし、テンポも速く。う〜ん  なかなかに聴き応えがありました。


ファビオ・ビオンディ  エウローパ・ガランテ 1991年
Fabio Biondi Europa Galante

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は極めて良い。挑発的でスリリングな演奏として有名になった盤である。
カップリング:
1〜12  ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲四季
13〜15 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲ハ長調 RV171
16〜18 ヴィヴァルディ 弦楽のための協奏曲「コンカ」RV163
91年の録音のビオンディさんの演奏は、当時80万枚も売れたという超有名盤だそうである。
レーベルは、「opus111」という。

ものすごく過激な演奏ということで興味本位で買ったが、これは面白いっ。
久しぶりで聴いたが、やっぱり〜 カシカシ、ガシガシっと軋ませて挑発的というか、既成概念を打ち破ろうとする演奏というか、ビートの効いたノリノリ感がある。
跳躍感が、すごく感じられ、力強く勢いがあり、で、スリリングだ。
声が裏がえっているところもあるが〜 理屈抜きで、ワクワクさせられる。ビートが効いた音楽は、やっぱり理屈抜きで楽しいし、そんな爆演って感じはしないし、過激すぎる〜というわけでもない。
アンサンブルもキッチリしているし、汚い音を撒き散らした演奏ってワケでは無い。ホールトーンも充分にある極めて良い録音だ。 きちんとした間合いもあるし、歌うところは歌っているし〜 気持ち良い。

そりゃ〜 イ・ムジチの流麗で厚ぼったい美音で包まれた演奏も良いものだが、若い時には、これだけ、バリバリ系にビートを効かせて、イケイケで走っちゃう演奏も嬉しいのではないだろうか。
同じ演奏者の2000年の録音盤もあるが、そっちのほうが、より一層過激度が増しているので、91年の当CDは穏やかな演奏の方なのだ。

春は、はれやかで〜穏やかな演奏だが、2番の夏、それも3楽章のプレスト(夏の嵐)は、呆気にとられるほど凄い。
冒頭より、低弦の響きは相当に分厚く、スピード感があり、エッジが鋭く、弦が切れるのでは〜と心配するほどだ。
タッチが鋭く、鋭角を立てて、細かく震える音が、なんとも不気味だ。
こりゃー 風速何メートルだっ。という感じで、弦のパッセージは目が回るほどの快速だし、ヴァイオリン以外の低弦の響きは、相当分厚い。
弦の激しさ、弦の厳しさ、弦の汚さ、 弦の軋ませたリアルな音があり、火が噴いているかのように熱いっ。この場面だけをチョイスして聴くだけでも、なかなかに楽しめる。

もちろん秋に入ると〜 しっとり気味に演奏されているが、3楽章は、力強く演奏されてて、アクセントがしっかりついている。ピッチが低いからか、特に低弦の音にメリハリがあり、ドスのきいた声って感じだ。
冬は、ダイハツのムーヴだっけ、車のCMに使われてた楽曲なので、馴染みがあるし、細かなフレーズも力強く、キレキレ状態のキレの良い音だ。
2楽章のソロ部分は、腰のあるピチカートのうえを、美しく抒情的に奏でており、ホント、多彩だ。
やっぱり、低弦の力強く快速で飛ばす楽章が、イチバンの聴き所となっている。

ホントに久々に聴いたが、ビートの効いた演奏はカラダに直接的に訴えてくる。
まっ 邪道って言われかねないかもしれないけれど〜 これだけ、ガッシっとした、ざらついた、野趣あふれ〜
どこか、野生動物的な感じのする四季も良いのではないだろうか。
ワタシ的には、てれ〜とした演奏よりも楽しめます。って、元気な時のみという条件がつきますが。(笑)


イル・ジャルディーノ・アルモニコ 1993年
 Il Giardino Armonico

ひぇーぇぇ〜    ガタガタガタ・・・    

録音状態は良い。おっとりと聴ける演奏ではなく、ゲンダイオンガクのように聞こえちゃう四季で、起伏の激しい演奏である。

1〜12  和声と創意への試み 作品8 協奏曲集「四季」
13〜15 和声と創意への試み 作品8-9 オーボエ協奏曲RV454 
16〜18 和声と創意への試み 作品8-8 ト短調 RV332  
イル・ジャルディーノ・アルモニコ(←ユニットの名称)の四季である。
いろんなカップリングで発売されているのか、ワタシが所有しているCDは輸入盤で、四季の他に、オーボエ協奏曲と協奏曲ト短調が収録されている。同じジャケット写真のCDでも、カップリングの異なるものもあるようだ。

すごくビートの効いた、熱いガンガンの演奏だとの触れ込みで、大ヒットしていたように記憶するのだけど、久々に聴いたが、う〜ん さほどそう思わないのは、どうしたものなのかな〜
耳が慣れちゃったからかもしれないと、 おっとりとした気分で、1曲目の春を聴いていた。

