「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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シェーンベルク 浄められた夜(浄夜)
Schoenberg: Verklärte Nacht (Transfigured Night)


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カラヤン ベルリン・フィル 1973年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

これもありかっ   あれ〜変 だよ。

←上のCDは、新ウィーン楽派管弦楽曲集3枚組BOXである。
1972年〜74年に録音されている。その当時、画期的、先駆的な録音だったようだ。カラヤン盤は、弦楽六重奏版ではなく、弦楽合奏版である。

新ウィーン楽派管弦楽曲集
CD1:シェーンベルク 交響詩ペレアスとメリザンド、シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲 CD2:シェーンベルク 浄夜、ベルク 3つの管弦楽曲、ベルク 抒情組曲からの3章 CD3 ヴェーベルン 管弦楽のパッサカリア、弦楽合奏のための5つの楽章、6つの管弦楽曲、交響曲op.21


←下のCDは、1枚モノのCD
カップリング:シェーンベルク 浄められた夜(浄夜)、交響詩ペレアスとメリザンド

シェーンベルクという作曲家は、調性がなくなって、12音技法を考え出した方として、クラシック音楽のなかでは、とっても有名な方である。でも、この方のおかげで、ゲンダイオンガクという、とっても難しい、抽象的な世界に突入してしまった。
(と、ワタシの頭のなかでは考えている。)
音楽の理論も難しくて、ワタシの拙い頭では、なかなか理解しがたい 。
もちろん、音楽も計算されたモノであろうし、感覚だけでは成り立たない、通用しないのだが、でも、完全、理数系の世界に入って、チンプンカンプンなのだ。

しかし、この作曲家も、初めの頃は、マーラーやワーグナーの影響があったりして、後期ロマン派の濃厚、濃密な楽曲も作っている。 なかでも、ここでご紹介する「浄められた夜」(浄夜)は、聴きやすく幻想的な世界が広がっている。
もともと、弦楽六重奏曲ではあるが、改訂が繰り返されているし、弦楽合奏版もある。
で、カラヤン盤は、70年代初頭に録音されており、今でも、繰り返し再販されているものだ。よくまあ、70年初頭に、こんな難しい楽曲を、まだ一般的に受け入れられてなかったと思われるカテゴリーを、「新ウィーン楽派管弦楽曲集」と銘打って3枚組のBOXを出したものだと感心してしまう。カラヤンって、商業ベースの権化みたいに言われているけれど、存外、そうでもないのかもしれない。

で、浄夜は、言葉では表現しづらい楽曲である。
ふわふわ〜 弦が絡みつくように、大変心地良いものの、何がどう〜と言いづらい。
リヒャルト・デーメル(Richard Dehmel)の詩「浄夜(Verklaerte Nacht)」にインスパイアーされて作曲したモノだそうで、不思議な 、官能的な世界が広がっている。詩はドイツ語だし、そのバックボーンも理解していないのだが〜
 
場面設定は・・・ 冬、月明かりのなかを、歩く恋人たちがいる。
凍りつくような寒さのなか、男女を照らす月が、樫の木のうえに、ぽっかり浮かんでいる。
突然、女が、恋人に、見知らぬ男の子供を身ごもってしまったと告白する。
アナタの子供ではないの。子供ができるってこと、母親になるって、どんな感情になるのか知りたかったの。でも、アナタには迷惑を掛けるわ。
ト書き・・・ しばらく、月明かりだけが、女を照らしていた。
男は、しばらく黙っていたが、いや〜僕の子として産んだらいい。
僕は、君も子供も、受け入れることができる。僕らを照らす月は、明るく輝いている。この光が、全てを浄化してくれるさ。・・・って感じのイメージ世界である。
ワタシ的理解で申し訳ないが・・・。(間違っているかもしれない 汗)

