「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ショパン ピアノ・ソナタ 第3番
Chopin: Piano Sonata No.3


ショパンのピアノ・ソナタ第3番 ロ短調(作品58)は、1844年の作品です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ピアノソナタ第2番とは異なり、古典的構成美を特徴とし、曲想、規模ともに堂々たる大作です。

第1楽章 ロ短調 4/4拍子 ソナタ形式
決然とした第1主題と、優雅で甘美な第2主題でできています。

第2楽章 変ホ長調 3/4拍子
ショパンのスケルツォには珍しく、即興的で諧謔的な雰囲気を持っています。
第1楽章と同じく、旋律線をヴァイオリンで追跡できます。中間部は、ロ長調に転じ瞑想的な楽想となります。

第3楽章 ロ長調 4/4拍子 三部形式
ノクターン風の甘美な楽章で、第1主題は、とても優美で、中間部では嬰ト短調〜変イ長調と、ピアノ協奏曲第1番第2楽章に似た展開をします。再現部は、左手に鋭いリズムをつけ、単調さを避けているもの。

第4楽章 ロ短調 6/8拍子 ロンド形式
情熱的で力強い楽章で、ヴィルトゥオーゾ的技巧を要求する楽章です。主題は、序奏和音の後に提示され、ロンド形式のとおり繰り返されるもので、終結はロ長調となります。

ウラディーミル・アシュケナージ 1976年
Vladimir Ashkenazy

録音状態は、まずまず。何を伝えたいのか、う〜ん。ワタシ的には、さっぱり解らない演奏で、ひとり籠もっているような気がする。
う〜ん。やっぱり解りません。

カップリング:ショパン ピアノ・ソナタ第1番〜3番

1楽章
冒頭から、少し投げやりのように始まる。
「らそみどそ〜 どどれしっ そどれみふぁ そ〜しらそ〜」 
「どらそみどそ そどれみ ふぁそらしど れ〜れ〜れっみっ」
なんだか、ちょいと引いてしまうような、素っ気なさ。
そのくせ、段々と暗くなってしまって、鬱っぽく沈み込んでいく。もわもわ〜っとしてきて、
「し〜どしらそふぁみ・・・ ドロドロドロ〜っ」 で、水面に浮かんで来て、きらっと、させたかと思えば、また水中に沈むような、気分のあがりくだりがある。
弱音の時の、もわ〜っとした広がり、籠もりぐあいが、なんとも、、、、。
アシュケナージ盤を聴いていると、ショパンの解りづらいところが、一層、解りづらく。うわっ ワカラン。
と、感じてしまった。ワタシにとって、この曲との相性が悪いのかもしれないのだが〜。
煌めいてきて欲しいところで、煌めき度が薄く〜 すぐに、影に入ってしまう。
感情の起伏が、外に出て行かず、ウチで籠もってしまい、振幅の幅がいかにも狭い。
抒情的と言えば、抒情的なのかもしれないけれど、曖昧模糊としてて、印象が薄く、共感が湧かない。

2楽章
速いのはわかるが、メチャモコモコ、もわもわ〜っと終始しており、閉じこもって出てこない。
明るい音、粒立ちの良さが感じられないし、聴きづらい。
香り立つような、匂い立つような、風が揺らめくような、動きというものが感じられないのも、なんか珍しい。

3楽章
「みれぇ〜 みどぉ〜 みしぃ〜 どらぁ〜 ふぁっふぁ〜」
「れ み れそ そ し れ〜 ど」 
「そ みみ〜 ど〜れみふぁ み〜れ みふぁ」
うっ。となりそうなほど、遅くてねっとりしている。視線が、もわ〜っとしてて、ぼんやり、あらぬ方向を見ているような感じがしちゃう。それとも、これは、耽溺型なんだろうか。いやいや、耽溺しているようにも聞こえないんだけどなあ。
音に輝きがなく、内側に、入って、入り込んで行くような感がして、外に向かって響かない。
内田盤も、相当に虚無的なのだが、アシュケナージ盤も脱力感があるのだが、それが、ポーズのように聞こえてきて、どうも、素っ気ない。
内田さんの演奏は、引きずり込まれる危険度の高い演奏なのだが(笑)、アシュケナージさんの演奏は、ほっておいても、気にならない程度で、引きずり込まれる危険はない。
こっちの方が、聴いているのには、楽チンというか・・・。んじゃ〜 もう、今後、聴かなくても積んでしまうCDになりそうな感じなのである。楽章の最後になってくると、少し、可愛くなってくるのだが。
とろり〜、ぼわ〜っとしているのが、ちょっと多すぎて、う〜ん。

