「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、ピアノ協奏曲
Arensky: Piano Trio No.1, Piano concerto


アレンスキー(Stepanovich Arensky)は、1861年生まれの帝国時代のロシアの作曲家です。ラフマニノフやスクリャービンは、モスクワ音楽院で教授をしていた時代の教え子とのこと。ここでご紹介するピアノ三重奏曲第1番は、1894年に作曲されています。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、
第1楽章 ニ短調、4分の4拍子ソナタ形式  ピアノが三連符の伴奏形を奏すなか、ヴァイオリンが哀調のこもった第1主題を弾き始めます。やがてチェロが第2主題を奏で、ヴァイオリンがこれに合わせて結句となります。 展開部は、第1主題がチェロに現れる副次主題と組み合わされ発展していき、弦のトレモロの後、再現部となり各楽器が主題の断片を繰り返すもの。

第2楽章 スケルツォ ニ長調、4分の3拍子、三部形式  ヴァイオリンに、フラジオレットとスピッカートを使った主題が現れ、弦のピッツィカートを伴奏にピアノが華麗な動きを見せます。繰り返しの後、三 連音を使ったスケルツォ主題が現れ、ピアノの華麗な動きを挟んで繰り返されます。中間部は、ワルツ風の優雅な動きを見せ、スケルツォ主題が再現されて陽気かつ軽妙に終わるものです。

第3楽章 エレジーと題された緩徐楽章。ト短調、4分の4拍子、三部形式  弱音器を付けたチェロに悲痛な主題が現れ、ヴァイオリンに受け継がれて繰り返された後、中間部(ト長調)に入ります。弦を伴奏にピ アノに主題が登場し、ヴァイオリンが美しく歌います。再現部は主にヴァイオリンが主題を奏るもの。

第4楽章 ニ短調、4分の3拍子、ロンド形式  ピアノの強音と弦の細かな動きのロンド主題が呈示され、静まったところで、チェロによって奏される抒情的な副次主題が現れるものの、ロンド主題の激しい変奏に置き換えられ、 やがて、第3楽章の中間部主題や第1楽章第1主題が弦に現れ、ロンド主題による激しい展開となり決然と曲を終えます。

第1番は、甘く切ないフレーズが多く、親しみやすく聞きやすい曲です。ピアノ三重奏曲第2番は、1905年に作曲されていますが、最近になるまで楽譜が発見されなかったためか演奏頻度は多くありません。

ボロディン・トリオ 1986年
Borodin Trio

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。渋くて枯れた雰囲気を持つ演奏で、勢いには欠けているけれど、重みが適度にあって良い。渋いおじさま風

カップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、第2番(1990年)

アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番

1楽章
「しし〜みそし れ〜みし〜 れ〜どし そふぁみれそしみら〜」
「み み〜らどみ そ〜らみ〜 そ〜ふぁみ どしら そどみられ〜 れ〜れそど〜 みれ〜みし〜」
冒頭、くぐもったピアノの音に続き、ヴァイオリンが、物悲しいフレーズを弾き出す。
これが、とても甘いフレーズで、一度聴いたら忘れられないほど印象深い。
で、続いて、チェロが甘く、退廃的とも言える濃厚に浪漫派のフレーズを奏でていく。
ボロディン・トリオの演奏は、甘さを控えめに、かなり渋い色調である。
テンポもゆったりしており、穏やかで、迸るような情熱ではなく、諦念のように静かで、どこか遠くを見ているかのような雰囲気を漂わせている。
悲しみを帯びつつ、膨らみを持たせたフレーズは、あたりが秋色に染まってくるかのようだ。
人間くさく無いというか、人間くささが抜けきったような、晩秋の風景を見ているような気分になるのだ。
このアレンスキーのピアノ三重奏は、ピアノと、チェロとヴァイオリンの3者による演奏である。
最初は、ピアノが導入部の「しそしそ〜」と小声でしゃべり出すが、ヴァイオリンが主題を弾き、続いて、チェロがよく似たフレーズを弾き出す。
ボロディン・トリオのヴァイオリンは、まるでヴィオラのように低い声だ。
その後、ピアノが、いきなり、「し〜そふぁみどそふぁみどしそふぁっ〜」と、入れてくるのだが、あくまでも穏やかで、余裕がある。特に、チェロの響きは、誰であろうと受け入れるような、懐の余裕が感じられる。

2楽章
「しっしし〜 しっしし〜」という、弦のピチカートと、ピアノの絡みで繰り返される。
ワルツのような楽章である。軽めでノリの良い軽快なスケルツォ。ボロディン・トリオの演奏は、ちょっと重めだが、厚い絨毯のうえで繰り広げられる上品な演舞のようだ。
コミカルさも含んだ、ちょっと渋いワルツで、スマートは言えないエスコートだが、前述したように初老風の演奏なので、年齢相応に、ゆったりしていて社交的。
私的には、もう少しテンポアップされていても良いかも。

3楽章
「ど〜どぉど〜 らしどみ〜れどぉ〜 らしどみれ〜み〜 どれみ そ〜ふぁみ〜」
チェロの甘くて切ないフレーズ、ヴァイオリンのか細く、泣き細るようなフレーズが続く、エレジーと名づけられた楽章で、冒頭、チェロのメランコリックで、寂しく、悲しみが、ぐぐ〜っと絡み合ったフレーズで彩られている。
救いはピアノの音色で、可愛く、「みっ みふぁらど みっみぃ〜 そっ そらどみ そっそそぉ〜」と、慰めてくれる。まるで、おじいちゃんの救いは孫娘。という感じになっているのだ。これ笑えてしまう。
いやいや〜 笑ってはいけない。
郷愁に、浸りきっていては未来がない。元気ださなくっちゃ〜っと、聴き手が励ましてあげたいような感じである。
で、続いて、「らふぁどみ らふぁどみ・・・」ピアノの泡立つなかに、ヴァイオリンのフレーズが入ってくる。
「み〜みみ らふぁどみ みっみみ〜 らふぁどみ そ〜 そらどみ そっそそ〜」
う〜ん 夢のなかに誘われ、一瞬にして、天上の雲のうえのなかに突入してしまったような。
でも、また冒頭の憂いに戻ってしまうのだ。こりゃアカン。いくら慰めても元に戻るかぁ。
ちょっと、鬱になりそうなメランコリックさで、じっとり〜 重いエレジーである。
ボロディン・トリオさんの演奏は、これ、身につまされてしまうかも。単なるアマちゃんの演奏ではないので、しみじみ〜と聴ける。泥臭いフレーズではないので、湿気があっても品が良く、短い楽章であるのが救いである。

4楽章
ピアノ 「しっどし〜 しっどし れっみれ れっみれ〜」 懐かしく、素朴なフレーズが奏でられる。
弦のヴィブラートのかかったフレーズで彩られている。寂しさも感じるが・・・
ヴァイオリンの「そっ〜みっ どれみどそしどそ しぃ〜ら〜」というカデンツァが入ると、華やかに変わる。
心情の変化が、きわめてわかりやすく描かれた楽章である。
「しっし し〜らそみそ そふぁみ〜」と、甘いフレーズも絡んではいるが、ピアノが、段々と、力強いフレーズに変化しており、う〜ん。フレーズが微妙に変化していくプロセスを楽しめる。
主題が、どうやら主人公の心情のようで〜 これが、変奏曲風にまとめられている。
この心情の変化が、とてもわかりやすく、親しみを感じる。まるで、人の気配を感じるんだよな。このアレンスキーさんのフレーズって。親近感の湧く、素直なフレーズが、ちりばめられており、メランコリックであっても、泥臭くもなく、 じとじともしておらず、いったい、何が言いたいんじゃーっと、複合的に絡むわけでもなく。ハイ、とっても素直に、素朴に、きちんと受け止められる。

ボザール・トリオを聴いて、その後に、このボロディン・トリオの演奏を聴くと、テンポが遅いと感じてしまうのだが、いやいや、なかなか、しみじみと聴ける良さがある。ボザール・トリオ盤は、とっても勢いがあり、若くて艶やかで、 迸るような情熱があり、その勢いが止まらない。堰を切ったような勢いで、その情熱の迸り感は凄い。大きな抑揚をつけて演奏される。
それに比べると、ボロディン・トリオの演奏は、いかにも渋く、厚みがあり、重厚で、落ち着き払った演奏なのだ。
この2つの盤は、まるで、20代初期の男性の情熱と、初老を迎えた男性ぐらいの違いがある。 (いや、ボザールトリオの演奏は、どちらかと言うよ女性的で、猫みたいだけど・・・)
ボロディン・トリオさんの演奏は、初老の男性のように、懐が大きく、渋いのである。この違いは大きい。
いや、初老の男性では、ちょっと例えが悪いなあ。んじゃ〜 そうだなあ。ボザール・トリオ盤は、イケメンの若いノリの良い 、女性的な男優で、ボロディン・トリオ盤は、苦く渋い演技派男優。って感じだろうか。
ボザール・トリオ 1994年
Beaux Arts Trio
ピアノ:メナヘム・プレスラー
ヴァイオリン:イダ・カヴァフィアン
チェロ:ピーター・ワイリー

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。芳醇な香りを漂わせ、迸る流れのような華麗な演奏だ。
カップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、第2番
アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番

1楽章
「し し〜 みそしれ〜みし〜 れ〜どし そふぁみれそしみら〜」
「み み〜 らどみそ〜らみ〜 そ〜ふぁみ どしら そどみられ〜」
「れ〜れそど〜 みれ〜みし〜」
渋くて甘いフレーズで、一度聴いたら忘れられないほど印象に残る楽曲。
くぐもったピアノ、物悲しく渋い音色のヴァイオリンとチェロが絡み合ってくる。
ボロディントリオの演奏が、幾分、乾いてて擦れた音色で、しんみり、ため息をついたような演奏なのだが、ボザールトリオの演奏は、息が長く、濃厚で、たっぷりとした太い筆で、ぐい〜っと演奏してくる。
迸るような熱情があり、かなり熱い。
情感がたっぷりしており、うねるようなフレーズを描いてくる。
猛々しくもあり、勇猛果敢でもあり、そのくせ、シナを作ってくる。
こりゃ なんとも難しい女性を相手にしてしまった。と苦笑しちゃうぐらい。
優しく、柔らかに〜 迫られてしまって、これは、まいってしまった。
まず、テンポが一様ではない。かなりの揺らぎがあり、演奏者3人の息が、絡み合って、うねるような動線を描いて、上昇し、そして跳躍してくる。なんともダイナミックなのだ。
息をのむしかないような、チェロとヴァイオリンの細かな動き、そうかと思えば、主題が静かに沈む。
弦は、甘くて、とろり〜としたフレーズが続くのだが、ピアノが知的に沈静して締める。
「し し〜みそし れ〜みし〜 れ〜どし そふぁみれそしみら〜」
「み み〜らどみ そ〜らみ〜 そ〜ふぁみ どしら そどみられ〜 れ〜れそど〜 みれ〜みし〜」
ピアノの音色の冷たさが、一瞬、水を打ったようにも聞こえるが、いやいや〜水面を走るようでもあり。
むせかえるような甘さもあるが、ヒンヤリ感じるところもあって、まさしく混在している。

2楽章
ピアノが飛び跳ねているなか、ヴァイオリンが弱音で、猫の爪のようにカッシカッシ・・・
こりゃ、ホントに猫だ。すばしっこい子猫が走り回っているかのよう。
1楽章が、シナをつくる女性なら、2楽章は子猫で・・・。
う〜ん。なんとも動物的で、退廃的。
メランコリックな旋律に呑み込まれように、掌の上で、あやされて、聴き手が遊ばれているような感じだ。
だが、なんともロマンティックで〜 ボロディントリオさんの演奏は、まるで高級娼婦のような女だ。
ツボを押さえられてしまって、身動きができない。ドラマティックで、シンフォニー的で〜 これが、たった3人で演奏されているとは思えないほど、大きな演奏で、こぢんまりした閉塞的な室内楽という感じがしない。

3楽章
物思いに耽る女性のようなフレーズが続く。
セピア色に染まっているが、艶があり、色香にむせてしまうほどだ。男の背中〜というより、やっぱり、このボロディントリオさんの演奏は女性的で、特にピアノの音色、粒立ちが、際立っている。
ショパンのような甘さ、チャイコフスキーの渋さ、う〜ん。例えると、そうなるかな。
ヴァイオリンのフレージングも柔らかく、女性の長い髪をイメージさせる。ふわっと風にそよいでいる。
悲しみを表面に出すというより、客観的で、絵画的な描写である。
フレーズのなかに、のめりこんでおらず、どろ〜っとした重さは無い。さらりとした、軽さをもった弦のボーイングだし、耽溺型ではないので、爽やかに聴ける。

4楽章
ピアノとチェロがダイナミックに動く。
「しっどし〜 しっどし れっみれ れっみれ〜」
チェロが、まるで猫が喉をゴロゴロいわせているように、細かく震えてる。
寒さで震えているのかと思うようなボロディントリオさんの演奏とは違って、こっちは、やっぱり猫のようだ。
チェロの音色が深いのだが、ぐい〜っと太くて、踊るようなボーイングで、うねりが強い。
ピアノが主題を弾いているのだが、弦のフレージングが気になる。メチャ主張の強さがある。
この細かい動きは、うちひしがれているようにも聞こえるが、ボザールトリオさんの演奏は、全体的に暖かく、安定感と安心感がある。

後半から、春の息吹を感じ、柔らかい光が射し込んでくる雰囲気になるのだが、特に、ピアノが、光がこぼれ落ちるような、柔らかくて、色彩的に奏でられている。暖かく、ふわ〜っとした喜びが感じられる。
ボザールトリオ盤は、総体的に暖かく、動的で、女性的である。
ボロディントリオ盤は、いささか冷たく、内省的で、男性的である。
まるで違うアプローチで、同じ楽曲で、こんなに違うとはなあ〜と、ちょっと唸ってしまった。

単なるメランコリックな演奏ではないけれど、跳躍し挑んでくるようなボザールトリオの演奏は、若々しく、動物的だし、初老の男性が、人生を振り返り、寒々〜として、切々と心情を訴えてくるのは、ボロディントリオ盤だし。う〜ん。社会的な背景とかを考えてみても、甲乙つかず。崩れた貴族的な退廃性で、猫のようなボザールトリオの演奏も好きで〜。
嬉しい悲鳴です。
ドミートリー・ヤブロンスキー コンスタンティン・シチェルバコフ ロシア・フィル  2008年
Dmitry Yablonsky
Konstantin Scherbakov Russian Philharmonic Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。甘くてセンチメンタルな楽曲だけど、ちょっと主題を使いまわししすぎ。
カップリング:アレンスキー 1〜3 ピアノ協奏曲ヘ短調
4 2つのロシア民謡によるリャビニン幻想曲
5 スヴォロフの思い出に  6 交響的スケルツォ
アレンスキー ピアノ協奏曲ヘ短調

1楽章
冒頭は、なんだか、ご大層に悲劇の幕開けです〜という風に、バンッ!「れっ どぉ〜しっどれぇ〜っ どぉ〜しっどみぃ〜」と、始まる。が、すぐにピアノの甘いフレーズが入ってくる。
クラリネットのフレーズなど、木管の彩りも明るいが、歌謡風フレーズが、たっぷり〜詰まっている。
少し冗長的ではあるけれど、「みぃ〜そぉ〜ら どぉ〜しぃ らぁ〜みっ らぁ〜そぉ〜ら しぃ〜らぁ〜・・・」と歌う。
このフレーズの使いまわしをしていくので、とても大らかだ。
ラフマニノフのようでもあり、ショパンのようでもあり、チャイコフスキーのようでもあって、う〜ん。
ワタシ的には、木管が短い合いの手を入れるところなんかは、チャイコさまのように聞こえるけど、ピアノ部分は、ショパン風かなあ。
聴いてて、ハイ、のどかに、甘くて、よろしいかと。主題が、シンプルすぎて、ちょっぴり退屈しちゃいますけど、なにせ、作品2ですからね。若い頃の作品だと思うので可愛いかと。
オケがですね〜 もう少し、ご活躍していただく部分を、書いてあげて欲しかったかな。ちょっと短い音で、薄めで、厚めに旋律的に書いてもらえたらよかったのに・・・。と、ど素人のワタシが偉そうに言っております。

