「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト クラリネット五重奏曲
Mozart: Clarinet Quintet


モーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調(K.581)は、1789年に作曲されたクラリネットと弦楽四重奏のための曲です。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
友人アントン・シュタードラーのために作曲され、「シュタードラー五重奏」と呼ばれることもあります。クラリネット協奏曲(K.622)と同様に、本来は、シュタードラーが当時用いていたバセットクラリネットのための作品で、現在一般に用いられる版は、1802年に通常のクラリネット用に編曲されたものです。
クラリネットは、当時はまだ目新しい楽器で、オーケストラの仲間入りをし始めた楽器でした。後に、ブラームスは、このクラリネット五重奏曲に関心を示して自分もクラリネット五重奏曲を作曲しています。

第1楽章 イ長調 4/4拍子 ソナタ形式
ヘルマン・アーベルトが、「雲のない春の朝」と評した、清明な弦楽の旋律にクラリネットのアルペジオが応えて始まります。
第2主題は第1ヴァイオリンに提示され、クラリネットに引き継がれます。展開部では、主に第1主題を扱い、再現部が続きます。全体的な色調は明るいものの頻繁に短調なり、作品に深い陰影を与えています。

第2楽章 ニ長調 3/4拍子 3部形式
協奏曲と似た性格を持ち、美しい緩徐楽章です。クラリネットと弦楽が豊かに絡み合うもの。

第3楽章 メヌエット イ長調 3/4拍子
トリオ1 イ短調(クラリネットは休み) トリオイ長調 対比的な性格の二つのトリオを持つメヌエットです。

第4楽章 イ長調 4/4拍子 変奏曲形式
軽快な主題に、4つの変奏と表情豊かなアダージョ(第5変奏)、アレグロ(第6変奏またはコーダ)が続くもの。

チャーミングな楽曲で、軽妙で、おちゃめに弾んでくれる演奏の方が、とっても嬉しいように思います。

  アルフレート・ボスコフスキー ウィーン八重奏団 1961年
Alfred Boskovsky  Wiener Oktett

まっ こんなモン

録音状態は良い。まさか61年とは・・・って感じ。
古き良き音色という感じがするのだが、懐かしい雰囲気がして、まったり〜 
カップリング:
1〜4 モーツァルト クラリネット五重奏曲
5〜8 ブラームス クラリネット五重奏曲
9 ベールマン クラリネットと弦楽のためのアダージョ(伝ワーグナー作)
このCDは、ちょっぴり古めかしい。クラリネットは、アルフレート・ボスコフスキーさんである。
ボスコフスキーさんっていえば、VPOのコンマスを思い浮かべる方もおられると思うが、コンマスは、そう、ここでクラを吹いているアルフレートさんのお兄さんにあたる。
ワタシは、もちろん、この録音当時のことは知らないのだが〜 ウラッハさんの後任としてVPOの首席だった方で、有名なウラッハさんのお弟子さんだったそうだ。
まあ、今となっては、ちょっぴり古めかしいのは致し方ないのだが、しばらく耳を傾けてみたのだが、ほんわり、まったり〜とした、古き良き時代のウィーンの音色なのだろう。
21世紀に聴くにはスピード感がないし、オーバーアクション気味の華やかさも少なく、愉悦性も少ない。
ワタシ的には、もっと楽しそうに吹いて欲しいなあ。と、俗人丸出しコメントを書いてしまうのだが、慌てず騒がず、息も深めに、たっぷりとしたフレージングで、品の良い演奏だ。心地良さと共に失礼ながら眠気を誘うほど、柔らかい音色で綴られている。ワタシ的にはもう少し艶があり、メリハリのあるリズム感の方が好きだ。
ある意味、素朴さを感じさせ、懐かしい気持ちになってしまうが、淀みのない流れの演奏だと思う。
  アルフレート・プリンツ ウィーン室内合奏団 1979年
Alfred Prinz
Wiener Kammerensemble
クラリネット:アルフレート・プリンツ
ヴァイオリン:ゲルハルト・ヘッツェル、クラウス・メッツル
ヴィオラ:ルドルフ・シュトレング
チェロ アダルベルト・スコチッチ

