バッハ イタリア協奏曲 J.S. Bach: Italian Concerto, BWV.971, Partita No.2

 バッハ イタリア協奏曲
J.S. Bach: Italian Concerto, BWV.971
グスタフ・レオンハルト 1965年
Gustav Leonhardt

1965年の録音は、フランス ハルモニア・ムンディ盤(2枚組BOX)で、1976年にSEON盤があるので旧録にあたる。チェンバロの演奏曲は苦手なので、イタリア協奏曲は、冒頭が有名なので知ってる~となるのだが後が続かない。セカセカして聞こえ残響が残っているためか、アタマが混乱してしまいがち。チェンバロは、つま弾くのだろうが、高音がパラパラパラと次々に飛び出してくる。レオンハルトの演奏は、録音状態が極めて良いが、間髪入れずに音が繰り出され、息継ぎができず窒息しそうな気分に。大事な冒頭の主題も、繰り返しをされた直後に、装飾音が掻き鳴らされるとドキドキしてしまう。3の音が、ぱらら らん ぱらら らんっ。想像以上に素早いため、主音以上にきつく感じてしまった。第2楽章の拍感覚、装飾音と間合いに、しばらく混乱。
第3楽章の明るく爽快な楽想に救われる。総体的に、チェンバロの音が硬く、高く、キツく感じてしまうので馴れが必要だった。短い楽曲なので十数回は繰り返して聴いたのが、苦手意識は解消されず。
ワタシにとっては、ピアノ版の方が相性が良いかもしれません。


 バッハ イタリア協奏曲
J.S. Bach: Italian Concerto, BWV.971
ファジル・サイ 1998年
Fazıl Say

きびきびと歯切れの良い演奏で、「シャコンヌ!~サイ・プレイズ・バッハ~」とタイトルされたCDである。イタリアの鬼才、天才、ファジル・サイ! 購入した当時、お名前は知っていたが、ほとんどジャケ買いをした。後年、コンサートに行かせていただいた。CD写真は、ピアノの中身を丸見えにして、えへっ、こんなことできる?って、感じの目線で見上げるピアニストで、いったい何本の指で弾いているのか、10本以上のハンマーが立っているんです。良く拝見すると、あれ? 変だと気づく仕掛けだった。
ファジル・サイさんは、好きなのである。グレン・グールドさんのCDもあるが、リアルタイムでは存知あげなかった。

モーツァルトの時代でも、今のフォルテ・ピアノは、まだ登場してなかったようである。イタリア協奏曲も、チェンバロ独奏用だったとのことだが、なぜ、チェンバロのソロなのに、協奏曲って言うのかは、ちょっとわからない。CDのブックレットを拝見すると、イタリア協奏曲の巧みさは、普通は協奏曲に見られるような複数の声部、すなわち独奏楽器とオーケストラの各声部を、1台の鍵盤楽器だけが受け持つのであるとあった。あっ、そういうところを聴かなきゃならないのね。また、ファジル・サイさんご本人のインタビューが載っていた。第2楽章は、非常にメランコリックで、ヴィヴァルディを連想したのは確か。まるでヴェネツィアのど真ん中に生まれたかのような美しい音楽だと思う。浅い海の上で、カモメが羽ばたいて飛び去るのが聴こえる。 最初は大きな音で、カモメが遠くになるにつれてだんだん小さな音になる。この曲の中で、弾いている長いトリルから、カモメの羽ばたきを聴き取ってもらえばうれしいと書いてある。カモメ? カモメなの? 
やっぱり、ワタシの想像を超えてましたね。サイさんの演奏は、明瞭で聴きやすく、テンション高く聴けるので嬉しい。


 バッハ パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826
J.S. Bach: Partita No.2 in C Minor, BWV 826
マルタ・アルゲリッチ 1979年
Martha Argerich

録音状態は良い。ストイックかつ愉悦性の高いバッハで、活き活きと演奏されている。
バッハの作品は、抑揚の少ない幾何学的、数学的な作品(と思っている)が多く、少し苦手だ。子供の頃に弾いていたインヴェンションが、好きではなかったからかもしれないが、どうも聴いているうちに眠くなるので、単純につまらない楽曲だと思っていた。
アルゲリッチさんの演奏も、購入した当初は聴いたが、ほぼツンドク、未聴状態だった。どうしてイタリア協奏曲、フランス組曲、イギリス組曲という、国名がネーミングになっているのか疑問だし、そもそも練習曲なので、弾いてて楽しいわけでも、聴いても愉しいわけがないだろうと思い込んでいたわけ。だが、アルゲリッチさんのパルティータは、愉悦性の高い演奏である。聴いて、目からウロコが数枚は落ちたかもしれない。静かな曲は、柔らかく、あの力強いタッチは影を潜め、まるで別人のような演奏で驚かされた。ふわっと包み込む母性的で、ストイックな演奏だ。ロンドのような品良く踊る曲は、これは断然面白い。跳ねて踊って、アグレッシブな演奏で楽しかった。水が熱せられフツフツと沸騰する過程を見ているような気がする。湧き踊る体感ができるのだ。

表情豊かに、息もつけぬほどに速く、スピード感を増して、レガート調のフレーズを織り込んでいく。
ばらけてしまいそうな音を、なめらかにコントロールする。思春期に、ぜひ、バッハのパルティータを聴いて欲しいと思う。それも、アルゲリッチさんの演奏で。深夜、ヘッドフォンで聴いていく内に、燃え立つエネルギーを昇華してくれると思う。パルティータの第2番、第5曲のロンド、第6曲のカプリッチョを何度も繰り返して聞いた。思春期でもないのに・・。機会を見つけて、グレン・グールドさんの演奏も聴いてみたいと思うが、神おろしのように演奏しているのだろうか。うっ、怖くて聴けないかも。


J.S.バッハ イタリア協奏曲
1965年 レオンハルト HM ★★★★★
1998年 ファジル・サイ Teldec ★★★★

J.S.バッハ パルティータ 第2番
1979年 マルタ・アルゲリッチ G ★★★★★
 
バッハの「イタリア協奏曲」BWV 971は、チェンバロ独奏のための3楽章の楽曲です。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、原題は、イタリア趣味によるコンチェルト(独語:Concerto nach Italienischem Gusto)というそうです。「フランス風序曲」BWV 831とともに「クラヴィーア練習曲集第2巻」として、1735年に出版されています。この曲集では、18世紀のイタリアとフランスの代表的な器楽ジャンルが対比付けられているだけでなく、ヘ調とロ調(最遠隔調同士)、長調と短調という対比もされています。曲の構成は、
1 (本来テンポの指定はないが、多くの版ではアレグロと補足されている)ヘ長調
2 アンダンテ ニ短調
3 プレスト ヘ長調
曲中には、フォルテ(強奏)とピアノ(弱奏)の指示があって、2段鍵盤のチェンバロを用いて、協奏曲における楽器群の対比表現を模倣するもの、バッハが存命時にも人気があったようです。ワタシ的には、チェンバロのソロの楽曲なのに、どうして協奏曲というのか、ちょっと疑問ですが、グレン・グールドさんの演奏などで、冒頭のフレーズは有名です。



 

YouTubeでの視聴

J.S.バッハ イタリア協奏曲
J.S. Bach Italian Concerto in F Major, BWV 971
チャンネル:Fazıl Say(公式)
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=6xpnUeSizbA
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=DAfEuNxcxkE
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=9U_0xe54ut4

J.S.バッハ パルティータ 第2番
J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826
マルタ・アルゲリッチ - トピック Martha Argerich - Topic
1 シンフォニア (Sinfonia)https://www.youtube.com/watch?v=maLRemFuPoo
2 アルマンド (Allemande)https://www.youtube.com/watch?v=1YXcVQiq5A8
3 クーラント (Courante)https://www.youtube.com/watch?v=_-W0NFfu85M
4 サラバンド (Sarabande)https://www.youtube.com/watch?v=g1ueIFnzC-I
5 ロンドー (Rondeaux)https://www.youtube.com/watch?v=uJJ0yljthzw
6 カプリッチョ (Capriccio)https://www.youtube.com/watch?v=AgaT18p20YY


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