4楽章
3番のなかで、ワタシ的には、この楽章だけは好きなんだけなあ。
「どどそそ どどそそ どどふぁふぁ どど みれ〜」 
アシュケナージさんには、あまりダイナミックには弾いてもらえず、熱くなってくれないのである。
クッキリ、ハッキリしない演奏というのが、特徴なんだろうか。
音が立ってこない、際立ってクリアーに見えては来ないので、柔らかい、弱音だけの美しい世界になっているようで、もわ〜っとした感じが、ずーっと続き、始終柔らかい。
最後、ホントに最後の1音だけが、ピンっと鳴るんだけど〜 ピチピチした音色というのが、聴けずに終わっており、う〜ん。
歌が聞こえてこないのと、右と左のフレーズが、掌で丸まってて、くちゃっと形が、いびつになっており、明確に線として、見えてこない。聞こえてこないような感じがする。
何も、この曲で、外面的に繕えとは言わないのだが〜 解りづらい曲が、一層、ワタシには解りづらい。
この作品で、この演奏で、何を言いたいのか伝わってこないような気がする。
(あくまでもワタシ的には・・・) う〜ん。ワカンナイ。ごめんなさい。

エミール・ギレリス 1978年
Emil Gilels

録音状態は良い。
恰幅の良いショパンで、ミケランジェロの彫刻のようだ。
豪快かつ繊細なんだけど、中間楽章がイマイチのれなかった。

← 「20世紀の偉大なるピアニストたち」という2枚組100枚のボックスからの1枚 カップリングは下記のとおり。

20世紀の偉大なるピアニストたち 〜Great Pianists of The 20th Century〜 ギレリス(3)
1 ブラームス ピアノ協奏曲第2番
2 グリーグ 「叙情小品集」メロディー、小川、孤独なさすらい人、蝶々
3 シューベルト 幻想曲ヘ短調D.940
4 クレメンティ ピアノ・ソナタ
5 シューマン アラベスク
6 ショパン ピアノ・ソナタ第2番
7 ショパン ピアノ・ソナタ第3番
8 ショパン 練習曲第14番

1楽章
冒頭の「らそみどそ〜 どれし そ〜どれみふぁ そ〜しらそ〜 ど〜らそみどそ〜」
う〜ん。すげっ。きりり〜と、引き締まった音が出てくる。
ギレリスさんの音は、澄み切った空気感があり、緊張感が走る。
ぴ〜っと張ったなかで、きっ!とした、この冒頭のフレーズが鳴り始めると、潔癖感すら感じるほどで、毅然としたところが好きだ。
音も透明度が高いし、録音状態も良いし、ちょっぴり驚いてしまった。
ショパンなので、ベートーヴェンのソナタとは違うんで〜 豪快すぎない方が良いんだけど・・・。思いの外、なかなかに繊細だ。
確かに冒頭の主題は、何かかと決別するかのような強い意志力があるんだけど、それが、モヤモヤ〜とした主題に変わってきて、よーくワカラナイ、長いフレーズが続く。
でも、なーんか、そこが、この楽曲の魅力になっているわけで、ショパン特有の、ちょっぴり、ほろ苦く甘め味、とろり感、曖昧でつかみどころが無いような、でも、しっかり最後には戻ってくるような、そんな雰囲気が欲しいところだ。
う〜ん。ギレリスさんの演奏だと、迷いがないっていうか。曖昧さは、ダメですよぉ〜って感じがする。
音の粒が綺麗だし、ため感もあるのだけど、清潔感いっぱいで・・・。
陰影も弱音の美しさもあるし、良いなあとは思うんだけど。どっぷり型のウツウツ感ではないので、まあ〜 綺麗って言えば綺麗なんですけど。やっぱ、意思が強そうって感じの演奏になってるかな。
ショパンってなんか、ちょっぴり、ぼわ〜とした、とろり〜としたところが欲しいのだが、音が1音1音、はっきりしてて。しっかり叩かれていて。
大きなうねりとか、山を描いて落ちていくような、そんな揺らぐような心情というか、迷うような、決めかねる曖昧さとか、煮え切らないような雰囲気が少ないデス。
歌心はあるし、綺麗なんですけど・・・。がっしりした最初と最後の力は、すごいっす。
それにしても、この1楽章 難しい構成っすねぇ〜 もっと聞き込まないと、うわっつらだけ、ほろ苦く甘くて良いね〜で終わっちゃう感じがしちゃう。