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。まったり、馥郁とした音質で綴られた演奏で、これぞ耳のご馳走、至福の1枚である。
カップリング:
1〜4 モーツァルト クラリネット五重奏曲(1979年)
5〜8 ブラームス クラリネット五重奏曲(1980年)

1楽章
この盤は、DENONから発売されているCDで、とても息のながい現役盤である。
で、時代の変遷に応じて、Blu-specや、SACD-SHMとしても発売されている。ワタシが所有しているのは2000年に発売されたCDだが、メチャ録音状態は良いものだ。 さて、プリンツさんのクラリネットは、とってもふくよかな音色で、ひとこと、耳のご馳走。これ以外の言葉は、見つからないぐらい。

一応、ウィキペディア(Wikipedia)を元にプリッツさんをご紹介しておくと
アルフレート・プリンツ(Alfred Prinz)さんは、1930年ウィーン生まれで、現ウィーン国立音楽大学)にて、ピアノをブルーノ・ザイドルホーファー、指揮・作曲をハンス・スワロフスキー、クラリネットを名手レオポルト・ウラッハに学び、 クラリネット科・作曲科・ピアノ科、全ての科で同時首席卒業という快挙を成し遂げ、若干15歳で、ウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団して、1955年というから25歳になるだろうか、師匠ウラッハの跡を継いで、 ウィーン・フィル首席奏者になったという天才肌の演奏家である。

「ふぁ〜れぇ〜どぉ〜し〜 どれみど らぁ〜しぃ〜 そしふぁし ふぁ〜みぃ〜れ〜」
「ふぁしれふぁ しふぁれふぁ みそみど ふぁらふぁれ・・・」と奏でられるフレーズのみごとさ。もう、この冒頭だけで、あーっ。
至福の時が流れてくるのが、実感としてわかるってものだ。
チェロの「ふぁれらし みどそら れしそら しそれみ」、ヴァイオリンの「らふぁれみ そみしど ふぁれらし みどらし れしそら どぉ〜らどぉ らそふぁみ・・・」と続く。
このバックの音色も、まったり。テンポも幾分、ゆったりめである。

2楽章
「しぃ〜 みそみ れどどぉ〜 ふぁ〜らふぁ みれみぃ ふぁそ〜」というフレーズのラルゴの楽章で、低音の低音のぶんちゃぶんちゃ・・・というフレーズに乗って吹かれている。
「ふぁ〜 みれどし しし しみみぃ〜 し しぃ〜らそふぁみ ふぁどふぁみ〜れ」
「そぉ〜 そ らそふぁみ みらら〜そ そふぁら み〜れ」
「らぁ〜 そ みふぁらど そふぁ〜みみ」
夢を見ているような心持ちになっていく。よく通るヴァイオリンのフレーズも美しい。もう少しヴァイオリンのフレーズが、艶を持った華麗さが強調されてても良いかもしれない。

3楽章
「ふぁっふぁ〜み れっしど れっれみ れ〜っど ふぁしみそ ふぁ〜そみど しれどし」と、3拍子のメヌエットだ。
ここでも優美で芳醇なクラリネットのフレーズが聞こえてくる。
ゆったりとした曲線美があり、ふぁっふぁ〜みっ。となだらかに流れており、ふぁみふぁみ ふぁ〜と、バックの弦の暖かさを感じる音色のうえに、優美に乗っている。
ヴァイオリンが、「ふぁ〜し しぃ〜らそどぉ ふぁみ れど ふぁみ どれ れみふぁらそ みぃ〜」と揺れて行く。
ふっと、途中で調が変わるところがあって、あらっ と、驚かされるが、これが揺れる心情を描いているようだ。
すっと翳りを見せるところが妙なのだろう。

