「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲、前奏曲
Rachmaninov: Suites for two pianos


マルタ・アルゲリッチ ネルソン・フレイレ 1982年
Martha Argerich  Nelson Freire

録音状態は良い。スピード感あふれる演奏で、あっけにとられるが、わりと冷静で繊細。
カップリング:
1〜4 ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲
5 ラヴェル 2台ピアノのための「ラ・ヴァルス」
6 ルトスワフスキ 2台ピアノのためのパガニーニの主題による変奏曲
2台のピアノのための組曲第2番(作品17)

ラフマニノフが、交響曲第2番を作曲していた同時期に書いているらしいので、叙情的だと思いこんでいたが、意外や意外。結構、激しく熱い演奏で、あっけにとられた。 ラフマニノフだから、きっと甘いだろうと思って聴きだしたのだが〜 うっ。めっちゃ難しい曲だ〜 音が多すぎて、速すぎて、頭んなかで、オタマジャクシが飛び交ってしまって、こんがらがって収拾がつかない。何度も繰り返して聴いて、ようやく、ふぅ〜 なんとか、耳に馴染んだ感じ。
この盤は、アルゲリッチとフレイレの対決っ。という感じの演奏って感じなのかと思ったけれど、色彩的で繊細で、かつダイナミック。しかし、なにせスピードが違う。疾風怒濤だ。
4つの楽章にわかれており、序奏、ワルツ、ロマンス、タランテラ それぞれ個性的。

1楽章は、序奏
行進曲のようで男性的だ。
「れっれみふぁ〜 れみふぁそふぁみれみふぁ〜」 ゴンゴンゴン・・・と走っていくが、途中で、するり〜と変身して、あのラフさんの甘い調べが入ってくる。
全体的に、なんだか打楽器風だし、オネゲルのパシフック機関車みたいになっているんだけど。
それでも〜 柔らかいね。この1楽章だけでも、真剣に聴いていると、疲れるんだけど。

2楽章 ワルツだと思うんだけど・・・
プレストっていう速度なので速くって〜 おおよそワルツ風ではない。パラパラパラ〜っと音がいくつあるのか、見当も付かないほどに動いている。
で、また中間部は、甘いだよねえ。「ふぁ〜みふぁれ〜 ふぁ〜みふぁど〜 ふぁどふぁそらどれ〜ど〜」
まるで、ロートレックのように娼婦に囲まれているかのような気分になっちゃう。
この旋律だけで終始すると、多分、沈没するので、また主題が戻る。
あー せわしないっ。

3楽章 ロマンス
もう、結構甘い部分は頂戴したのだが、今度はフレーズが長く続く。
音自体は、耳にすぐに馴染むし取れるだけど、冗長的だし交響曲とよく似ている。なにが言いたいのやら、よくわからんのだけど。モニョモニョ、クネクネしている感覚は〜 寄せる波のごとく。
永遠に続いてくれ〜と懇願したいか、もう止めて〜と懇願するかは、聴き手の感覚次第かな。
大きなうねりと、小さなうねりが、交互にやってくるようで、1台のピアノのでも充分な感じはするが、音の多さが生きてくる。ドビュッシーのような小さな煌めき感というより、うねり感が、やっぱ凄い。

4楽章 タランテラ
タラン ラッタタタ〜 「ふぁらっしっどっ らっふぁっそっみ〜」
タランテラって、タランチュラという毒蜘蛛かと思っていたのだけど、イタリアの舞曲である。
まあー 踊ったって毒が抜けるわけでもないだろうから、毒がまわったように狂ったように踊るって、感じなんだろう。
もちろん、ダイナミックな左手で、「らふぁそみっ らふぁそみっ」と、豪快に音が鳴っている。 聞き取れないし、口ずさめないほどのスピードで、リズムを刻んでいるフレーズが続く。
この楽章は圧巻である。テンションは、いやがうえにも上がっていく。 でも、音の響きはずーっと繊細だし、リズムが、ぐわーっと、いきなり速くなるってこともない。 わりと冷静に弾かれているような気がする。
いつもの、アルゲリッチ姉さんとは違う。乱れることもなしに、一気に終わる。 濃密な感じというよりは、わりと静かめにテンションがあがっているし、この楽章だけを聴いていると、ラフマニノフという色合いは薄いぐらい、クールで繊細な感じがする。
楽想がつかみきれていないので、演奏がどうのこうの言えないなあ。それよりも、ラフマニノフの楽曲の二面性に、へえ〜っと驚かされちゃった感じだ。

で、この後、アルゲリッチさんは、ラビノヴィチさんと競演しており、ラフマニノフ、モーツァルト、ブラームス等の2台のピアノのための楽曲で競演したCDがある。 きっと、アルゲリッチお姉様と息があったんだろうが、えっ フレイレさんとは? これっきり? ラフマニノフの2台のピアノのための組曲第2番しかないようで、え〜 1番はないのかあ。
かなりガックリ・・・ してしまった。
マルタ・アルゲリッチ アレクサンドル・ラビノヴィチ 1991年
Martha Argerich
Alexandere Rabinovitch



カップリング:
1〜4 組曲第1番「幻想的絵画」
5〜8 組曲第2番
9〜11 交響的舞曲
2台のためのピアノのための組曲第1番

ラフマニノフの2台のピアノのための組曲第1番「幻想的絵画」(作品5)は、1893年に作曲されており、サブタイトルとして、「幻想的絵画」と呼ばれており、4つの曲で構成されている。ラフマニノフさんの若かりし20歳頃の作品で、チャイコフスキーに献呈しようとしていたそうである。1番には、エピグラフ 詩が添えられている。(2番にはない)

1 バッカロール(舟歌)
2 夜と愛と
3 涙
4 復活祭

いずれの曲を聴いても、2台のピアノの演奏とは思えないほどで〜 1台のピアノのようにピタっと決まっている。
すごいテクの2人が連弾しているわけで、まあ、当然と言えば当然なのだろうが、とても詩情にあふれた演奏だ。
常に緊張感があり、高揚感のあふれた熱い演奏だ。
でも、草書体ではなく、かなりキッチリしており、突っ走って火柱が立っているものではなく、アルゲリッチさんにしては(って言っちゃうと怒られるが)、動的ではあるけれど、緻密で色香の漂うロマンティックな演奏だ。
柔らかいフレーズのなかで、煌めき度の高い打音で綴られていることに、驚かされる。

特に、4曲目の復活祭は、ウルサイほどに、同じ音型で、カツカツした音が鳴ってくる。
「らし ふぁ〜ふぁし ら〜らし らしらし ら〜らし」
教会の鐘の音を模したものらしいのだが、最初は、教会の鐘の音なんだな〜と聴いているのだが、段々、金属的に鳴り出して、おっそろしいほど、うるさくて〜 
繰り返して行くなかで、段々と、キツク、甲高くなってきて〜 やめて〜っ と叫びたくなるほど、頭のなかで、キンコンカンコン状態になっていく。まあ、この点は、テンションマックス、執拗に繰り返すなかで、狂気を孕むところが、面白いって言えば面白いかも。
ワイセンベルク 1979年
Alexis Weissenberg



録音状態は良い。力強いが、とても繊細で細やかなフレーズがたっぷり。
カップリング:
1〜3 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
4 前奏曲嬰ハ短調 作品3−2(1979年)
前奏曲 嬰ハ短調(作品3-2)

ラフマニノフが作曲した前奏曲と題するピアノ独奏曲があり、幻想的小品集(作品3)、10の前奏曲(作品23)、13の前奏曲(作品32)が有名でしょうか。
特に、10の13の〜というのは、10+13=24 で24の長短各調の前奏曲です。
このなかで、1892年「幻想的小品集」(作品3)という、5曲からなるピアノ独奏曲集のうち、第2曲の前奏曲嬰ハ短調が、とびっきり有名な楽曲となっています。

ここでご紹介するのは、そのとびっきり有名な曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
「幻想的小品集」作品3として、1892年に発表され、モスクワのクレムリンの鐘の音に着想を得て作曲されたといわれています。
「前奏曲 嬰ハ短調」(作品3-2)は、ラフマニノフの最も有名なピアノ曲の一つで、全部で62小節しかなく、典型的な三部形式です。
楽曲は、3つの部分とコーダとから構成されており、ショパンの幻想即興曲の開始にも似た、フォルティッシモによる3つの開始和音によって、作品の主調である憂鬱な嬰ハ短調が導き出されます。
この導入部のカデンツ的なモチーフは、終始一貫して反復され、第3小節で、音量はピアニッシモに転じ、主題が呈示されるもの。
「アジタート」と指示された、突き進むような中間部は、きわめて半音階的な三連符に始まり、和音による三連符の絡み合いを情熱的に築き上げ、その頂点で、主要主題の再現に落ち着きます。
4段譜による記譜法が採られており、特定の音符にはスフォルツァンドが添えられている。
曲は、7小節の短いコーダによってひっそりと終わるもの・・・。とのこと。

「しぃ〜 らぁ〜 れぇ〜  れふぁみ(し ら れ) れふぁみ (し ら れ) えらそ どふぁ ふぁ どし・・・」
まあ、この「しられ」というフレーズが、執拗に繰り返されるもので、嫌がうえでも、耳に残るものとなっている。
ワイセンベルク盤では、わずか4分14秒の曲なのだが、かなりインパクトが強い。中間部も嵐のような怒濤の勢いがあるのだが、また、この「しられ どふぁみ」「しられ れふぁみ し ら れ〜」に戻ってくるもの。
力強い打音ではあるが、太い音で、ごわ〜ん と、響くものではない。  

まあ、しかし、ウィキには、重厚な主題のテクスチュアとして、4段譜が掲載されているのだが、アハハ〜
すごい量のオタマジャクシが縦列に並んでおり、いったい一度に何音を鳴らせばいいのやら。
数えると、えっ 一度に8つの音を弾くの?
分厚い和音の構造となっている。大きな手を持っていれば鍵盤に届くかもしれないが、ちょっと、信じられない数だ。
実際のピアノの音以上に、この楽譜に、とっても驚かされる。 
2台のピアノのための組曲
1982年 第2番(作品17) アルゲリッチ フレイレ Ph ★★★★
1991年 第1番(作品5) アルゲリッチ ラビノヴィチ TELDEC ★★★★
前奏曲 嬰ハ短調(作品3-2) 
1979年 ワイセンベルク   EMI ★★★
所有盤を整理中です。

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