「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

リスト  巡礼の年 第2年イタリア 〜ダンテを読んで〜
Liszt: Deuxième année: Italie Après une Lecture de Dante(Fantasia quasi Sonata)


リストの「巡礼の年」は、第1年:スイス、第2年:イタリア、ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)、第3年の4つのシリーズになっています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、リストの20〜600代までに、断続的に作曲したものを集めたもので、彼が訪れた地の印象や経験、目にしたものを書きとめた形をとっています。若い頃のヴィルトゥオーソ的、ロマン主義的、叙情的な作品から、晩年の宗教的、あるいは印象主義を予言するような作品まで様々な傾向の作品が収められており、作風の変遷もよくわかるものです。特に、泉のほとりで、ダンテを読んで、エステ荘の噴水という楽曲が有名です。

ここでご紹介する「第2年イタリア」(Deuxième année: Italie, S.161)は、1838年から作曲され、1858年に出版されています。特に、「ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲〜」(Après une Lecture de Dante: Fantasia quasi Sonata)は、「ダンテ・ソナタ」とも呼ばれている、約17分の大作です。
とても演奏が難しいとされており、標題自体はユーゴーの詩集「内なる声」の中の一篇からとられ、ダンテの「神曲」より「地獄篇」のすさまじい情景を幻想的に描き出しており、冒頭で「音楽の悪魔」の異名を持つ3全音が聞こえてきます。
これは、まさに地獄を音で表現したもの・・・とのこと。

第2年イタリアには、7つの楽曲あります。
1 婚礼 Sposalizio
2 物思いに沈む人 Il penseroso
3 サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ Canzonetta del Salvator Rosa
4 ペトラルカのソネット第47番 Sonetto 47 del Petrarca
5 ペトラルカのソネット第104番 Sonetto 104 del Petrarca
6 ペトラルカのソネット第123番 Sonetto 123 del Petrarca
7 ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲 Après une Lecture de Dante: Fantasia quasi Sonata

これを全て聴くには、ワタシには、とっても荷が重いのですが〜 巡礼の年のシリーズ全曲演奏しているCD、チョイスして演奏しているものなどがあります。ピアニストによっても大作なのでしょう。
ワタシも、地獄の道行きは、ちょっとご遠慮したいので、ボチボチと聴いていくことにします。

ラザール・ベルマン 1977年
Lazar Berman



録音状態は良い。極めて強靱で、堂々としている。これぞ役者って感じのするほど〜 威風堂々した様相で、圧倒的されちゃう。
ワタシが所有しているのは、3枚組の巡礼の年全集版である。
他に、7枚組BOXのなかにも収録されているし、録音年は違うがライブ盤もある。
ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲

「しっしぃ〜 ふぁっふぁ〜 ししっ ふぁふぁ ししっ ふぁっふぁ〜」
「 れれっぇ〜 そそっ れれっ そそっ れれっ そそっ〜」

なにせ冒頭が印象的な音で、半音の混じった和音で構成されている。
ダンテの神曲がモチーフになっているので、とーっても難しいと思っていたのだが、結構、ドラマティックで、聴き応えがある。
ベルマンさんのピアノは、冒頭、どっしりしているが、立ち上っていくスピード感があり、クリアーだ。 力強く、混沌とした世界が広がるなかで、沸き立つような萎えない心持ちが表れている。
左手のどろどろ〜っとした和音のなかで、立ち上がっていく右手の音が、う〜ん。煌めきを放つ。
洗練されているというか、音の粒の瑞々しさ、高音の部分で強い音が聞こえてくる。
心が萎えてしまわないように、オーラみたいに、次々に強い音が出てくるんだなあ。と、メチャ感心しちゃった。

堂々としており、タメをつくって、階段を登っていくところ(いや、地獄に降りていくところか・・・)が、なんとも〜威風堂々的で、腰の強いエナジーを感じる。
どっちかというと歌舞伎の見えを切るような、ちょっぴり派手な感じの曲だな〜って思っていたのだが、ベルマンさんのピアノだと、ギリギリの線でロマンティックさを感じながら、弱音の旋律も、緊張が切れずに聴ける。

