「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラヴェル グロテスクなセレナード、古風なメヌエット
Ravel : Sérénade grotesque


グロテスクなセレナード(仏:Sérénade grotesque )は、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、モーリス・ラヴェルの習作を除いて現存する最初のピアノ曲である。1893年頃の作品と考えられている。
ってことは、ラヴェルさんは1875年生まれなので、18歳頃の作品である。

1898年3月の国民音楽協会第266回演奏会において、作曲家として公式デビューを果たしたとあるので、デビュー前の作品ということになる。まだ、パリ音楽院に在学中の作品ってことになるのだろうか。
原題は「セレナード」だが、作曲者がインタビューの中で同曲に言及した際に、「グロテスクな」と形容したことにより、出版に際してこの表題が付けられたとのこと。

生前には出版されず、第二次世界大戦後の1975年に出版された。まだ、ラヴェル独特の作風は薄く、エマニュエル・シャブリエの影響を受けたとラヴェルは語っている。
Trés rude(きわめて粗く)、4分の2拍子。
冒頭の"pizzicatissimo"で始まり、スペイン風のリズムや掻きならされる和音、平行移動など、終始一貫してギター風の曲調で貫かれるという点において、道化師の朝の歌の原型と見ることができる。 曲全体が全音音階で溢れていて、各フレーズが絶えずブリッジにより中断されるなどの座りの悪さが、「グロテスク」と呼ばれる所以だと思われる。・・・とあった。 

ジャン=フィリップ・コラール 1976〜80年
Jean-Philippe Collard



録音状態は、70年後半のモノなので、飛びっきり良いとは言えないけれど、良い方だと思う。独奏曲の全集なので、その価値は高いと思うし、演奏も曲想により変わるので単純には言えないが〜暖かみのあるタッチの強さに、明瞭さが感じられる。
カップリング:ラヴェル ピアノソロ曲の全集 2枚組より。
グロテスクなセレナード

「ふぁっふぁみ ふぁっれ ふぁふぁみらっ  ら〜 そぉらみふぁ〜」
「ふぁっふぁみ ふぁっれ ふぁふぁみらっ  ら〜 そぉらみふぁ〜」
「っそふぁ っそふぁっ そふぁ そふぁ  らっ ふぁっ どぉ〜」

ラヴェルが書いた最初のピアノ曲だと言われているグロテスクなセレナード(セレナーデ)。
和音という概念が、とっぱられているというか、次の音が、予期できない、予測不可能なんですねえ。
気持ちの良い和音というのは、どうも、カラダに染みついたモノになっているんですけど、それが、この曲では、関係なく〜 存在するというか。違和感があるというか ・・・。
気持ちの悪い和音(←いや、和音じゃないなあ。) 音の連なりになっているのだ。

グロテスクというタイトルが、う〜ん。どうもなあ。グロテスクというより、気持ちが良くない。っていう意味なら解る。
 (まあ。グロテスクという言葉は、後で付け足されたらしいんだけど〜)
現代人は聴くには、まあ、風変わりな曲ねえ。ってことになるんだろうけど、それにしても、変な音が一緒に鳴ってるな〜
どっか、気持ち悪い、座りの悪い曲だな〜という 感じで。
やっぱ〜音の繋がりが変ですよねえ。
一緒に鳴っている音は、何ですか? ワカランですねえ。ってことになるかしらん。
また、調という概念も、う〜 あまりあるようにはきこえない。

コラールさんのピアノで聴くと、ワタシ的には、グロテスクと言うよりは、シュールな〜と言う感じがする。 シュールと言っても、絵画的には、サルバドール・ダリのように、1つ1つのオブジェは具象。つまり、何が描かれているかは認識できるものの、オブジェの組み合わせが突飛で、現実の世界では、こりゃ〜ありえないよねえ。という、びっくりシュールなんだけど。

暗号のように、それだけでは意味を成さない音が、何かの法則で繋がっているというワケでもないだろうけど〜 記号が、特定の音に合致しているワケではないだろうし。 抽象画のように、何言っているのか、ワカラン。意味不明というシュールでもないだろうけどねえ。 それに、超現実的ってワケではないんでしょうけど・・・。
居心地の悪い音が、飛んでる。という。えっ この音と、一緒になるかぁ〜という音の組み合わせが、シュールと感じるのかな。 ワタシ的には、はあ〜? お隣さんのキーと一緒に叩いて、和音になるかね? てな感じ。
まっ そう言う意味では、ダリの絵画とよく似た組み合わせかもしれない。

空飛ぶ象 燃えるキリン 歪んだ時計に蟻が群がる・・・ こんな組み合わせ、ありえないぞぉー。
砂漠で、時計は、ワタシの脳みそのように、溶解しちゃって、木の枝にて垂れ下がる。
(そんな、わけないか・・・といいつつ、絵画鑑賞は、結構楽しんでいるが。)
途中、えっ もしかして〜?  「亡き王女のパヴァーヌ」のパクリじゃん。 
と言いたくなる雰囲気のフレーズが、明らかに入ってくる。(パクリって、ワケないんだが・・・。)
「どしら し〜 ふぁみれ み〜」

まっ とにかく、3分半ぐらいの曲だし、ハイ ラヴェルの初期のピアノ曲ということで、後に繋がる作品の根源って感じで、その元祖捜しをしてみるのも面白いかも。 亡き王女のパヴァーヌの旋律らしきモノが、断片的とはいえ、既に出来ているというのは、面白いし。
最後、「ふぁっふぁみ ふぁっふぁみ」 ・・・と、冒頭のフレーズが 再帰するが、よくわからん細かい音が飛んで、ぱっぱら ぱっぱら ぱっぱっ〜 全編が、音の組み合わせ遊び的なのだが、中間部は、フレーズと 言えば言えるような短い断片フレーズがあり、それが、亡き王女風なのだ。
習作だろうけど、ラヴェルの音遊びは、やっぱ風変わりだけど、好奇心が湧く。ついつい引きこまれる戯けた可愛さ、煌めきがあり、パレットの色がやっぱり多彩で〜 う〜ん。面白いですね。

ラヴェルのこの曲は、グロテスクというより、シュールだな〜って感じたのだが、それは、コラールさんのピアノだから、そう感じるのかも。何度か聴いているウチに、なんだか座りの悪いシュールさ から、馴染みのあるモノに変わるのは、う〜ん。どうしてなのでしょうか。この演奏が、人なつっこさを感じさせるからでしょうか。
ジャン=イヴ・ティボーデ 1991年
Jean-Yves Thibaudet

ほぉ〜良いヤン


録音状態は良い。柔らかいが、まろやかで〜 細かい伴奏型の音が、弦を掻き鳴らすかのように聞こえる。

←ラヴェル ピアノ作品全集 ジャン=イヴ・ティボーデ 2枚組BOX
グロテスクなセレナード

ラヴェル ピアノ作品全集 ジャン=イヴ・ティボーデ 2枚組BOX
CD1
1 グロテスクなセレナード
2 古風なメヌエット
3 亡き王女のためのパヴァーヌ
4 水の戯れ
5〜7 ソナチネ
8〜12 鏡
CD2
1〜3 夜のガスパール
4 ハイドンの名によるメヌエット
5〜12 優雅で感傷的なワルツ
13 前奏曲
14 ボロディン風に
15 シャブリエ風に
16〜22 クープランの墓

「そっそふぁ そっそれ そそふぁそっ そっそふぁ そっそれ そそふぁそっ・・・」って感じで、弦を掻き鳴らす感じで演奏される。
それと、ん〜チャチャ ん〜チャチャ・・・という語尾が面白い。
跳ねているかと思ったら、ん チャッチャチャ〜というリズムや、バラバラ〜という音が聞こえる。
まるで、蝶番が外れたみたいに、ギクシャクしているところが面白い。

楽譜をみたら、冒頭は、6つの音が一度に鳴っている。ひっ。そうだったのぉ〜
これからは、少しぐらい楽譜を見て喋らないとマズイかもしれない。
右手が弾み、左手がバラバラバラ〜っと音を揺らす。
で、道化師の朝の歌の原型が見られるというのだけど、亡き王女のパヴァーヌのフレーズが流れているように思っちゃうんだが、こりゃ、ワタシの間違いなのかあ。
「らっそっ らそらそ そっそみ そっみ そそふぁそっ・・・」という右手のフレーズより、ん〜うぱうぱうぱぁ〜っと響く左手の伴奏の揺れ具合が、気になる楽曲だなあと思う。
ティボーデさんのピアノは、音質的には柔らかいけれど、弦の揺れが心地よく感じられる。
また、幾重にも重なった和音の響きが、穏やかだ。
ヤン・パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1989年
Yan Pascal Tortelier  Ulster Orchestra

ほぉ〜良いヤン


録音状態は良い。明るくて、伸びやか。
← ラヴェル管弦楽全集CD4枚組BOX(1988年〜92年)
古風なメヌエット 管弦楽曲版

ラヴェルの古風なメヌエットは、ラヴェルの最初のピアノ曲だそうで、1895年20歳頃の作品です。
で、この曲は、元は、ピアノ曲なのですが、1930年、オーケストラ版としてラムルー管弦楽団によって初演されています。
って、作曲してから、35年も経って50代半ばでオケに編曲しているわけです。
ふ〜む、若い頃の作品を取り出しての編曲なので、愛着があったのかもしれません。

ワタシ的には、ピアノより、管弦楽曲の方が馴染みがあるのですが〜
「そぉ〜れ そぉ〜れ しぃ〜ら そふぁそら しどれっ れぇ〜し そみ み〜ふぁ そらどら ふぁどれ〜」 
ちょっと、調子外れの金管のフレーズが特徴ある出だしだ。

明るくて色彩的で、「れどれみ ふぁみふぁそ ららそら しどれみ ふぁみふぁそ らっ らぁそぉ〜らぁ〜」 
「れっれ れ〜どぉ〜れぇ〜」 ドンドンっと入ってくる、ティンパニーのフレーズがとても楽しい。
古風なメヌエットというタイトルだが、そぉ〜れ そぉ〜れっ と勢いがある。
解説を見てみると、旋律に短2度をぶつけおり、斬新な書法だと書いてあった。
ふむ、確かになあ、調子外れの感じがする点も面白い、わざと、ぷわぁ〜っと吹かれているように感じる金管が、とってもキラっとしているのだ。
また、弦はなだらかに演奏されているが、ちゃっちゃ〜っと、ノビノビしてて、シンコペーションの拍感覚の方も、ちょっぴり面白い楽曲だ。
それに反して、中間部分は、ちょっと暗めで、もごっとした、何を言っているのか、わからない〜っ。
古いオルガンのような、壊れてるン? というような木管が、小声で、ヒソヒソと吹かれている。
もう少し、この中間部分が、明朗に語られていると嬉しいんだけどなあ。と、勝手に思ってしまった。

管弦楽版だと、
フルート2、ピッコロ、オーボエ2、コールアングレ、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、
トランペット3、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、ハープ、弦五部と、すごい大きな編成なのだ。
でも〜 この中間部分のニュアンスが、嬰ヘ短調から嬰ヘ長調に変わっているというのだが、う〜ん。ちょっと、わかりづらかったように思う。
グロテスクなセレナード
1972年〜94年 ジャン=フィリップ・コラール EMI ★★★★
1991年 ジャン=イヴ・ティボーデ Dec ★★★★★
古風なメヌエット
1988年〜92年 ヤン・パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団  CHANDOS ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved