「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

リスト ピアノ作品 2つの伝説 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ・波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
Liszt: Légendes (Legendes)


ジョルジュ・シフラ 1963年
György Cziffra

ひぇーぇぇ〜

録音状態は良い。2つの伝説のうち、第2曲の「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」のみ収録されている。大津波のような左手。楔を打つ込む左手。
壮大さという言葉より、怖いほどの切迫感でやられる。やっぱりスゴイ。
カップリングは下記のとおり。2枚組

リスト 2つの伝説 Liszt: Légendes
第1番 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
     St.François d'Assise: la prédication aux oiseaux
第2番 波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
     St François de Paule marchant sur les flots

20世紀の偉大なるピアニストたち シフラ
1  リスト ポロネーズ第2番
2  リスト 巡礼の年第2年「イタリア」第6曲「ペトラルカのソネット第123番」1963年
3  リスト BACHの名による幻想曲とフーガ 1963年
4  3つの演奏会用練習曲第3番「ためいき」 1963年
5  リスト 巡礼の年第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」第3曲「タランテラ」 1963年
6  リスト 3つの演奏会用練習曲第2番「レジェレッツア」(軽やかさ) 1963年
7  リスト 2つの伝説第2曲「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」 1963年
8  リスト 超絶技巧練習曲第12番「雪かき」 1958年
9  リスト ポルティチの娘の主題による華麗なタランテラ 1958年
10 リスト メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」 1961年
11 ショパン 練習曲op.10(全12曲)
12 ショパン 練習曲 op.25(全12曲) 1962年
13 ショパン ポロネーズ第6番「英雄」 不明

「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」

2つの伝説のうち、20世紀偉大なるピアニスト(第23巻)には、第1曲「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」は収録されていない。
どうしても聴きたければ、EMI「ラ・カンパネラ - ベスト・オブ・リスト」というCDに収録されているようだ。
シフラの音色は、硬めで、ゴリゴリ感がある。そのくせ高音域の煌めきは、う〜ん。さすがっ。
リストの再来とか呼ばれている方の演奏だと思う。超テク、ド迫力なのだ。

「どふぁれどし ら〜しど ふぁらふぁみ ふぁ〜みれ」
「そしそふぁみ み〜ふぁそ」「そどらそふぁ ふぁ〜そら」「ら れどしら そふぁふぁ〜み〜ふぁそ」
「そ らら そ ふぁ〜そら」
冒頭は、幾分ソフトに弾かれている。弱音のまま、じわり〜 かなり弱音のままに弾かれている。
ここのボリュームは、かなり抑えめ。でも、左手の細かい蠢き音が、じわじわ〜と動いている。
で、波のパララパラパラ〜が始まると、波のなかに、更に、波が生じているような、ごわごわ感が出てきて、そのうち、あっという間に、強烈な津波に襲われる。この荒っぽい波が、生々しく〜 ぞわ〜っとしてくる。
左手から、たちのぼって高音域で、パラパラ〜という音がするのだが、硬質で鋭い音。
「たったら〜 たったら〜 たったら〜」 「らっどっ らっどっ」
特徴的なのが、やっぱり何連符で弾かれているのか、ワカンナイけど、ひとかたまりで、波が襲ってくるかのようなフレーズである。
これは、すごい!
大津波的状態で、ものすご〜い パワフル、エネルギッシュ。押し寄せてくる感覚だ。
チッコリーニ盤も、迫力があったのだが、いや〜 やっぱシフラ盤は、メッチャ凄い。 熱いし、硬いし、大津波警報発令以上の大波が襲来する。
波の中に、更に 波があるように感じたのは、どうしてなのか。う〜ん。どう演奏されているのか、テクがさっぱり解らないのだが、フレーズが1つの塊となっており、それが、次々と打ち寄せてくる ようだ。
素人が聴くと、荒っぽいと感じるかもしれない。ごわごわしているし、滑らかじゃーない。それに、ピアノの左側の音が、とっても騒々しく、硬くて、破天荒である。 1音をアクセント的に、ガツンと低音を打ち下ろす、その響きが、ホントにガツンなのだ。楔を打ち込む、恐ろしい音に聞こえる。
決して美しくもないが、もろ、奇蹟を描き出しているように思う。切迫感があり、圧倒的。ふつうじゃーないよ。
このど迫力は〜 尋常さ、想像を絶する音のうねり、嵐、この一言だと思う。
この演奏こそが、奇蹟って感じだよなあ。
やっぱ、すごいデス。怒濤のごとくの迫力に負けました。

