「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲 第1番、第2番
Wieniawski: Violin Concerto No.1&2


ヘンリク・ヴィエニャフスキ(ヴィエニアフスキー Henryk Wieniawski)は、ポーランドのヴァイオリストで作曲家です。
1835年生まれなので、サン=サーンスと同じ年齢、33年生まれのブラームスと、ロマン派どっぷりの時代を、同世代に生きた方です。

あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
驚異的な技巧と情熱による華麗な演奏が知られ、その作品もまたスラヴ的情緒と名人芸的要素により、今日なお愛される。1935年には、生誕100年を記念してヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールが創設されたとのことでした。
作品は、ヴァイオリンの小品として伝説曲(Légende)Op.17がありますが、ここでご紹介するヴァイオリン協奏曲第2番が、特に有名だと思います。

パールマン バレンボイム パリ管弦楽団 1983年
Itzhak Perlman  Daniel Barenboim Orchestre de Paris 

ばっちグー!
 

録音状態は良い。演奏は、美音で、まったいと歌いあげられており、陶酔的、官能的な、甘さが存分に味わえる。
カップリング:サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番、ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番
(ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲1番と2番でカップリングされている盤もあります)。
ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番

1楽章
オケ、「そぉ〜 ふぁ れみしぃ〜 しそぉ〜 れふぁみ しぃ」
ホルンで、「しぃ〜 らそふぁ らぁ〜そ ふぁそ ふぁみし しぃ〜どし らみ〜」
なんという甘いフレーズを、楽器の編成を変えて、同じフレーズを繰り返していくのだろう。
多少は音が変わるけれど、基本的には同じで、長い序奏部分を奏でていく。
えっ いきなりサビの美味しい部分を冒頭に出してきて、どう料理するのだろうと、ちょっと不安になってしまうのだが、オケはお構いなしに、長々と演奏していく。
もう、そろそろ〜 食傷気味になりそうになったところで、ヴァイオリンが登場する。
えっ また同じフレーズをヴァイオリンでなぞるんですか? 
オケのなかで、お供するのはフルートなどの木管たちで、まあー 綺麗な甘いフレーズを、ヴァイオリンは奏でていく。
盛り上げてはいくのだが、頂点でのフレーズも同じだ。そのため、ここで繰り返される主題は、その分、頭に定着しやすく、まるでこびりつたかのように、鼻歌にして歌うことがすぐにできる。
夢のような甘いフレーズで、とろけてしまいそうだ。
「れどし ら〜どぉ しらそ れぇ〜 れぇ〜みれどそぉ〜 ら しぃ〜」 これは、女性をくどく際のムード音楽としても、絶対役に立つと思う。しかし、難点は、12、3分程度の1楽章の中間部になると、眠くなってしまうこと。
特にパールマンさんは、美音で、ねっとり気味に歌われて、情感たっぷりなのだ。そう、オンナ心をわかっておられて、胸を締め付けられるようなフレーズで、からみとられるのだ。

2楽章
ゆったりとした、ヴァオリンの「どぉ〜しれ どぉ〜 そ し らそ らぁ〜」と眠りに誘うようなフレーズが奏でられる。
このロマンス楽章は、まったりしすぎるほどに、まったり〜 8分の12拍子という、水辺で、ゆらゆら〜揺れているような、揺りかごであやされているかのような、子守歌のように奏でられていく。ちょっと、無粋だけど・・・。

3楽章
一転して、とても激しい、慌ただしいフレーズが飛び出していく。で、旋律のてっぺんで、ひひぃ〜っと、叫んだあとは、また一転して、「しらそ しぃ〜 らそ らそふぁ どぉ〜 ど れどし ふぁ〜そ らぁ そふぁ どぉ〜」と、甘い世界に没入していく。この主題は1楽章における第2主題である。
ジプシー風のロンドらしいが、「どっ ふぁぁ〜 ふぁみふぁそ みっ しぃ〜」っと跳躍する。
2音目が、まったりとアクセントを付けて、踏み込んで跳躍していくのだが、その節回し、アクセントの付け方が、これがジプシー風ということなのだろう。パールマンさんのこの節回しは、ひやっ〜っと、跳躍前に切れがあり、首筋が寒くなるほど。アイススケートのトリプルアクセルではないが、その飛ぶ前のエッジが鋭い。
ヴァイオリンのテクは、すごそう〜としか、わからないが、この独特の艶のある粘りは、さすが〜だと思う。
短い楽曲なので、激走する場面もあるが、概ね、甘いフレーズを美音で奏であげた力量は、すごい。
あまり録音されている盤が多くないので、比較選択する余地が少ないが、今後、この楽曲が廃れないようにはしたいものだと思う。

  バルトゥオミ・ニジョウ グジェゴシュ・ノヴァク シンフォニア・ヴァルソヴィア 1996年
Bartlomiej Niziol Grezegorz Nowak Sinfonia Varsovia



録音状態は良い。演奏は、う〜ん。ヴァイオリンそのものの出番が二次的で、装飾的に使われているため、感動的とも言えないし、難しいのだが、後味は爽やかである。
カップリング:ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第1番

1楽章
バルトゥオミ・ニジョウ(Bartlomiej Niziol)さんは、チューリッヒ・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターである。
1991年のヴィエニャフスキ国際コンクール第1位、1993年ロン=ティボー国際コンクール第1位という受賞歴をお持ちのヴァイオリニストだ。