畳みかけてくるようなパワーというよりは、線は強いが、ノビやかさを持っており、息の長い旋律を、幾分、硬めの音の響きで、ドラゴンが火を噴くように、怒濤のように吐き出してくる。
あっ 決して、乱暴な吐き出し方ではないですよ。なにせ音は綺麗なんだもん。
でも、冒頭から響き和音は、悪魔的って感じよりは、ドラゴンかもなあ。って思う。

テンポが遅くなってくるところは、う〜ん。空をみあげながら考えごとをしているかのような、緩やかな思いめぐらすような弾き方になっており、この点、絶妙な間合いだな〜って思う。(ワタシ的には)
ベルマンさんの右手の旋律の綺麗さかな〜 強く弾いてても濁らず、強い意志を感じさせるところが、ワタシ的には好きなところである。
まだ、ワタシ自身が、楽曲自体に馴れていないというか、こなれていないので〜 いろんな演奏を聞き比べながら、思いめぐらすことが必要だと思うのだが〜 ベルマン盤は、結構、気に入っている。
なにせ、素人のワタシには、まずは、いつ聴いても飽きさせないという、ドラマティックさが必要なのだ。
(↑ 素人のわりには、我が儘で、贅沢な要求だ〜 苦笑)  楽曲最後付近の、力強さ〜 う〜ん。どひゃん。
インパクトは強いですけど、綺麗ですねえ。と言える、インパクトの強さなのである。

ベルマン盤は、ハイ、綺麗にクリアーできているし、煉獄・地獄の世界VS人間、悪魔VS天上という構図を描いているのかどうかは解らないが、最後には、いかにも勝ち誇ったプライド高い雄叫び的に音が響いてくる。
その点が、う〜ん。すげっ。圧倒的である。なんという圧倒的な、威風堂々な演奏なんだろう〜
すこぶるドラマティックに演出されていると思います。超驚きです。(拍手するのも変ですが〜 やっぱり拍手でしょう)


アルフレッド・ブレンデル 1986年
Alfred Brendel

ばっちグー!

録音状態は良い。すっきりとした柔らかい響きを持った演奏で、しっとりと演奏されている。情熱だけでもないし、知性だけでもないし、強烈なインパクトのある演奏ではなく、7.5〜8頭身的な、バランスの整った演奏だ。
もっと個性的な演奏を欲しているのであれば、他盤の方をお薦めするし、ガッツリとした硬い音で、ガツン バシッと打ち下ろすかのような硬い音ではないので、聴きやすい。

←1枚目のCDは、ブレンデルさんの巡礼年 第2年「イタリア」である。
「イタリア」のみだと全7曲で47分というCDとなってしまうので、ちょっともったいないかも。
←2枚目のCDは、2枚組になっており、第1年「スイス」、第2年「イタリア」、第3年 がセットになっているもので、第1年のスイスと第2年のイタリアは、ブレンデルさんのピアノで、第3年がコチシュさん(86年)のピアノ演奏となっている。
なお、イタリアに関しては、86年のこの録音は2回目で、72年の旧録は、ワタシは所有していない。
第3年も欲しかったので、ダブり買いを承知で買ったものだが、この2枚組には、ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)は収録されていない。
ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲

ブレンデルさんのリストは、腰が柔らかいというか、優しい演奏である。
で、リストを聴くのには、ちょっと・・・という方や、初めて聴いた時に、思わず、のけぞってしまった。引いてしまった〜という方には、お薦めかもしれない。(← あまり強引には言えない)