2楽章
パラパラパラと高速で弾かれるフレーズは、はあ。一気ですけど、次の、もわ〜っとした瞑想的なフレーズは、なーんか、よくワカラナイです。はっきりしないところが、良いのかもしれないんだけど。気の抜けたタコみたいに感じちゃう。

3楽章
「みれ みど みし どら〜 ふぁふぁ〜」
鐘のように鳴っているだけど、この楽章はノクターンのような感じ。
ギレリスさんの演奏は、ここは遅くて、とろり〜としているのだが、甘美だが甘美になりきれないような気がする。左手の2音が常に響いているところは、緊張が解けちゃって。私的には長いかなあ。
揺らぐようで揺らいでいないところが、ちょっと、まどろっこしい。
私的には、中間部の歌い方に、イマイチ乗れないんだと思う。音の強弱が、均一的って感じがしないでもないかなあ。素人考えですけど。タラララ タラララ・・・ と、もうちょっと歌って貰えたら良かったんだけど。 ちょっぴり単調に感じちゃった。最後戻ってくるところは、雰囲気抜群なんだけどなあ。ここまで、持たないっす。

4楽章
「どどそそ どどそそ どどふぁふぁ どどみれ〜」 ← 音はでたらめ。
この最後のパワフルな出だしは、すげっ。やっぱ、すげっ。情熱的で熱いっ。凄い音だ。
この和音の響きが、大きくて、怖いほど強いタッチである。
その後の、「ど〜そらど〜 ど〜そらど〜 どっどれどれ みれ〜」
装飾音をつけながら、音が浮き出して来るところが、やっぱ、すごい綺麗だと思う。
旋律の陰影が、くっきり際立ってて、彫り込んだ彫刻のようで、う〜ん。やっぱダイナミックで壮大である。
白い大理石の彫刻のようで、ミケランジェリ風だなあ。って思う。
線がくっきり、ハッキリしてて男性的だし、大きな器で、理想的というほどの美意識があって、圧倒されちゃう。
でも有無を言わせないほどの明瞭さなんだけど、機械的じゃーないし、筋肉質だけど血の通っている風であるんだよね。もちろん、ショパンだからなあ。楽曲が浪漫的なんだから〜アタリマエなのかもしれないんだけど。 右手の音が、すごい力強く。クッキリ、ハッキリしているのが特徴。
確信を持って、強い意志で構築された彫刻が、最後には、仕上がってて。まるで、装飾的な教会のファサードに立っている感じになっちゃう。

最初と最後の楽章が、やっぱ強靱的パワーで、圧倒されちゃうかな。
中間楽章は、うーん。どうなんでしょ。私的にはイマイチで、もう少し雰囲気欲しいし、煮え切らないんですけど。 とにかく、このショパンのピアノ・ソナタって、ソナタって枠を大きく超えているようで、難しいです。

内田光子 1987年
Mitsuko Uchida


   

録音状態は良い。空恐ろしい鬱の極みのようなショパンで、苦悩というより、虚無的で、魂が抜かれちゃうような感じがする。
カップリング:ショパン ピアノソナタ3番、2番「葬送」

