ベートーヴェン 弦楽四重奏第13番「大フーガ」付き Beethoven: String Quartet No.13

 ベートーヴェン 弦楽四重奏第13番「大フーガ」付き
Beethoven: String Quartet No.13
エマーソン弦楽四重奏団 1994年
Emerson String Quartet

何度となく、チャレンジしても挫折する楽曲が多く、このベートーヴェンの弦楽四重奏曲も、超苦手の部類にはいってしまう。エマーソンSQの演奏は、オシャレでスタイリッシュなCDジャケットが気に入って買ったものなのだが~このCDには、1~5楽章のあとの6楽章には、新6楽章ではなく、大フーガが収録されている。
第1楽章は、冒頭は、不穏な感じがする。もわもわ~として気味の悪いものだ。だが、ヴァイオリンの明るい「みふぁみれ どれどし らしらそ ふぁそふぁみ れれっ」と、歌い始める。また直ぐに沈むのだが、ヴァイオリンだけが元気なのだ。第2楽章は、わずか1分52秒となっている。軽やかに始まり、スマートな演奏で快速だ。第3楽章は、とても繊細で、ヴァイオリンと他の弦楽器との呼応が巧い。柔らかいし、ゆったり、余裕が感じられ、とてもチャーミングだ。第4楽章は、「みどみ らぁ~ しどれ ふぁ~」と、少しスウィングする感じの楽章だ。お口直しのような雰囲気を持つ楽章で、第2楽章と同じように、とっても短い。エマーソン盤だと、3分30秒となっている。

第5楽章は、「カヴァティーナ」と書かれもので、とっても柔らかく、優しい歌曲のような楽章である。ちなみに、ウィキで調べると、カヴァティーナ(Cavatina)は楽式の一つ。元来はイタリア語で「楽器が奏でる音色」を意味するカヴァータ(cavata )の縮小形であり、複数形はカヴァティーネ( cavatine )。
カヴァティーナとは、元々は第2部や、反復部のない、素朴な性格の短い歌曲と意味であったが、現在ではアリアやレチタティーヴォ等々と区別して、素朴な旋律をもつ歌謡的な声楽曲という意味に使われる。また、ロマンスと同じく、抒情的な旋律を表現の主体とする小品という意味で、さまざまな作曲家によって器楽曲のカヴァティーナが作曲されてきたと書かれてあった。エマーソンSQの音質は、穏やかで滑らかだ。しみじみ~ 息は浅いが、ゆったり切々と歌われている。
第6楽章、エマーソンSQでは、この6楽章として、新しい6楽章は、割愛されて大フーガを演奏する。ウィキペディア(Wikipedia)で調べると~24小節の序奏に始まり、2つのフーガ主題のうち1つが導かれる。その主題の旋律(B♭-B-A♭-G-B-C-A-B♭)は、弦楽四重奏曲第15番の開始主題と密接な関連がある。やがて、激しく不協和な二重フーガに突入する。第2主題は、烈しく跳躍し、4つの楽器は、3連符や付点によってぶつかり合い、クロスリズムを形成する。開始のフーガに続いて、それぞれに調性やリズム、速度の異なるいくつかの部分が現われる。それぞれの部分は、しばしば出し抜けに、準備もなく打ち切られ、とげとげしく予想もできない基調を作り出す。終結に向かって長い休符をはさみながら速度を落とし、序奏の再現にたどり着くと急激な結句となって楽章が結ばれる。

エマーソンSQで聴くと、弦がしなやかで、滑らかさが感じられるので、前に聴いたアルバン・ベルクSQよりは、聴きやすく感じられた。第2主題の激しく跳躍するところが、ヴァイオリンの音と、低弦と交錯して、かしげた音に変わる。弓が上から下に、ずーっと、こすられているんじゃーないのかなあ、という感じで、弦を弓でこすって、特に、ヴァイオリンの悲痛な音質が、なんとも言えない。で、チェロまでも、跳躍してくるのだが、途中でリズムが変わるし、えっ? みんなで同じリズムを刻まないの? えっ、どうしてぇ~っと叫んでいるうちに、アタマがこんがらってくる。ワタシの素人アタマでは、やっぱり大フーガは、わかりづらいものなのでした。ある本を読んでいると、流暢で、さらに堅実な対位法的書式は、古典派の絶品って言葉が書かれてあった。フーガ・・・ バッハが作った対位法の粋を踏襲しつつ、より楽器の特長を生かした書法で作曲しているから勢いがあるのだそうだ。まあ、弦楽四重奏曲に取り入れているのだから、確かに、楽器は違うわけだし、4声をそれぞれの楽器に振り分けている。

でも、こしげたような音質、ガリっ、ガリっ、キリッ キリッ、ガガっ ガガッ・・・と鳴るなかで、リズムの変化が混じると、どうも耳がついて行けない。大フーガあってこその13番だとは思うが。大フーガは、複雑な楽章で、イマイチ理解できないんですが~ 総体的に、エマーソンSQの演奏は、スピード感があって、繊細で、スタイリッシュ。メリハリがついてて、優しく聴きやすい。ちょっとゲンダイオンガクっぽく感じる場面もあるが、 音質がとても美しく、力任せではなく、しなやか。前に聴いたアルバン・ベルクSQは、いったい、なんだったんだろう~ どちらかと言えばアグレッシブ。凶暴で、何かが壊れた感じがしていた。このエマーソンSQで聴くと、確かに、変な音でリズムも変わるし、困ってしまうのだが~ すこぶる整然としており、各声部も理路整然と見通しよく演奏されていると思う。そういう意味では、聴きやすかった。


 ベートーヴェン 弦楽四重奏第13番「大フーガ」付き
Beethoven: String Quartet No.13
グァルネリ弦楽四重奏団 1987年
Guarneri Quartett
1964年から2009年まで、活躍されていたグァルネリ弦楽合奏団さんの13番。
メンバーは、
第1ヴァイオリン アーノルド・スタインハート Arnold Steinhardt
第2ヴァイオリン ジョン・ダリー John Dalley
ヴィオラ マイケル・トゥリー Michael Tree
チェロ デヴィット・ソイヤー David Soyer 2001年まで
チェロ ピーター・ワイリー Peter Wiley 2001年から

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は壁が高い。ワタシの場合、アルバンベルク盤を聞いて、キレキレっの演奏にタジタジ、たじろいてしまったのがトラウマになってしまった。まるで、教会の屋根が抜け落ちたかのような甚大な被害を被った感じだったのだ。インパクト強すぎ。苦手意識を持つと、どうも難解だよ~と回避してしまいがち。でも、意外としっとり聞けちゃうのが、グァルネリ盤のような気がする。じわじわ~っと入ってくる演奏である。13番は、6楽章まであるが、そのあとに、続けて作品133の大フーガが収録されている。第1楽章は、不穏なフレーズから始まるが、高音域のヴァイオリンの飛翔するようなフレーズが特徴的で、描き方は草書体である。中音域の厚みのある演奏というよりも、第1ヴァイオリンのフレーズを追いかける方が楽しいかも。ワタシの耳は、ヴァイオリンの音を追いかけていってしまった。合いの手いれてくる付点のリズムにマッチして、パンっとヴィオラやチェロの厚みのある音が入ってくるので面白みが増している。4つの楽器が、常に均質に演奏されるのではなく、音が弾んだり、流れたりしていくなかで、波のように、うねって~ 瞬間的に、ぶつかってみたり、はじけたりしているような感じがして、とてもリアルだ。

第2楽章は、1分52秒の演奏だが、短いなかに、キュートな表情がいっぱいに溢れる。パーカッションのような音がクリアーに入っている。第3楽章は、息の深いチェロが主体となっており、悲哀が底辺にありながら、なんとか毎日を暮らしています~という感じの、さりげない微笑みのある表情をヴァイオリンが見せている。難しい楽曲だけど、柔らかい、穏やかな表情で奏でられているように思う。なんか奥が深いよね~と感じさせる演奏で、ふわっとした繊細さが感じられる。ハイドンの楽曲のように明快ではないけれど、中音域の深みのある層が、ヴァイオリンのフレーズを優しく包むように絡んでいく。コミカルに弾んでみたり、悲しい表情を見せるチェロの存在が大きいかも。

第4楽章は、「みどみ らぁ~ しどれ ふぁ~」とスウィングする楽しい楽章だ。長いディナーの箸休めのような存在で、甘いスイーツのような感じだが、むふふ。穏やかにロマンティックな表情を見せて、息の深い余裕と優美さがある。ヴァイオリンの音色をかき消さず、奥行きのある低弦の存在が、細やかにアクセントをつけて、凸凹を形成していく。聞いてて、とても穏やかな時間が流れていく気がする。心地よい揺らぎがある。他盤に比べて、すこしおっとりしているが、いやー ガシガシに演奏されるより、ずーっと穏やかな時間を堪能できるので嬉しい。
第5楽章は、なんとも言えない懐かしい気分になる演奏だ。懐古調というか、古民家での暮らしを味わっているかのような、ゆったりとした静謐な時間が流れていく。教会で聞いているかのような楽曲で、音が膨らんだり萎んだり、空気か浄化され、そして、すっと気体化するかのように演奏される。なんて表現すれば良いのか、不思議な時空間が生まれている。慈愛に満ちた包まれた気分というか、雲のうえに座っているような感じというか。落ち着くわぁ~というのが、俗世に暮らす俗人ワタシのつぶやき。