改めて、「ダンテを読んで」について、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
ダンテを読んで ソナタ風幻想曲(Après une Lecture de Dante: Fantasia quasi Sonata)
演奏時間約17分に及ぶ大作で、「ダンテ・ソナタ」とも呼ばれる。
演奏が大変難しいことで知られ、難曲のひとつでもある。1839年には、既に演奏された記録があり、2部からなる「神曲への序説」という題を付けていた時期もある。
標題自体は、ユーゴーの詩集「内なる声」の中の一篇からとられており、ダンテの「神曲」より「地獄篇」のすさまじい情景を幻想的に描き出している。
「音楽の悪魔」の異名を持つ三全音が冒頭で用いられているが、これは、まさに地獄を音で表現したものといえる。・・・
とのことだった。

やっぱり、冒頭の3音は、インパクトあるよねえ。
地獄への階段を降りていくという感じが、ありあり。
で、ブレンデルさんの演奏は、穏やかで、歌舞伎役者のように見栄をきるタイプではなく、しっとり、噛みしめるように、抒情的に、詩的に演奏されている。
それは、地獄への道行きというよりは、森林浴のように、散策しているかのようでもあり、過去を振り返りつつ、想い出を楽しそうに、噛みしめているかのようでもある。
音の流れには、粘着性の感じない、さらっとした、爽快な肌合いがあり、風のように、ふわっと、さらっと、気がついた時には、去っていたというような、さらっとした存在感なのである。
これ見よがしのような、音の激しい打ち込みはない。
ガツンガツン、ドンドン、バシッ・・・。そんな擬音は、このブレンデル盤には用なしです。
風景が、すわぁ〜っと、丘陵地に立っているかのような視界の広がり感、ちょっと薄めの、ちょっと冷たい空気感があって、嫌みなく、爽やかになれる。すっと浄化してくれるかのような演奏なのである。

う〜ん これ。ダンテを読んで・・・だよねえ。ダンテって言えば、神曲でしょうが。
で、神曲と言えば、地獄篇。煉獄篇。天国篇・・・ですよねえ。
それなのに、これだけ、ブレンデルさんが、爽やかに演奏されているということは、それは、まさに、これまで、爽やかに、生きてこられたという自信の表明なんでしょうか?
そうなんでしょうねえ。だよね〜 そうでなきゃ〜っ。

世俗的な凡人のワタシなんぞ、神曲と言えば、ダン・ブラウンの小説「インフェルノ」を読んだことを思いだし、ボッティチェルリの「地獄の見取り図」、がキーワードに使われていたな〜と思い出したぐらい。
2015年に、トム・ハンクスが主演して、「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続いて、映画化するって言っていたよな〜と、思い出したぐらいである。

とにかく、ブレンデル盤は、爽やかすぎるほど爽やかで、禊ぎを済ませた後のような、「ダンテを読んで」になっておりました。
どうなんでしょ〜 爽やかな神曲は、ちょっと違うかもしれないな〜と言われたら、違うかも。違うんだろうなぁ。
でも、小心者凡人のワタシは、この演奏で、ちょうどよろしいのかも。
ちなみに、ボッティチェリ 「地獄の見取り図」は、世界が逆さになって、ロート状に落ちていく構図になっている。
あんな構図、よく描けるものだと・・・ 恐怖で凍り付いてしまうようなモノだ。一度見たら、う〜ん。忘れられない。


ミハイル・プレトニョフ 1997年
Mikhail Pletnev

録音状態は良い。ちょっとバラバラに分解されちゃっているようで、さっぱり気味の演奏で、大見得を切ってくれない。どこかクールで、客観的であり、うすくち。

カップリング:リスト 巡礼の年第2年イタリアより「ダンテを読んで」 、2つの演奏会用練習曲より「小人の踊り」、詩的で宗教的な調べより「葬送曲」、ピアノ・ソナタロ短調

ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲

リストのソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」という曲は、「巡礼の年」のうち、第2年「イタリア」最後の曲である。
ダンテの神曲と聞いただけで、近寄りがたく、鳥肌が立ってしまうような雰囲気がするが、実際、とっても難しい曲だ。
出だしの部分が、「ししっ ふぁふぁっ ししっふぁふぁっ・・・」という、とっても印象的な音型になっている。
このタラン タラン タランタランという落ちてくる音が、なんとも言えず不気味で〜 この曲の持つ雰囲気を象徴している。
「れれっ そそっ れれっそそっどどっ」という音の響きが、巌から転げ落ちるというか、人生そのものが、どっかに転落しちゃような、そんな印象を受けてしまい、う〜ん。いつ聴いても、あまり良い感覚ではない んだよね。

プレトニョフさんのピアノは、冒頭のこの音が遅めで、ごろごろ〜っと鳴り響く不気味な音が、厳かではあるが、切れが今ひとつというか、雷に打たれたような、怖さみたいなモノは少ない。
音の響きは、硬めではあるけれど、畳みかけてくるような切迫感が少ないのだ。
冒頭は、わりともっさりしているものの、幾分、テンポがあがってきてくるところは、飛躍的に変わり、無機質っぽいが、幾分、崖によじのぼろうとするかのような勢いが生まれ ている。

まっ いずれにしても、この楽曲には、どうも、冒頭から、雰囲気に呑まれてしまうんだけどなあ。
ショパンのような抒情的な、メランコリックな要素は少ないので、感情が、こもっているって感じの曲ではないし、どちらかと言うと、かなり客観的で〜抽象的である。 
リストが、ダンテを読んでの感想を曲にしたというが、う〜ん。よくわからない。
とても技巧的で、難しそうって感じがするが・・・。
ダンテの神曲が、地獄・煉獄・天国と3つの編になっており、まっ、いずれにしても地獄の様相を描いているらしい。

波打つようなフレーズから、流れるような流転を描き〜 寄せる波に呑み込まれそうになりながら〜
どどどど〜っと、小刻みに揺れて〜 あーっ やっぱり、滑り落ちちゃうような〜 ありゃりゃ〜 ドスンっ。
かと思ったら、優美な旋律になってて、ど〜らそふぁみ し〜 ら〜 ら〜 そ〜ふぁみれそっ どみっ。
と、アルペジオに突入する。で、そのうちに、冒頭のフレーズが戻ってくるのだが・・・。

和音の響きと、お飾りフレーズが、混じり合ってて幻想的な雰囲気が出ている。
基調になる音が、きっちり弾かれている のだが、他盤だと、結構、それだけを取り上げて聞き取りやすくしてくれているのだが、プレトニョフ盤だと、どっか分散されてしまっているようで。
また、お飾りフレーズは、音がはじけて放出するというよりも、入れ込んでくるので、基調となる和音の音と混じり合ってしまって〜 織り込んでしまってて〜
プレトニョフさんは、聴き手を惑わそうとしているのか、幻惑的に響かせようとしているのか、まあ〜織り込むことを楽しんでいるような、そんな感じがするんだよなあ。

「どしらそ ふぁみれど どしらそ ふぁみれど〜」と、音を押し込んでくる単調な音と、パラパラっと装飾的に入ってくる美しいフレーズの兼ね合いが、リストのピアノの面白さでもあるし〜
このパラパラ〜っと、装飾された独自のフレーズが綺麗なのだが、この対比が面白いものの。
う〜ん。どうだろ。ちょっとプレトニョフ盤は、異色かもしれない。

「れれっ そそっ れれっ そそっ。みみっ ららっ。れそれっ・・・」 パッパ パパパっ・・・。ららっ みっみ ららっ。
リズミカルに行く筈のところが、音の跳ね具合が、スパークするような弾むのではなく、どことなく重いし。
これは、煉獄のマグマ的存在なのかなあ・・・。と思うものの、総体的には、どろどろ感がない。
オクターブのパッセージの印象的なフレーズがあるが、それも、おぞましいほどの印象は受けないし。
ちょっと、まとまり感の薄い演奏のように聞こえてしまう。

どう言えばよいのかなあ〜 バラバラ分解しちゃって、元に戻らなくなっちゃった、分解したお爺ちゃんの時計って感じだろうか。リストのピアノって、和音の基調となる音が、川面から浮き出たように石のように、目印のように浮かんでいるのだが、プレトニョフさんの演奏で聴くと、あれっ 一個石が沈んでしまって見えないよう〜。って感じになってしまっている というか、足幅に合わないというか〜。(ワタシ的には、そう聞こえる)

わりと淡泊に演奏しているくせに、どうも幻惑されちゃって、う〜ん。難しい楽曲が、もっと難しくなっちゃったような気がしちゃうなあ。 最後には、メチャ速く、熱してはくるのだが〜 超重量級でもなく、楔を打ち込むような、険しさも薄く、さほど劇的でもないし、最後には、メチャ速く、熱してはくるのだが〜 
超重量級でもなく、楔を打ち込むような、険しさも薄く、さほど劇的でもない。
大見得を切ってくれない歌舞伎役者って感じで、ちょっと、肩すかしをくらう。
プレトニョフさんの演奏は、どこかクールで、客観的だ。味は薄口で、造形的には、几帳面に構築されているものの強靱で堅牢な造形美とは、ちょっと縁遠い 感じがする。まあ、淡泊にさっぱり仕上げました〜という感じだろうか。

ニコライ・ルガンスキー 2011年
Nikolai Lugansky

いかすぜっ

録音状態は良い。
naive創立15周年記念シリーズとして、限定盤で、ラフマニノフのピアノソナタ第1番、第2番(2012年)と一緒になった2枚組BOXも発売されている。

カップリングは下記のとおり。
このCDは、ルガンスキー・プレイズ・リストとタイトルされたもの。

1 雪あらし(雪かき) 超絶技巧練習曲集 第12番
2 超絶技巧練習曲 第10番 ヘ短調
3 ラ・カンパネラ パガニーニの主題による超絶技巧練習曲 第3曲
4 オーベルマンの谷 巡礼の年第1年スイス 第6曲
5 婚礼 巡礼の年第2年イタリア 第1曲
6 エステ荘の噴水 巡礼の年第3年 第4曲
7 ペトラルカのソネット第123番 巡礼の年第2年イタリア 第6曲
8 ワーグナー (リスト編) イゾルデの愛の死
9 鬼火 超絶技巧練習曲集 第5番

リストの作品ばかりを集めており、まるで、コンサートで聴いているかのような1枚になっている。
巡礼の年のシリーズから、4曲が収録されているのだが、このCDの表記(日本語の帯)が間違っていた。
婚礼は、巡礼の年第2年イタリアなのに、第1年イタリアになっている。ん? あらっ?

このシリーズは、とても好きなのだが、まだまだ、オーベルマンの谷は、ワタシの聞き込みが完全に不足してて〜イメージがつまみきれてないが、とても繊細に描写されている。
特に、婚礼は、気に入った。最初は平板な感じがするのだが、テンペラの絵でも見ているようだ。

エステ荘の噴水は、よく耳にする曲だが、繊細な音で、あまりうねりを持たせず、結構クールに声部を描き切っているように思う。高音域の音が、どこかピアノ臭い(って変な表現だが)キーの押し込む感じがしないでもない。
しかし、内省的で思索的というか、抑制されたクールさが感じられる演奏だと思う。
熱く、情感たっぷり系の押しつけがましい雰囲気は、微塵にもない。
ひんやり〜としているが、薄口ではなく、単に淡々としているわけでもない。すーっと入り込んで、静謐な雰囲気を漂わせた演奏だ。
ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の第3幕 イゾルデの愛の死を、リストが編曲しているのだが、よく、こんな複雑なフレーズをピアノで弾けるなあ〜っと、ちょっと驚き。クールに弾かれているのだが、とろけるようだ。
巡礼の全曲を録音してもらえたらなあ〜と思っている。
1977年 ベルマン ★★★★★
1986年 ブレンデル Ph ★★★★
1997年 プレトニョフ ★★★
2011年 ルガンスキー naïve ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved