「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シューマン ピアノ三重奏曲第1番
Schumann: Piano Trio No.1


シューマンのピアノ三重奏曲第1番(ニ短調 作品63)は、1847年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ロマンテックな作品で、奥さんのクララの誕生日のお祝いに書かれたそうです。確固とした構成力と緻密な展開法をもった感情の動きを表現し、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番と共に前期ロマン派を代表するピアノ三重奏曲だそうです。 シューマンは、1810年生まれなので、38歳頃の作品になるでしょうか。

第1楽章 精力と情熱をもって (Mit Energie und Leidenschaft)
独り言をつぶやいているようなピアノ伴奏に乗った、物憂い弦楽の第1主題で始まります。
情熱的な付点音符の楽句が現れ、一気に、音楽が盛りあがり、優美な長調の第2主題が現れます。
展開部の途中で、美しい旋律が、まずピアノで現れ、弦に引き継がれます。再現部を経て、追憶の形で、わずかに顔を覗かせたのち、最後は、主和音を引き延ばしながら、謎めいて終わります。

第2楽章 生き生きと、しかし速すぎずに (Lebhaft, doch nicht zu rasch)
付点音符の上昇音型で、躍動的なスケルツォの楽章です。トリオは、雲の上を歩くような浮遊感があります。

第3楽章 ゆっくりと、心からの感情をもって (Langsam, mit inniger Empfindung)
失われてしまった幸福を追憶するような抒情的で美しい楽章です。

第4楽章 熱情をもって (Mit Feuer)
哀愁ただよう前楽章から一転して、祝祭的で、明るく弾む第1主題で始まります。第2主題は、哀愁を帯びたもの。
魅惑的な楽句が現れ、第1主題も現れ、祝祭的な気分となりますが、途中、何度か顔を出す第2主題の哀愁をおびたフレーズと、コントラストを描きます。白熱的なコーダで曲を閉じるものです。

フロレスタン・トリオ 1998年
The Florestan Trio
ヴァイオリン:アンソニー・マーウッド Anthony Marwood
チェロ:リチャード・レスター Richard Lester
ピアノ:スーザン・トムズ Susan Tomes

ばっちグー!


録音状態は良い。慎ましく、穏やかに、整っているので、とても聴きやすい。
カップリング:
1〜4 シューマン ピアノ三重奏曲第1番
5〜8 シューマン ピアノ三重奏曲第2番
1楽章
冒頭、なんだか唐突に始まる。
「しぃ みぃ〜れそ どらし ふぁみ そら しぃ〜み れそどらし そふぁ みれど らぁ〜ど らぁ〜ど」
「れぇ〜し れぇ〜ふぁ みぃ〜ど・・・」
「そぉ〜 み れみれみ ふぁそら そふぁ〜 どぉ〜ら そらそら しどれど しぃ〜」
「どぉ〜みれ そぉ〜ふぁそら みぃ〜 そふぁ し らしど ど〜れ そらそふぁそ〜」

このフレーズを最初聴いたときは、なんだか、独特の付点のリズムで、字余り的で、スキッとしない主題だなあ。と思った。
今、聴いても、ちょっと。ハッキリしない人だなあ、何を呟いているんだろう。と思ってしまう。
まあ、これが、シューマンらしい、といえば、シューマンらしいんだろう。
これが、奥さんのお誕生日祝いの曲だというのだけど、お祝いに使うような曲かしらん。
ウィキで見たように、ホント、ブツブツ、ひとりごとを言っているかのような、フレーズなのだ。
この方の音楽語法は、ちょっと暗くて、ブツブツ・・・ 
馴れてくると、何言っているのか、はっきりしろよぉ〜と言いつつも、ああ、きっとこう言いたいのね。と勘ぐれるのだろうが、ちょっと邪魔くさい。ワタシには、シューマンさんは、ちょっと、まどろっこしい方である。

で、フロレスタン・トリオさんの演奏は、控えめな、まろやかさがあり、チェロは優しくフレージングされている。
ピアノ三重奏曲は、音質が、ピアノと弦、チェロとヴァイオリンと、あまり相容れないので、ちょっと風変わり。
特に、ヴァイオリンとピアノが、どう絡めばいいのか、ヴァイオリン・ソナタのようなフレーズで、綴られている。
チェロが入ってくると、ちょっと、音色が渋く、落ち着くのだが、このバランスは、難しそうだ。
ピアノも主張するし、弦もヴァイオリンも主張しだすと、ちょっと、うるさく感じちゃうのだが、はっきりしないヴァイオリンの、どっちを向いているのか、わかりづらいフレーズを、チェロが補い、ピアノが寄り添いながら補完しているようにも聞こえる。

