「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラヴェル 弦楽四重奏曲
Ravel: String Quartet


ラヴェルの弦楽四重奏曲は、1903年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ラヴェルは、1875年生まれなので、28歳頃の作品となります。ラヴェルの室内楽曲は、遺作のヴァイオリンソナタ、弦楽四重奏曲ヘ長調、序奏とアレグロ、ピアノ三重奏曲、フォーレの名による子守歌、演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ」、ヴァイオリン・ソナタ、ヴァイオリンとチェロのためのソナタ等があります。で、弦楽四重奏曲は、この1曲のみとなっています。

ドビュッシーの弦楽四重奏曲(ト短調 作品10)が作曲されてから10年後の作品となり、ドビュッシーは、ラヴェルに対して、熱狂的な賛辞を送り、「音楽の神々の名とわが名にかけて、あなたの四重奏曲を一音符たりともいじってはいけません」と、終楽章は改訂しないようにとアドバイスしていたようです。
まっ そうは言われても、出版に際しては、改訂しちゃったそうですが・・・。
弦楽四重奏曲は難しいジャンルなので、作曲家は、成熟期を迎えるまでにこれを手懸けることは、まず滅多にないそうなのですが、27歳、28歳頃に書いちゃうなんて、やっぱ天才なのでしょう。

さて、この楽曲は、4つの楽章で構成されています。
1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート、ヘ長調)
2楽章 Assez vif. Très rythmé (十分に活き活きと。きわめてリズミカルに。イ短調)
     3/4拍子と6/8拍子のポリリズムによるスケルツォ。
3楽章 Très lent (きわめて緩やかに、主部は変ト長調)
4楽章 Vif et agité (活き活きと、激しく、ヘ長調)5/8拍子によるロンド。

フランク楽派の伝統を受け入れて循環形式をひかえめに援用し、作品の自然な統一感をもたらすことにも成功しているとのことで、約30分の楽曲です。なかなかに情熱的な楽曲です。ドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲は、仲良く、カップリングされることが多いです。

ラサール弦楽四重奏団 1971年
LaSalle Quartet
ヴァイオリン:ヴァルター・レヴィン Walter Levin ヴァイオリン:ヘンリー・メイヤー Henry Meyer  ヴィオラ:ピーター・カムニツァー Peter Kamnitzer
チェロ:ジャック・キルステイン Jack Kirstein

ばっちグー!

録音状態は良い。音が、面ではなく立方体のように、水のようでもあり〜。
カップリング:
1〜4 ドビュッシー 弦楽四重奏曲
5〜8 ラヴェル 弦楽四重奏曲
1楽章
ラサール弦楽四重奏団は、1946年〜87年まで活動されてて、新ウィーン楽派などのゲンダイオンガクが強い。
シャーンベルクの浄夜を聴いたら、冷えすぎて、まるで氷の世界が広がっているのである。で、ひぇ〜っと、凍り付いて、速攻お蔵入りになったことがある。まあ、今もって、ゲンダイオンガクは超苦手分野のだが、このラヴェルの弦楽四重奏曲は、 楽曲自体がは、南欧風というか、暖かい空気の漂うモノなので、トラウマは、溶けてくれたようだ。
「し〜らし ふぁ〜み しそれふぁみ〜 そぉ〜ふぁし らぁ〜そふぁ みしぃ〜れぇ」という冒頭は、さらっと入っていって、さらっと終わっている。
ヴァイオリンが入ってくると、透明度が高く、あたりの空気を一掃するかのような雰囲気がある。
凜とした張りのある音なので、独特のひやっこい空気が入り込んだ感がする。
で、ヴァイオリンの音色に隠れているが、不思議な和声が構成されてて、ボンっと、チェロが鳴って、細かい音がバックで奏でられている。
ペタンとした織物のように均質化されておらず、表か裏かではなく、音がボコボコと、水面で立っている感じ。
どこで、ボコボコ立ちのぼってくるのか、わからないまま聞き続けているのだが、それが気持ち良さに繋がるには、ちょっぴり時間が必要かもしれない。
ラサールさんの演奏を聴いていると、こりゃ〜 凄い楽曲なんだろうな。と改めて思ってしまう。
シンプルな構成じゃーないんですよね。まるで、音が液状化したり、気体化したりするので、とっても不思議なのだ。
テンポも変えてくるし、もちろん音量も変化するので、はじめて聴くには、とっつき悪そうだが、聞き込めば聞くほど、不思議な世界に入り込んでしまう。摩訶不思議なワールドが広がっている。

