「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

138806111333061716550613

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
Ravel: Pavane pour une infante defunte


モニク・アース 1968年
Monique Haas

あれ〜変だよ。

録音状態はまずまず。60年代後半なので、ちょっと古めかしいのは仕方ないが、あまりにもテンポが遅くて、唖然とする。
ラヴェル ピアノ作品全集 モニク・アース 2枚組BOXより
「らぁ〜 しそふぁ み〜ふぁそ そふぁふぁ どぉ〜 れしら そ〜らし ど らそふぁ・・・」
出だしのフレーズが、棒立ち状態で、左手のブンチャ ブンチャが気になってしまう。
あのぉ〜 小学校のオルガンを弾いている、新人の先生じゃーあるまいし。どぉ〜なってるん?
テンポが遅すぎ、のろすぎて、フレーズが、ぶつ切り状態になってしまって、ふわ〜っとした雰囲気は出てないし、音は硬いし、音の強弱がつきすぎてキツイ。
音が横に滑るようなパヴァーヌではなく、最後まで、ギクシャクしており、操り人形みたいになっている。
これは、どひゃん!
サンソン・フランソワ 1966年〜67年
Samson Francois

ふむふむ。

カップリングは下記のとおり。ワタシが所有しているのは2枚組。
録音状態は、まずまず。伝説的なピアニストとして有名だし、洒脱のきいた、オシャレな感じがする。
カップリングは下記のとおり。

1966年〜67年の録音なので、ちょっと古いのだが、まずまずの録音状態である。
昔から名盤と言われているので、ラヴェルを聴くとなると、まあ筆頭という盤になるんだろうが〜
亡き王女のパヴァーヌについては、まあ。普通ってところ。
ちょっぴり退廃的で、ジャズっぽく、クラシックの範疇に収まらない演奏で、お酒も女も、タバコも大好き。どーも型に、はまったというよりは、型破りっぽい、破天荒型の方だったらしい。・・・という、伝説的なピアニストだったようである。
もっとも、ワタシ自身は、ご本人の演奏も聴いていないし、LPも持ってなかったし、どっかの本の受け売りの知識である。70年に64歳で亡くなっておられるので、さっぱり、ご縁がなかったのだが、ワタシより年長の方なら、愛聴盤として、聴いておられるのだろう。
今聴いても、楽しげなパラパラとした演奏で、素人には、即興的な演奏だな〜としか、感じないのだけど、素人が聴いても、より自由度が高く、のびやかで〜
気ままに弾いているように聞こえ、なかなかにオツである。ちょいと開放的な気分になれる。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、「フランソワの演奏は他の演奏家とは一線を画す独特なもので、非常に個性的であるため、ピアノを演奏をする人の範とはなり難い。それでも、フランソワの演奏は文化的価値の高いものであるため、没後も何度も版を重ねてCDが発売されている。」と書いてあった。
文化的価値ウンヌンまでは、よく解らないのだけど〜

穏やかな「亡き王女のパヴァーヌ」よりは、鏡や感傷的なワルツのような、華やかで、しなやか、飛び跳ねるような躍動感のある曲の方が面白く聴けるのではないだろうか。
こんなことを言っちゃ〜まずいのだろうが、夜、カフェバーなどで、お酒を傾けて聴くには、うってつけ。
演奏の崩し方が、なんとも言えない色香があって〜 ひとことで言うと、洒脱。
他の盤とは、やっぱ、ひと味も、ふた味も違うので、比べようもない別格盤なんだろうな。
まっ パヴァーヌだけでなく、このラヴェルを聴いていていると、ひとりごち〜てしまって。
休み前の夜に聴くと気怠い雰囲気が、自室に漂ってきてしまって、ついお酒が飲みたくなってしまう。

ラヴェル ピアノ曲全集 サンソン・フランソワ
1 亡き王女のためのパヴァーヌ
2 高雅にして感傷的なワルツ 8曲
3 前奏曲
4 水の戯れ
5 ハイドンの名によるメヌエット
6 鏡 5曲
7 シャブリエ風に
8 ボロディン風に
9 夜のガスパール 3曲
10 ソナチネ
11 クープランの墓 6曲
12 古風なメヌエット
ジャン=フィリップ・コラール 1978年
Jean-Philippe Collard