カラヤン盤は、濃厚というより、録音状態がイマイチで、実は、2枚CDを持っている。
(みぃ〜 みぃ〜 みぃ〜 ) 「どし〜 ら〜そぉ〜 ふぁ〜み」 
「どし らぁ〜そ ふぁ〜み みれ〜どぉ〜し らぁ〜そ みれ〜どし らぁ〜そぉ〜」
と、連綿と続く弦の響きがある。
高音の弦で、「み〜ど そふぁ〜 ふぁらしど そふぁぁ〜」っと綺麗な音が入ってくる。
「ら れぇ〜ど しぃ〜ら  ふぁれ〜 そふぁ〜」と、長い綺麗な音が、ふわーっと入って流れていくのだ。

最初のふわーっとした弦の流れる音が、カラヤン盤で聴くと、ソフトフォーカスされて、冬の冷たい夜空というよりは、春めいた感じがする。
う〜ん。ワタシの感覚がずれているのだろうか。
かなり、柔らかい音色で、妖艶ではあるのだが、幽霊っぽい女性のようで、この世のモノではない幽玄さ、魔界に入った女性のようで、茫洋としてて、柳の枝が、すーわーっと流れているような感じ。
「しらそら ふぁそ どぉ〜 しらどふぁそ れ〜どぉ〜」
なんだか、恨めしそうな、「れぇ〜ど そふぁぁ〜」っと、来られると、円山応挙の髪の毛の長い幽霊っぽい美女佇んでいるようで、うへっ。きゃーっ。

ウネウネした曲線が主体で、何が言いたいのか、はっきりしてぇ〜って叫びたくなるような、明瞭な線では描かれていない。つかみどころが難しい。いや、とらえどころがない。カラヤン盤で聴くと、まるで、男性の一人舞台のようで〜 
魔性の女性に虜になっちゃった情けない男が、理想とする像を、自分のアタマのなかで作り上げちゃった。
単に男性の理想、想像ストーリーなのだ。実は、女性は存在しないんじゃーないかなあ。
存在しても、モテナイ男なので、逃げられたんじゃーないの?という感じがしちゃう。

高音域の弦はともかく、低弦の響きが、もわ〜とし過ぎで、まろやかという以上に、もはや形が無くなってしまっている。
ペぺぺっというピチカートも入っては来るのだが、なーんか、音の像、音の粒が、液体化したようで、輪郭が、ぼやけてしまって、ワタシ的には、どうも・・・。
う〜ん。これって、ホントに有名盤なのかなあ。録音された当時は、画期的だったのかもしれないけれど、今、改めて聴くと、う〜ん。ワカンナイですね。

実は、このカラヤン盤、名盤と言われているので、CDを2枚所有している。
3枚組のBOXは、下記のカップリングである。
CD1 シェーンベルク 交響詩ペレアスとメリザンド、シェーンベルク 管弦楽のための変奏曲
CD2 シェーンベルク 浄められた夜(浄夜)、ベルク 3つの管弦楽曲、ベルク 抒情組曲からの3章
CD3 ヴェーベルン 管弦楽のパッサカリア、弦楽合奏のための5つの楽章、6つの管弦楽曲、
    ヴェーベルン 交響曲op.21

で、もう1枚、リマスタリング盤だというので買い求めたのだが、う〜ん。何度か聴いてみたのだが、え〜 あんまり(何も)変わってないやん。ボリュームをあげて聴いても、疲れはしないし、雰囲気はあって、綺麗だとは思うが、ムード系、環境音楽系と言っても、過言ではないほどに、ソフトフォーカスだ。
やっぱり、録音は、おかしいよぉ。誰も言わないから、言っちゃうが〜
ワタシ的には、とんでもト盤かもしれないな〜と思う。これは、いじりすぎなんじゃーないかなあ。
勝手な事を申し上げてスミマセン。まあ、雰囲気はあるから許せるけど、、、(笑)