この1楽章は、チェロもヴァイオリンもピアノも、同じ旋律を一緒になって弾いていることが多いようにも思うのだが。
えっ 三つ巴で奏でるの? 旋律が綺麗に分かれていくわけでもなく、いつも、一緒って感じなのだ。
あっ これが言いたいの? お誕生日おめでとー いつも、一緒だよん。って? はあ?

2楽章
チェロとヴァイオリンが、スキップを始める。
「そっ れれみみふぁふぁ そぉ〜  れぇ〜 そらそふぁ そそらら しっど れぇ〜」
なんだか、軽い酔っ払いのスキップのようで、ワタシの耳には、まるでチェロが、アコーディオンを弾いているかのように聞こえるのだが、楽しいというより、渋い音質で、たらたらたら らぁ〜 と、3拍子なのかなあ。
雲のうえを歩いているような〜というより、やっぱり、ちょっぴり酔っ払い風の付点で、ゆらゆら〜 「れみふぁそふぁみれ〜」というようなフレーズを、繰り返しているうちに、最初の主題に戻ってくるという感じ。
子犬が、自分の尻尾を追いかけて、ぐるぐるまわっているようにも思える。

3楽章
「しぃ〜れ どそふぁ〜 れどし しぃ〜〜らぁ 
そらぁ〜 らぁ〜そふぁ〜み そみ れぇ〜どぉ〜 どぉ〜れ れど ふぁ〜そ れ・・・」
あーっ 暗いっ。なんじゃこりゃ。暗すぎて、しみったれた楽曲じゃん。と思うほど、ウツウツしている。なんだか、ピアノも慰めようのないほど、ヴァイオリンとチェロが擦れて弱々しい。
抜け殻風のフレーズが続く。
もうご勘弁を・・・と言いたくなるほど、ウツウツして、どうも抒情的な楽曲とは、ワタシは言いづらいと思う。
このまま、とぼとぼ歩かれていかれると、やばいんじゃーと思うほど、力の抜けた楽章だ。
あのさぁ〜 お誕生日のお祝いなんですよね。(信じられない、ワタシには、こんな曲 やだーっ)
どこにも、日射しが感じられないほどに、雲がどんより垂れ込めてて、鬱陶しい。いたたまれない。

4楽章
「しぃ〜 どぉ〜み れふぁそみ どぉらぁ そぉ〜ふぁ  らぁ〜ふぁ みどふぁら どそ らふぁ み〜れ」
ピアノから、うえの旋律を奏で、次は、ヴァイオリンが同じ旋律を奏でる。
ちょっと、明るめに変わって歌うような主題になっているが、それでも、心の底から喜んで、喜びを爆発しているかのようなフレーズではない。奥ゆかしいピアノと、揺れながら弱々しいヴァイオリンだ。
もっと艶のある声で歌ってほしいのだが、どうやら、病み上がりらしい。
で、ピアノとヴァイオリンが、「れぇ〜みふぁそらぁ〜そふぁみっみみ」
弱く、「れぇ〜み れふぁそら〜」と、歌いかけるのだが、途中で、ぷつっと切れるているし、よくわかんないです。
さあ 勢いよく元気に歌うぞーっと思った途端、間合いが空くのだ。

フロレスタン・トリオさんの演奏は、弱々しいけれど、ピアノと2つの弦が、まとまっている。
ピアノとヴァイオリンのバランスが、良いからか、また、どちらも弱々しいからか。(笑) 
いたわり合いながら、一緒に寄り添って奏でている感じがする。
以前、プレヴィンさんのピアノ、チョン・キョンファさんのヴァイオリン、トルトゥリエさんのチェロで、CDを聴いたことがあるのだが、擦れたダイナミックな声で、ガシガシ弾かれるヴァイオリンに辟易しちゃった記憶がある。
フロレスタン・トリオさんは、その点、慎ましやかで、まとまりがあり、楚々とした嬉しい1枚である。
もう既に解散しちゃったグループなので、残念なのだが・・・。大事に、CDで、聴かせていただいている。

1998年 フロレスタン・トリオ Hyperion ★★★★★
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