「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」
Brahms: Violin
Sonata No.1


ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番(作品78)は、「雨の歌」と言われ、1879年に作曲されており、ブラームスが46歳頃の作品です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
1853年頃に、イ短調のヴァイオリンソナタを作曲したのだそうですが、自分の判断で破棄。この1番は79年の夏に完成しています。77年に交響曲第2番、78年にはヴァイオリン協奏曲が作曲されています。
「雨の歌」という通称は、第3楽章冒頭の主題が、ブラームス自身による歌曲「雨の歌 Regenlied」「余韻 Nachklang」主題を用いているためです。「雨の歌」は、クララ・シューマンが特に好んでいた歌曲で、それを引用することでクララへの思慕の念を表現したというのが通説のようです。

第1楽章 ト長調
やや凝った複雑なソナタ形式による楽章で、軽やかで抒情的な雰囲気をもつ第1主題と、活気のある第2主題で展開されます。

第2楽章 変ホ長調、三部形式で叙情と哀愁が入り交じる緩徐楽章で、民謡風の旋律がピアノで奏され、ヴァイオリンが加わって哀愁を歌います。第1部は葬送行進曲風の調べで、この旋律は第3部で再び回帰してきます。

第3楽章 ト短調−ト長調 歌曲「雨の歌」と「余韻」に基づく旋律を主題としたロンドです。主題は、第1楽章の第1主題と関連があり、また第2エピソードとして、第2楽章の主題を用いるなど、全曲を主題で統一しています。
全3楽章の構成で、演奏時間は約27分。

ブラームスにとっては、意味深な〜 ラブレターみたいなモノなのでしょうか。恋心を、音楽にて表現するとはニクイっ。
音楽家としての最大の愛情表現・・・ 慎ましやかに愛の告白し、現実と理想の狭間を、こうやって埋めるとは。

ムター ワイセンベルク 1982年
Anne-Sophie Mutter   Alexis Weissenberg

まっ こんなモン

録音状態は良い。少し硬めのフレーズだと思っていたのだが、段々と、ピアノに導かれて、大きく、ふくよかに歌えたような気がする。
カップリング:
1〜3 ヴァイオリン・ソナタ1番「雨の歌」
4〜6 ヴァイオリン・ソナタ第2番
7〜10 ヴァイオリンソナタ・第3番
1楽章
ムターさんは、1963年生まれなので、20歳頃という若い頃の演奏である。
伴奏が、これもワイセンベルクさんという豪華すぎる録音で、超驚きの組み合わせである。ワイセンベルクさんが伴奏を務めているなんて、ちょっと信じられないほど〜 他にあったっけ。

「みっみ みぃ〜 れどらみ〜 ふぁっふぁ ふぁ〜ら らっら らぁ〜どぉ みそしぃ〜」
と、大人びて歌う。20歳前だというので、やはり少し青いかな〜とは思う。
もちろん、今のように、たっぷり〜と歌っているわけではないが、ハイ、栴檀は双葉より芳し・・・という諺が、そのとおり当てはまるかのようで、片鱗が見える。
穏やかで渋いピアノの伴奏のうえを、大きなフレーズで歌おうとしている。
ソリストとしてのワイセンベルクさんは、ワタシのイメージでは、たっぷり〜とした歌いっぷりで、豪華で大柄な演奏だと思っていたが、ここでは、控えめで落ち着いており、まさか、あのワイセンベルクさんとは思えないほどの控えめな伴奏だ。
ムターさんのヴァイオリンは、少し、硬いような気がする。
ちょっと、一本調子というか、フレージングに少し硬さが残っており、高音域になると、ちょっと疲れてしまいそう。
しかし、次の楽章に入ると、大人のフレージングになっている。

