「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シューマン ピアノ五重奏曲
Schumann:
Piano quintet


シューマンのピアノ五重奏曲(変ホ長調 作品44)は、1842年に作曲されています。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ピアノと弦楽四重奏(2本のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)のために書かれており、1842年9月から10月までの間、わずか数週間のうちに作曲されたとのことです。シューマンは1810年生まれなので32歳頃の作品です。
それまで、あまり室内楽を作曲してなかったのですが、同じ時期に、いっきに3曲の弦楽四重奏曲と、ピアノ五重奏、ピアノ四重奏曲を作っています。これ以降は、47年〜51年ピアノ三重奏曲(3曲)、ヴァイオリンソナタなどあります。

4つの楽章で構成されています。
第1楽章 変ホ長調 2/2拍子 ソナタ形式
 力強く輝かしい第1主題と、柔らかく優雅な第2主題からなり、2つの主題が巧妙に扱われていきます。
第2楽章 ハ短調 2/2拍子 
 葬送行進曲風の楽章です。
第3楽章 変ホ長調 6/8拍子
 2つのトリオをもっており、第1トリオの旋律は、第1楽章の第2主題と関連があります。
第4楽章 変ホ長調 2/2拍子
 自由なソナタ形式で、結尾において、終楽章の主題と第1楽章の主題が、見事な二重フーガとして、組み合わされています。

このピアノ五重奏曲は、シューマンの室内楽曲のなかで、とても人気の高い親しみやすい楽曲です。

アルバン・ベルク四重奏団 1985年
ピアノ:フィリップ・アントルモン
Alban Berg Quartet
Philippe Entremont

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。ライブ盤なのだが、ノビノビと演奏されてて、聴いてて、とっても楽しい。(曲の最後に拍手入り)
カップリング:
1〜4 ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲(1993年)
 ピアノ:ルドルフ・ブッフヒンダー Rudolf Buchbinder
5〜8 シューマン ピアノ五重奏曲集(1985年)
1楽章
この1楽章は、ワタシの耳には、まるでドレミの歌を歌っているかのように聞こえるので、勝手にシューマンの「ドレミの歌」と呼んでいる。
冒頭は、「ふぁ〜れ〜どぉ〜ら そみふぁそ みれどれ そぉ〜そ どぉ〜らぁ みれどふぁ そぉ〜ら ふぁ」って感じで、ピアノと弦が一斉に力強く奏でる。とっても伸びやかな旋律で、とってもシンプルだ。
アルバン・ベルク盤は、意外と出だしは柔らかいし、とっても、しなやか〜に奏でられている。

で、主題は、素朴なフレーズだが、付点のリズムがついてて聴いてて楽しい。
「ふぁ〜ふぁ どぉ〜ら  ふぁそらし らぁ〜そ  そぉ〜そ みぃ〜ど ふぁしどれ どぉ〜し」
「れぇ〜み ふぁそそぉ〜ら れぇ〜み ふぁそそぉ〜ら」
「そぉ どぉ〜れ みふぁそそ らぁ〜(らぁ〜みれみふぁそ らぁ〜) らぁ〜れみふぁそらしぃ〜 しぃ〜みふぁそらしぃ〜」
↑ ここが、ワタシが勝手にドレミの歌と呼んでいるフレーズ。
もちろん、変ホ長調だし、素直にそのまま、ドレミにはなっているわけではない。

鼻に詰まったような音が挟まるというスパイスもあるし、チェロのフレーズの柔らかい渋さが感じられるもの。
ピアノのチャーミングな、「らぁ〜れみふぁそそ らぁ〜 らぁ〜れみふぁ・・・」という音が聞こえることで、とても表情が豊かで、 ロマンティックに聞こえる。チェロとピアノの掛け合いが、この楽章の生命線って感じだろうか。
繰り返しはするが、あまり形式にもとらわれていないし、「そぉ〜そ」と、1オクターブ飛んでいるのが、とても開放的な雰囲気がする。主題が、結構、シツコイぐらいに、登場して繰り返される。
で、明るい主題のあとに、すぅ〜っと、暗くなってしまったりする。なので、明るいとき〜 暗いとき〜 ということを、飽きることなく繰り返す。アハハ〜 やっぱり一筋縄ではいない人だ。
しかし、ピアノが入ってくることで、性格が変わるというか、色彩的に明るくなるというか、元気になってくるというか〜
まるで、ピアノが無いと、アカン人みたいである。これを聴くと、この人、ソウウツなんだろうなあ・・・と、思っちゃいますね。

2楽章
葬送行進曲風の楽章だが、あまり、そんな鬱々した風でもない。
まあ、弦は、ズブズブ行きそうな雰囲気で、あーっ 沈んだ。落ちた。あーあっ。・・・って感じなんですけどね。
ピアノの音が、弦を宥めるかのように浮かび上がらせる。
なんだか、弦はシューマン自身、ピアノはクララさんって感じかなあ。
なんとか、踏みとどまってくれぇ〜っと、聴いてて、ひやひやするけど、アルバン・ベルク盤で聴くと、内省的ではあるが、優しさや暖かみを感じさせるフレージングで、心情的に共感を覚えるものとなっている。
完全に心は折れてないみたいで、傷つきやすい人を、そっと、いたわってあげるピアノの優しさを感じちゃう。

3楽章
前の楽章は、いったい何だったのだろう〜と思うぐらい、スケールの練習曲が始まる。
ん? なに、これ。いきなり、「どれみふぁそらしどれみふぁ〜 そらしどれみふぁそらしぃ〜・・・」って感じで始まるのだ。
あらま、呆れちゃっう。しかし、この楽章、超シンプルなのだが、聴き応えがある。
何故なんだろう〜 ピアノの打楽器としての効果なのだと思うが、弦だけでは得られない重みのある音、音階のイチバン最後の音が、瞬発的に爆発するような和音となっているところが、とってもアクセントになっている。
で、その最後の和音の残響が、まだ耳に残っている間に、次の和音が来るので、繋がっていくみたいなのだ。
で、スケールの楽しさと、和音の響きが、相乗効果を生んで、とても楽しいみたいなのだ。
また、舞曲風に変わっていくところが、面白い。
「れぇ〜 どしら そふぁみっ」と、ちょっぴり粘りがある舞曲風にアレンジされたことで、ホント、面白い。

4楽章
「れっ れふぁら〜 れふぁ みどらしれ どらみそらぁ〜」「れっ れふぁら〜 れふぁ みどらしれ どらみそらぁ〜」
「ふぁらどぉ〜 どそらぁ〜 られふぁ らぁどどみ ふぁれれふぁ・・・」と、分散和音のように奏でていく。
ピアノの強い打音があり、2フレーズはとても強く演奏している。
歯切れよく、破裂音のように響くのが、とってもアクセントになってて、聴いててリズミカルだ。
粘っこい風味の「れふぁ らぁ〜 れふぁっ らぁ〜」というところが、舞曲のように聞こえるのだが、テンポは速くない。
ピアノならではの鋭い打音がインパクトを与え、破裂しているところが、弦にはない魅力だ。

で、弦が一斉にユニゾンのように弾かれている場面なので、これがラストかと思いきや、冒頭に持ってくるのね。
続いて、多分、ヴァイオリンとヴィオラだと思うのだが、柔らかいフレーズが続く。
ピアノが、小声で、ごろごろ〜っと鳴らすなか、夢を見ているかのように「ど ふぁ〜み そぉ〜み らぁ〜どし」って感じで、短い間奏でられるのだが、すぐ、冒頭の主題に戻ってくる。
今度は優しく演奏されているし、ピアノが軽やかに歌うシーン、弦が、「どれどぉ〜 らそふぁ れみれ〜どぉ〜」と、優しく呼応するシーンなどが、盛り込まれて、とても魅力的だ。
段々ラストに向けて、ちょっぴり熱くなっていくのだけど、また、1楽章の主題が戻ってくる。

アルバン・ベルク盤は、とっても、清々しい。それぞれの楽章のイメージを、くっきり描き分けてて、爽やかな柑橘系の香りがするほど、瑞々しさもあって、とても聴き応えがある。
ライブ盤なので、最後に大きな拍手が入っているんだけど、もちろん、ワタシも拍手〜ぅ。とっても楽しい演奏でした。

1985年 アントルモン アルバン・ベルク弦楽四重奏団 EMI ★★★★
所有盤を整理中です。

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