ヴァイオリンだけを聴いててもダメだし、主になる音を追いかけてもダメだし、弦の響きが渾然一体となった音として受け止めないと。と思う。決して、聞きわけるのではなく、3次元に立体化しないとダメなんじゃーないだろうか。
で、もっと奥行きを感じてくれないと、ダメなんだけど・・・。どうやらワタシの耳は、再構成できるような耳ではないようだ。
これが4人での演奏なの?と、改めて驚いてしまった。

2楽章
「しっ ふぁれっ れみふぁっし しっ ふぁれっ れみふぁっし  ふぁっ れれっ しれれっそそっ・・・」
力強い弦のピチカートと、ヴァイオリンの震える声で奏でられる。
ビシッと揃っているのは当然としても、やっぱり鋭く、キレ味が見事だ。また、弦の太さ、細さを織りまぜて演奏されており、
響きが異なる。
71年の録音なので、最近の演奏のように、クリアーとは言えないのだが、それでも・・・指から血を流しながら、ピチカートをしているのでは〜と心配しちゃうほどの演奏だ。
また、聴いているうちに、お琴一張で演奏されているかのようにも聞こえる。低音から高音までの幅の広い音が、ようやく一列になって聞こえてくるようになった感じだ。
緩やかな場面では、とろみ感がでており、浮遊感を覚えるもので、まったく異次元の世界に投入されてしまう。

3楽章
このレントの楽章は、光を感じつつつ白昼夢のような雰囲気がする。
ラサール盤は、きっとプロコフィエフのような、冷たい海に潜った感じがするのかと思っていたのだが、柔らかく、木漏れ日のなかで、詩を朗読しているような感がする。
「しぃ〜 しぃ〜 しらふぁふぁ〜 しらふぁ〜 どみど しらふぁ〜  しぃ〜ら しぃ〜ら しらふぁふぁ〜」
テンポを落として、とてもゆったりと歌われ、ここでは冷たい音はしない。ホントに別人のように柔らかく、優しく、包み込むかのような音の響きに、うっとりさせられる。
ラサール盤で聴くと、まるで、和風というか、アジアっぽい感じがするのだが、どうしてなのだろう。
ススキと満月〜 まるで十五夜の月見をしているかのような感じで、透き通る鏡のようでもあり、いやいや、それは鏡張りの木の床だったのでしょう。

4楽章
綺麗な不協和音で〜 「しどらしそ そぉ〜 しどらしそ ふぁっ! しどらしし しどらしし しどらしし・・・」 
力強い美しい軋みで、細かく震えながら、高音域の震えが止まらない状態となっている。
揺らめきも強く、キレ味抜群になっており、拍感覚が微妙にずれて、うわっと浮遊したところで歌が始まる。

アルバンベルク、エマーソンなどのお師匠さん筋にあたるのが、ラサール弦楽四重奏団だったと思う。
幾分、冷たい感覚はするのだが、この曲でいうと中間楽章は、とっても歌われており、中音域のフレーズが、ぎっしりと詰まった魅力的な演奏で、音をを立体的に響かせ、聴かせてくれるので、とても楽しい。
まあ、ラサールさんの演奏を引き継ぎ、新しい団体に受け継がれ、演奏は、もっと進化しつづけるのだろうが、先端部分を走った斬新さも垣間見られ、今でも充分に新しく感じられる嬉しい1枚となっている。
エマーソン弦楽四重奏団 1984年
Emerson String Quartet

ばっちグー!