1楽章
冒頭 「らそみどそ〜 どどれし〜 そどれみふぁ そぉ〜しらそ〜」 
「ど〜らそみどそ そどれみ ふぁそらしど れ〜れ れっみっ」
最初の出だしこそ明るめだが、そのうちに、次第に影が射しこんで、ちょっぴり暗めになって〜 段々と沈んでいく。
内田さんのピアノって、ほの暗さがあって、その暗さが、ワタシ的には恐いのだが、1楽章は、まだ、ちょうど頃合いに聞こえるのだ。
弱音のなかの粒立ちの良さ。柔らかく、暗いくせに、自然体の密やかさがあり、誰かのように動物的に蠢くわけでもなく、そっと音が出てくるところの恐ろしく神秘的で、 ふわっとしてて、柔らかいくせに、緊張感があって、小さくならず、縮こまってないところが好ましい。

アンスネス盤のように爽やかではないが、大人になりかけの、ふっと後ろを振り返るような、じくっとした、何かトゲが刺さっているような、そのくせ、 すわーっと風が吹いてくるような、影と、木漏れ日が、まぜこぜになった移ろいを感じる。
この移ろいやすく、幾分、きまぐれで、ちょっぴり鬱っぽいが、とんがっていない。
すごい装飾音がイッパイで、えっ こんなにイッパイついてたっけ〜と驚いたのだが、内田さんは、ヘンレ版を使って演奏されているとのことである。
楽譜の読めないワタシには、通常演奏される版とヘンレ版との違いは解らない。内田さんのピアノから呟きながら出てくるような音は、湿気を幾分吸い込んでて、 しっくり、キュッと締まっていて、水分を含んだ木材のような、匂いと堅さを感じる。ピカピカに、キラキラした綺麗な粒立ちではなく、とんがってないところが良い。 シューベルトだと、うへっ 暗いっ。暗すぎ〜っと感じるんだが、ショパンだと、まあ、頃合いなんだなんでしょう。
ワタシにとって、とっても、ややこしい人なのだ、ショパンって。

2楽章〜3楽章
速いだけで短く、ボソボソと、右手が降りてくる時だけ煌めいている楽章で、ものすごーく弱い音で弾いているのだが、音が濁らず明確だ。
弱音で弾いているくせに、ホント微妙なニュアンスがあって、そのニュアンスの表情が多彩なのだ。どれひとつ同じフレーズであっても、同じ語彙では喋ってないって感じ。
寂しいという表現であっても、いろんな言葉、例えが、いっぱい音に詰まっている感じなんだなあ。
3楽章の冒頭、「みれぇ〜 みどぉ〜 みしぃ〜 どらぁ〜 ふぁっふぁ〜」
「れ み れそ そ しれ〜 ど」 
「そ みみっ〜 ど〜れみふぁ み〜れ みふぁ ふぁ〜そふぁそみ〜 れ〜みし ど〜 しどれ〜」
感覚的には、ねっとりぎみに聞こえなくもないが、客観的というか、ちょっぴりクールで、そのくせ柔らかい。
内省的なのだが、内省的すぎないような、ちょっぴり踏みとどまった感じがする。

しかし、はあ〜 どうも肉体から魂が抜けちゃうような、アブナイ感じだ。
アンスネス盤は、演奏家が若いからか、爽やかで清々しい野外で、ハイキングを楽しんでいるように聞こえるのに、内田さんは、巫女さんの神降ろしみたいで〜 超やばい。
誘われて聴いていくうちに、力が抜けちゃって〜虚無界に入り込んで、遊離しちゃいそうだ。
あー なんてテンポが遅いんだろう。こんな、音楽聴かなきゃ〜よかった。
あー 日曜日の午後に聴くんじゃなかった。明日は、きっと会社に行けなくなる。
(って、超世俗的に言うと、そんな感じにヤバイのだ。朝起きられません。ワタシ鬱です〜何も出来ません。カーテンを閉め切ってください。光が恐いです。と、言いかねないぐらい 笑)
あー 耐え難いっ。まるで、魂が遊離しているのを、自身、客観的に上から見ている雰囲気すらしてくるから恐い。
どう接して良いのか、解らなくなってて〜 嫌になっちゃう2楽章と3楽章。
魂が遊離しちゃうような極めつけの3楽章は、ワタシとって、いつも困った存在の楽章である。