しかし、このアルモニコ盤は、ちっとも春らしくない、うららかな〜 ウキウキとした春ではなく、冷え冷えとした春で、肌寒い、花冷えのような春なのだ。
イ・ムジチ盤で聴くと、むせっかえるような春、爛漫・・・という春だったが、どこが、春なのよぉ〜 寒いヤンっ。
なんだか、悲しいのか〜 新学期になって行くのが嫌だ〜と、ダダをこねてる新1年生の落ち込んでるかのような心境の春みたいで、なんだか、気分が鬱々してくる。

で、2曲目の夏になると、これがまた、鬱々としており、ハッキリしない。
ヴァイオリンの細かいフレーズが、鬱々と聞こえてくる。で、低弦がはいってくると馬力が出るのだが、これも沈静しちゃう。
しかし、遠いところで光りが放たれているかのようなヴァイオリンの音色が聞こえると、いきなり、ガガガ・・・ ギシギシ言い出して、爆発するというか、バシっ という音が出てくる。ひぃ〜っ!

かしげた弦が、きな臭い音を立てているというか、爆発的、瞬発的な音が、ところどころ飛びだしてくるので、驚かされる。
しかし、瞬発的すぎて、なんだか病的で〜 あとは、ウツウツ・・・
なんだか、散発的で、フレーズとして繋がっていないので、どうも気味が悪い。

聴きどころは、夏の第3楽章(インデックス:6)プレストである。
ここは、やっぱ、すごい! 弦が切れそうなほど、強いアタックで、キツ〜いボーイングだ。
今まで聴いたことのないような、力強い不協和音の響きで、ホントに、きな臭い音が出ている。
ガシッと弦に弓があたるところは、 黒板にツメを立てて、一斉に子供たちが、ぎーっと掻いているような音というか、木をこすりあわせて、火起こしをしているかのような感じというか・・・
異様だと思うほどの音となっている。
もちろん、面白いって言えば面白い。
どこかで、軋んで、発火しそうな勢いがある。導火線が短いし、すごい、メラメラっと青白い光を放出している。
「みぃぃ〜れぇ〜どぉぉ〜しぃぃ〜」と、悲鳴をあげており、夏の楽章なのに、まるで真冬の突風吹き荒れる日本海っ・・・・
ごろごろ ごろぉ〜っ 嵐のなかの波打つような雰囲気がする。
これも、まるで、演歌の世界のようで・・・ ひぇ〜 ちょっと絶句しちゃった。

秋の3楽章も、とってもインパクトのある合奏で、「そぉ〜れ そっそっ そぉ〜れ そっそっ」と、力強く、歯切れのある抑揚というか、キレキレっで、音の移動が激しい。
まあ、こんなにギシギシ弾かなくても〜 と思うほどに激しいし、ゲンダイオンガクを聴いているかのような感じだ。

冬の1楽章も、冷たすぎるほど冷たくて、きぃーきぃーっという音が聞こえてきて、凍り付いてしまう。
ダイハツ、ムーブのCMで聴いた音楽も、ハハハ〜 こりゃ、ツンツンしております。

とても、とても、穏やかな四季とはいかず、起伏の激しい、ツンドラの広がる大地に立たされているかのようで、聴いているワタシは、まるで、ハリネズミのようになっておりました。
おっとりした、楽天的なワタシには、とても怖ろしい四季で〜  これでは、年中、ツンツン、とんがって生きなければならず、表情豊かな、色彩豊かな、実り豊かな季節が巡っているとは思えないですよぉ〜 これじゃー 毎日、北極じゃん!
まったり、ほっこり、ほんわかしたい方は、お近づきには、なれないかもしれません。
これは、極地に立って演奏している「四季」でしょう。おおぉ〜寒っ。

ちなみに、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
イル・ジャルディーノ・アルモニコ(イタリア語: Il Giardino Armonico)は、イタリアの古楽アンサンブル。1985年に、ルカ・ピアンカとジョヴァンニ・アントニーニによってミラノで結成された。古楽器によって主に17世紀や18世紀以前の音楽を演奏している。

作品の抒情性を重視して、穏当な解釈を好むイギリスの古楽勢よりも、表現衝動の激しさと解釈の斬新さを追究するオランダやオーストリアの古楽勢に濃厚に影響されており、旋律を歌い込むよりも、音色の対比の鮮やかさや、 切れ味の鋭いリズム感を打ち出した演奏姿勢を採っている。
必要とあらばモダン・ピッチやモダン楽器のほかにも、楽譜に記入されていないような特殊奏法を用いることさえ厭わない。イタリアの古楽界屈指の室内アンサンブルとして国際的に注目されている。・・・とご紹介されていました。

1959年 アーヨ イ・ムジチ Ph ★★★★
1981年 ピノック イングリッシュ・コンソート  
1982年 カルミレッリ イ・ムジチ Ph
1986年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL ★★★
1986年 ムローヴァ ヨーロッパ室内管弦楽団 Ph
1986年 グリエルモ イタリア合奏団 De
1991年 ビオンディ エウローパ・ガランテ opus111 ★★★★★
1993年 イル・ジャルディーノ・アルモニコ Teldec ★★★
2000年 ビオンディ エウローパ・ガランテ Virgin  
所有盤を整理中です。

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