「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲第2番・第3番
Dvorák:
String Quintet No.2 & 3


ドヴォルザークの弦楽五重奏曲は3曲ありますが、第2番は1875年に、第3番は1893年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第2番 ト長調(作品77 B. 49)は、2つのヴァイオリンと、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのために作曲されています。
コントラバスが仲間に入っているという〜珍しい曲です。
ドヴォルザークは1841年生まれなので、34歳頃の作品となるでしょうか、なんでもコンクールに入賞した作品だそうです。元々は5楽章の作品だったのですが、「間奏曲」と題された第2楽章を除外し、その後に改作されて「弦楽合奏のためのノットゥルノ ロ長調」(作品40 B. 47)として再出版されています。
現在では、当初の5楽章に復元して、「間奏曲」を含めて弦楽五重奏曲 第2番とする場合もあるようです。

第3番 変ホ長調(作品97 B. 180)は、1893年に作曲されています。1893年と言えば、交響曲第9番完成した年であり、有名な弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」の完成直後から作曲された作品です。
52歳頃の作品で、夏にアイオワ州スピルヴィルで作曲されたそうです。弦楽四重奏に、ヴィオラを加えたもので、ヴィオラが大活躍します。アメリカの民族音楽に触発されてはいるが、ドヴォルザークのボヘミア的な特徴が表れた作品で、伸びやかな楽想が印象的です。

2番は爽やかだし、3番は新世界同様に円熟期の作品で、独特の民族的なメロディアスな楽曲で、聴いたら、あっ! ドヴォルザークだとわかる、独特の色彩感や雰囲気のある、癖になりそうな楽曲です。お薦めです。

ウィーン八重奏団 1969年、71年
Vienna Octet
ヴァイオリン: アントン・フィーツ ヴィルヘルム・ヒュープナー
ヴィオラ: ギュンター・プライテンバッハ ヨーゼフ・シュタール
チェロ: アダルペルト・スコチック フェレンツ・ミーハイ
コントラバス:ブルガルト・クレウトラー

録音状態はまずまず。

カップリング:
1〜4 ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲第2番(1969年)
5〜8 ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲第3番(1971年)
弦楽五重奏曲第2番

1楽章
「(らぁふぁみ) らぁ〜ふぁみ れどみれぇ〜 (ふぁみれ) し〜っ ふぁみ れどみれ〜」
冒頭からコントラバスが登場するが、とても爽やかで明るい青春時代って感じ、喜びの歌が聞こえる楽曲である。
「らぁ〜 ふぁみっ らそしらぁ〜」と、とてもリズミカルで、伸びやかで、ホント青春してます〜という感じなのだ。
とても、アナタの将来は開けてますよぉ〜っと、占い師にでも言われているかのようで、弾んで、弾んで〜 
「ふぁ〜 そぉ〜 らそしらっ ふぁみふぁみ どっ しっらどしぃ〜」
喜びに満ちあふれちゃって〜ワクワクしちゃう楽曲だ。まあ、オーストリア政府からの奨学金を得ることになった年に作曲されたので、前途洋々の気持ちが表れているのだと思う。

2楽章
「ふぁっ みどれみ ふぁっ みどしら ふぁどぉ〜 ふぁどぉ〜 ふぁど〜しら〜」
「ふぁっ みどれみ ふぁっ みどしら どみ〜れみ〜 どみ〜れみ〜 どそぉ〜・・・」
民族舞踊のようなフレーズで、同じフレーズを少し音を変えて、また、楽器を変えて繰り返して演奏される。
「どみぃ〜 れみぃ〜」という少し粘りのあるフレーズが特徴で、たらぁ〜ん というところが、強めのアクのあるタッチだが、ふっと力を抜きながら演奏されているので、弾力性を持ちながら、独特のリズム感を生んでいる。