物悲しいクラリネット、そしてオーボエのフレーズ 「れ そぉ〜ふぁ らぁ〜そ しぃ〜」
弦が明るめの声で、もの悲しさを打ち消すかのように現れる。
「そ〜ふぁ ら〜そし〜 そっそ〜ふぁみどみ〜し み〜れどしら ど〜しら ら〜し そそふぁ〜」
甘くて切ないフレーズが、甘酸っぱい恋心が胸一杯で、はち切れそうになっている。
うわ〜 この曲、青春時代の甘い恋心かあ。 驚きながらも、ちょっぴり恥ずかしい。
で、旋律は、ちょっと快活に変わりながら、情熱的であるくせに、どこか引きずった甘いメロディーを充満させてくる。
うへっ。こりゃたまらん。甘すぎて・・・ と思いつつも、どっかへ忘れてきた青春時代。
赤面していた自分や、恥じらうの気持ちが湧き起こってくる。

なんだ〜いまさらと思いつつも、ついつい、ひきこまれていく。金管と共に、弦が胸をかきむしるように上下してくる。
「そ〜み〜 ふぁそ〜 らしど〜み ら〜そふぁ〜れ」と、チェロとヴィオラのアルト声で呼ばれると、たまらん。「みふぁそ〜 らしどみら〜そふぁみ れし〜らふぁ みみれ どど〜しらそ〜ふぁ」
ふと気づくと、まだヴァイオリンのソロは登場していない。
うん? これじゃーヴァイオリン協奏曲とは言わないぞ。と思ったのだが、序奏のオケで、いちころになってしまっていた。
ヴァイオリンのソロは、ひとしきり鎮まったのち、「そ〜ふぁ ら〜そし〜」と高い声で始まる。
う〜ん。ニジョウさんのヴァイオリンは、少し擦れ声だ。しかし、カデンツァの部分は、ひぃ〜っというほどの声で、サラサーテ風に悲鳴をあげる。
再度「し〜ら どしれぇ〜」 ひぃ〜っと声をあげたあと、ひゅひゅひゅ〜と、風船が萎むような声で縮んでいく。典型的なジプシー調の例の「チャっ チャカチャチャチャチャ〜っ」というフレーズである。
また、ヴァイオリンの中音域の甘くて柔らかい声が、この楽章の白眉だと思う。
「ふぁれ〜 みふぁ〜 そらし〜れ そ〜ふぁみれ〜ら」 このアルト声との落差が、う〜 魅力的すぎる。
まだ20歳代にもならない時の作曲だと言うから、ふふふ。この魅力なのだろう。
それにしてもテクニシャンではある。
「しぃ〜ら どぉ〜しれぇ〜 れみそふぁみれどらしら〜そ ふぁど〜そみ〜」
なんともシンプルなフレーズで、若いなあ。と感じるところもあるが微笑ましい。ニジョウさんのヴァイオリンは、この楽章では、超高音域でしか活躍の場を与えてもらえない。
主題を飾っていくのだが、オケとは、隔離されてて完全別仕立てなのだ。

2楽章
アダージョ風というか、間奏曲風のフレーズで、波が立たない状態。
「ふぁ〜ふぁ らそふぁ〜 ふぁふぁふぁ〜らそふぁ〜」
「そ〜れ〜しそれ〜」と、テンポは遅めで、ホルンがバックでかすかに音を出しながら、木管とチェロが、ふわふわ〜としたフレーズを出している。休憩時間って感じで、あっという間に終わってラストへ。

3楽章
「れ〜れれれ〜れれれれ・・・」と、金管がファンファーレ風に吹いたあと、激しいジプシー風のフレーズが出てくる。付点のいっぱいついた弾んだスカッタートが印象的。
「れっれれ〜 れれっ れっそっら らしっし そらっし どっれ〜 れっれ みっみ〜れっれ〜 みみれ〜」
難しいっ。言葉にする時に、どこに小さな「っ」を入れたら良いのか、わからないぐらいに弾む。
でも、見てもわかるように音は単調。「れそらしどれ〜」と、のぼるだけ。
まっ こんなことを言っちゃ〜おしめぇよ。って感じなのだが、これがまた独特なリズムなので、面白いんだよねえ。日本じゃ〜こんなリズム感ないもん。
主題は単調なのだが、コロコロ表情が変わってて、明るいのやら暗いのやら。
まるで、光と影が一緒にくっついて、一体で踊っているようなものだ。
ニジョウさんのヴァイオリンは、ところどころに顔を出しているが、装飾効果として使われている感じで、二次的な活躍である。
だがテクニックは、これ大変だろうな〜とは素人でも感じる。
音が、飛んで跳ねて、ホップ・ステップ・ジャンプどころか、助走なしで飛ばないとダメみたい。で、飛んだら、どっか遠くに行っちゃって姿が見えない〜て思うほど。(← これは冗談だけど・・・)
で、飛んで跳ねての部分は、速すぎて捉えきれず、文字に出来ないので省略せざるを得ません。
あしからず・・・。
ヴァイオリンのテクは、さっぱりわからないけど、さほど情熱的って感じは受けないし、楽曲のイメージが強すぎて〜 ヴァイオリンについては、特段の印象は残らない。でも後味は爽やか。

1983年(2番) パールマン バレンボイム パリ管弦楽団 ★★★★★
1990年(全曲) シャハム フォスター ロンドン交響楽団  
1996年(全曲) ニジョウ ノヴァク シンフォニア・ヴァルソヴィア CDac ★★★
所有盤を整理中です。

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