2楽章
雨上がりのように、「らぁ〜 どしそ らぁらぁ  ふぁ〜そら ふぁそら どしそ らら らぁそみ・・・」と、囁くように歌う。
ピアノも、ゆったりと落ち着いており、ヴァイオリンが主題を奏でる時には、とっても、抒情的に、しみじみ、音を置いていくようにピアノを弾く。
「そどぉ〜 そどぉ〜っ」と強いタッチで、付点のリズムを挟むところは、短調になっている。
まるで悲劇のヒロインのように、嘆き節さながら、濃い表情付けとなっている。
ここは、ピアノの間合いで奏でているのか、ピアノのゆったりとした旋律が、ヴァイオリンを導いているようだ。

3楽章
「みっ みぃ〜 れふぁらそふぁみぃ〜 れみふぁどし らぁ〜ふぁそしれぃ〜し どみらふぁ〜そ」
と、繰り返して歌っていく。
少し柔らかく、テンポを速めに歌っており、控えめつつも、熱い。
旋律の終わりに差し掛かるときに、ふわっとした間合いを含めていく。
狂おしいほどに〜っ好きと歌われているようで、何度、繰り返したら気が済むのだろうというほど、ブラームスらしく、ちょっと執拗なのだ。
この楽章は、力を抜いて、柔らかくテンポを落として、重音を奏でているし、なかなか芸が細かい。
総体的には、 ワイセンベルクさんのピアノに導かれて、ムターさんのヴァイオリンが歌っており、最初は、 少し硬めの音だったのだが、ピアノによって、少し、ふっくらと〜 フレーズが膨らんでいったような、そんな気がする。
チョン・キョンファ ペーター・フランクル 1995年
Kyung-Wha Chung  Peter Frankl

いかすぜっ

録音状態は良い。もっとテンションの高い押しつけがましいのかと思ったが、意外と違う。大人じゃん。
カップリング:
1〜3 ヴァイオリン・ソナタ1番「雨の歌」
4〜6 ヴァイオリン・ソナタ第2番
7〜10 ヴァイオリンソナタ・第3番
1楽章
今日は、梅雨時期に入っており、ちょっぴり鬱陶しそうな日が続きそうなので、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」を聴こうかな〜っと、かなり、ベタな選曲をしてしまった。

ピアノが柔らかくパンパンっと鳴らすのを合図に、ヴァイオリンが歌い始める。
「みっみ みぃ〜れどらみ〜 ふぁっふぁ ふぁ〜ら らっら らぁ〜どぉ みそしぃ〜 どれみふぁそら・・・」
ピアノがチャーミングに伴奏しているなか、ヴァイオリンが、のびやかに歌う。
「みっみ みぃ〜れどらみ どみらどみ ら〜そ ふぁっふぁ ふぁ〜ら らっら らぁ〜どぉ らどみぃ〜 どみそぉ〜」
っと、高音域へとのびていく。
いつものウジウジした、ちょっと屈折気味のブラームスの渋いフレーズとは違って、素直な明るいフレーズが続く。なんだか、クララさんに、好きだ〜 好きだ〜っと、言い続けているみたいで、ちょっと、微笑ましい。
あらっ なんという心境の変化なの?

「ふぁっみぃ〜ふぁ みっれぇ〜み らっしぃ〜ら」と弾むリズムが、ヴァイオリンとピアノで、掛け合う場面もある。
素朴に嬉しさがあふれているようで、親しみやすさを感じせる。
「ふぁっふぁ ふぁ〜れどらふぁ そっそ そ〜ら らっら らぁ〜ど」と、えっ こんなシンプルなフレーズで良いのかしらん。
まるで鼻歌を歌っているかのような、優しいフレーズが続く。
キョンファさんの演奏も、いつもの苛烈なフレーズが影を潜め、穏やかで〜 フレージングも甘すぎず、軽やかすぎず、しっとり気味に演奏されている。 