録音状態は良い。とても不思議な楽曲で、色彩豊かな演奏だ。最後の楽章は炎を吐いているかのように感じられる。
カップリング:
1〜4 ドビュッシー 弦楽四重奏曲
5〜8 ラヴェル 弦楽四重奏曲
1楽章
「しぃ〜らし み〜れ しれそふぁ みぃ そぉ〜ふぁし らぁ〜そふぁ しぃ〜れぇ」
最初に、このラヴェルの弦楽四重奏曲を聴いたとき、なんとも、不思議な浮遊感を覚えた。
とっても高音域のフレーズが出てきては、すーっと、沈み込んでいくようなところがあり、ちょっと、足元がふわふわしているような感じなのだ。
どっしりした弦楽四重奏曲ではなく、まあ、ドイツ風のフレーズではないので、ちょっと違和感を覚えたのだけど、 フランス風の楽曲といえば、ちょっと語弊があるのだが、ふわふわした旋律に、いったんハマルとクセになるような淡い、夢を見るかのような旋律となっている。
ラヴェルならではの独特の和声が、既に確立してて、ヨナ抜きというか、教会旋法の匂いのする楽曲である。
ど素人なので、あまり巧く言えないし、専門的にはご説明できないのだが〜

「しししし らしどしぃ〜 しししし らしどしぃ〜」
「し ふぁ〜 みふぁそふぁ〜みれど れみ ふぁ〜 みふぁそ ふぁ〜 みれどぉ〜 れみ どれみ どしそ らぁ〜しぃ〜」
と、不思議な旋律が次々と登場してくる。で、つかみどころがなく、流れに身をまかせましょう。という感じなのだ。

「みぃ〜し らぁそ〜 ふぁみふぁ そらしぃ〜 みぃ〜し らぁそ〜 みぃ〜し らぁそ〜 」
「れぇ〜し ふぁみ しそれふぁ みぃ〜 そぉ〜ふぁしら〜そふぁ れふぁみぃ〜れどし〜 しぃ〜そ しぃ〜そぉ」
まあ、これが聴いていると、弦が、よくまあ、これほど、つらつらと流れてくるものだと驚かされる。
とめどがないというか、どっかで、拍感覚が狂ってしまって、どこが、どう切れているのか、句読点は無いの?
って、叫びたくなるような、気味の悪さがあるのだ。

まあ、これは、馴れないと仕方ないなあ〜っと思う。実際に、CDをリピートさせて、つらつら〜 耳に馴染ませないと、どうも致し方ない。って、これは、ワタシの独自の聴き方だったんですけどね。聞き流し、聞き流して、ようやく聞こえてくるモノが、 何となく見えてくるというか、感じられるというか。
こんなアホな聴き方が、クラシックの聴き方とは思えないが〜まあ、ともかく、ど素人のワタシの邪道な聴き方だったのです。それにしても、つらつら繰りだされてくる旋律は、弦に色彩が付いているよ うな感じで、多くの色が乗っかっており、表になったり裏になったりして、はためいているかのよう。
ヴァイオリンのフレーズに、どの程度離れてヴィオラとチェロが寄り添っているのかしらん。途中で転調したり、音符がくっついていたりするのだが、あらら〜 耳がついていかない。でも、聴いてて、多彩な色に染め上げられた布を見ているかのようで、 女性のストールのようでもあり、ちょっと古風に言えば天女の羽衣のようでもあり。
この例えには、自分でも笑えてしまうけど〜 

2楽章
「しっ ふぁれっ れみふぁっし しっ ふぁれっ れみふぁっし  ふぁっ れれっ しれれっそそっ・・・」 
弦のピチカートのつま弾く音が舞曲風で、アクセントがついてて、とても楽しいモノ。
ロマ風にも聞こえるが、さほどアクが強くない。細かい音が、喉を震わすように聞こえ、ヴァイオリンは高音域で、ひらひら〜っと舞い踊っている。で、途中で拍感覚が、あれっ? どこがアクセントだっけ。という感じになって進んで行くのだが、 喉を震わす感覚で、麻痺されてしまう。
で、中間部では、テンポが落ちて、緩やかになり幻想的なフレーズとなる。途中から、弦のつま弾く音が、遠くから聞こえてくるような感じで、白昼夢と化していく。