4楽章
「ふぁっふぁっ れっれっ みぃ〜ふぁそみ どっど しっし どど らぁぁ〜しぃ」と、とてもチャーミングな楽章だ。
ころころっと、喉を震わせる猫のように、可愛い。
クラリネットは、「ふぁれ しぃ〜らそふぁ ふぁみ そみどら ふぁ〜 しっし どっど らぁぁ〜」と呼応して繰り返して行く。
優美さのための努力ってされているのか、とっても、フレーズがなだらかに形成されていて、親しみやすく歌が歌われていくようにも思う。クラリネットだけでなく、弦の翳りを帯びたフレーズや、ふっと転調しちゃうところとか、おしなべて、まろやか。
さりげないリズムの変化や、音の強弱も、エッジを立てずに、尖った感じがしない。
丸みを帯びた音の広がり感というか、あまり情感を露わにせず、艶を保ち、香りの良い弦の和音で、みごとに調和されているという感じがする。 
クラリネットの音も深く、「うぅん〜 たららららぁ〜」と、最初のタメ感と、語尾ののびやかな開放は、まあ、一昔前の演奏スタイルかも知れないが、いや。永遠不滅であって欲しいなあ。とも思うものである。
そんなに美の価値観って、世情などに揺らぐものではないと思うんだけどなあ。
  ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1987年
Christopher Hogwood  Academy of Ancient Music
バセット・クラリネット:アントニー・ペイ Antony Pay
オーボエ:ステファン・ハマー Stephen Hammer
ホルン:マイケル・トンプソン Michael Thompson

いかさねぇ〜

録音状態は良い。バセット・クラリネット使用の演奏である。
1〜4 モーツァルト クラリネット五重奏曲 K.581
5〜7 モーツァルト オーボエ四重奏曲 K.370
8〜10 モーツァルト ホルン四重奏曲 K.407
アントニー・ペイさんが、バセット・クラリネットを吹いているという、古楽器使用の演奏CDである。
ここでご紹介しているのは、輸入盤である。
国内盤も、また、オワゾリール・エディション50枚組BOX 第2弾「古典&ロマン派作品録音集」のなかにも収録されている。 他にも、デッカからクラリネット協奏曲とカップリング盤もあったように思う。

総体的には、古楽器は、音が穏やかで、丸みを帯びて、おとなしい感じがする。
モダンな〜 普段聴き慣れたクラリネットの音と比べると、う〜ん、音量が少なめで、ちょっぴり暗めだ。

ワタシの耳では、クラリネットといえば、明るく、のびやかで〜 おちゃめに弾んでくるイメージが強いのだが、この演奏で聴くと、1楽章は聴き慣れた雰囲気があるが、2楽章の緩楽章になると、ちょっぴりウツウツと沈み込んで、 他の楽器とのバランスが難しいように思う。
クラ自体の音が響かず、あまり音があとに残らないのだ。
で、しっくりしすぎて〜 耳を澄まして、じっくり、しんみり〜密やかに聴く方にはお薦めだし、音響の良い、そう〜 よく響く、石造りの王宮の豪奢なホールで、生で聴くと、とても嬉しいのでしょうが・・・。

低音のフレーズになると魅力的なのだが、自由でのびのび、朗々と歌うというイメージのする楽器なので、おじいちゃんの声のように響き、枯れた味わいの演奏だ。
あまり、明朗でもないし、闊達な雰囲気がしないので〜  せっかちな、お勤め人が、夜に聴くには、あまりに暗めの演奏に聞こえてしまうため、2楽章で、おもいっきり寝てしまいそうになりました。
まあ、言っては悪いが、ちょっと、カスカス気味の音で、昔の艶のある優美な演奏とは、全く違うのでワタシの耳には、ご馳走ではないし、ちょっと、いただけませんでした。不謹慎なワタクシでごめんなさい。
古楽器ファンの方、申し訳けございません。(謝)

  ザビーネ・マイヤー ウィーン弦楽六重奏団 1988年
クラリネット:ザビーネ・マイヤー Sabine Meyer
ホルン:ブルーノ・シュナイダー Bruno Schneider
ウィーン弦楽六重奏団 Vienna String Sextet

いたってフツウ

録音状態は良い。
このCDは、モーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調と、ホルン五重奏曲変ホ長調がカップリングされている。
カップリング:
1〜4 モーツァルト クラリネット五重奏曲(88年)
5〜7 モーツァルト ホルン五重奏曲(88年)
1楽章
室内楽はめったに聴かないのだが、なぜかCD棚には、ぽつりぽつり〜と、モーツァルトのCDがあったりする。
このCDも、アビーネ・マイヤーさんということで買い求めたらしい。(← とっくの昔に失念していたが)
で、聴くと、ホント、チャーミングな楽曲なんですよね。
モーツァルトが、世に出たばかりのクラリネット、その頃は、バセットクラリネットだったらしいが・・・ぞっこんになったのも無理ないだろうなあというぐらい、良い音の出る楽器だ。
結構、モーツァルトもミーハーだと思うが、コンビニに通いつめては、新しい季節限定のお菓子を買い求めているワタシとは、全く比べものにならない。ちゃんと、形にして後世に残してくれたのだ。