2楽章
ピアノが、「らぁ〜 どしそ らぁらぁ ふぁ そら ふぁそら どしそ らら ふぁ〜 らそみ・・・」
教会の鐘が遠くから鳴っているかのようでもあり、
「どぉ〜れ どぉ〜し そぉ〜らし らそふぁそらふぁ・・・」という感じの揺れるような心情が、切々と奏でられていく。
この楽章は、ブラームスらしさがあって、音質が渋めに変わり、翳りのあるため息交じりのフレーズいなっていく。
それを、振り切るかのような気合いの入ったフレーズが入る。
「そっどぉ〜 そっどぉ〜 そどぉ〜 ふぁ みぃ〜れ」
はあ、なるほど、この鬱々とした心境を、断ち切りたいのね。(って感じだ。)
やっぱり、オセンチで、ピアノは強めに断ち切りたい気持ちなのだが、ヴァイオリンは、うねっと〜鬱屈した感じのかすれ声で、沈み込んでしまって。あーあっ。立ち直れません。
ヴァイオリンの重音で奏でられる和音が、と〜ても美しい。

3楽章
「みっ みぃ〜 れふぁらそふぁみぃ〜 れみふぁどし らぁ〜ふぁそしれぃ〜し どみらふぁ〜そ」
このヴァイオリン・ソナタには、高音域の音が登場せず、わりと幅の狭い音のなかを、歌うように奏でていく。
ワタシは、歌曲を知らないので、どこが雨の歌かのか、どこが、余韻なのか、わからないが、軽やかだが沈んだ音で、歌われていく。
「どぉ〜 しれふぁら しぃ〜らみみ そぉ〜ふぁみ・・・」と、さらっと悲しみを織り込んで
「しふぁ〜 らそぉ〜 みれどみ れどぉし〜 しそぉ〜 し〜ら れふぁみそどみれふぁし」と歌う。

雨の歌というけれど、雨が降っているわけではなさそうだ。暖かみもあって、そっと、包み込むような大人の歌である。
さらっと、展開しながら、歌い、すっと消えていくかのような雰囲気もあって、う〜ん やっぱ大人なんですよね。
極めてタイトで、ツライほどの落ち込んでるわけではなく、過剰なまでのストイックさでもなく、ほとほどの愛情というか、頃合いの距離感を保ちつつ、遠くから見守ってますよ〜という感じの優しさがあって、感情を爆発させないで、 う〜ん、バイオリンの美しい、安定感のある重音、さりげない和音が聞こえて終わる。
キョンファさんのヴァイオリンは、感情の発露を、もっと前面に出してくるのかと思っていたのだが〜 さにあらず。
深々としつつも、さらっとしたフレージングで、距離を保ちながら、すーっと、情感を控えめに漂わせて歌っており、なかなかナイスっ、すごっ 大人やん。と、見直しちゃいました。

  ヴィクトリア・ムローヴァ ピョトル・アンデルシェフスキ 1995年
Viktoria Mullova  Piotr Anderszewski

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。なんというか、情感がつまって、瞬間的に情念がわき起こるのだが、それを抑えている感じがすごくする。さりげなく一歩引いている感じなのだが、熱いものが、すごく感じられて〜。単なるヴァイオリンの演奏ではないかも。
カップリング:
1〜3  ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」
4〜6  ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第2番
7〜10 ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第3番
1楽章
実は、あまり期待して聴かなかったのだが、う〜ん、こんなに、ムローヴァさんが、しっとりと奏でてくるとは思ってなかった。
また、ピアノの伴奏も素晴らしい。
「みっみ みぃ〜れどらみ〜 ふぁっふぁ ふぁ〜ら らっら らぁ〜どぉ みそしぃ〜 どれみふぁそら・・・」
出だしは、わりと速めで、さりげなく控えめだ。
「みっみ みぃ〜れどらみ どみらどみ ら〜そ ふぁっふぁ ふぁ〜ら らっら らぁ〜どぉ らどみぃ〜 どみそぉ〜」
っと、高音域へとのびていくところも、さりげない。
すーっと、すました風にも聞こえたのだが、高いところに昇ると、畳みかけてくるかのように熱いものがある。
声が裏返ったようなフレーズの、その瞬間に燃えるのだ。
えっー ワタシのイメージだと、ツンデレ風のムローヴァさんだったのだが、えっ いつの間に変わったの?

