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ハイドン 弦楽四重奏曲 第67番 ひばり
Haydn: String Quartet No.67 "Lerchen” (The Lark)

ハイドンの弦楽四重奏曲第67番(作品64-5 Hob.3-63)は、通称「ひばり」と呼ばれています。
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
1790年に、エステルハージ侯爵家の宮廷楽団のヴァイオリニスト兼実業家のヨハン・トストからの依頼によって作曲された「第3トスト四重奏曲」の中に含まれる弦楽四重奏曲です。「ひばり」というタイトルはハイドン自身が名付けたものではなく、第1楽章の冒頭に現れる旋律が、ひばりのさえずりに似ているからだとか。でも、いつ愛称がついたのかは不明。

第1章 ニ長調 2/2拍子
ソナタ形式。第1ヴァイオリンによって奏される、冒頭の第1主題が「ひばり」の旋律です。
展開部以降も、第1主題の情趣がなされています。

第2楽章 イ長調 4/3拍子
3部形式の緩徐楽章で、トリオはイ短調です。

第3楽章 ニ長調 4/3拍子
快活なメヌエットの楽章で、トリオはニ短調、対位法的な書法がみえます。

第4楽章 ニ長調 4/2拍子
3部形式のロンド風の楽章で、常動曲風に奏され、中間部はニ短調、フガートの書法によるもの。

わずか17分程度の楽曲ですが、小春日和のシアワセ感が漂う穏やかな楽曲です。
交響曲や弦楽四重奏曲の父と呼ばれるハイドンは、どうも数多く曲がありすぎて、どれを聴いたらよいのか〜
で、みんな同じなんじゃないの。金太郎飴っぽいよ〜と思ってきたけれど、でも聴けば、この「ひばり」は、納得っ。

  イタリア弦楽四重奏団 1965年
Quartetto Italiano

録音状態は極めて良い。60年代の録音とは思えないほどクリア。すっきりしてヌケが良く残響も適度にあり、イタリアSQの艶のある、ふっくらした音の響きが芳醇で〜 シアワセ

ばっちグー!

カップリング:
1〜4   ハイドン 弦楽四重奏曲第67番 ひばり
5〜8   ハイドン 弦楽四重奏曲第17番 セレナード
9〜12  ハイドン 弦楽四重奏曲第76番 五度
13〜16 ハイドン 弦楽四重奏曲第77番 皇帝(76年)
1楽章
「そらそふぁ みぃ〜 らしらそ ふぁ〜 し〜み どしどら そしらふぁ みそらふぁ み〜」
「しししし しぃ〜 そぉ〜ふぁみ みぃ〜 れみふぁみれ ふぁ〜」というフレーズから始まる。
ころっと転がるトリルが、ヒバリのさえずりなんですね。この旋律で、ヒバリをイメージした人って、感性が鋭いなあ。
で、これを繰り返します。
なにせ、ヴァイオリンの音色の艶っぽいこと、そして、65年の録音とは、とっても思えない録音状態の良さ。すごいっ!
で、ハイドンの楽曲は、弦の旋律が、とっても膨らみ感があるし、和音の響きがすごい綺麗っ。

ヴァイオリンがもちろん主旋律なんですが、そのフレーズが切れる時に、すかさずチェロが出てきているし、フレーズの最後には、和音が待ってます。ハーモニーの美しさ、ここにありっ。って感じ。
もう、綺麗って言葉しか浮かばないほどで、語彙の貧相なワタシのコメントでは、みなさまには、充分には伝わらないでしょうが〜 弦楽ならではの豊かで芳醇な響きが〜 いっぱいに広がってきます。

2楽章
穏やかな楽章で、ヴァイオリンとチェロの旋律が、いつも和音を形成してて、チェロの柔らかい響きが伴奏になってる。
えっ ヴィオラは? もちろん、いるんだけどヴァイオリンと一緒かな。で、ずーっと、和音を形成しながら歌うんですよねえ。
翳りの見える旋律も、こそっと顔を出すけれど、暗くなりすぎないし、波長というのかなあ。フレーズの長さが、長すぎもせず短すぎもせず、1つのフレーズのなかで、ふわーっと昇って、すーっと降りてくる。
ついつい、鼻歌で歌ってしまえるような楽曲で、ついつい睡魔も・・・(笑) 春の穏やかな日射しのようで、音響の良さも手伝って、う〜ん 耳のご馳走大盤振る舞いってところでしょうか。

3楽章
「れみっ そぉ〜し どらっ ふぁ〜ら れみふぁそらしどれみっみ れみふぁそらし どれ みっみぃ〜」
「ふぁ〜 らっら しっし」
最後のところだけ、半音が混じってて不協和音風で、アクセントになっている。
この不協和音は、チェロがひとり、つくっているのかなあ。
たらん っというフレーズが、なかなかに愉快で、ちょっぴり諧謔的でもあるけれど、基調は明るく、伸びやかで、完全に歌えるカンタービレ調です。ここでは、主題の時は、チェロは一緒に演奏するけれど、その主題が終わると、主旋律の伴奏型というのではなく、対位法に基づいた自立した旋律を弾いている。和音が綺麗〜っ とっても美しい。

4楽章
せわしない無窮動のような、チャカチャカチャカ・・・とした動きがあるが、ヴァイオリンは、その動きで旋律を描いているし、チェロがアクセントになる音を置いていく。中間部分は、チェロも、チャカチャカっと忙しく動いていくが、旋律が綺麗に和音をつくっており、豊かな響きを醸し出す。

う〜ん、シンプルなようで、この楽曲は、内容が濃いなあ〜って思いますね。いや〜ホント構成も良いし。聞き応えがたっぷり。シンプル・イズ・ベストみたいな言葉がふさわしいような。
で、イタリアSQは、イタリア弦楽四重奏団さんの演奏は、とっても流麗で、色っぽいです。
特に、こんな綺麗な響きのチェロって、今まで、聴いたことがないような〜 美しすぎるっ。ホント、感動しちゃいました。

スメタナ弦楽四重奏団 1966年
The Smetana String Quartet



録音状態は極めて良い。およそ66年とは信じられないほどクリアで、とっても安心して聴ける明晰な演奏で、ニュートラルなのが、とっても嬉しい。
カップリング:
1〜4  ハイドン 弦楽四重奏曲第67番「ひばり」
5〜8  モーツァルト 弦楽四重奏曲第19番「不協和音」
9〜12 ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
13  チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番より アンダンテ・カンタービレ
スメタナ弦楽四重奏団の演奏は、穏やかな木質的な響きがあって、この「ひばり」も、とっても美音で奏でられる。
この前、イタリア弦楽四重奏団の演奏をCDで聴いたのだが、この音質の違いを言い表すのって、とっても難しい。
色艶があるのはイタリアSQで、木質的なのはスメタナSQという感じなのだが・・・
このSQは、シックな風合いがあって、とっても好きだ。
もう解散されて随分経ってしまったけれど、結構、人気のあるSQだったと思う。

話はそれてしまうけれど〜 スメタナSQさんもそうだが、作曲家の名前をカルテット団体の名称にしておられることが多い。アルバン・ベルクSQとか、ヤナーチェクSQとか、ボロディンSQ、バルトークSQとか・・・
これって検索する時に、とっても困る。

それでなくても、室内楽って、弦楽四重奏曲とか、ピアノ三重奏に四重奏など、バラエティーが豊富すぎで、番号だけの作品名っていうのが多く、CDに収められているのは、このCDだってハイドンにモーツァルトに・・・という組み合わせがある。
それはそれで、とってもお得感があるのだが、演奏家や団体名が、作曲家にかぶってて〜 この組み合わせが、ややこしすぎて、あぁ〜CD棚にどうやって整理したらいいのよぉ。と、嘆きたくなるのだ。
ついつい、ぼやきが入ってしまったが・・・ (スミマセン)

丁寧な演奏で、穏やかで、何のてらいも無く素直で、すーっと聴けてしまう。
ニュートラルというか、あまり作為的なことをしない演奏だ。
ここでご紹介しているのがハイドンだからかもしれないが、とってもテンポが正確で、そのくせ柔軟で、気持ちの良い太めの弦の響きが、伝わってくる。
まろやかに、予定調和的に、共鳴しているというか〜 どっしり安定しており、パパ・ハイドンって感じの、父性的な愛情が感じられるような感じというか、安心しきることができて、とっても嬉しい。
明るくて、太めで、大らかな安定感なのだ。
ギスギスしておらず、主張しないまでも、もうあるべきところにあるって感じの、立派さを感じる演奏というか、熟成した豊かな響きが、とっても良い演奏です。
(まあ、言えば言うほど、何を言っているのか、わかんなくなってしまうので〜 もうやめておきます。) 

1965年 イタリア弦楽四重奏団  Ph ★★★★★
1965年 スメタナ弦楽四重奏団 EMI ★★★★★ 
1993年 バルトーク弦楽四重奏団 Cn  
まだ所有盤を整理中です。

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