3楽章
「みふぁそ らそそ らしどぉ〜 そぉ〜みど〜 ふぁみどぉ〜」っとノスタルジックに歌う楽章だ。
はやくも、メロディーメーカーの片鱗が出ている。
ゆらゆらっとした旋律と、ポンポンっと響くところ、そして「しぃ〜ら ふぁぁ〜」と歌うところが魅力的だ。
ヴァイオリンの甘い歌謡風フレーズが聴ける。歌うだけでなく、低弦がしっかりリズムを主導しており、飽きさせないように工夫されている。

4楽章
リズミカルなフィナーレで、旋律はシンプルなのだが、ちょっと速めに、「らっ ふぁぁ〜みどっ (らそふぁみ どしらそっ)」
「らっ ふぁぁーみどっ  しっ しーらふぁ ど どぉーっ」と跳躍していく。
明るいけれど、どことなく土俗的で、ヴァイオリンのフレーズは歌謡風だが、リズムは低弦が担っている。

このウィーン八重奏団の演奏は、ちょっと潤い感の薄い、枯れ気味の渋い音質ので、老いらくの恋みたいに聞こえちゃう。
楽曲自体は青春時代のような、チャーミングな曲なので、その点、ちょっと〜変な感じでしょうか。
ちょっと、渋すぎかしらん。なぜ、コントラバスを入れているのか、その点が・・・。う〜ん。
で、聴いている分には、さほど、重くて、ごつい〜っというイメージもないのですが、他盤を聴いて比べてみないと、ちょっとコメントしづらいです。


スメタナ弦楽四重奏団、ヨゼフ・スーク 1986年
The Smetana String Quartet
Josef Suk
ヴァイオリン:イジー・ノヴァーク、ルポミール・コステツキー
ヴィオラ:ミラン・シュカンパ ヨゼフ・スーク
チェロ:アントニーン・コホウト

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態はとても良い。甘く、楽しく、ワクワクしながらも切なく、素朴だけど品があって〜 とっても素敵。楽しく聴けちゃいます。
カップリング:
1〜4 ドヴォルザーク 弦楽五重奏曲第3番
5〜8 ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲第1番(1988年)ピアノ:ヤン・パネンカ
弦楽五重奏曲第3番

1楽章
ドヴォルザークがアメリカに渡った後、1893年の夏休みに、弦楽四重奏曲「アメリカ」、そして、弦楽五重奏曲第3番が作曲されています。
とっても筆が速く進んだようで、夏休みの休暇で来たスピルヴィルという街に到着したのが6月5日で、弦楽四重奏曲の「アメリカ」は、6月8日から3日間でスケッチが終わって2週間後に完成。
で、6月26日に弦楽五重奏曲を着手して、ほぼ1ヶ月で完成したということだそうです。
なんとも効率の良いお仕事ぶりで〜 ホント驚いてしまいます。聴いた感想を書くだけで、何日もかかっている、凡才のワタシとは比較にならないほど、天才のお仕事ぶりは違います。

第2ヴァイオリンが奏でる「ど どぉ〜れふぁ れどらぁ〜 どどぉ〜(らっどどぉ〜 らっどどぉ〜)」
チェロで同じフレーズを奏でる。角笛のようにも聞こえるのだが、これは、望郷への想いの象徴なのだろうなあ。
スメタナSQの、この冒頭のフレーズで、持って行かれちゃう。
「どっどぉ〜 どっどぉ〜」と、期待を胸にしまって喜びを表しており、「ふぁ〜 ふぁそふぁ どぉ〜 ふぁそふぁ どぉ〜」と、船に揺られているかのようなフレーズが、ドヴォルザークが、アメリカに渡ってきたかのようなストーリーに聞こえる。
ん? 船かな、もしかしたら汽車かもしれない〜 う〜ん どっちだろう。
でも、いずれにしても、絶対、これって、アメリカに渡ってきたシーンを描写したものだと思う。