4楽章
「そそどそ どどそそ どれそそ しれふぁみ」
「ど〜らし ど〜らし どど どしどみ〜れ」
冒頭のフレーズだけは元気に盛り返してくるのだが、その後も、湿った空気が吹き込んでていて、う〜ん。
変な奇怪な踊りのようなフレーズになっていて、煌めくというよりも、沼の表面から、ブツブツとガスが吹き出しているような感覚だ。
音が降りてくるとこは、綺麗な粒立ちで、神懸かり的なのだが、これだけ綺麗でもなあ。
ホント、階段を下りてくる音は、とっても目立ってて、刺激的なほど綺麗なんだけど、目の前には沼が広がっているようで〜 
げっ。まるでゲゲゲの鬼太郎の世界のようで・・・。(しかし、そんなマンガチックではない)
目の前で、火の玉が浮かび、飛び交い、周りには、妖怪が、踊っているんのではないだろうか。
青白く光る、墓場みたいな風景ですねえ。

「どぉ〜ど らし〜 どっぉ どらし〜 どっど みれみ そぉ〜」
そら恐ろしいテクニックだとは思う。それに、恐くて綺麗なんだと思う。但し、透き通るような綺麗さではなく、すこし生暖かい風が、すわーっと頬を触っていくような、ふっと振り返ると誰もいないような怖さ。
で、フレーズの1つ1つが、ほんの少し間合いが空いてて、そこで、すぽっと落ちちゃうような気がする怖さがある。
このふっと抜けてしまう間合いに、どう接して良いのか、解らなくなってて〜 余計に、恐くて嫌になっちゃうんですよね。空恐ろしい虚無的なピアノ・ソナタ3番。
あーっ シューベルトともども、ショパンでも、内田さんの演奏には、空恐ろしさを感じてしまった。
あーっ やっぱ、ショパンの苦悩には、つきあえないっ。恐いっ。ってなわけで、この怖さに★5です。

レイフ・オヴェ・アンスネス 1991年
Leif Ove Andsnes

録音状態は良い。爽やかで多彩、バランス感覚が良く、水彩画のような世界が広がっている。
← 所有しているのは、ピアノ・ソナタ2番、3番のカップリングだが、1番〜3番まで入っている盤もある。

1楽章
冒頭の「らそみどそ〜 どれし そどれみふぁそ〜しらそ〜」 
「ど〜らそみどそ〜 そどれみ ふぁそらしど れ〜れ れっみっ」
繊細で抒情的だけど〜 細い指かな〜と思いながらも、結構力強くて、安心して浸れる柔らかさがある。アンスネスさんの演奏って、飛びっきり個性的でもないし、 クセがないんだけど、安定してて気持ちが良い。わかりやすいというか、爽やかだ。
聴いていて気持ちが良いのだ。
冒頭のフレーズも、「らそみどそ〜」と、さらり〜と入ってきて、「そどれみふぁそ〜っ」と強めに弾いている。
流れるようなリズム感があって、すっと、聴き手も入ることができる。
なんとも言えない爽やかなリズム感、ぱららら〜 ぱららら〜 ぱららら〜っと流れていくのだ。
かといって、流れすぎないで、「パンっ」と切れる音が入ってくるし。
う〜ん。メチャ、右手の高音域の音と、左手お底辺に流れる伴奏のバランスも、気持ちが良い。
煌めく強い音と、影になる音との陰影のバランス感が良いって感じがする。
歌心もあって、綺麗だし、速めのテンポに乗せられて〜 粒も綺麗だし、タメ感も適度にあって〜
「そ〜らそふぁみ れどしれふぁどしし〜ら ら〜そみそふぁふぁ〜 ど〜れど しれふぁれ らし〜」
感情のバランスというか、移入しすぎないところが、良いと思う。
どっぷり甘くなりすぎると、うぷっ なんだけど、タメたあとの、ふっとした間合いも好きだなあ〜。
呟きのような切れもあるし。畳みかけすぎず、さらっ。としている。
強すぎず弱すぎず、コントラスの強い演奏でもなく、濃すぎず淡すぎず、中間色でありながら、ちょっぴりクールで。涼しい感じの響きと、水彩画のような感覚が、私的には好きだ。

