ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」 Beethoven: String Quartet No.10 "Harp"

 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
Beethoven: String Quartet No.10 "Harp"
メロス弦楽四重奏団 1984年
Melos Quartet
ヴァイオリン:ヴィルヘルム・メルヒャー
ヴァイオリン:ゲルハルト・フォス
ヴィオラ:ヘルマン・フォス
チェロ:ペーター・ブック

10番のハープは、3曲のラズモフスキー・シリーズから比べると比較的穏やかな曲だが、どこが「ハープ」なのか、はじめは、ちっともわからなかったですねえ。タイトな、幾分息苦しい楽曲であることは、さして他の作品と変わらないように思う。暗い序奏っぽいフレーズのあと、「ふぁどどど どどどど どどしし ららしし ららら・・・」と続くなかで、伴奏的に「ふぁらどれ そしれふぁ しれふぁふぁ・・・」と、ピチカートが入ってくるのが、ハープらしいのだろう。これがねえ。ハープねえ。あっそぉ。
聴きなれてしまえば、どってことはないのだが、歌うようなカンタビーレ調のフレーズが欲しいと、主旋律を追いかけてしまうワタシの耳にとっては、なかなか馴れない。 高音域のピチカートは綺麗だけど、その前に低弦のピチカートもあって。はあ~ なるほどなあ。と思ったのは、随分繰り返して聴いた後のことである。メロス盤を繰り返して聴いてみると美音で渋い音色。テンポは速め。機能的というか運動能力が高いというか、超快速バージョンではないけど、筋肉質で硬め。ハープを模したようなピチカートの響きも悪くはないが硬い。チェロの響きが旋律として浮き出てこないところが悲しいし、ヴァイオリンの音色がカシャカシャ~ 絡まった糸のように聞こえてしまう。ヴァイオリンが、フルートのようにオーバーラップされたり、和音が渋い。やっぱベートーヴェンの楽曲を聴く能力に欠けているんだな。
第2楽章は、哀愁の漂う楽曲で泣き節も入っており、ため息もついているが、主となる音のフレーズが、もう少し浮かんでくれたら嬉しいんだけど。ワタシには難しい。オケのように伴奏が弱音であれば嬉しいが、4つの楽器が均質的に聞こえ、立体的に見通せないのである。3楽章~4楽章は好きなのだ。激しく跳躍するフレーズが多用され、スケルツォとして過激に躍動している。ヴァイオリンが大きく跳躍してくる。「ららら らふぁっれ らっふぁ~ っれ~」この大きな跳躍も大事だけど、リズムを刻む低弦の響きが、どっしりとしており安定感は抜群。このリズムを聴いていると段々熱くなっていく。3楽章だけはお気に入り。それにしても、ヴァイオリンの音色は強く妥協しないような強さがある。強靱さが際立って、硬めのムチのようにガツンと打ち込まれた楔のように聞こえる。多分録音のせいだと思うですけどね。激情型で、「れっみふぁ~」と紋切り調に奏でられ攻撃的。お手上げである。とにもかくにも、ハープというイメージは最初の楽章で終わっちゃったらしい。


 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
Beethoven: String Quartet No.10 "Harp"
スメタナ弦楽四重奏団 1979年
Smetana Quartet

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、超苦手である。難しすぎて~ 歯が立たない。学生時代の頃、しったかぶりをして、無理矢理、アルバンベルク盤を聴いてみたけれど、見事に挫折してしまった。で、完全にトラウマ状態に。評論家のオジチャンたちは、揃いも揃って、アルバンベルクは良いって言うんだもん。 でも、何度聴いても、さーっぱり、わかりません状態でしたね。しかし、青春時代とか、学生時代に、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を、聴きます? ワタシ的には、難しいように思う。
今日、たまには、弦楽四重奏曲を聴こう、たまには、聴かねば~という感じで、CDを取り出して聴いているのだが、まあ、肌に合いません。はっきり、好みの問題だとも言えるが、近寄りがたい存在なのは、あいも変わらず。怯えてしまう。恐ろしいベートーヴェンの弦四の作品群、中間に位置しているのが、10番、11番。スメタナ弦楽四重奏団のCDは、もちろん、随分前に購入したものだが、すっかりお蔵入り。ベートーヴェンの「ハー プ」は、まだ聞きやすいというので、聴いているんだけど。ラズモフスキーと後期の間の作品なので、狙い目は10番、11番だと思って聴いているのだが、その根性が間違っているのかもしれない。(笑)まあ、そんなわけで、今日は、聴いた・・・というだけで終わってしまいました。拒否状態からの脱出を、まずは試みなければならないのかもしれません。はあ~ 時間が必要ですね。


ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
1979年 スメタナ弦楽四重奏団 De ★★★
1984年 メロス弦楽四重奏団 G ★★★
1989年 アルバン・ベルク弦楽四重奏団 EMI

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番(作品74)は、1809年に作曲されています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、第1楽章現れるピッツィカートの動機から、「ハープ」という愛称を持っています。「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」を作曲した後なので、ロマン的な情緒や、のびのびとした感情をたたえる作風へと変化しており、いくらか自由な気持ちで作曲されたものだそうです。
第1楽章
気まぐれな序奏に始まり、主部はソナタ形式となっています。第1主題は、和音の連打によって始まり、極めて旋律的な第1主題が、第1ヴァイオリンとヴィオラによって歌われます。そして、ピッツィカートによる推移部が出てきます。第2主題は経過的なもので、展開部においては内声はトレモロを刻み、両外声が絡み合いながら進むものです。再現部は、定型どおりで、コーダは、第1ヴァイオリンのアルペッジョの伴奏のしたに、ピッツィカートで、他の楽器が掛け合うという充実したもの。

第2楽章 変イ長調 ロンド形式 様々な美しい旋律群が、豊かな和声や装飾に彩られているもの。
第3楽章 スケルツォ ハ短調 いわゆる「運命の動機」のようなものによって支配されており、トリオは、ハ長調。2小節単位で、6/8拍子の要領で弾くという指示があり、チェロとヴィオラに現れる2本の旋律が、ポリフォニックに展開するもの。同じトリオが2回あります。
第4楽章 変奏曲 主題と6つの変奏と、コーダからなる楽章です。主題は同じ動機が繰り返されます。晩年にみられるような主題の性格を変える変奏曲ではなく、装飾によるものとなっています。




YouTubeでの視聴


ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
Beethoven: String Quartet No. 10 in E-Flat Major, Op. 74 "Harp"
メロス弦楽四重奏団 - トピック
Melos Quartet - Topic
Provided to YouTube by Universal Music Group
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=gbNAsWR7mcw
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=2A7lwZuyygM
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=_pOJhWAQQRU
第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=IktACGF1Tjs


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