「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラヴェル ソナチネ ピアノ版
Ravel: Sonatine


モニク・アース 1968年
Monique Haas

まっ こんなモン

録音状態はまずまず。60年代後半なのだが、柔らかさと、翳ったトーンが良い。
ラヴェル ピアノ作品全集 モニク・アース 2枚組BOXより
今日は、ソナチネを聴いた。
「そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らふぁら〜ふぁら  そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らそれ〜」
「れみふぁ れ〜どら そしれ〜  れみふぁ れどれ  どしれ〜」
左手のパランっという音が心地良く、粒が立っているといは言い難いものの、クリーミーな泡が立ってくる感じ。
沈み込む音が自然で、しふぁ ふぁ しふぁ ふぁ しふぁ・・・という場面は、音のくすみ感がある。
高音域の音は、ちょっとへぼい。それに、ところどころ立ち止まったような、音の途切れがあって、テンポは一様ではない。
それ れ それ れ・・・と、柔らかく響いている。

「れられ れそら〜れふぁ どれしどそ〜ら」「しふぁられ ふぁど〜 しどれ らそれ どれら〜しどそら そらふぁ それっそ」
柔らかで軽やかで、色彩的には中庸から渋めに、トーンが落ちていく。
でも、その色彩が放つ雰囲気は、気怠さを醸しだし、ゆったりとした語り口だが、空間を遊ぶ。

アルゲリッチ盤のように、輪郭がシャープでもなく、テンポはゆったり。
受け身的で、一人遊びをしているのが巧いという雰囲気がある。とても、アグレッシブとはいえないが、イマジネーションは自由にどうぞ〜という雰囲気を持っている。柔らかさが持ち味だろうか。テンポがゆったりした楽曲なので、安心して聴いていられる。

パスカル・ロジェ 1973年
Pascal Rogé

   

録音状態は、まずまず。明るいギター曲を聞いているかのような、左手の厚みのある音に安定感を感じるが、2楽章のメヌエットになると、右・左の区別がつかなくなって・・・ 
もわもわ〜とした感覚に陥る。
カップリングは、下記のとおり。
ラヴェルの「ピアノのためのソナチネ」は、可愛い小品である。
「そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らふぁら〜  そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らそれ〜」
「れみふぁ れ〜どら そしれ〜  れみふぁ れどれ  どしれ〜」
「れ〜どら そしれ」「れ〜どら れ〜どら れ〜どら れ〜どら そふぁら〜」

出だしこそ、そろっと、出てくるがそのうち勢いがついて、さらさら〜っと流れるように弾かれる。
左手の響きが、とても暖かみのある柔らかい太めに響く音で、とっても安定感を持っている。
で、ところどころ、まるでギターのように掻き鳴らす場面があって、 録音状態は、まずまずなのだが、やはり、少し響きが、二重写しになっているように、感じられたりするところも・・・
つまり、響きすぎて〜 明瞭さに欠くところや、ダイレクトに直線的に聞こえたりする場面もある。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
モーリス・ラヴェルの「ピアノのためのソナチネ」は、1903年から1905年に作曲されたピアノ曲で、作曲者のお気に入りのポーランド人兄弟、イダ・ゴデブスカとシーパ・ゴデブスキに献呈された。
ラヴェルはこの作品を、今は廃刊されたある雑誌が主催した作曲コンクールのために書き上げた。
入選したのはラヴェルただ1人だった。なお「ソナチネ」という名前は、必ずしも作品の難度ではなく、彼の古典様式への傾斜を映し出しているに過ぎない。

この古典様式というのも気になるが、確かにね〜
ドビュッシーにも6つの古代墓碑(エピグラフ)という楽曲も、ギリシャ神話なのかどうか、はっきりわからないが、古代にタイムスリップしたと言っても、まあイメージ的には、わからないでもない。
ソナチネという形式を借りた風にしながら、どことなく、ふわ〜っと形のない印象派のような雰囲気を持つ楽曲だ。
即興的とも感じられるし、4度の下降パッセージ、鼻に抜けたような音の使い方が、面白い。

2楽章
「れら〜 れそら〜 れふぁ どれしど そ〜ら」
「しふぁ〜ら ふぁど〜」「しどれ らそど しど そみ らしらそみ〜」
まるで、今までに聴いたことのない音のように、いや、音自体はいつも聴いているのだが、この音の並び方は、今までに聴いたことがない〜 とっても不思議なメヌエットが綴られている。
だって、右の音か左の音か。という区別がないのだもん。
いやー 何度聞いても聞き取れないし、混在しているところが魅力なのだろう〜 そう思う。そう思っておこう。

3楽章
1楽章の主題が出てくるのだが、最初は、16音符と3連符が交互にやってくるという、強いタッチで弾かれている。
なんだか、ピアノというより、ギターの掻き鳴らす感じのなかに、主題が挟まってて、挟まって抜けられないような、よくわかんない楽曲だ。聴いているうちに、リズム感がわかんなくなって・・・ う?
でも、ロジェさんの演奏は、明るく平板な感じがするが、堂々としている。
うん、やっぱり明るいギター曲のような雰囲気があるなあ〜 

総体的には、ロジェ盤は、フランス語の独特のフレージングというか、もわもわとした、とらえどころのない旋律が詰まっている。凹凸感のない、溶解した物体のようで、ワタシ的には見方が難しい。
中間色ばかり使われた絵画のようで、アクセントがないというか。好みの問題かもしれない〜

パスカル・ロジェ ラヴェル作品集
1 夜のガスパール
2 高雅にして感傷的なワルツ 8曲
3 水の戯れ
4 鏡 5曲
5 ソナチネ 3曲
6 クープランの墓 7曲
7 前奏曲
8 ハイドンの名によるメヌエット
9 ボロディン風に
10 古風なメヌエットボロディン風に
11 亡き王女のためのパヴァーヌ
12 シャブリエ風に
13 マ・メール・ロワ

マルタ・アルゲリッチ 1974年
Martha Argerich



録音状態は良い。硬質感があり、明瞭な造形美を醸し出す。
色彩感も鮮やかで、晴天のもとでの演奏会を聴いている感じだ。
カップリング:夜のガスパール全3曲、ソナチネ全3曲、高雅で感傷的なワルツ全8曲、水の戯れ
ラヴェルの「ピアノのためのソナチネ」は、可愛い小品だが、アルゲリッチ盤で聴くと、やっぱシャープなのだ。

「そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らふぁら〜ふぁら  そぉれ〜 どれみ〜 ふぁそ らそれ〜」
「れみふぁ れ〜どら そしれ〜  れみふぁ れどれ  どしれ〜」
「れ〜どら そしれ」「れ〜どら れ〜どら れ〜どら れ〜どら そふぁら〜」

中庸で〜と言われているのに、テンポが速めで、ちょっと早口で語り出す。
で、ちょっとエキセントリック気味に、いかにも、ラテン系というノリ感がある。 もわ〜、ぼわ〜っとした、形のない、溶解した世界ではない。いかにも、きっちりラインを引いて、かっちりした、自分自身の造形美があってという世界なのだ。
色彩感も、やっぱり、どこか、はっきりした原色に近い感覚である。
もちろん煌めき度も高く、キラキラとした彩度の高さを誇る。

まあ。ワタシ的には、聞きやすいし、わかりやすい。
ロジェ盤で聴くと、どこで、息継ぎをするんだろ〜 フレーズの区切りはどこなのだろう。手探りで、迷路にはまったような、いつまでも、延々と続くフレーズのなかで迷子になってしまう。
でも、アルゲリッチ盤で聴くと、そこは、くっきり〜 はっきり区切りがついている。
それが、良いのか悪いのかは、なんとも言えない。 好みかもしれないし、癖のようなものか。呼吸の仕方かもしれないし〜 生理的にあうかあわないかの違いかもしれない。
まったく、演奏の質感が異なる。
重量感も違うし、浮遊感も違うし、タッチの硬さも違うし、音の響きの長さに広がりの方向も〜

特に2楽章のメヌエットは、アルゲリッチ盤で聴くと、淡々としたパッセージのなかで、煌めきが見え隠れする。
「れられ れそら〜れふぁ どれしどそ〜ら」「しふぁられ ふぁど〜 しどれ らそれ どれら〜しどそら そらふぁ それっそ」
なんだか淡々と弾かれているのだが、そのなかでのノリ感があって、無機質な感じを与えつつ、いや〜蠢きみたいなモノを感じられて、ちょっとしたアクセントと、間合いのツメがあって。 なにかの幼虫が、わずかに動いているかのような気配すら感じる。えっ メヌエットだったのでは・・・(汗)

3楽章
この楽章は、動きが超快速で〜 さすがにアグレッシブで、スマートな、音のうねり感が凄い。
細かいのと、直線的でありながら、いつの間にか曲線に変わっている、その変身ぶりに愕かされる。
強いタッチだけど、それは一瞬で、いつの間にかするりと形を変えて、空中に舞うように、まるで龍のように踊り、上昇していく。音の粒が、均等、均質でないところが、楽しく、その変化を十分に楽しめる。
毎回聴いてて飽きない。
即興的な演奏だが、その都度、聴いているワタシのなかでのイメージ映像が、毎度毎度、形を変えそうな気がする。
硬質感があり、明瞭な造形美を醸し出しており、色彩感も鮮やか。
まるで、晴天のもとで、アクティブな演奏会を聴いている感じがする。
1968年 モニク・アース ★★★
1973年 パスカル・ロジェ Dec ★★★
1974年 マルタ・アルゲリッチ ★★★★
所有盤を整理中です。

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