「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プーランク ナゼルの夜
Poulenc:Les Soirees de Nazelles


  ジャック・フェヴリエ 1968年〜1970年
Jacques Février

録音状態は良い。リマスタリング盤。こじゃれた、即興性の高い楽曲が、ちょっぴりクールに、硬めにスマートに崩されて演奏されている。良い意味でキザっ。
カップリングは、下記のとおり。

プーランク ナゼルの夜 ピアノ名曲選

1  ナゼルの夜 前奏曲、カデンツァ、第1変奏曲「分別の極み」、第2変奏曲「手の上の心臓」
  第3変奏曲「磊落と慎重と」、第7変奏曲「不幸の味」、第8変奏曲「老いの警報」
  カデンツァ、フィナーレ (第4〜第6変奏曲は、カップリングされていない)

2 即興曲 第5曲、第6曲、第7曲、第10曲「音階讃」、第12曲「シューベルトを讃えて」

3 主題と変奏 主題、第1変奏曲「陽気に」、第2変奏曲「高雅に」、第3変奏曲「のどかに」
  第4変奏曲「イヤミに」、第5変奏曲「憂鬱に」、第6変奏曲「皮肉に」、第7変奏曲「哀れっぽく」
  第8変奏曲「おしゃべりに」、第9変奏曲「空想するように」、第10変奏曲「sybillinne」
  第11変奏曲「フィナーレ」

4 ナポリ(ピアノのための組曲) 舟歌、夜想曲、イタリア奇想曲

当CDは、ジャケットの絵画のように、小難しく聴く曲ではなく〜 こじゃれた楽曲が詰まっていて、気楽なサロン風の楽曲が詰まっている。
気まぐれ的だけど、面白いし、お酒でも傾けながら聴くのが良いかもしれない。遊びがあるし、洒落ているし、肩肘はらずに聴ける。そのくせ、大人のムードも持っているし、これぞ、おフランスという感じ。

このフェヴリエ盤の録音は、68年〜70年にかけてのモノ。ちょっと古いかも〜と心配したのだが、全く気にならない。一部、オリジナルテープに起因するノイズがある。ということだが、リマスタリングされており、 最近録音されたものだと言われても、信じちゃうぐらい。

で、ナゼルの夜、または、ナゼルの夜会とも言われている。
全部で11曲あって、それぞれは、とても短い。1分半とか、長くても3分ぐらいで〜「リエナール叔母の想い出に」というタイトルがある。前奏曲は、ガツンっと出てくるものの、ワルツのように踊り出す。
まっ サロンに集まっている人に聴かせるような、即興的な曲である。
「っどどど どっしど〜れっど そ〜らそ ふぁっそ・・・」
「ふぁ〜ふぁふぁっ そぉ〜ふぁ ふぁ〜っれみっ〜」「み〜みみっ ふぁみれ どぉしらっどっ」

弾んでどっちに向いて飛び出して行くか、ちょっと予測不可能なところがあって、これが面白いかなぁ。
続けて演奏されていくので、今、何番目の曲を弾いているのか、わからなくなってしまうのだが。
これがまた、面白かったりする。まるで気分が、ころころ変わって〜 とらえどころが無いような。
オリエンタルちっくで〜 アラビア風に流れてくる曲もあるし。
むふふっ、結構、妖艶だったりするのだが、このフェヴリエ盤は、クールに聞こえる。冷たいワケではないが、ちょっぴりクールに演奏されると、ますます、惚れちゃうような、、、

「手の上の心臓」なんていうタイトルには、えっ?と、一瞬たじろくのだが、いやいや、ストレートに言うと、淡い恋心じゃん。ってな具合なのだ。邦訳が間違っているのかもしれないんだけどな〜
まっ いずれにしても、タイトルに振り回されず、するり〜っと聴けてしまうのが、妙に心地良い。
堅物の方には、ころころ変わる気分に振り回されるかもしれないが〜 まるで、子猫と遊んでいるようなモノで、怒ってはいけないのである。
作品的には、抽象的すぎず、適度に、感性が緩やかに解きほぐされるような感じ。
じゃれているような楽曲が続くし、ピアノの音の粒が、大きくなったり小さくなったり、飛び跳ねたり、縮こまったり、自由自在に変化する。
ワタシ的には、ジャズっぽく、夜の雰囲気が漂うフェヴリエ盤が好きである。
ちょっと、硬めの音がクリアーに響き、あっさりしているが、帽子をかぶって、スーツ姿で、タバコを吸いながら、キザに崩しているような演奏なのだ。ホント、キザだよなあ。(笑)