アルド・チッコリーニ 1971年
Aldo Ciccolini

ひぇーぇぇ〜

録音状態は良い。巌のような硬い意思を感じる演奏だ。シフラ盤も強烈だったが、チッコリーニさんも負けてない。

カップリング:詩的で宗教的な調べ(全10曲)、伝説(全2曲)、コンソレーション(慰め)全6曲、グノー「ファウスト」からのワルツ、 ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ 」からの回想、ヴェルディ「トロヴァトーレ」によるミゼレーレ、ヴェルディ「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ 2枚組

「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」

のだめカンタービレ(アニメ版) パリ編〜レッスン10〜 のだめ初リサイタル、サンマロのお城で弾いた楽曲である。モーツァルトを弾いた後、ガツンと1音目からフォルテで弾き始めたリストの楽曲が、「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」だ。
チッコリーニさんの演奏は、のだめのように出だしは、ガツンと弾き出さない。
もちろん、弱音から弾かれている。
「みらふぁみれ ど〜れみ」「らどらそみれ みそ」「どふぁれどし ら〜しど ふぁらふぁみ ふぁ〜みれ」
「そしそふぁ み〜ふぁそ」「そどらそふぁ ふぁ〜そら」「ら れどしら そふぁ ふぁ〜み〜ふぁそ」
「そ らら そ ふぁ〜そら」「られ〜」・・・
でも、相当に硬くて意志の強さを表している。じわじわ〜っとパワーがたまっていく感じ。

もともと、がっしりした構築性に優れた楽曲だが、ホント、和音が綺麗だし、左手のパラパラ感も地味だけど美しい。
繊細なリストも聴くけれど、このチッコリーニ盤は、不気味な響きを、地の底から湧き上がらせてくる。黒い雲が、わきあがって、海の底が、ごろごろ鳴っている。
はあ。海を目の前にして、歩いて渡ろうって言うのだから、いや〜美しいというより、美意識がどうのこうのと言うようなモノじゃないんだけどねえ。強靱さ これしかないでしょう・・・。 という感じだろうか。凄く強靱な意志を感じる。

冒頭のフレーズが終わったあと、ザワザワとした波が起こってくる。波が立ち上がってくるという雰囲気。
パララ ラララ パララ ラララ〜 このアルペジオの力強さが、宗教心に繋がるのかもしれないが、海が割れていくって感じがして恐ろしい。
右手の鉄杭を打ち込むような鋭い力強さ、左手の波、う〜ん。すっげっ〜 こりゃ〜凄すぎ。顔が真っ青になりそう。
「ら ふぁれどし ら〜しど ふぁらふぁみふぁ ふぁ〜みれ ふぁしそふぁ み〜ふぁそ・・・」
うぐっ 胸ぐらをつかまれて、ぐうの音も出ないほど。劇的効果ばつぐん。
恐れいりたてまつりながらも、かなり興奮状態で、顔が真っ赤になるほど高揚してくる。

聖フランチェスコが、荒れ狂うメッシーナの海に向けて、マントを広げて十字を切ると、マントが船のようになって、海を渡ることができた・・・。という奇蹟が元になっているそうだが、ありえないお話である。
海が割れて、道が表れるという映画のシーンもあったが・・・ あれは「モーゼの十戒」だったか。

いわゆる聖人の起こした奇蹟にインスピレーションを受けたものだが、奇蹟の描写シーンどころではない。もちろん、頭の隅で、奇蹟シーンをイメージするのは良いかと思うが、それだけにはとどまらない。
すごい硬い音。波を表してはいるものの、硬いっ。塊のような音である。
波間というよりは、土石流が起こって、岩石がごろごろ、濁流の川底でぶつかり合い、砕けているような感じがする。で、最後は、穏やかに何事も起こらなかったように、平和な雰囲気で、静かに終わる。
「られどし ら〜しど しどれふぁ しどれふぁ そしれみふぁそし れみふぁ〜」
これが、また怖い。自然界への畏怖って感じで〜 
ワタシ的には、宗教心より、意思の強さ。天変地異的な怖さを感じてしまった。
(あ〜 情けない。オマエには宗教心は無いのか・・・と自問自答。汗)