3楽章
「しぃ〜 しぃ〜 しらふぁふぁ〜 しらふぁ〜 どみど しらふぁ〜 しぃ〜ら しぃ〜ら しらふぁふぁ〜」
弱音で奏でられる白昼夢のなかの幻を追いかけていくかのような楽章で、主体となる音が、浮かび上がっては消えていくという感じで、流れてくる。まるで、川のせせらぎのようでもあり、堰き止められないもどかしさを感じつつ聴く。
静かな流れで、オンディーヌのような気分で、ふわふわ漂っていたくなるような気分の楽章だ。
突然、チェロが、ごろごろ〜っと言うのだが、ヴァイオリンの透き通った音が、浮かび上がってきて、あっ。弱音器をつけていたのを外したのか。と、気がつく始末だ。ああ〜 なるほどねえ。
エマーソン盤で、8分33秒の演奏となっているが、これを聴いていると、やっぱり水の精のような気分だろうか。

4楽章
いきなり唐突に、この楽章では、強いタッチで、冒頭、弦が、ガシっと軋んだ音を出してくる。
「しどらしそ そぉ〜 しどらしそ ふぁっ! しどらし しどらしし しどらしし・・・」 
たいてい、夢見心地で3楽章を聴いているので、4楽章に入ると、度肝を抜かれるほどに驚かされる。
のけぞるほど、怖い強い軋みなのだ。で、何かが壊れたかのようなパワフルで、今までの楽章は、いったい何だったの?と思うほど感覚が異なるもので、畳みかけてきては、刃物を突きつけられた感じがする。ひぇ〜っ。
で、この楽章は5拍子らしいのだが、もはや、感覚は麻痺してしまっており、「そらどぉ〜 らしれぇ〜」と歌われていくのだが、耳もアタマもついて行けていない。
とても速いスピードで、疾風のように駆け抜けて行き、ところどころ、強いタッチで奏でられており、激しさを増して行く。 
炎のように燃え上がっており、喉を震わせては、炎を吐いているような感じだ。
「ふぁみふぁ どしど ふぁみふぁ どしど・・・」と、舞うところもあるが、無窮動と化しているところもあり、また、1楽章の主題が戻ってきたり、入り組んでしまって〜
もはや、ど素人のアタマでは聞きわけられず。くるくる、 目が回るかのような感じで、ギブアップ。

「そらふぁふぁそぉそぉ〜 そらふぁふぁ そらふぁふぁぁ しぃ〜」っと、煙に巻かれて終わっちゃった。
あーっ 情けないのだけれど、これを聞きわけることのできる方は、凄いと思っちゃう。なんだか、拍は狂うというか、騙されてしまうというか、わかんなくなってしまうし、主題は、いったい何処にあるのか。まるで宇宙人のような楽曲 となっており、わけわかんなくなっちゃって〜 ワタシには、とても手に負えない楽曲です。エマーソン盤が、どうのこうのと言える状態ではないですぅ・・・。(謝) 聴いてて、とても楽しいんですけどねえ。難しいなあ。やっぱり。

アルバン・ベルク弦楽四重奏団 1984年
Alban Berg Quartet
ヴァイオリン:ギュンター・ピヒラー Günter Pichler ヴァイオリン:ゲルハルト・シュルツ Gerhard Schulz   ヴィオラ:トーマス・カクシュカ Thomas Kakuska
チェロ:ヴァレンティン・エルベン Valentin Erben

ばっちグー!

録音状態は良い。昔から名盤とされている演奏だ。とてもシャープでスマートな演奏だが、青白く光るような妖しさもあり、また、和声の描き方がみごと。
1〜4 ドビュッシー 弦楽四重奏曲
5〜8 ラヴェル 弦楽四重奏曲 
1楽章
「し〜らし ふぁ〜み しそれふぁみ〜 そぉ〜ふぁし らぁ〜そふぁ みしぃ〜れぇ」
先日、エマーソンSQで聴いたのだが、冒頭のフレーズが全く違うように聞こえる。
前は、なんとも不思議な、超浮遊感を覚えたのだが、アルバン・ベルク盤で聴くと、げっ 前に聴いた音が、しっかりと聞こえて鋭い感じがする。
しかし、「ふぁ〜〜 みふぁそふぁ〜」というフレーズになると、すわーっと、カラダが浮き上がった感じとなり、とても気持ち良い。旋律の美しさは、やはり絶品だ。
スッキリとしたキレの良さがありながら、眩惑されそうなほど蠱惑感があり、 全体的にフワフワした感じがするのではなく、旋律の流れのなかで、芯になっている部分と、フワフワする部分がある。
「みぃ〜し らぁそ〜 ふぁみふぁ そらしぃ〜 みぃ〜し らぁそ〜 みぃ〜し らぁそ〜 」
「れぇ〜し ふぁみ しそれふぁ みぃ〜 そぉ〜ふぁしら〜そふぁ れふぁみぃ〜れどし〜 しぃ〜そ しぃ〜そぉ」
今は、ヴァイオリンの方が芯で、ヴィオラはフワフワで〜
で、次は、ヴィオラが芯で、ヴァイオリンは、フワフワを担当してね〜という感じで、場面ごと変わるように思う。
そのため、全体的に、ぷよぷよせず、引き締まった旋律でありながら、浮遊感を持っているという、とても、楽しい演奏になって聞こえてくる。

主となる旋律と伴奏の旋律が、入れ替わり立ち替わり、表になったり裏になって進む。
この楽曲、単にヴァイオリンだけを追いかけいては、筋を見失いそうになる。迷路にはまり込まないように聴くには、ヴィオラにも、チェロにも、耳を傾けて行かないと〜 もったいないかも。
ワタシの場合、昔聴いたときには、ヴァイオリンだけを追いかけて、 この曲、ワカランっ! と、決めつけて締まったように思うのだが、しかし、あちらこちらに、特にヴィオラは、おいかけなくてわ。
で、そのうちに、各楽器に耳が移動していくので、全く飽きない。飽きないどころか、1楽章だけで、何度も繰り返して楽しめてしまう。

2楽章
「しっ ふぁれっ れみふぁっし しっ ふぁれっ れみふぁっし  ふぁっ れれっ しれれっそそっ・・・」
かなり強めのタッチで、ピチカートが奏でられている。
で、低音の響きが、とても魅力的で、アクの強さ、アクセントがついているのは、面白い。また、テンポをぐっと落として、強いピチカートにスポットをあてて、見せるかのように弾いている。
1楽章は、さざ波の間を楽しんでいたのだが、この楽章は、この強い弦を高らかに弾き、音を宙に放とうというエネルギッシュさが感じられる。また、喉を震わせて、うめくようになっている弦が楽しい。

3楽章
とても魅力的で、蠱惑感のある楽章で、今、どこにいるのか、わからないほど〜 夢のなかで漂うかのような感じだ。
「しぃ〜 しぃ〜 しらふぁふぁ〜 しらふぁ〜 どみど しらふぁ〜 しぃ〜ら しぃ〜ら しらふぁふぁ〜」
白昼夢のなかで、主体となる音が、弱々しくも浮かびあがってくる。
この楽章は、言葉にならないほどに耽溺してしまい、大変美しく終わった。

4楽章
前楽章の夢を絶ちきるかのような、アタッカから始まる。
アルバン・ベルク盤は、タッチが鋭く、すぱっと切れるような旋律だが、爽やかさがある。ガシっとした荒々しさや、ざらっとした肌の粗い演奏ではない。あくまでも、スマートな、一種のクールさが漂うフレージングだ。
これが、また、気持ち良い。前までの蠱惑的な要素を持ちつつも、冷たく、突き放された感が快感という〜 アハハ。
いやらしい感覚に陥ってしまった。アンタ、あほかいな〜と、自分でツッコミながら、歌われていくフレーズに耳を奪われる。
総体的に、とても緻密に計算された演奏だと、改めて思った。

初めて聴いた当初は、なんと冷たいクールな演奏だと思っていたのだけど、いろんな盤を聴いているうちに、やっぱり精密な感じがして、アタマひとつぬきんでているという感じがする。
曖昧模糊としたところがなく、みごとに計算された和声という感じで描かれており、聴いててわかりやすい。
で、精緻なところに、青白い光を放つかのような妖しさもあり、フランスモノといえば、もわっとした空気感〜というイメージがあっ たのだが、これは一掃されている。
んじゃ、洗練されたウィーンの空気なの?と、問われるかもしれないが、 いや〜 もはや成層圏は突き抜けており、そんな空気感は、この際、関係ないような気がする。
1971年 ラサール弦楽四重奏団 ★★★★
1984年 エマーソン弦楽四重奏団 ★★★★
1984年 アルバンベルク弦楽四重奏団 EMI ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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