第6楽章は、舞曲のような楽章で、粘りこそ少なめだが、さりげなく愉悦性が感じられる演奏だ。押し出しの強いガッツのある演奏ではないが、中年壮年の余裕が見られるような演奏で、さらさら演奏して表情が抑制されているものの、素材から、自然と微笑みがこぼれていくようだ。演奏のなかで、力づくで濃い味付けをしなくても、楽曲を信じて自然に演奏していると曲から味がしみ出てきました~という感じの演奏だと思う。もちろん、演奏者たちは計算して演奏しているに違いないのだが、各楽器の凸凹具合が絶妙で、案配のよい距離感を保って、トータルでまとまっている。強弱のつけかたが巧いのかな~ 各楽器の減衰していく音がなんとも美しい。手慣れた演奏で、即興的に弾いているかのような錯覚を覚える。熟年の演奏という感じで落ち着く。
大フーガは、13番が終わったあとに演奏される。複雑すぎて耳が混乱してくるのだが、リズムで聞かされちゃった感がある。あ~ わからんと呟きながら、聴き進むのだが静謐さが出てくる場面では、5楽章と同様に不思議な時空間へ突入。壊れたパイプオルガンのような不協和音が出てくるが、わりと~ わりと、まったり演奏されてて調和感は、わずかながらに感じる。 


 ベートーヴェン 弦楽四重奏第13番「大フーガ」付き
Beethoven: String Quartet No.13
アルバン・ベルク四重奏団 1982年
Alban Berg Quartet
ヴァイオリン:ギュンター・ピヒラー Günter Pichler
ヴァイオリン:ゲルハルト・シュルツ Gerhard Schul
ヴィオラ:トーマス・カクシュカ Thomas Kakuska
チェロ:ヴァレンティン・エルベン Valentin Erben

アルバンベルクの演奏は、特に大フーガにおいて、凶暴で、壮大な不協和音で、教会のオルガンが壊れ、屋根が抜け落ちるような~そんな感じがする。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、超苦手である。難しすぎて~歯が立たず、歯がボロボロになりそうである。額からは汗がにじみでて、眉間に縦皺ができちゃうぐらい、難解だと思ってしまう。ここでご紹介するアルバン・ベルク四重奏団さんのCDは、実は1枚モノのCDを持っているのだが、完全にお蔵入り状態で、CD棚の片隅に、他の後期のモノと一緒にあった。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲と、バルトークの弦楽四重奏曲は、CD棚の「B」コーナーからはじき飛ばされて、取り扱い注意扱いとなり、別途片隅に追いやられたわけである。それも双方共に、アルバン・ベルク盤が~である。
確かに若い頃に、この辺りの作品を聴いても、まあ難しいかもしれないわねぇ。評論家のセンセイの話を鵜呑みにして、無理矢理に聴いたのが、トラウマになってしまったのだ。そりゃ評論家のセンセイは、おじいちゃんなのだ。おじいちゃんたちが良いと言ってもねえ~ ベートーヴェンだけでなく、作曲家の晩年の作品は、若い頃に聴いても、あまりウケない。共感できるか?と言われたら、う~ん。若い頃には作曲家の若い作品を聴くのがベスト。そして、年齢を重ねて、自然と晩年の作品に共感を覚えるようになるんじゃないのかなあ。好みも変わるし、聴く曲も自ずと変わると。振り返ってみてワタシ的にはそう思う。

第1楽章は、いずれは、浦島太郎のように玉手箱を開ける日もあるだろうと~ 思っていたが、パンドラの箱かもしれず・・・もしパンドラだったら、急いで蓋をしなくてわぁ~と思っている。さて、13番。1枚モノのCDでは、弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130は、1楽章~5楽章 そして大フーガを挟んで、6楽章となっている。つまり、旧作のフーガを入れて、ひととおり演奏して、別に新しい方の6楽章を演奏するというスタイルだ。ホントは、嫌々ながら聴き始めたのだが、この13番の出だしは、あれっ? 意外と柔らかいじゃんっ! ゲンダイオンガクぽいフレーズも、なかには登場するのだが、つかみの1楽章は、意外といける。冒頭の「どぉぉ~しぃ~ らそふぁっ」のところだけ聴くと、どんな、おどろおどろしい楽曲かと恐れるが、すぐに明るくなるのだ。また穏やかなヴィオラとチェロの安定した響きが下支えになっており、艶のあるヴァイオリンの音色を、しっかりとつかまえて~ 自由闊達に演奏しなさい。っと、どっしり構えている。ヴァイオリンの美音には、聞き惚れてしまった。まるで、森林のなかを散策して山に登り、見晴らしの良いところに出て深呼吸しているかのようだ。2挺のヴァイオリンの響きが、木霊のように響く。すごく清々しいっ。まるで、小鳥が飛び交っているかのよう。
第2楽章は、フレーズを繰り返して颯爽と進む。最初は小声だったものが、走っていくうちに大きくなっていく。プレストの楽章なので、あっという間に終わる1分55秒の楽章だ。どこかの国の舞踏という感じで、ヴァイオリンが細かくリズミカルに奏で、「タタら らったん」っと転がるフレーズや弦のピチカートのフレーズも入ってくる。小さな作品だが、すごく良いスパイスになっている。
第3楽章は、冒頭こそ意味深に始まるが、あわさっていくうちに、ため息がリズムに変わるよう。チャカ チャカと明るくなるのだ。へえ、不思議な気分だ。低弦の響く音は意味深なのだが、ヴァイオリンさんは愉快に過ごしたいみたいで~ 別の気分が一緒に奏でていくうちに、明るい方向に影響を及ぼしていくみたいだ。チェロさんの動きが、動き出した機関車のような、パパ パパっ。パカ パンパン あれっ 聞き分けられない。低弦とリズムが違う。
第4楽章では、ワルツのような波形フレーズで、そのフレーズが同じ方向で揺れてる? 奥の方のチェロの音色が暖かい風を運んでおり、ヴァイオリンが飛んでいく。3分弱の楽章だ。第5楽章は、アダージョの役割をしている楽章で、しみじみ。シンプルなのだが、それが狙い通りなのだろうと思う。すすり泣くようなチェロとヴィオラ、ヴァイオリンの奏でるそれぞれのフレーズが、和音になったり、離れていったり。

大フーガ
「らっ らぁ~~ らぁ~ しぉそふぁ ら しっそ らぁらら~ らし~そふぁ らしぉ~そふぁ?」ここが、すげっ こりゃ 晦渋なフレーズだ。いきなりガシッ!と出てくる。う~ん ゲンダイオンガク顔負けの、えっ バリバリの不協和音じゃん。ササクレだった ヴァイオリンの音が、耳につきささる。それぞれの音は、確かに、れっれっ どどっ そそっ ふぁふぁっ・・・というように流れて行く音だが、和音になる部分が1つもないというか、悲鳴をあげている。 こりゃーわかんない。裏返った声というか、調和してないというか。なんじゃ~こりゃ。まるで、パンドラの箱を開けてしまったかのような雰囲気になった。

中間部では弱音になって、聞き慣れた感じで聴ける場面が出てくるが。また突然、軋んだ音が登場してきて、不協和音となる。アタマが痛くなってしまうような・・・なんだか、何かが壊れたみたいで~。第2ヴァイオリンと、ヴィオラの音がわかんないっ。「らっ らぁ~そそふぁっ~」 テンデバラバラ・・・でもね、これ完全にパイプオルガンを模しています。(って思っちゃった。)出だしの音では、ヴィオラとチェロが、、わざとずらして出てきており、パイプオルガンの、うぐぐぐぅ~っと出てくる音圧が描かれているようにも思う。また、パイプオルガンの超低音の重厚な響きを、弦楽四重奏曲で描こうってわけだから、わざと、弦の音の流れをずらすことで、残響をも描こうとしているのではないかな~っとも思える。わ~ 当時の聴衆もワタシも、なんじゃーこりゃ。と、同じ反応をしてるんじゃないかな。(笑)

第6楽章は、ャーミングな楽章に変貌しており、とっても軽やかだが、ん~たら らったん。ヴァイオリンのうねりのような、球体化したような膨らみ感があり、せわしさを感じるフレーズがあり、舞曲風でもあり。春爛漫のなか蝶々のように舞うフレーズが、ヴァイオリンで奏でられているが。強奏する場面があり、低弦の掠れた声で、ガッシリと強く描かれる。すごみが感じられるのだが、またまた、蝶々に変貌している。特に、低弦の響きが、設営された舞台のようだ。 う~んにゃ と、うねりを与えて力強く。テンポ良く聴ける。まだ、この楽曲に馴染みがないため、他盤と比較してみないと、わからないのだが、アルバン・ベルク盤は、やっぱり名盤なんだろうかなあ。どうなんだろう~ とにかく、スタイリッシュで、録音状態は極めて良い。う~ん まだまだワタシには聞き込むの時間が必要だ。で、あの大フーガは、なぜ作られたのだろう。ベートーヴェンさんは、この頃、すでに耳がお悪かったのではなかったっけ、う~ん 謎だっ。

確かに若い頃に、この辺りの作品を聴いても、まあ難しいかもしれないわねぇ。評論家のセンセイの話を鵜呑みにして、無理矢理に聴いたのが、トラウマになってしまったのだ。そりゃ評論家のセンセイは、おじいちゃんなのだ。おじいちゃんたちが良いと言ってもねえ~ ベートーヴェンだけでなく、作曲家の晩年の作品は、若い頃に聴いても、あまりウケない。共感できるか?と言われたら、う~ん。若い頃には作曲家の若い作品を聴くのがベスト。そして、年齢を重ねて、自然と晩年の作品に共感を覚えるようになるんじゃないのかなあ。好みも変わるし、聴く曲も自ずと変わると。振り返ってみてワタシ的にはそう思う。


ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番 大フーガ付き
1982年 アルバン・ベルク弦楽四重奏団 EMI ★★★
1987年 グァルネリ弦楽四重奏団 Ph ★★★★★
1994年 エマーソン弦楽四重奏団 G ★★★★★


ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番(作品130)は、1825年に作曲されています。あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、作曲順では、14番目の作品だということです。(出版の順番が途中で違ったらしい) 当初は、「大フーガ」を含む6楽章からなっており、50分を超えてしまう作品で~この曲の終楽章に置かれたフーガは、とっても難解で評価が二分したとのことで、出版社からの要請等もあり、「大フーガ」を切り離して、これとは別の、もっと軽快で小型のフィナーレを書き直すことになったそうです。改作前の終楽章(大フーガ)は、独立して作品133として出版されています。Grosse Fuge In B Flat, Op.133 
なにせ、6楽章で構成されている点で、異例の作品です。大フーガが差し替えられた改訂後のものでも、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も演奏時間が長いもの。中間楽章において、通例とは逆の舞踊楽章、緩徐楽章という並べ方をするのは、交響曲第9番の合唱等でも見られますが、中間2楽章の並びがもう一度くり返され、開始楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、終楽章となっています。第1楽章 変ロ長調、序奏つきソナタ形式 瞑想的で荘重な序奏における第1ヴァイオリンの旋律は、この楽章全体の中核をなし、提示部や展開部のつなぎ目でたびたび姿を見せる。
第2楽章 変ロ短調、三部形式 スケルツォ風の短い楽章。きわめて速く、せわしない音型の密集である。第3楽章 変ニ長調、三部形式 美しい情緒をたたえた緩徐楽章ですが、民族舞踊曲風のくだけた印象を持つ旋律が特徴で、2度目の緩徐楽章で、崇高なカヴァティーナである第5楽章とは対照的です。第4楽章 ト長調、三部形式 「ドイツ舞曲風」と題されているが、これはレントラーのことで、第2楽章と同じく、次の楽章への橋渡し的な短い楽章となっています。
第5楽章 変ホ長調、三部形式 「カヴァティーナ」とは叙情的なアリアを指し、名の通り非常に美しい旋律を持ったもの。
第6楽章 変ロ長調、ロンド形式 前述の通り、後から差し替えられた楽章で、改作前のものとは打って変わって、沸き立つようなリズムと楽しげな主題の楽章ですが、対位法的な部分も少なからず使われている。
13番は、とても親しみやすくチャーミングな楽曲ですが、大フーガは、壊れたパイプオルガンのように不協和音が飛び出してきます。弦楽四重奏曲でパイプオルガンを模そうっていう企画なのでしょうか?なかなかに挑戦的で大胆な発想で、驚かされます。




YouTubeでの視聴

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番「大フーガ付き」
Beethoven String Quartet No. 13 in B-Flat Major, Op. 130
アルバン・ベルク弦楽四重奏団 - トピック
Provided to YouTube by Warner Classics
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=3xE1hIh98Ek
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=aBWu3zWvXi8
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=LaKLloC3ExA
第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=xEb2sOSqYRc
第5楽章 https://www.youtube.com/watch?v=H0RbTZSMnpA
第6楽章 https://www.youtube.com/watch?v=3nOevmnZJGk
大フーガ Grosse Fuge in B-Flat Major, Op. 133 
https://www.youtube.com/watch?v=FeZrVMwoFlM


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