「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト フルート四重奏曲
Mozart: Flute Quartet


モーツァルトのフルート四重奏曲は4曲ありますが、第1番と呼ばれているニ長調 K.285 が有名です。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、フルート四重奏曲のうちの3曲は、マンハイムで書かれています。
1777年、当時、21歳のモーツァルトは、職探しの目的でパリへの旅行に行ったそうで、長期間滞在したマンハイムには、当時のヨーロッパで有数の宮廷オーケストラがあり、そこに就職すること希望したそうですが、かなわなかったようです。
でも、オーケストラの名フルート奏者であったヴェンドリングという人物と親交を結び、ヴェンドリングは、オランダの裕福な商人であったドゥジャン(ド・ジャンとも)をモーツァルトに紹介してくれました。

このドゥジャンが、モーツァルトに、200フローリンで「小さくて軽く短い協奏曲を3曲と四重奏曲を何曲か、フルートのために作って」くれるように注文しています。で、フルート協奏曲第1番、第2番(後者は旧作のオーボエ協奏曲の編曲)と、3曲のフルート四重奏曲だったのですが、協奏曲が1曲足らず、オーボエをフルートに編曲しただけだったため、報酬は、当初の話の半分以下の96フローリンにされてしまったそうです。
実は、モーツァルトは、フルート(の音色)が嫌いだったようで〜 「我慢できない楽器のための作曲をずっと続けなければならないと、お分かりのように、僕はうんざりしてしまうんです。」と、父親への手紙に書いているそうです。

嫌いといいつつも・・・そこはモーツァルト、しっかり仕事していると思うんですけどねえ。
特に、第1番(ニ長調 K.285)は、とっても良い曲だし有名です。

第1楽章 アレグロ ニ長調 4/4拍子 ソナタ形式 フルートが輝かしく縦横無尽に活躍します。
第2楽章 アダージョ ロ短調 4/3拍子 3部形式 弦のピッツィカートの上に、フルートの情緒纏綿たる悲歌が流れて、そのまま次の楽章に移行するもの。
第3楽章 ロンド ニ長調 4/2拍子 ロンド形式 精力的な楽想が連続する楽章です。

有田正広 ボッケリーニ弦楽四重奏団 1989年
Masahiro Arita
Boccherini Quartet Tokyo

昇天しちゃいました


録音状態は良い。休日のひととき、アタマのなかで、森林浴などを楽しんでいただくには、うってつけかもしれません。
カップリング:
1〜3 モーツァルト フルート四重奏曲 ニ長調K.285
4〜5 モーツァルト フルート四重奏曲 ト長調K.285a
6〜7 モーツァルト フルート四重奏曲 ハ長調K.285b (Anh.171)
8〜10 モーツァルト フルート四重奏曲 イ長調K.298
有田正広さんの使用されている楽器は、フラウト・トラヴェルソ(1770年製)である。
で、フラウト・トラヴェルソって、なんぞや? ということになるのだが、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・

フラウト・トラヴェルソ(伊:Flauto traverso)は、木管楽器の古楽器の一種で、今日のフルート(モダン・フルート)の前身となった横笛である。略して「トラヴェルソ」と呼ばれることも多い。
バロック期以前には、西洋音楽においてフルートといえば縦型のリコーダーの方が主流であったことから、「traverso(横向きの)」という修飾語を付けて、フラウト・トラヴェルソと呼ばれていた。
トラヴェルソのうち、バロック期に作られたものは「バロック・フルート」、古典派からロマン派の時代に作られたものは「クラシカル・フルート」「ロマンチック・フルート」と呼んで区別することもある。・・・と記載されていた。

で、このCDに収められているのも、古楽器を使用しての演奏である。
ボッケリーニ・クァルテット
 バロック・ヴィオラ:スタース・スヴィールストラ(1697年製)
 バロック・チェロ:鈴木秀美(1570年製)
 バロック・ヴァイオリン:若松夏美(1691年製)(k285/k298)
 バロック・ヴァイオリン:山縣さゆり(1660年製)(k285a/k285b)

聴いてみると、奥ゆかしい音質で、しっとり〜としており、静謐で、爽やかで、清澄な音というか・・・ 山間にながれ落ちる谷川の流れのようで、耳を澄ますと鳥がやってきそうなほど、透き通った感じがする。
それこそ、自然のなかで聴いているかのような演奏だ。
で、休日、ゆったりした時に拝聴しないと、バチがあたりそうなほどで、まずは、自分の部屋を片付け、優雅な気持ちに、心を落ち着けて、余裕をもって聴かなければ・・・と思う。(笑)
そうしなければ、この演奏は、ぴったりマッチングしないのかもしれない。

ワタシの場合、CDを聴き始めて数分経つと、もうすでに、すーっと、どっか瞑想状態に近くなっている自分に気づく。
聴いているのは、モーツァルトの楽曲だが、ふっと〜聴いている楽曲が、モーツァルトの○○という楽曲を離れていき、ホントに、樹木に囲まれたテラスに座って、うとうと〜している感じになっちゃうのだ。
で、もはや、モーツァルトを聴いているんじゃーないんですね。
世俗離れしちゃえる〜というか、もわっとしていても、すぐに心も整えられて、落ち着けるような、とてもありがたい1枚なのだ。ハイ、現実から救済してもらえる〜 そんな雰囲気が漂ってくる演奏です。

えっ それじゃーダメじゃんって? 単にアンタが眠くなるだけじゃーないの?って言われたら、まあ、否定できないのですが、モーツァルトのフルート四重奏曲を、しっかり分析して聴きたいという方には、う〜ん。返す言葉がないのですが。(笑)
ワタシにとってこの演奏は、モーツァルトを飛び越えて、音楽を飛び越えて、あるがままの〜 自然回帰的な世界に連れて行ってくれる、ちょっと特別な1枚でございます。
ホント、とてもありがたい存在なんですよ。
変なモノに手を出さずとも、アタマも、ココロも、しっかり回復できる手段ってあるのにね〜 ニュースを見ていると、荒む前に、こういう音楽を聴いて、しっかり、メンテナンスをしましょうね〜と言いたくなっちゃいます。


フルート:イレーナ・グラフェナウアー Irena Grafenauer
ヴァイオリン:ギドン・クレーメル Gidon Kremer
ヴィオラ:ヴェロニカ・ハーゲン Veronika Hagen
チェロ:クレメンス・ハーゲン Clemens Hagen
1994年

いたってフツウ

録音状態は良い。もう少し、愉悦性が高くてもいいんだけど〜
カップリング:
1〜3 モーツァルト フルート四重奏曲 ニ長調K.285
4〜5 モーツァルト フルート四重奏曲 ハ長調K.285b (Anh.171)
6〜7 モーツァルト フルート四重奏曲 ト長調K.285a
8〜10 モーツァルト フルート四重奏曲イ長調K.298
イレーナ・グラフェナウアーと、クレーメルと、ハーゲン弦楽四重奏団のメンバー(ヴィオラとチェロ)がタグを組んだ演奏である。で、モーツァルトのフルート四重奏曲のなかで、1番が有名である。
「しぃ〜 らそそら どししぃ〜 らそふぁみ み〜ふぁそらしどれ ふぁみ みみぃ〜」という冒頭で、 この出だしを聴いた途端、ん? どこかで聴いたよなあ。って思う。
で、この盤は、出だしが、とても速くって、あれれぇ〜というぐらい快速で飛ばしていく。

このあたり、モーツァルトなのだから、もっと艶っぽく、あでやかでもいいんですけどねえ。
ヴァイオリンに主導権を握られたのかなあ。
クレーメルとモーツァルトの組み合わせが、ワタシには、いまいち、ピンっと来ないので、そう思ってしまうのかもしれないが、よくいえば涼やかで、さらっとしているという風合いである。フルートの音質は、柔らかいとも言えないし、ふくよかとも言い難いし、肩が張っているような感じで、1楽章の印象は、ちょっと・・・なんとも言いづらい。
なにせ、速いので、フルートの音色が、音がのびていく前に切れちゃう感じがするというか、音が終わる。

確かに、溌剌とした感じだけど、リズム感として弾むわけでもなく、弾力性が感じられないというか、音が太くなったり、細くなったり、強くなったり弱くなるところが、おもしろいのだけど、どうも抑揚がない気がする。っていうか、弦の方が、直線的に速いような気がするのだ。
この弦のスピードには、フルートは置いてけぼりを食らわされそうになっている感じがする。
で、ちょっと、フルートは、慌てて吹かないとイケナイ風に・・・ なっている感じがするのだけど〜。う〜ん。どうだろ。

全体的に、弦が走りすぎている感じがするのと、抑揚が少なめで、あっさりしすぎで〜 淡泊すぎ。
もう少し、ゆったりした、ふくよかな、馥郁としたモーツァルトが聴きたかったかなあ。って思う。フルート主体なのに、フルートが、ちょっと可愛そうだよぉ〜 フルートの良さが、あまり伝わってこない演奏でした。
で、ちょっとがっかり・・・。


1989年 有田正広 ボッケリーニ弦楽四重奏団  Denon ★★★★★
1990年 レザデュー DHM  
1994年 イレナ・グラフェナウアー クレーメル ヴェロニカ・ハーゲンほか SC ★★★
まだ所有盤を整理中です。

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