また、弱音になったところのフレーズとの差が大きく、大人の女性という感じが、ありあり・・・。
この風合いは、また、ピアノのフレーズも同じで、さりげないフレージングで、さらさら さらさら〜っと、やりすごしていく場面と、熱く、うぅ〜んっと、うめき声をあげて歌うかのような歌いっぷりだ。
これは、やられてしまった。
ホントに熱い、情熱というより、こりゃ〜 情念って感じで、燃えている。そう思う。
これは、ひと皮剥けました。余裕を持って、さらっと歌っており、秘めたる恋慕という感じが、いかにも〜という感じで、想いが詰まっている感じが、すごーくする。これは、完全に恋心を、この曲に託しました風で、かなり聴き応えあり。

2楽章
ピアノが、「らぁ〜 どしそぉ らぁらぁ〜 ふぁ そら ふぁ そら どぉしそぉ らら〜 らぁ〜そみ」
ヴァイオリンが、「どぉ〜れ どぉ〜し そぉ〜らし らそふぁそらふぁ・・・」というフレーズを、寂しげに、風にカラダを任すかのような感じで、揺れながら歌い始める。
この最初の「どぉ〜れ どぉ〜し」という出だしのフレーズが、身を預けたいという感じで、よろめきを感じる。
迷いというか、心が揺れている。そう思う。それが、少し喜びに変わり、心の豊かさに変わる瞬間があるみたいで、少し自信のような、晴れ晴れとした気持ちに変わるというか、堂々としてピアノと対等に歌い、力強さに変わるのだ。
いや〜 あの、悶えるかのような悩みは、どこへ行ったのだ。
どうして、そう、ダイナミックに変わることができたのだろう。愛してます。って感じに、確信できたということかなあ。
愛することに誇りを持っているというか、それでいながら、また、心に一抹不安がよぎって来るんだろうなあ。
あーっ このフレージングは、恋愛している時の、気持ち、感情の不安定さを感じる。自信を持っているときと、そうでなく、一人になった夜の寂しさなんかも、落差の大きさが、この演奏に繋がっているようにも思えて、う〜ん。
とても素直な、感情の発露が感じられて、なんだか、羨ましいような気持ちに・・・。
うふふ。感性がとても豊かで、気持ちが乗り移ったかのような演奏だと思う。

3楽章
「みっ みぃ〜 れふぁらそふぁみぃ〜 れみふぁどし らぁ〜ふぁそしれぃ〜し どみらふぁ〜そ」
この楽章は、フレーズの語尾が消える。
すっと消えるのだ。
また、ピアノもすーっとさりげなく寄り添っており、柔らかく、風のように、なだからかに素速く弾かれている。
これは、一心同体という感じがする。
風のようなヴァイオリンに、すーっと、後に続いて小雨が降っているような感がしてくる。
すーっと、もりあがり熱くなる瞬間があるのだが、ほんと、一瞬だ。
うはっ。
これは、さりげないというより、形がないことを喜んでいるかのような雰囲気がする。
情念をぶつけるというのではないし、悲しみとか、嬉しさとかが、そのまま描かれているのではなく、感情が昇華しちゃった感じで、ありゃま。すごい演奏ですねえ。
でも、情念は、さりげなく織り込まれてて、ラストには、そのことが描かれているかのようで。
これって、不倫愛なの? と、ちょっと、勘ぐってしまう。
しっかり、恋慕が愛に変わるかのようで〜 これは、やられました。ハイ、アナタの恋と愛を感じます。
1982年 ムター ワイセンベルク EMI ★★★
1995年 チョン・キョンファ ペーター・フランクル EMI ★★★★
1995年 ムローヴァ ピョトル・アンデルシェフスキ  Ph ★★★★★
所有盤を整理中です。

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