今や、オケにクラリネットがいないのは考えられないぐらいだけど〜 ザビーネ・マイヤーさんのクラの音質は、太め。
「ふぁ〜れぇ〜 どぉ〜し〜 どれみど らぁ〜しぃ〜 そしふぁし ふぁ〜み〜れみれ〜」
「ふぁしれふぁ しふぁれふぁ みそみど ふぁらふぁれ・・・」と奏でられるクラの音は、ごっつ〜というほど太めで、威力がある。

クラリネットの音は多彩だ。いつも蓄膿症のように、鼻が詰まっているかのようなオーボエとは違って、音質が変わる。
低音は、野太いほどに太くなってみたり、高い音域になると、ころり〜っと裏声にひっくりかえって、キュートに変貌したりする。人の声とクラじゃー 違うだろう〜とは思うものの、人の声と同じように感じられて、ころん〜っと裏返っちゃうところが、とても魅力的な楽器だ。それに超セクシーである。

このマイヤー盤は、全体的にゆったりしており、そんな快速には演奏されていない。
あまり技巧的なことは、わかんないが、マイヤーさんのクラは、まずまず魅力的ではあるが、う〜ん。どうだろ。
素朴的に聞こえる。別にもたついているワケでもないが、ついつい、艶のあるヴァイオリンの方に耳がいってしまう。
また、翳りのある楽章で、少し物憂げなのだが、その微妙な翳りが、どうも心理的な感覚を描くにまでは至ってないというか、あまり引き込まれないのだ。

2楽章
ゆったりとした楽章で、クラのソロによって綴られていくが、耳のなかで共鳴するものの、同じ音が続くと、かったるく感じられる。音に揺らぎがあるのかないのか、ちょっと解りづらいが、ツーンっというか、少し直線的に飛び込んでくるようで〜
特に、瑞々しさを感じるわけではないなあ。と思う。
ねっとりした感覚でもなく、う〜ん。息が浅めというか、若いのかな。

3楽章
キュートなメヌエットの楽章で、弦とクラの二重奏っという感じで、絡んでくるが、あまり、リズミカルではなく、軽妙さが、あまり感じられない。少し重いのかもしれない。弾まないので、単純にツマンナイと思ってしまった。
ヴァイオリンの音は艶っぽく歌ってみたり、儚さを感じさせて、なんとも色っぽい仕草を見せるのだが、このヴァイオリンの節回しに合わせて、肝心のクラが歌わない。はあ? このフレーズだとヴァイオリンが女性で。クラは男性かあ。と思いつつ聴いていたのだが、どうも想像のようにはいかない。エスコートのへたくそな男性である。(と、勝手に思ってしまった)

4楽章
ゆったりした演奏で、なんとも、のんびりしているというか、軽妙なリズミカルさが感じられない。
やっぱり、第一ヴァイオリンの音色に耳がいってしまう。弦楽だけでやってもらった方が、なんかチャーミングなのだ。
クラさんは、この弦楽と合わないのか、重いのか田舎クサイ感じがする。
この最終楽章で、どうも、バックとクラの演奏のベクトルが違うのか、どうも、チグハグな感じに見受けられた。
バックは、洗練された音のようにも思うのだが、とろ〜っとしたクラリネットの響きが、足元が重く感じられる。
ころころ速く鳴ってくると、そこそこ可愛くも思えるのだが、長い音が続くと、どこか緩いというか、語尾が落ちるという感じがするのだが、どうだろう。
また他盤と聞き比べて感想を追加してみたいと思う。

1963年 ボスコフスキー ウイーン八重奏団 Dec ★★ 
1979年 プリンツ ウィーン室内合奏団 Eu ★★★★★
1981年 ライスター ウィーン弦楽四重奏団 Cam  
1987年 アントニー・ペイ エンシェント室内管弦楽団 OL ★★★
1988年 マイヤー  ウィーン弦楽六重奏団 EMI ★★★
1988年 ライスター ベルリン・ゾリスデン  
まだ所有盤を整理中です。

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