2楽章
短い楽章だけど、アクセントがあって、主題が変わった後、テンポが落ちる。
ちょっぴり冗長的かな〜と思うけど、1楽章が爽やかだったので許せちゃうかも。揺らめき、迷いという言葉が合うのかな〜と思いながら聴く。
色が混じって、沈みがちになるが、また速いパッセージが出てきて、一気。

3楽章
「みれぇ みどぉ みしぃ どらぁ ふぁふぁ〜」 ちょっと余韻を聴いたあと。
「そ みみっ ど れみふぁ み〜れ みふぁ ふぁ〜そふぁみ れ〜みしど〜しどれ〜」
左手のちょっぴり重めの音が、アクセントになって聴いてて、沈み込むわけでもなく、どっぷり感が無く、自然に聞こえてくる。
とろり〜としすぎないで、頃合いの重さだな。って感じる。
爽やかなのだけど、丁寧だし清潔な感じがするし、風景画を見ているかのようだ。
遠景に、なだらかな山並みがあって、ちょっとした沼が手前にあって、すーっと風が吹いていて。
ハイキングしているかのような、例えば、尾瀬沼でも歩いているかのような〜そんなイメージがする。
感情が入り込まない世界っていうか、頭のなかで考えているんじゃなく、目の前の光景が見えているようで見えてないような、頭からっぽで、ふわっ〜とした時間。
アンスネスさんの演奏を聴いていると、解き放たれたような感覚になっちゃった。
タンポポの綿毛が、飛んでいるかのような感じっていうか・・・。
なんとも、不思議な体験をさせてくれる、不思議な時空間に誘ってくれる演奏だと思う。

4楽章
気合い充分「そそどそ どどそそ どどふぁみ どどみれ〜」
前の楽章が夢見心地だったのだけど、ここで、目覚めてしまう強いタッチで冒頭が始まる。
「ど〜らし ど〜らし どど どしどみ〜れ」と、右手が強めに旋律を描いていく。
踊るような、ピンっと跳ねているフレーズも浮かんでくるし、で、全体的に、オケのような楽曲になってて、そのバランスが、わかりやすい。
何が言いたいのか、フレーズが、綺麗に浮かび上がってくるような感じ。
で、ピチピチした音色だし、う〜ん。ほれぼれっ。
多彩な音だし、オケの伴奏付きの協奏曲風にも聞こえてきて、嬉しいっ。
右手がピアノで、左手がオケみたいなのだ。で、次は、左手が主旋律に変わって、アルトで歌うし、 へえ〜 ショパンのソナタって、こんなに良かったっけ。 改めて惚れ直しちゃう。嬉しい気分だ。
アルゲリッチお姉さんの演奏だと、熱くて、一本調子だし、あっけにとられて終わっちゃうし、内田さんの演奏は怖すぎて〜とても近寄りがたいのだが、 アンスネスさんは、さりげないんだけど、なかなか聴かせてくれる。
各楽章によって、イメージが、こんなに違うなんて〜 なんとか、聴けたって感じです。アンスネス盤、買って良かったぁ。
ショパンのソナタ、こんなに良いなんて〜。うふふ。嬉しい発見だった。

爽やかで、ピチピチして煌めいているところと、歌心あるところ、 不思議な時空間を演出して、誘ってくれるような雰囲気を持っていること。 オケのなかで鳴っているかのような、音の響きがあって、また、フレーズが浮かび上がってくるし、音の強弱のバランス も良いし、低音と高音の音の強さ、アクセントのつけ具合、しなやかさ。
う〜ん。ワタシ的には、こりゃ〜よいわと、ぞっこんなので、☆を5つにしたいな。ってところなのですが、まだお若いんで〜(←変な理由だな〜)で、4つにしておきます。

1967年 アルゲリッチ G
1976年 アシュケナージ Dec ★★
1978年 ギレリス ★★★
1987年 内田光子 Ph ★★★★★
1991年 アンスネス VC ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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