う〜ん。どうだろ

録音状態はまずまず。ちょっぴり甲高く聞こえる。ちょっぴり、ギクシャクした感じがして〜 馴染めない。

← ラヴェルのピアノ独奏曲全集2枚組BOX  全集のカップリングは下記のとおり。


「ら〜 しそふぁ み〜ふぁそ そふぁふぁ〜」
「ど〜 れしら そ〜らし どらそふぁ〜 そら  しそふぁ そ〜 らそふぁそ〜」
コラールさんのピアノは、左手のテンポと粒が揃っていないような気がするんだけど、気のせいかなあ。
微妙なバランスで保たれているような感覚がある。というか・・・ どことなく、ギクシャク感がある。
なんか、フレーズのつかみが違うような、他の盤でも、ちょっぴり感じるのだが、コラール盤は、フレーズのなかで、変に間合いがあって、ふっと抜けるところがある。
テンポが、変わるような、変わらないような〜 
でも、何度か繰り返して聴いても、やっぱり、ふっと抜けるところがあって。うん?
呼吸が合わないというか。えっ ここで間があくの? なんか、よくわからない変な感じがする。

で、ピアノの音質が、ちょっと硬めで、ペダルをあまり使っておられないのか、残響というのが残らない。
録音の関係なのかもしれないけど、空気が乾いているというか、即物的な感じがする。
「そら〜 そらし み〜れ み〜ふぁ みふぁそ ど〜しそ〜」
「しど〜しどれ そ〜ふぁ〜 みふぁそ ふぁ〜み」
でも、すら〜っとした長い指を想像しちゃうぐらい、線の細い演奏というか繊細さがある。
左手が難しそうだなあ。と思いながら聴いていたのだが、コラールさんの上下する左手の音が、上に引きずられて、ちょっぴり、あがってくるような感じがするので面白い。
四角四面に弾いてしまうと、面白くないような気もするし、揺れる気配があって、(楽曲そのものが、そんな仕掛けがあるのだと思う。)
さほど、個性的な演奏ではないけど、最後は、大きな煌めきを放って終わる。
「ど み ふぁ〜 そ し〜らしど〜  ふぁ み らら〜」
この最後の短い小節で、おおっ。と驚くほどの光が放出されちゃっているのだ。
ここだけ強烈な余韻を残す。う〜ん。ちょっと異様な感じがしちゃうんだけどなあ・・・。
優美でもないし、ちょっと〜 馴染めない。

ジャン=フィリップ・コラール ラヴェル ピアノ独奏曲全集
1 グロテスクなセレナード
2 古風なメヌエット
3 亡き王女のためのパヴァーヌ
4 水の戯れ
5 ソナチネ
6 鏡 5曲
7 夜のガスパール 3曲
8 ハイドンの名によるメヌエット
9 高雅にして感傷的なワルツ 8曲
10 前奏曲
11 ボロディン風に
12 シャブリエ風に
13 クープランの墓 7曲
ルイ・ロルティ 1988年
Louis Lortie

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良く、残響もほどよくあり。
まろやかで、海を見ているかのような、大きな器を感じさせる。
カップリングは下記のとおり。


ロルティさんの演奏は、まずピアノの音が、とても柔らかい。ソフトタッチというか、繊細なのが、まろやかに良く響いている。少しくぐもった声の低めのトーンが 、ほんと心地良い。
和音としての響きが、すごーく残響として残るので、左手の和音の音が、右手のフレーズに溶け合ってくるのが嬉しいし、まろやかな粒が揃って出てくる。
特に左手の下の音の響きが、力強く響いてくるし、ピアノというより、低弦の楽器のような音質だ。
右手の音が、キンキンしていないので、ふぁわ〜と、宙に浮くし、不協和音的な響きもあるのに、耳障りならない。 フレーズのつかみも大きく、ゆったりと奏でられているし、豊穣感がある。
「そ〜ら〜 そらし み〜れ〜 (ふぁどふぁ) み〜ふぁ〜みふぁそ ど〜しそ〜」
左手の音も自然な感じで、和音が入ってくるし、フレーズの最後には、大きくタメをつくって、強めに終わりを告げ、続いて次の主題が始まる。砕けた和音も綺麗だし〜 う〜ん。美しいっ。
ちょっと強めに叩かれている右手の音も、左手の和音に乗って、柔らかいんだよなあ。
旋律も美しいけれど、たっぷり〜とした時空間のなかで、和音の響きが豊かに鳴っている。
う〜ん。大きいっ。この和音が、まるで穏やかな海を見ているかのような、広がりと深さを持っている。
中間部のパラパラした音も、綺麗だ。
くすんでいるけれど、くすみきらず〜 かといって、煌めいてばかりでもなく〜
穏やかな中間色で、彩度もさほど高くなく、頃合いだ。
気怠いわけでもなく、快活でもなく、落差の大きいメリハリのつけない方が、ワタシ的には嬉しい。
最後の小節は、 複雑なばらけ具合というか、不思議な和音が聞ける。聴いているうちに気づいたのだけど、この最後の最後が、ピアニストのみなさんの個性が、めだって出ているように思う。

