「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ハイドン 弦楽四重奏曲 第76番 五度
Haydn: String Quartet No.76-2 "Fifths"

ハイドンのエルデーディ四重奏曲は、パパ ハイドンの弦楽四重奏曲は、全部で83番まであります。
番号の振っていないニセモノくさいものを入れると、もっと増えるそうですが〜 最も有名で演奏されるのが、後期のエルデーディ四重奏曲と呼ばれる作品群でしょうか。
あっ 単発の1曲を、エルデーディと呼んでいるのではなく、6曲のグループ名(曲集)です。

あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
ハイドンが、1791年から92年、94年から95年にイギリスに行っているのですが、その旅行からウィーンに戻ってきて書かれた作品だそうです。ハイドンは、1732年生まれなので、既に60代半ばなのですが、まだ隠居するどころではなく、 創作意欲に溢れていたようです。
で、1797年〜99年頃に、エルデーディ伯爵の依頼で作られ、同伯爵に献呈されたので、ヴァイオリン2挺、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏曲6曲をまとめて「エルデーディ四重奏曲」と呼ばれています。

1 弦楽四重奏曲 第75番 ト長調  Hob.III:75 op.76-1
2 弦楽四重奏曲 第76番 「五度」ニ短調 Hob.III:76 op.76-2
3 弦楽四重奏曲 第77番 「皇帝」ハ長調 Hob.III:77 op.76-3
4 弦楽四重奏曲 第78番 「日の出」変ロ長調 Hob.III:78 op.76-4
5 弦楽四重奏曲 第79番 「ラルゴ」ニ長調 Hob.III:79 op.76-5
6 弦楽四重奏曲 第80番 変ホ長調 Hob.III:80 op.76-6

サブタイトル付きなので、とっつきやすく、親しみやすいかな。と思います。
ちなみに、「五度」という呼び名は、冒頭の五度下降動機にもとづくもの。
「皇帝」は、第2楽章の主題が、オーストリア国家(現ドイツ国歌)「神よ、皇帝を護り給え」からの由来によるもの。
「日の出」という呼び名は、冒頭、緩やかに上昇する第1主題が、日の出をイメージさせることから。
「ラルゴ」は、第2楽章のラルゴが、印象的であることから〜と、それぞれ、愛称の由来があるようです。

  クイケン四重奏団 1995年
Kuijken String Quartet

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は極めて良い。すきっとした味わいだが、とってもコクがあり、艶があり、典雅な美しい演奏だ。
カップリング:
1〜4 ハイドン 弦楽四重奏曲第75番
5〜8 ハイドン 弦楽四重奏曲第76番「五度」
9〜12 ハイドン 弦楽四重奏曲第77番「皇帝」
エルデーディ四重奏曲の全6曲(第75番〜第80番)を収録した2枚組BOXもあるし、Blu-spec CDも発売されている。
1楽章
ピリオド楽器による演奏は、苦手なのだが〜 このクイケン四重奏団の演奏には、うっとり〜してしまう。
艶のある音が、とても良い録音状態で収められており、文句のつけようのない耳のご馳走になっている。
この演奏は、ハイ、ウソ偽りなく極上でしょう。
ハイドンの弦楽は、明朗だ。穏やかで安定感があり、いつ聴いても良い意味で平穏と言ってもいいだろうし、いささか尖っていた気分や、むっとしてた時間がウソのように消え去り、精神的に落ち着く。
まあ、これが自分でわかるんだから、すごい音楽の威力、魔力だ。音楽の力って、やっぱ凄い。
この五度は、チェロとヴィオラの低音の響きが美しく、鎮静剤のように効いてくる。
「しぃ〜み〜 ふぁ〜し〜 みれみふぁ らそふぁ しっ みぃ〜 れどしら しっ」
いやいや、「られみら〜 れどれみ そふぁみら れ〜どしらそ ら」という音なんだそうで、アハハ、また絶対音感がないので調子が外れてしまった。どうも、ワタシの耳は、壊れているらしい。それじゃー 五度にならんでしょ。

2楽章
「しぃ〜 そっそ しらそら しぃ〜 どぉ ふぁ〜 ふぁみれどしぃ〜」
「しぃ〜 そっそ しらそら しぃ〜 どぉ〜ふぁみ れぇぇぇ どれみ」 
さっぱりとしたピチカートで、小声で囁かれる。
残響は少なめで、あまり後に残らない点が、モダンと違うような気がする。だが、幾分、強めに弾かれると迫力があり、大きく残響が膨らむ。
この楽章は、ヴァイオリンが大活躍してて、チャカチャカ、チャカチャカとしているが、しぃ〜ら そっそっ。という低音部のリズムの柔らかさ、タタタタというヴィオラの動きと、動きがみんな違うのだが、それでいながら調和がとれてるんだね。

3楽章
この楽章は、超渋いのだが、そこが魅力で個性的なのだ。
ちょっぴり、硬めで暗いのだが、「れみ ふぁっふぁそ ふぁみれ れみ ふぁそ らっら れ どみらっ」というフレーズは、面白い。動物の鳴き声にも似ているし、ヴァイオリンのフレーズを、ヴィオラのチェロが追いかけていく。
裏返った声のように響くというか、鼻づまりの音が並んでいるような感じ。
調は、ニ短調なんでしょうねえ。
で、この主題部分が終わると、舞曲のようになるのだが、渋い。ここは典雅というより、民族舞踊なのだ。
ロマ風にも聞こえるんだが、はてさて、どこの国の音楽だ・・・って感じの中央アジア? 中近東?って感じで、暗めのエキゾチックさを感じる。これがメヌエットだというのだが、どこの宮廷音楽なのだ。
ハイドンさん、どこかの国から輸入したでしょ。って感じの異色さだ。

4楽章
ここも、どこかロマ風というか、ひょいと、ヴァイオリンが、くるっと上に昇る。
この語尾といい、くるくる踊った感のふるフレーズは、やはり異色だ。で、調は風変わりで、音色がころころ変わっていく。
リンゼイ四重奏団で聴いた時は、軽やかだと思ったのだが、クイケン四重奏で聴くと、少し暗めで渋みが感じられる風味となっている。
古楽器特有の音色なだろうか、明朗なフレーズなのだが、枯れた風合いと艶のある典雅さが、ないまぜになって、不思議な風合いとなっている。とってもコクがあり、艶があり、典雅な美しい演奏だ。
  リンゼイ四重奏団 1998年、99年
The Lindsay Quartet

ばっちグー!

録音状態は良い。安定した艶のある明るさ、和音の美しさが心地良い。
カップリング:
1〜4  ハイドン弦楽四重奏曲第75番
5〜8  ハイドン弦楽四重奏曲第76番 五度
9〜12 ハイドン弦楽四重奏曲第77番 皇帝
ハイドン弦楽四重奏曲第76番 五度

ハイドンの弦楽四重奏曲は第83番まであって、とても聴けそうにもない。
有名どころって、いったい何番? 人気があるのは? って知人に訊いたら、エルデーディ四重奏曲と呼ばれる第75番から80番かなあ。初期は、太陽四重奏曲やロシアか、プロシアかなあ。と言っていた。
で、ウィキで調べたら、えーっ 初期だけで31番から49番じゃん。
あのぉ〜 全部で25曲になるんですけど・・・。
どだい無理じゃん。こんな薦め方ないよぉ。と、泣いてしまった。
まっ とてもムリなので、エルデーディ四重奏曲からでも、所有していた盤で、こつこつ聴かないと仕方ないようである。

で、今日聴いたのは、76番
この曲は97年に作曲されてて、冒頭の第1主題が五度の間隔で下降するから〜 ニックネームが五度。
ウィキによると
第1楽章 Allegro 冒頭で五度の主題が示されるが、楽章全体の様々なところに五度の音型がちりばめられている。
第2楽章 Andante o più tosto Allegretto
第3楽章 Menuet: Presto 主部はカノンで、異様な雰囲気を持つ。トリオへのつなぎでは大胆な転調が行われる。
第4楽章 Finale: Allegro ma non troppo 途中で転調しニ長調で終わる。
とあった。

「しぃ〜み〜 ふぁ〜し〜 みれみふぁ らそふぁ しっ みぃ〜 れどしら しっ」
「しぃ〜み〜 ふぁ〜し〜 みれみふぁ らそふぁ そ しらそし れどしっみ れぇ〜 どぉ〜し(どっし) どっし」 
「そっ らそらし どぉ〜 しらそら しっれみっ」
ちょっと、緊張感の走る出だしだが、このあとの主題は明るいもの。弾むテーマで、艶のある弦の響きが美しい。
「しれそし れっれ れ〜 れどしら そふぁしら そふぁみれ どぉ〜し っれっれ・・・」
リンゼイ四重奏団の演奏も、とても深みのある音で描かれている。チェロの主題が良いですねえ。声が良いわ。
で、リズムも、ところどころシンコペーションが出てきたり、長調なのか短調なのか、ふっと翳りが見えたりするので、どきっとしてみたり。平板かと思って聴いていたら、結構、クセモノだったりする。
快活な演奏で、気持ち良いのと、華やかさを感じたり、開放感があったり、とてものびやか。
で、弦の声が命かしらん〜 リンゼイ四重奏団の音質は、まろやか、弱音の部分もチャーミングに演奏されている。

2楽章
「しぃ〜 そっそ しらそら しぃ〜 どぉ ふぁ〜 ふぁみれどしぃ〜」
「しぃ〜 そっそ しらそら しぃ〜 どぉ〜ふぁみ れぇぇぇ どれみ」 
この主題が、柔らかく、チャーミングに繰り返されるもの。ここは、ちょっぴり抑制して弾んでおり、伴奏型のフレーズが、そっと寄り添って行く。

3楽章
「れみ ふぁっふぁそ ふぁみれ れみ ふぁそ らっら れ どみらっ」と、ちょっと嶮しい楽章になっている。
あらまっ ちょっと凄みのあるフレーズで、メヌエットとは思えないほど、洞窟で、怪しげに、一人祈祷しているかのような雰囲気があり、クールでダークな世界となっている。
低音のチェロとヴァイオリン、ヴィオラが、カノンで奏でているのだが、ホント、ちょっと異様な雰囲気がする。
「どっど らふぁ れっれ しっし ふぁみぃ〜」「れふぁみぃ〜 しっし れふぁみぃ〜 ふぁっそみぃ〜 ふぁっそみぃ〜・・・」
あのハイドンさん特有の陽気さは、どこへ行ってしまったのか、これは特殊、黒ミサ風だ・・・。
で、トリオの部分は、ヴァイオリンが、ひらひら〜っと軽やかに舞っていくのだが、でも、軋んだチェロが低音にあるので、ちょっと、やっぱり危険で怪しい、ダークな世界が広がっている。
う〜ん ちょっと、クセになりそうな楽章だ。
ハイドンも、こういう音楽を書くのか〜と、違う一面を見たような気がして驚いてしまった。

4楽章
ここは、ハイ、軽やかな普段のハイドンに戻ります。
速めのフレージングで軽やか。まるで蝶々になっかのような感じで、ヴァイオリンのひらひら感が楽しい楽章だ。
ヴァイオリンはヒラヒラしているのだが、フレーズの終わりには綺麗な和音が響くので、とっても安定感がある。で、このチェロの優美な和音が、とってもシンプルなのだが、響きの良さ暖かい気持ちになれる。
長調の楽章は、やっぱり良いねえ。
チェロの優しい響きが、安定感を感じさせながら、ふわっと暖かい空気を放出してくるのが、心地良いものとなっている。

1995年 クイケン四重奏団 DENON ★★★★★
1998年 リンゼイ四重奏団  Asv ★★★★
まだ所有盤を整理中です。

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