とても牧歌的で、素朴な喜びが、「らっら らら どぉ〜らぁ〜」という、チェロのフレーズに、印象的に描かれている。
スメタナSQは、録音状態も良く、チェロの歌謡風フレーズが、ちょっぴり甘めで、しっとり木質的に調和して、他の楽器と音質が馴染んで、とっても瑞々しい。
ヨナ抜きのような「れふぁれどら どどぉ〜 どれどふぁそふぁどぉ〜 ふぁそふぁ どぉ〜 ふぁそふぁ どどぉ〜」という旋律と、演歌のような和音を持って、すーっと消えていくところが、なんとも言えないノスタルジックな気分を生んでいる。

2楽章
弦を、かしげて弾むフレーズが、とても印象に残る楽章だ。
「らっらぁ〜 どらっ そみ らっらぁ〜 どらっ そみ」 どこの民俗舞曲なのだろ〜 弾んだアクセントが、爽やかだが、インパクトがある。ヴァイオリンやヴィオラの、弦の上で弓が踊っている感じで〜 これが、ハンガリーなどの中欧、東欧の楽器、チェンバロンのような響きを感じちゃう。
まるで、コダーイの楽曲のように聞こえちゃうのだ。そうだな〜ワタシ的には、ガランタ舞曲を思い出しちゃった。
ん?これこそ、汽車に乗っているみたい。
「どどぉ〜そみ どどぉ〜そみっ」ってフレーズは、舞曲みたいだけど、汽車に乗ってピクニックに行くみたいな感じもする。
夏休みに、お出かけしましょう〜というような、ワクワク感が気持ち良い。愉悦性の高い楽章だ。

3楽章
「みぃ〜れみど みぃ〜れみど」
「みみみ みぃ〜 ふぁみしぃらしどし しみぃ らそふぁ みぃ〜」 いや〜ん、切なくて胸がいっぱいになってしまうフレーズが登場してくる。草むらに寝っ転がって、空でも見上げているのだろうか。夕暮れに近い時間でもあって、ふっと〜 ふるさとを思い出しているかのようで、でも、きっとこの主人公は若いのだ。
だって、中間部分で弾んでくる。「みふぁみふぁ みどらそみ・・・・」と、楽しげなフレーズ続くのだ。
声を振るわせて、切なくなっちゃうところは、ちょっぴり涙めなのだ。

4楽章
「どれみど ふぁそらふぁ しそみれど れみふぁそ らふぁそら しらしど らぁ〜」
人が集って、パーティーをしているかのような感じの、素朴な喜びシーンのようだ。
爽やかな夏の草原のようでもあり、ピクニックシーンのような感じでもあり、そこで民俗舞踊がくりひろげられる。
「みらそみ れみどら みらそみ れみどら みらそみ れどらぁ〜」
これもヨナ抜きの五音フレーズが飛び交っており、歌謡フレーズが郷愁を呼ぶ。
最後の伸びやかな高音域のフレーズが、まるで、ハイ、お話は終わりですって、感じのオチがついているようで〜
みんなで拍手しながら、笑っているかのようなシーンで終わるのだ。
う〜ん 巧いっ。にくいっ。ドヴォルザークさん余裕たっぷりの楽曲でしょ。

スメタナ弦楽四重奏団の演奏にスークさんが加わって、ヴィオラが2人なので〜 厚みが充分に増して、中音域の安定した音色に艶が感じられる。歌心がたっぷりあり、また、若々しく、瑞々しい。
楽しんで演奏されているようにも思うし、また、それが、聴き手にとっても伝わってくる。う〜ん。とってもよい楽曲でした。
なんだか、ワクワクさせてくれる楽曲です。 とっても微笑ましく感じられる。
ドヴォルザークが好きな方なら、新世界の繋がりで、とっくの昔に聴いておられると思いますが、この曲に、サブタイトルがついていれば、この楽曲は、もっと知られていると思います。
聴けば〜 おおっ ドヴォルザークっ! さて、みなさんなら、どんなサブタイトルをつけるでしょう〜?


1969年 ウィーン八重奏曲 Dec ★★★
1986年 スメタナ弦楽四重奏団、スーク DS ★★★★★
2001年 ラルキブデッリ SC  
所有盤を整理中です。

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