ラヴェル:ピアノ独奏曲全集 ルイ・ロルティ 2枚組
1 亡き王女のパヴァーヌ
2 クープランの墓7曲
3 グロテスクなセレナード
4 水の戯れ
5 高雅で感傷的なワルツ 8曲
6 ラ・ヴァルス
7 夜のガスパール 3曲
8 古風なメヌエット
9 ハイドンの名によるメヌエット
10 ボロディン風に
11 シャブリエ風に
12 前奏曲
13 鏡 5曲
14 ソナチネ 3曲
アンヌ・ケフェレック 1990年
Henri Queffélec

ばっちグー!

録音状態は良い。ちょっぴり、ひんやり感が漂い、マイナスイオンが発生しているかのよう。
カップリングは下記のとおり。
所有しているのは2枚組(1990年、1992年)他に、単発で発売されている。
「ら〜 しそふぁ み〜ふぁそ そふぁふぁ〜」
「ど〜 れしら そ〜らし どらそふぁ〜そら しそふぁそ〜 らふぁみふぁ〜」
テンポを崩さず、几帳面に右手の旋律が奏でられる。
テンポは速いようで、実は遅い。7分4秒というクレジットになっている。ちなみに、ロルティ盤で6分22秒 コラール盤で6分19秒だ。
左手の入り方が優しく、テンポを落とすところも、几帳面さが出ていて、とっても安定感がある。
ギクシャクした感じを受ける盤もあるんだけど、ケフェレック盤は感じないし、私的には、左手のぱらっとタメを置いて入ってくるところが、むしろ好きだ。

「そら〜 そらし み〜れ み〜ふぁ みふぁそ ど〜しそ〜」
「しど〜 しどれ そ〜ふぁ〜 みふぁそ ふぁ〜み」
繊細さ、気怠さ、優美さ なーんて装飾された言葉が、あまり必要ではないのかもしれない。
情感が籠もってないわけではないし、無口で無愛想ってワケでもないのだ。響きがまろやかでもないし、乾いているわけでもなく、淡々と弾かれている。
冷たくもなく、暖かくもなく、でも、すーっと風通しのよい、涼しげな空気感がある。
このパヴァーヌだからこそ、余計そう感じるのかもしれないけれど、硬めでクールなんだけど、柔らかさもあって、独特の雰囲気がある。
1音 伸ばして〜 呼吸を整えて、主題冒頭のフレーズを始めているし、左手のタメ感が良い。
テンポは、中間部が遅め。でも、あまり遅いとは感じないし、右手と左手のバランス感覚が均質というか、とても聞きやすい。緊張感もあるし、なにより涼しげな空気感が楽しい。
ちょっぴり、ひんやりした水の流れを感じるなあ。マイナスイオン発生中という感じだ。
で、最後のフレーズ
「ど み ふぁ〜 どおぉ (し)みぃ〜み〜 ふぁみ らみぃ〜」
う〜ん。この最後の短い小節は、個性が出てるなあ。各盤、それぞれ違ってて、ここだけ聞き比べてみても面白いと思うんだけど・・・ しかし、なかなか、文字では表せませんねぇ〜っ。困っちゃった。ゴメンナサイ。

1 クープランの墓 6曲
2 亡き王女のためのパヴァーヌ
3 古風なメヌエット
4 鏡 5曲
5 水の戯れ
6 ソナチネ 3曲
7 前奏曲
8 グロテスクなセレナード
9 高雅にして感傷的なワルツ 8曲
10 ハイドンの名によるメヌエット
11 シャブリエ風に
12 ボロディン風に
13 夜のガスパール 3曲
1966年〜67年 サンソン・フランソワ EMI ★★★★
1978年 ジャン=フィリップ・コラール EMI ★★★
1988年 ルイ・ロルティ Chandos ★★★★
1990年 アンヌ・ケフェレック Virgin ★★★

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved