「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト オーボエ四重奏曲
Mozart: Oboe Quartet


ハンスイェルク・シェレンベルガー 1981年
オーボエ&イングリッシュ・ホルン Hansjörg Schellenberger
フィルハーモニア・クヮルテット・ベルリン Philharmonia Quartett Berlin

ばっちグー!

録音状態は良い。愉悦性は高くないが、明るくて清潔な演奏だと思う。
カップリング:
1〜3 モーツァルト オーボエ四重奏曲 ヘ長調 KV.370
4 アダージョハ長調 イングリッシュホルンとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための
5〜8 モーツァルト オーボエ五重奏曲 ハ短調 KV.406(516b)
モーツァルトのオーボエ四重奏曲〜 これは、休日の朝イチバンに聴くのに、うってつけ〜の楽曲である。
この前、せっかくの休日なのに、朝から暗い曲を聴いて、ぎゃふんっ。ということが、何度かあったので、やっぱ、これはモーツァルトさまの出番かな・・・。と思って聴いてみたのだ。
ハイ、久々に聴いて、大ヒット。

この当時のフィルハーモニア・クヮルテット・ベルリンの演奏者は、
ヴァイオリン:エドワルド・ジェンコフスキー
ヴィオラ:土屋邦雄
第2ヴィオラ:ワルター・ショーレフィールド
チェロ:ヤン・ディーゼルホルスト

改めて、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
モーツァルトのオーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 (368b) は、1781年作曲されており、独奏オーボエと弦楽のための四重奏曲(編成:オーボエ1、ヴァイオリン1、ヴィオラ1、チェロ1)である。
モーツァルトの管楽器を伴う室内楽曲の一つとして親しまれ、オーボエと弦楽のための室内楽曲の代表的である。

作曲された頃、モーツァルトは、オペラ「イドメネオ」の上演のためにミュンヘンに滞在していたそうで、その時に、当代きってのオーボエ奏者フリードリヒ・ラム(1744年〜1811年)さんのために書いた曲だそうである。
1777年、モーツァルトがマンハイムに滞在してた頃、ラムさんと知り合い友人になったそうである。ラムさんは、その頃、マンハイム宮廷楽団の奏者をしていたのだが、領主カール・テオドール選帝侯に従って、ミュンヘンに移ってきていたため、ミュンヘンを訪れたモーツァルトとラムは旧交を温めることになったそうである。

ふむ。作曲家と演奏家は、密接に絡むのだ。この相乗効果の恩恵を、我々は受けているってことだろう。
第1楽章 アレグロ ヘ長調 4/4拍子 晴れやかな主題によるソナタ形式
第2楽章 アダージョ ニ短調 4/3拍子 細やかな表情に富んだ哀切な緩徐楽章である。わずか37小節の曲
第3楽章 ロンド アレグロ ヘ長調 8/6拍子 躍動感を持った協奏曲的ロンドであり、オーボエの技巧が華やかに展開されるもの。

1楽章
で、ここでご紹介しているCDは、1948年生まれのベルリン・フィルのオーボエ奏者のシェレンベルガーさんが吹いている。
1980年〜2000年のシーズンまで、首席だった方である。
この方のオーボエは、どちらかと言えば、楷書体だが、明るく、透き通った音色が魅力的だ。

「れっ そぉ〜 らそら しっしら しど れっみ れどしら ららら らぁ〜」
「れ ふぁ〜 ふぁそふぁ らっしど どっれ どしらそ そそそ そぉ〜」って感じで軽やかにフレージングされている。
これは、五月晴れの日よりに、もってこい。
オーボエの音が、まるで、青空に、ヒバリがさえずっているかのように聞こえてくる。
なんて、チャーミングなんだろう。
またシェレンベルガーさんのオーボエには、一点の曇りなく、すごく透明度の高い音で、すーっと通っていく。
まあ、美音なんでしょうねえ。

いろんなオーボエの音があるように思う。
太い、厚みのある音、濁り気味の音、まるでガチョウが啼いているような音、ペコペコ、ポコポコした音、チャルメラ風の音など、まあ、誰がどんな音です〜とまでは、ど素人には言えないが、でも、何度か同じ楽曲を聴いていると、この楽曲には、こんな音で吹いてよぉ〜というイメージが、勝手にできちゃうように思う。
で、適材適所ならぬ、自分の描いているイメージにピッタリだと良いが、アハハ〜イメージ狂う。っていう音を聴くと、ナミダメになって、ずっこける場合も。

2楽章
この楽章は、切々と〜 いっきに秋空のようになっちゃう。
でも、悲しいという情緒よりも、すーっと、飛行機雲が描かれていくみたいに、通っていくので、気持ちが良く、清潔さがある。あまり情感を込めて、込めすぎて〜というのではなく、とっても自然体で、すーっと消えていく。
まあ、この楽章は、さすが、オーボエでしょう。やっぱりオーボエだよねえ。って感じの楽章だ。
さすがに、モーツァルトさまは、ツボを得ている。
オーボエならではの、オーボエじゃ描けないような、表情の細やかな音の変わり方が描かれている。
曇りがちな表情とはちがって、ワタシ的には、澄み渡る浄化作用のある音って感じがするのだけど、さて、どうだろう。

3楽章
「れっそぉ〜 らしっ らっ それぇ〜し そっ みぃど それぇ〜し」って感じでリズミカルに、品よく、軽やかに弾む楽章だ。
まずオーボエで主題を吹いて、ヴァイオリンが同じ主題を、なぞっていく。
このシェレンベルガーさんのオーボエは、色彩が明るくって、音が重くないので、よく弾むのだ。
でもね、硬めの音なので、厚ぼったくならず、チャルメラ風の音ではないので、気持ち良くトーレスされて高い音にチェレンジしていく。

200CD管楽器の名曲・名盤って本から、ちょぴっと抜粋して引用させていただくと
この作品の書法上の基本パターンは、オーボエ対弦楽三重奏であり、弦楽器がオーボエのソロを支えつつ、時折第1ヴァイオリンが積極的にオーボエに対話を挑むというものである。
モーツアルトは、平均的なオーボエ奏者が確実に吹ける最高音をC3と決めていたが、第3楽章のロンドでは用心深い使い方ながら、現代楽器でも手強い音域F3まで上昇する。・・・と書いてあった。

確かに、愉悦性の高い演奏ではないのだけど〜 でも、楽曲自体に喜びがしみているので、コテコテにならず、飽きのこない演奏だと思う。たっぷりとした、大吟醸のお酒というよりは、少し辛めのストイックで、さっぱりした口当たりのよい感じがする。

宮本文昭 1995年
サイトウ・キネン・オーケストラ チェンバープレイヤーズ 
ヴァイオリン:徳永二男  ヴィオラ:岡田伸夫 土屋邦雄  チェロ:安田謙一郎

あちゃ〜

録音状態は良い。ホントに驚きの軽やかさ。
カップリング:
1〜3 モーツァルト オーボエ四重奏曲
4〜7 ブラームス 弦楽六重奏曲第1番
8〜21 サン=サーンス 動物の謝肉祭
1楽章
このCDは、サイトウキネンの室内楽を収めたもので〜 1995年9月2日〜6日 松本での収録である。
CDにはライブ盤という記載はないので、ちょっと気になってHPを拝見した。
「サイトウ・キネン・オーケストラの歩み」というページを拝見していると、コンサートそのものは、当時9月3日から始まっているので、リハーサルの時間を利用して、収録されたのではないだろうかと思う。

さて、この前、シェレンベルガーさんのオーボエを聴いたのだが、今日は、宮本さんのオーボエを楽しんだ。
愉悦性の高い演奏で、歌うかのように、さらっと、すごいテクで演奏されている。
で、ここで聞こえるのは、ちょっぴり太めで、たっぷりとした音の響きではない。
ちょっぴり細めで、余裕でかました〜というか、軽く流した〜という雰囲気がするぐらい、まあ、よく歌う、歌うっ。

小節まわしも、まわるというより、ひょい〜っと、浮き上がるような感じがする。なんと軽快なんだろうと、驚いてしまった。
付点のリズムが、さらさら〜 柔らかい。 フレージングに弾力性があるというより、うぅ〜と、うねるように下からもちがって、曲線を描いてのぼるのではなく、ホントに、ひょいっ! あっけないほどに、さらさら〜っと歌われ、高い音にのぼっている。

2楽章は、さすがに、オーボエの音が長く吹かれてて、弦が、奏でられているのがわかるのだが、まあ、弦は奥ゆかしいというか、弦の存在に気づかないほど。抒情的な楽章なのだが、表情は、さっぱりと描かれて、ワタシ的には水彩画のように感じる。

3楽章
「れっそぉ〜 らしっ らっ それぇ〜し そっ みぃど それぇ〜し」という主題がオーボエと、ヴァイオリンに出てくる。
あっ 元N響のコンマスさまだっ。一緒にハモりながらの演奏で、とっても嬉しい。
(って、1楽章から、ワタシ演奏してるんですけど〜と言われそう)

まあ、なんたって、軽やかすぎて〜
弦の存在に、ほとんど気づかないまま、ラストまで一気に聴いてしまう。
アンタが主役って感じのオーボエで、呆気にとられながら、ほんと短い時間(と感じる)演奏だ。
軽々と、重量感を感じないままラストの音が、ひょいっと吹かれて、えっ もう終わったの?
(って、続くブラームスの弦六が始まる。)

いや〜 あまりにも、羽根が生えたような軽やかなオーボエで、かなり、びっくりしてしまう。
愉悦性の高い演奏ではあるが、いや〜 もう少し、コクや、タメがあっても・・・ と、思わず言っちゃいたくなるほど。
これだけ、軽やかに、さらっと吹かれちゃうと、アゼンとしつつ、5回ぐらいは、繰り返して拝聴してしまいました。(笑)
1981年 シェレンベルガー フィルハーモニア・クヮルテット・ベルリン Denon ★★★★
1995年 宮本文昭 サイトウキネンチェンバープレーヤーズ Ph ★★★★
まだ所有盤を整理中です。

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