ロジェ盤も所有しているのだが、暖かい音粒の方が好きか、ちょっぴりクール気味に弾かれている方が好きか〜ぐらいの違いかもしれない。もっとも、専門家に言わせると、全然違うじゃん。と怒られちゃうかもしれないが、 ワタシは、ピアニストではないので、よく解らない。
プーランクの曲って、ワタシの耳からは、するり〜と抜けてしまって、あまり残らないのである。
まー ワタシの感性は、結構、いい加減な感性で、聴くときの気分に大いに左右される。
演奏の違いなんぞ、どーでもよろしい。どっちも良いではないか。と言いたくなるような、うるさいこと抜きにしたいな〜と、この曲を聴いていると、そう思ってしまう。(いい加減なコメントで、ホント、スミマセン)
まっ そんな楽曲なので、カクテルでも飲んでいる時に、ほろ酔い気分で、BGMとして聴けたら嬉しい曲である。
フェヴリエ盤は、第4〜第6変奏曲が、カップリングされていないので、かなり残念・・・。
ガブリエル・タッキーノ
Gabriel Tacchino



録音状態は良い。やっぱプーランクさんのお弟子さんってことで、直伝の演奏ってことになるのだろうか。

← 2枚組BOX輸入盤 
タッキーノさんは、1934年生まれのフランスのピアニストである。
で、ワタシが所有しているCDは、輸入盤の2枚組BOXで、小品がずらり〜っと並んでいる。
カップリングを、まずご紹介しておく。

CD1  
1〜3 3つの無窮動(FP14) 3 Mouvements perpetuels
4〜11  8つの夜想曲集(FP56) Nocturnes
12 プレスト 変ロ長調(FP70) Presto in B-Flat Major
13〜19  フランス組曲 〜クロード・ジェルヴェーズの作品より ピアノ編曲〜(FP80) Suite francaise
20〜21 2つのノヴェレッテ 2 Novelettes
22  ファリャの主題によるノヴェレッテ(FP173) Novelette sur un theme de Manuel de Falla
23  田園曲 パストラーレ(FP45) Pastourelle
24  ワルツ ハ長調(FP17) Valse in C Major
25〜39 15の即興曲集 1番〜15番 Improvisations
40  アルベール・ルーセルの名による小品(FP50) Piece breve sur le nom d'Albert Roussel
41 バッハの名によるワルツ即興曲(FP62) Valse-improvisation sur le nom de Bach

CD2
フランセーズ(クロード・ジェルヴェーズの作品より) Francaise D'Apres Cl Gervaise
2〜9 ナゼルの夜会(FP84) Les soirees de Nazelles
10〜15 村人たち(FP65) Villageoises
16〜27 主題と変奏(FP151) Theme variee
28〜29 2つの間奏曲(FP71) 2 Intermezzi
30 間奏曲 変イ長調(FP118) Intermezzo in A-Flat Major
31〜33 組曲 ハ長調(FP19) Suite in C Major
34 メランコリー(FP105) Melancolie
35 ユーモレスク(FP72) Humoresque
36〜38 3つの小品(FP48) 3 Pieces
39〜41 ナポリ(FP40) Napoli
42 オーヴェルニュ館(パヴィリオン)のためのブーレ(FP87) Bourree au pavillon d'Auvergne


このCDも、休日の朝に聴くには嬉しい1枚で、さらっとチャーミングに、こうるさくなく聴けてしまう。
とっても失礼な言い方だが、BGM的に流しても邪魔にならない、軽快でこじゃれた楽曲なのだ。即興性の高いジャズを聴くかのような雰囲気があるので、朝でも夜でも、自分の都合に合わせて聴けば良いと思う。
う〜ん こんなコメントを書いたら、クラシック音楽を聴くに値せず・・・という烙印を押されてしまうかもしれないのだけど。
まあ、そんな硬いことを言わず〜
プーランクの楽曲そのものが、眉にくっきり、縦皺を立てて、苦虫をつぶしたようなモノではないのだ。哲学的、精神的なーんて言葉は、ちょっとチラミをしながら、横に置いておける、別の世界のモノなのだ。
オシャレなの〜オシャレっ。

かといって、単にオシャレでは片付けられない不思議な感覚があって、親しめるのだが、するっと、どっかに行ってしまうような、つれなさがあって、猫みたいなモノなのだ。まあ、自分のモノには、なかなかなりませんねえ。こっちが寄り添って行かないと、多分、わからないのだろうけど〜 これも、わかるかどうか、相当に怪しい。(苦笑)
あまり聴衆のことは考えてないというか、強力なパトロンのために書いて、報酬を得なければ飢える〜というような時代じゃーないので、好き勝手に書いて良いのかもしれないし、まあ、世情も反映しつつ、かなり自由度の高い楽曲である。
「ナゼルの夜会」は、タイトルそのものに、夜という文字が入ってくるので、夜のイメージなのかもしれないが、演奏を聴いていると、さっぱりして、さらっと弾かれている。
ダイナミックな音量の幅を持っている楽曲もあるが、総体的には、丸すぎず、ふんわかしすぎず、細かいリズムが弾んで音が軽やかだと思う。

で、タッキーノさんのナゼルの夜会は、変奏曲4〜6は収録されていない。
「ナゼルの夜会」という約15分ぐらいの小品だが、次のような構成となっている。

1 前奏曲  Preambule
2 変奏曲1 分別の極み Le comble de la distinction
3 変奏曲2 手の上の心臓 Le cœur sur la main
4 変奏曲3 磊落と慎重と La desinvolture et la discretion
5 変奏曲4 思索の続き La suite dans les idees

6 変奏曲5 口車の魅力 Le charme enjoleur
7 変奏曲6 自己満足 Le contentement de soi
8 変奏曲7 不幸の味 Le goût du malheur
9 変奏曲8 老いの警報 L’alerte vieillesse
10 カデンツァ Cadence
11 フィナーレ Final


このタイトルがねえ〜 サロンで弾く? 聴いてみると、そんなタイトルとは無縁のようなオシャレな楽曲なのだ。
不幸の味って楽曲を聴いて、手を叩いて拍手している人を見て、プーランクは、してやったり〜という表情を浮かべていたのだろうか。う〜ん きっとそうに違いないっ。と、勝手に想像している。
  パスカル・ロジェ 1986年
Pascal Rogé



録音状態は良い。優しい雰囲気が伝わってくる。
カップリングは、下記のとおり。
これは、プーランク ピアノ曲集の第2巻で、ナゼルの夜を収録した第1巻と、2枚組BOXが発売されている。
プーランク ピアノ曲集第2巻

1 ユーモレスク
2〜9 8つの夜想曲
10 ピアノのための組曲
11 主題と変奏
12〜17 即興曲
18〜19 2つの間奏曲
20 村人たち(子供たちのための小品)
21 プレスト

さらっと聴けちゃうお洒落な楽曲で、サロン風。フランス音楽が特に好きなわけではないけど、プーランクは楽しい。
あまり、難しく聴かなくてもいいので、ぽっかりあいた時間に聴くのにも良いし、1人で居る時に聴いてもいいし、ひとときに聴くにはうってつけ。
友人たちのホームパーティの時に流してもいいし、家族と居るときに聴いても良い楽曲で、あまり選り好みしない。
ドイツ臭く、身を乗り出して、がっつり聴きましょう〜という感じではないです。
ひとことで言うと、ハイ、素直に楽しい。
このCDは、夜向きというよりは、朝の柔らかい日射しと、ふっとカーテンが揺れる程度の風が入ってくると、もっと気持ち良くなる感じがする。まあ、ノクターンって曲もあるんですけどね。 
1968年〜70年 ジャック・フェヴリエ EMI ★★★★
1966年〜83年 ガブリエル・タッキーノ EMI ★★★★★
1986年 パスカル・ロジェ Dec ★★★★★
所有盤を整理中です。

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