ラサール弦楽四重奏団 1982年
LaSalle Quarte

これもありかっ

録音状態は良い。
客観的で、幾分クールな感じのする演奏で、現代的なストーリー性が感じられる。
カップリング:シェーンベルク 浄められた夜(浄夜)、弦楽三重奏曲op.45(82年)

昔に購入しながら、うへっ なんだこりゃ。と、即座にお蔵入りにしてしまったCDである。
今頃になって、ボチボチ聴いているのでは、とっても遅いのだが、いたしかたない。

シェーンベルクの楽曲のイメージが、完全ゲンダイオンガクだったことと、弦楽四重奏曲を好んで聞かなかったこともあり、ワタシ的には苦手意識を強く持ってしまったのが、アダとなったみたいだ。
おまけに、西ドイツ製の輸入盤を購入してしまったものだから、ブックレットを読めないまま聴いたのも、まずかったようだ。
また、カップリングされている弦楽三重奏曲は、はあ? ダメっ。こんなんわからん。(今も、全く受け付けず ダメである)

さて、浄夜・・・
ストーリーを読んで、CDを聴けば、イメージはしやすいとは思う。
今もって理解できているかと言えば、う〜ん。汗がでるのだが、まだ、とっつきやすい。
カラヤン盤は、弦楽合奏版であり、残響が少し多めで、ソフトフォーカスされた録音で、冬の冷たい夜空というよりは、春めいた感じがしていたが、カラヤン盤のように、濃厚で、あまりにも浮き世離れした感のある演奏が、苦手という方にはお薦めだろうと思う。

このラサール盤は、弦楽四重奏であり、クールだ。
見通しが良い分、隙間風が入ってくるかのように聞こえるが、柳の枝に風が吹き〜 すわーっ、ひぇ〜っという肝試し状態になることはない。
ただ、やっぱ、ガシっとした弦のボーイングが支配的で、特にヴァイオリンの音質が乾き、ピシッとしたアンサンブル(アタリマエと言えばアタリマエなのだが)には、隙が無い分、鋭敏さというよりは、硬質感が漂う。
かといって、ギンギンに冷えたビールを飲んだように、アタマが痛くなるほどではない。

ワタシの頼りない感覚だと、ラサール盤で聴くと、現実的で、しっかり地に足のついた、しっかりモノの女性が主人公のように感じられた。
カラヤン盤は、濃厚で、幻想的な雰囲気なので、女性自身が亡霊のごとく、存在しないかのように思えたのだが、ラサール盤で聴くと、しっかり自分の意思を持ち、気持ちをしっかり男性に伝えることができ、訴えることのできる女性のようで〜 ドライだと感じる。
ワタシは、アナタとは別の人の子供を宿しちゃったけど、ワタシは産みますからね。
別れるなら、別れるって〜 アナタが決めたらいいわ。って感じに聞こえちゃいました。

メメシイ感じで、ヴァイオリンが奏でられてないので、すすり泣きにならず、大げさになっていない。
フレージングがさっぱり系だ。
まあ、その点は、爛熟した世紀末的ではないし、後期ロマン派の香りはするものの、冷静というか。ロマンティックではあるが、エロティックで、グロテスクな要素は少ないというか、すすり泣く、すがりつく〜 ためらい、迷い、エロティックにシナをつくり、妖艶に惑わす等、どろどろ風な情念の世界って感じでないですねえ。

演奏する男性が、自分の好きな女性のイメージを膨らませ、膨らませて、メメシイ女性が好き方は、メメシイ女性像をつくりあげてしまうのでしょうが。しかし、ラサール盤は、それはないですね。淡泊で、シンプルというか。客観的というか。
ある意味、現代的というか今風というか、コミュニケーション、愛情表現は、淡々としてて、ドライです。
もう少し色をつけてよぉ〜 せっかく劇を見に来ているのに、という気がしないでもないが〜
(↑ なんとも勝手なことで 笑)
はい、結構、あっさりと聴けてしまいましたね。


バレンボイム シカゴ交響楽団 1994年
Daniel Barenboim
Chicago Symphony Orchestra

ふむふむ。

録音状態は、イマイチ。少しフォーカスが甘めで、ぼわぁ〜っとした空気感があり、薄ぼんやりした感じが幻想的かも。てれ〜とした濃密な感じもするが、どこか、録音で騙されているような気もする。

ヴァイオリン:ルーベン・ゴンザレス、ジョゼフ・ゴラン  ヴィオラ:チャールズ・ピクラー、リ=クオ・チャン チェロ:ジョン・シャープ、ステファン・バルダーストニー
指揮&ピアノ:ダニエル・バレンボイム

カップリングは、次のとおりである。

1〜5 浄められた夜(弦楽合奏版)1943年版
6〜8 3つのピアノ曲6〜8、
9〜13 管弦楽のための5つの小品(オリジナル版)
14〜19 6つのピアノ小品
20  ピアノ曲1909年版(ブゾーニ編)

バレンボイム盤は、弦楽六重奏曲だった曲を、1943年に弦楽合奏版に改訂している版を使っている。
ガンガンに金管を吹いて〜という曲ではないので、シカゴ響とシェーンベルクって、あまりイメージがあわないのだが、聴いたところは、意外と、幻想的で、濃密感もあるし、そこはかとなく・・・という雰囲気は出ているかな〜と思う。
しかし、低弦の響きとして、どうしてもゴツイな〜という感じがする。
ワタシ的には、録音状態がフォーカスが甘めで、ぶよっとしており、音の像が明瞭に浮かび上がってこないので、う〜ん。
イマイチかもしれないなあと思う。きっと、わざと〜 カメラのように、わざと・・・ソフトにしたんでしょ。(って感じなのだ)
あまりにも緩やかで、滑らかで湿度が高い。
どことなく、カラヤン盤と似てて、ぼわぁ〜っとして聞こえる。

弦のフレーズの見通しが悪く、弦の響きが多層的になっているのに、そのフレーズが混沌としており、乳白色的に濁っているように感じる。意地の悪いことを言えば、心情的に訴えてくる感じが少なく、薄ぼんやりした、昼行灯的な雰囲気があるので、幻想的と言えば幻想的なのだ。
切々と、オンナ心を訴え、男の心を、くすぐるような〜 揺れ動くような、惑わされるような雰囲気は、う〜ん。どうでしょ。あまり感じない。てれ〜っとした、濃密感は、まあ雰囲気としてはるように思うし、とっつきやすいようにも思う。
甘さは存分に感じる。しかし・・・ う〜ん。どこか違うような気がする。

う〜ん やっぱ、オンナであるワタシには、この曲は、ちょっと・・・
なんともコメントしづらい・・・。
魔性のオンナに、騙されるアンタが悪いんじゃーっ。と言いたくなっちゃうところもあるしね。(笑) 
雰囲気だけで、煙に巻かれちゃ-ダメだよぉ。と、余計なことを、言っちゃいたくなるしね。(笑)
それに、バレンボイム盤で聴くと、ホントは逞しいマッチョな男なのに、そして、そんなオンナに、よろめいている風でもないくせに、どこか雰囲気だけつくりあげた〜という感じがしないでもないのだ。
これは、ワタシの勝手な想像なんだけど・・・。録音で誤魔化されたような気もする。オンナは、疑い深いのだ。

ワタシ的には、ブーレーズ盤が、明瞭だと思う。
また、頭を冷やして聴くのもオツかと思うので〜 BISというレーベルの録音のように、クールで、冷涼感があって、透明度が高い、明瞭な録音で聴いてみたいと思っている。


1973年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1982年 ブーレーズ アンサンブル・アンテルコンタンポラン SC
1982年 ラサール弦楽四重奏団   ★★★★
1994年 バレンボイム シカゴ交響楽団 Teldec ★★★

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