2楽章
「そぉ〜ふぁそら そぉ〜」っという出だしから、ピアノが、なだらかに落ちていく。
「られぇ〜 どれふぁみ れぇ どれふぁみれ れぇ〜」っと、呟き風フレーズとなっており、甘さが充分に感じられ、せつなさを、ちょっぴり含みながら、でも、大らかに、ゆったりとしたフレーズで、華麗なる甘い調べが詰まっている。
美しいメロディーと抒情的な雰囲気は、たっぷりと織り込まれているし、やっぱりショパンのように聞こえる。
「れぇ〜 どれふぁみ れ れぇ〜」という旋律のレースの襞のように。ピアノが使われている。

3楽章
前楽章の甘さから打って変わって、少し泥臭くなる楽章で、「そっそ ふぁ れぇ〜 そっそ ふぁ れぇ〜」と、弦と金管が主題を提示する。で、次に、舞曲風に速いパッセージが畳みかけてくるのかと思ったのが、この「そっそ ふぁ れぇ〜」という主題のうえを、ピアノは、速いスケールと跳躍を繰り返していく。
主題はオケで、その彩り的に、チャーミングなピアノが踊る。
ところどころ、「しっしぃ らそふぁ〜みれっ しっし ら みぃ〜」という舞曲風のフレーズも、ピアノがソロで提示するのだが、主題が音を変えるだけで、、雰囲気ががらっと変わるわけではない。
なので、ちょっと、ちょっぴり飽きちゃうかも。
せっかく良い主題なのに、あまり繰り返し使用しすぎちゃうと、飽きちゃいますよね。
こっちも、どんな展開が待っているのかな〜という期待を持って聴いちゃうので、あらま。同じなのねって、つんまなく感じてしまうという、残念な結果に・・・。

あまり馴染みがないので、この曲を、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、ちゃんと記載がありました。
(あー 良かったっ!) この記事を元に記載させていただくと〜

ピアノ協奏曲 ヘ短調 作品2は、アントン・アレンスキーが、1882年に作曲している。
9歳で既に作曲を行っていた彼は、1879年、サンクトペテルブルク音楽院に入学し、在学中にこのピアノ協奏曲を作曲したそうです。
モスクワ音楽院で対位法と和声学の教授となり、教育者としてラフマニノフ、スクリャービンやグレチャニノフらを育てることになり、チャイコフスキーの知遇を得て、教職の傍ら作曲にも旺盛な意欲を見せていったといいます。
その彼のピアノ協奏曲には、ショパン、チャイコフスキーをはじめ、メンデルスゾーンを想起させる旋律線、リストを思わせるヴィルトゥオーゾ風のピアノ書法など、多くの先人の影響が垣間見える・・・とのこと。

第1楽章 ヘ短調 4/4拍子 ソナタ形式
威圧的な管弦楽とピアノ独奏の序奏に始まり、ピアノが奏でる第1主題に移行する。
ピアノパートには即興的なパッセージが幾度も挿入されている。
経過句を挟み、第2主題を変イ長調で出す。短いカデンツァを挟んで、堂々と第2主題が奏される。
簡潔な展開部を経て再現部となり、第1主題はヘ短調、第2主題はヘ長調で、コーダとなり楽章を閉じるもの。

第2楽章 変ニ長調 3/4拍子
変ロ短調の陰鬱な開始主題から、変ニ長調の夢想的な主題に至る。
途中、冒頭のフレーズを回想して。劇的に盛り上がり、クライマックスを築きます。ピアノは装飾的な音形を弾いた後、夢想的なムードに戻り、冒頭の旋律のこだまを聞きつつ、穏やかに楽章を終えるものです。

第3楽章 スケルツォ・フィナーレ (アレグロ・モルト) ヘ短調 5/4拍子
5/4拍子という珍しい拍子で書かれた終楽章が、全曲中で最も挑戦的、オーケストラが主要モチーフを奏でる。
途中、ヘ長調で民族舞曲を思わせる主題があり、これと冒頭のモチーフに基づく楽想が交代しながら進行します。
最後はヘ長調で全曲を閉じるもの。
全部で25分ぐらいの楽曲です。
ピアノ三重奏曲第1番
1986年 ボロディン・トリオ CHANDOS ★★★★
1994年 ボザール・トリオ Ph ★★★★
ピアノ協奏曲ヘ短調    
2008年 シチェルバコフ ドミートリー・ヤブロンスキー ロシア・フィル NAXOS ★★★

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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