リストの2つの伝説は、いずれも聖フランチェスコが主人公であるが、同名異人である。
リストのピアノ作品は、たくさんありすぎて〜 全部を聴けるわけでも、所有しているわけでもないが、伝説2作品が、同時に収録されている盤は、意外と少ない。が、また、コツコツ聴いてみようと思う。

リーリャ・ジルベルシュティン 1995年
Lilia Zilberstein



録音状態は良い。いっけん、無表情でクールに感じるかもしれないが、かなり深く、じわ〜と滲みてくる。
真摯で、敬虔かつ抑制された演奏で、内面に訴えてくる。
ワタシ的には、日本人の美意識に近いモノを感じて親近感を持った。
カップリングは、下記のとおり。
 

ジルベルシュティン リスト作品集

1  2つの伝説 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
2  2つの伝説 波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
3〜8 6つのコンソレーション「慰め」
9  バッハの主題「B-A-C-H」による幻想曲とフーガ
10 バラード第2番 ロ短調
11 4つの忘れられたワルツ第1番 嬰ヘ長調
12 即興曲(夜想曲)嬰ヘ長調

このページでは、「2つの伝説」だけ書くが〜 かなり感動しちゃった。
「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」は、宗教的な楽曲で、オチャラケ系ではない。かなり神妙に、頭をたれて聴く方が良いと思う。

「みらふぁみみれ ど〜れみ」「らどらそみれ みそ」「どふぁれどし ら〜しど ふぁらふぁみふぁ ふぁ〜みれ」
「そしそふぁ み〜ふぁそ」「そどらそふぁ ふぁ〜そら」「ら れどしら そふぁふぁ〜み〜ふぁそ」
「そ そ〜らら そ ふぁ〜そら」「ら ら〜し〜ら そ〜らしし ら〜しど」・・・
ジルベルシュティンさんの演奏は、硬い音である。
冒頭では、チッコリーニ盤は、かなりの弱音で弾かれているのだが、ジルベルシュテイン盤は、結構音量もあるし、淡々と弾いているようだが、じわ〜っと描かれている。
シフラ盤のような、イカツイ怒濤の迫力のある固さではない。
チッコリーニ盤も、相当に固いが、描写力が高い。

ジルベルシュティンさんも、固いけれど音色が綺麗である。この音色の綺麗さ。う〜ん。これにまず、参っちゃった。
冒頭のフレーズのところも、ガツンガツンとは行かない。 神妙に一歩一歩足を踏み出すかのような、神妙な面持ちで進んでいく。
左手が、波を描き出すフレーズになると、確かに動きが見えてくるが、それでも屹立としている。
感動を与える。描写する。と、そんな雰囲気じゃないなあ。かなり内面的で、より深く、超然とした雰囲気を持った、あたりを払うかのような、そんな感覚の演奏である。
なんだか余計なモノを削ぎ落として、無表情に顔をこおばらせて歩いているような〜 取り憑く島なし状態なのだが、しかし、この無表情っぽい演奏が、この楽曲には必要なのかもしれない。
モノトーンというか、無表情的というか、シンプルというか、色彩的にはカラフルではない。どちらかというと和風、墨絵タッチの、そうだなあ〜 襖絵、いや、掛け軸でも見ているかのような・・・。

海の底から、ごろごろと鳴り出すところは、確かに迫力もあるが、ぐわ〜っと、泥を巻き上げて、岩をも動かすような迫力には至らない。もっと繊細だ。そのくせ硬いし、強固だ。
でも、叙事詩になってないんだよなあ。
筋肉隆々のホメーロス的な世界でもないし、自然破壊風じゃないのだ。
意思の強さ、繊細かつダイナミック、描いただけの世界にとどまらない音の広がり。広がる雰囲気があるんですねえ。強いタッチだけど、ただ音離れが良いというか、泥臭くなくスマートだし、かといって無機質にも鳴らず、、、 繊細だが繊細すぎず、盛り上がったところは、激情的に弾かれており、これも、また激しい強さ、突風のなかにでも1人立っているという、強い精神性があるし。抑制された美意識というのか。
虚無感すら感じさせてくる演奏である。

見た目は掛け軸のような、狭い幅の絵画だが、描かれている絵を見ているうちに、外の広い世界を感じさせるような〜 イメージを膨らませることのできるような演奏っていうか。
う〜ん。巧く言えないが、日本人の美意識に近いものを感じちゃう。
う〜ん。やられちゃったなあ。最後、晴れやかさも、ちょっぴり感じさせる余裕もあって〜 いやぁ〜かなり感動しちゃいました。これは、みっけもの。すげ〜っ。これは拍手っ。
録音状態も良いし、お薦めである。ジルベルシュティンさんも、ラフマニノフの協奏曲より、ずーっと共感して演奏してるんじゃーないだろうか。
商業ベースに乗らなくてもよいから、またCDを出して欲しいと思う。いや、商業ベースにも乗って欲しいっ〜

アンヌ・ケフェレック 2004年
Anne Queffélec

ふむふむ。


録音状態は良い。ゆったりとした柔らかさがあり、ふわっとしたマントが膨らんで、海を渡っていくような雰囲気がある。
カップリングは、下記のとおり。
アンヌ・ケフェレックさんのリスト名曲集というCDである。収録されている曲は、次のとおり。

1 メフィストワルツ 第1番 Chef d oeuvre pour piano mephisto valse
2 愛の夢 第3番 Reve d amour n 3
3 パガニーニによる練習曲 第4番 Etude n4 en mi majeur d après paganini Écouter
4 エステ荘の噴水 Les jeux d eau a la villa d este Écouter
5 波を渡るパオラの聖フランシス Saint François de paule marchant sue les flots Écouter
6 超絶技巧練習曲 第5番「鬼火」 Feux follets
7 巡礼の年 第1年スイス 第4曲 オーベルマンの谷 Vallee d obermann

ケフェレックさんは、頻繁に来日して演奏してくださっているようである。ワタシ自身は、演奏会にお邪魔したことはないのだが、勝手に親近感を抱いている。
また、久々にスカルラッティのソナタを聴こうとCDを探し始めた。そうそう、44年ぶりにスカルラッティを再録音したということで、確か話題になっていたよな〜っと、ケフェレックさんの旧盤を探したのだ。
しかし、超整理下手のため棚から出てきたのは、何故かリスト・・・  有るはずの処に無いとなると、う〜ん。困った。
見つからないよぉ〜 (泣)

さて、ケフェレックさんとリストとは、ちょっとイメージが遠いのだが、はたしてどうだろうと聞き始めた。
確かに、メフィストは、淡々としており、スピードにのって演奏されるという感じではないようだが、結構、タイトには演奏されていて、強い打音を感じるし迫力もあり、ラヴェルを聴いたときのイメージとはちがう、力強さがある。

で、波を渡るパオラの聖フランシスは、波を表現する左手の細かい音が、静かに綺麗に細かく刻まれていく。
汚いと言われて乗船を拒否されたが、自分のマントが、帆となり、杖がマストになって・・・
静かに、すす すーっ波を進み、そのうち、波打つように、左右に音が揺れだす〜

この音の揺れ方が、ころころころ〜っと細かく回っていくようで、また、最後に至るにつれて、女性とは思えないほどの力強さがあり、鋭さよりも、説得性のある柔らかい音を、1音入れていくかのような感じだ。
ドスン ドスンっと落ちていくような、力強さとは違う。
ふわっとした強さと、しなやかさ、一様に均質してくるような感じより、曲線的に、ふわっとしたフレージングがあって、そのふわっとした見えない推進力が、音の流れになっている感じだ。
強い意思というより、屹立とした、毅然とした感じは少なく、宗教性の硬いイメージはないけれど〜 
そういう意味では、優美さの形態を崩さず、細かい揺れのなかで、前に進もうとする推進が感じられる。

ケフェレックさんは、リスト弾きというイメージからは、やっぱり遠い。
遠いけれど、超スピード感の欲しい楽曲ではなく、もの静かに、イマジネーションの湧きやすい風景や情景、これを描き出すような、描き出せるような楽曲だと、相性は良いのではないか。
視覚的な要素が欲しい楽曲だと、描き出せる能力をお持ちだし〜 そういう曲には、うってつけ〜だと、そう思う。

ジャナンドレア・ノセダ BBCフィルハーモニー管弦楽団 2008年
Gianandrea Noseda
BBC Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手  ←管弦楽版の存在が嬉しい。

録音状態は良い。もっとヌケがあれば良いのだが、残響が少し多めで、低弦が入ってくると、ごろごろ〜っとしてしまう。
ピアノ曲だと思ってたのだが、管弦楽曲版もあったんですね。それが嬉しい。
カップリング:リスト ダンテ交響曲、2つの伝説
2つの伝説 管弦楽曲版

1 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ(St.Francois d'Assise, la predication aux oiseaux)
2 波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ(St.Francois de Paule marchant sur les flots) 

2つの伝説は、「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」と「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」の2曲となっている。てっきり、この曲はピアノ曲だと思っていたのだが、管弦楽曲版もあったのだ。
リストの作品番号である、サール番号でいうと、ピアノ曲はS.175で、管弦楽曲版はS.113aとなっている。

ウィキペディア(Wikipedia)によると〜
管弦楽版の自筆総譜が、1975年に、リストの弟子であるゲーレリヒさんの蔵書から発見されて1984年に出版されたのだそうである。ピアノ版とは同時期に書かれたものらしく、どちらが「原曲」ともいえないらしい。
あまり版の違いはなく、「アッシジの聖フランチェスコ」は、弦楽と木管楽器、ハープのみで奏され、フルートとコーラングレが特に活用される。「パオラの聖フランチェスコ」には、金管楽器群と打楽器も加わるとのことだった。

楽譜が最近になって発売されたようなので、演奏したり、録音されているCDも少ないようだ。ワタシの場合、たまたま、リストの交響詩をノセダさんの演奏で揃えようと購入したところ、大当たりっ!ってわけである。
ピアノ曲との印象は、さほど変わらないが、あたりまえの話だが、やっぱり管弦楽は迫力がある。
小鳥に説教する〜という場面は、木管が当然のごとく活躍しており、密やかに、そして嬉しそうに奏でられている。
それに絡むのが、コーラングレの甘い音なのだが、何を役割としているのか、ちょっとわからないのだが・・・
あっ もしかして、木管の鳥さんに絡むのだから、聖フランチェスコさま?! かも・・・しれませんね。 
そうだ、そうに違いない〜と思う。
なんて語られているのか、これこそワカラナイけれど、すごく慈愛に満ちた良いお声である。
お寺での僧侶の説法を受けるのだったら〜 どんな楽器だろう。コーラングレは、う〜ん。こりゃマッチングしませんけどね。

また、波の上を歩く〜という場面は、低弦のごりごり〜とした波型で音が作られている。
聖フランチェスコさまご自身が着ておられたマントを、にわかに帆にしてメッシーナ海峡をお渡りになるのだが〜
ピアノの、たららら らららら〜っという音型が、弦で奏でられ分厚くなっている。
そこでの波は、あまり激しくはないけれど、やっぱり雷鳴かしらん・・・という感じで、神々しく描かれている。
「ふぁれどし らぁ〜しど、らそふぁみ れしらそ ふぁ〜そら」
金管のコラールになると、神々しさが増してきて、おおっ〜 不覚にも、鬼の目にも涙的に、うっとり〜してまった。
最後には、派手に鳴らすこともできただろうが、やっぱり、そこは宗教性を帯びて、いくぶん控えめである。


ピアノ版      
1963年 シフラ Ph ★★★★
1971年 チッコリーニ EMI ★★★★
1995年 ジルベルシュテイン ★★★★★
2004年 ケフェレック ★★★
管弦楽曲版      
2008年 ジャナンドレア・ノセダ BBCフィルハーモニー管弦楽団 Chandos ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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