「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ヴィドール オルガン交響曲第5番
Charles-Marie Widor: Symphony No.5


デイビッド・サンガー 1976年
David Sanger

録音状態はまずまず。

ウィドールのオルガン交響曲とフランスのアンコール曲集
1〜5 シャルル=マリー・ウィドール オルガン交響曲第5番 ヘ短調 Op.42 No.1
6 オルガン交響曲第8番ロ長調 Op.42 No.4 から 前奏曲(アダージョ)
7 オルガン交響曲第6番ト短調 Op.42 No.2 から アレグロ
録音されたのは、ロンドン クラーケンウェル 聖ピーター・イタリア教会である。
タワーレコードからも、発売されていたこともあり、ワタシが所有しているのは、原盤レーベルsagaのもので輸入盤である。+
レーベルaltoからもでているようだが確かめていない。タワーもalroも、ジョンゲン:ソナタ・エロイカOp.94/ミュレ:汝はペテロなり/ジグー:メヌエット/ボエルマン:トッカータが収録されているようだが、所有盤は、ヴィドールだけ。

ヴィドールは、オルガン独奏曲なのに、オルガン交響曲と銘打ち10曲を作曲している。
9番は「ゴチック」10番は「ローマ風」というサブタイトルがあるらしいが、その中でも最も有名なのは「オルガン交響曲 第5番」だ。この終楽章のトッカータは、欧米では結婚式に使われて親しまれているそうで、ワタシは、ほとんど、このラストだけしか聴いてない。
このサンガー盤も、他盤と同様に強弱の落差が大きい。
で、快速のプレストン盤ほど、テンポはさほど速くないが、そそっそ ふぁふぁっふぁ・・・という旋律のなかにも、細かいフレーズが詰まっていることがよくわかる。録音はアナログ時代のものだと思われ、さすがに縁取りが、カッチリ明瞭に聞こえるとは言えないが、まろやかなで優しいオルガンの音色が聞こえてくる。
ダニエル・ゴルゼンパ 1981年
Daniel Chorzempa

あれ〜変 だよ。 ← 音量の調節が難しすぎて〜

録音状態は良いのだが、弱音部分がきこえづらく、しかたなくボリュームをあげれば、強奏部分が、まるで爆発したかのように鳴る。
我が家の屋根が、ぶっ飛びそうになって・・・ 
カップリング
ヴィドール オルガン交響曲第5番、10番「ロマンティック」
1〜5 交響曲第5番
6〜9 交響曲第10番
ヴィドールのオルガン交響曲第5番といえば、最後の5楽章のトッカータとフーガが有名である。
で、交響曲といいつつも、ホントは、オルガン単独での演奏である。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
シャルル=マリー・ヴィドール (Charles-Marie Jean Albert Widor)は、祖父の代までオルガン建造職人さんだったらしい。ご自身は、超絶技巧のオルガニストで、パリ音楽院の教授をしておられたとのことで、サン・サーンスやフランク、リストとも親交があったらしいし、教え子にはミヨーやデュプレ、ヴァレーズがいるらしい。
・・・今日、定期的に演奏されるのはオルガン作品だけである。特に、10種類のオルガン交響曲が代表的な作品で、その中でも最も有名なのは「オルガン交響曲 第5番」と考えられる。
この曲の終楽章のトッカータは、欧米では結婚式に使われて親しまれている。・・・とのことだった。

5番は、5楽章まであるのだが、冒頭より、ものすごく弱音で、聞こえないぐらいである。
で、ボリュームをあげたら、家がぶっ飛びそうな音になるし〜
ホント、パイプオルガンは、家で聴くものじゃないのだ。教会で聴かないとダメなのだと、つくづく思う。

で、ほとんど、印象が残らないまま5楽章に突入し、ここだけが、軽快で、別の方が作ったかのような存在なのである。
「 そそっそ ふぁふぁっふぁ みみっみ ふぁふぁっふぁ」
「 そそっそ ふぁふぁっふぁ みみっみ ふぁふぁっふぁ れれっれ・・・」

作曲者もびっくりの、超快速で演奏されるのが通常らしい。
遅かったら、きっと、面白くも楽しくもないのかもしれませんね。

で、演奏で使用されているオルガンは、11〜13世紀の現存するロマネスコ様式の教会では、フランス最大の規模を誇るトゥルーズのサン・セルナン教会のオルガンである。
アスラン盤で使用されているオルガンは、 フランスのオルレアンにある、サント=クロワ・ドルレアン大聖堂のオルガンだったが、このコルゼンパ盤も、同じく、アリスティド・カヴァイエ=コル(Aristide Cavaillé-Coll )さんの製造である。
オルガンの音量って、ダイナミックレンジすぎる〜 それに音質は、印象をかなり左右する。
ワタシ自身、サン・サーンスの交響曲第3番しか、実際にお聞きしたことがないし、 なかなか、コンサートホールでも聴く機会は少ない。ここは日本だしねえ〜 チャンスが・・・。
教会では、実際に聴くことはないかもしれませんね。ちょっと残念です。

サイモン・プレストン 1983年、84年
Simon Preston



録音状態は良い。端正で、理知的な演奏である。
カップリング:ヴィエルヌ「ウェストミンスターの鐘」Op.54-6
ヴィドール オルガン交響曲第5番 Vierne: Carillon de Westminster
ヴィエルヌ「ウェストミンスターの鐘」

サイモン・プレストン盤では、ヴィエルヌのウェストミンスターの鐘が、カップリングされているので、まず、それを聴いてみる。
「ウェストミンスターの鐘」は、誰でも聴いたことのあるフレーズだ。そう、学校や会社で、始業・終業時間の合図として使われているチャイムだ。そう 「キンコン カンコン・・・」
音にすると、「どみれそ〜 それみど〜 みどれし〜 しれみど〜」ってことになるだろうか。

たった4つの音が主になって、この楽曲を構成しているのだが、柔らかいソフトな響きになっており、とても心地良い。
このチャイム「キンコンカンコン〜」を聴くと、何故か焦り、あっ遅刻するぅ〜っと駆け出したくなる人もいるだろうが、 オルガンで響くと、ホント安心感がある。
で、なぜ、このフレーズが、日本のあちらこちらの学校のチャイムとして使われだしたのか、それはワカラナイ。
あちこちのサイトを放浪してみたが、確たる説はないようだ。

あっ そうそう、ウェストミンスターの鐘とは、ご存知のとおり、ロンドンの国会議事堂の鐘 通称ビック・ベンの鐘のことである。 ウェストミンスターの鐘は、元々は、ヴィエルヌ(Louis Victor Jules Vierne)の「24Pieces de Fantaisie」(24の幻想曲・24の幻想的小作品)という楽曲に含まれているらしい。
あまりCDに収録されていないのか、オルガン作品集のなかに埋もれているのかもしれないが、単独で見つけることは、難しいかも。 プレストン盤では、わずか7分弱の作品となって収録されている。
ヴィドールのオルガン交響曲第5番のオマケとして収録されているのだが、とっても嬉しいオマケだった。

いずれにせよ、ヴィエルヌさんの楽曲のなかでは、変奏曲風にアレンジされており、執拗なぐらいに繰り返されている。
プレストンさんのオルガンは、始業の合図、キンコンカンコン〜ではなく、心地良い楽曲に仕上がっているのでご安心を。
ほっとする響きで、とても良い曲だった。

ヴィドール オルガン交響曲第5番

プレストン盤では、有名な第5楽章のトッカータは、ちょっと速め。いや〜相当に速いかも。
刻みがきっちりしてて、まるでメトロノーム的。音色はすっきりしており、明解、はっきり。くっきり 輪郭の描き方が、お見事っという感じである。 迷いもなく、すき〜っと 端正である。残響は少なめ。理知的すぎるほど理知的。
無駄な動きがないというか。 で、このトッカータの速度は、速くあるべきなのか、遅めで良いのか、ちょっとわからないが、時代に応じてテンポアップされている方が良いのかもしれない。

ピエール=イーヴ・アスラン 1985年
Jean-Pierre Asselin



録音状態は、教会での残響多めで多少籠もった感じがする。
聞き疲れはしない。最初はふわふわ〜 最後は相当に大きな音で驚かされる。
カップリング:
ムソルグスキー「展覧会の絵」より バーバ・ヤーガの小屋、キエフの大門
アスラン盤は、フランスのオルレアンにある「サント=クロワ・ドルレアン大聖堂」のオルガンを使用している。
(オルレアン聖十字架大聖堂 Cathedrale Sainte-Croix d'Orleans)
この教会のオルガンは、カヴァイエ=コル(Cavaille=Coll)という方が、1880年に製造したオルガンだそうである。
オルガンの製作歴史は、勉強不足で、さっぱり知らないのだが、かなり有名なモノらしい。
で、このオルガンを使って演奏しているのが、このCDの売りのようだ。

だが、録音状態は、悲しいかなイマイチで、かなり籠もっている。
アチコチに跳ね返ってきた音が収録されているので、生で聴いている雰囲気が出ているが、音が、どこへ飛んでいくのか、ちょっと、わかりかねる。どうも宙に浮いている雰囲気がして、軽い酔いを感じる。
隣の部屋で演奏されているような感じもするので、正直とまどってしまったのだが、 まあ。オルガンを収録するのは、とても難しいのかも。
楽曲の冒頭は、弱音部分も多いので、多少ボリュームをあげた方が良いかもしれない。

1楽章は、フワフワ感が漂い、まどろみのなかで聴いているようだ。
主旋律が太く演奏され、なかなかに荘厳さが感じられる。ちょっぴり派手でゴツイのだが、まろやかな響きと、残響が多いためか聞き疲れしない。

有名な5楽章のトッカータは、はじめ甲高い音が続くのだが、思った以上に柔らかい。
そそっそ ふぁふぁっふぁ みみっみ ふぁふぁっふぁ
そそっそ ふぁふぁっふぁ みみっみ ふぁふぁっふぁ れれっれ
どどっど ししっし・・・ 
結局、「そふぁみふぁ そふぁみふぁ れ〜 れ〜どしど そ〜」という音が続いていく超シンプルさ。
そこに装飾音が可愛く、軽くスキップしているような跳ねた感じを与えている。
これが、愛好されている所以だと思うが・・・。 

プレストン盤のような、堅牢でカッチリとした音づくりではなく、このアスラン盤は、即興性が高いというか、カラフルに彩られて、柔らかく〜 音が、イッパイ宙に撒かれているような感じだ。

で、楽曲の最後にかかると、相当な重低音が鳴ってくる。
「れそぉ〜 どそぉ〜 どそぉ〜」→ いかにも、進軍ラッパ風に鳴ってくるし、すごい。あまりに凄くて、驚き。
「そ〜ふぁみふぁ そ〜ふぁみふぁ れ〜」
「れどしどそ そそ そふぁみれ〜 ししらそふぁ〜」

ごっつ〜 ぶっとぉ〜 ごぉ〜ん 相当に粘りがあって、どよぉ〜ん。こんな重低音の楽曲なのか・・・。相当に唸っている。
梵鐘のような大きな重厚な音で驚かされる。鳴り方は、ごぉ〜んって響くタイプである。
そのために、右手の主旋律というか、主となる軽やかなリズムが、帳消しになってしまう嫌いがあって、なんで〜こんなに重い低い音を混じって演奏するのか、よくわからない〜 バランスがなあ。 ぐわ〜っしっ! 重い音である。 

当初は、さすがに、おフランス風となると、堅牢さよりも、軽やか優先するな〜と思っていたのだが、最後は、重厚さで圧倒されてしまった。
超シンプルな楽曲で、パパンパ パパンパ パパンパ・・・というリズムを繰り返すだけだからこそ、きっちりして欲しい感じがするが、アスラン盤は、ちょっぴり、くだけた感じのする演奏になっている。
テンポは、ゆったりめ。メトロノームが鳴っているような堅牢な刻みではなく、自由度が高い。

残響が多めで、多少、音が濁りそうになっている。 汚くは濁っていないのだが、これは好みによって、わかれるかも。
ちゃんと強弱をつけて、残る部分を計算して、ゆっくりと演奏しているようにも思える。
オルガンの特性があると思うし〜 楽曲の冒頭に、あれほど軽やかで、フワフワ感があったのが、最後は、ど迫力である。
よく鳴るオルガンで、力で押し込まれて圧倒される。 う〜ん。ここまで重低音を鳴らさないとダメなんでしょうか。

プレストン盤は、かなり理知的で、酒を飲んでも崩れないタイプって感じの演奏なのだが、このアスラン盤は、ふふっ〜 どうも酔っぱらい風で、豪傑で、おしゃべりタイプっていうイメージだ。 即興性が高いと言えば良いのだろうか。
録音された年代は近いのに、2つ聞き比べると、この性格の違いは歴然としている。

カップリングされているムソルグスキー「展覧会の絵」より バーバ・ヤーガの小屋、キエフの大門については、う〜ん。こりゃ唸る。オルガンで弾いてしまうところが、果敢な挑戦というか。ちょっと無謀というか。 むはは〜っと笑えてしまうような、笑えないような。
オルガンの響きが重厚で残響が多いことから、速いパッセージは収録するのが難しいだろうが、不気味さはタップリある。
さすがにパイプオルガンなので、鶏の足、骸骨で創られた塀の小屋が、走っているというよりは、 巨大な象が、地響きを立てて移動しているって感じがする。
キエフの大門は、ホント、すごく大きな音です。それしか言えないですね。
これをオルガンで弾くとは〜 かなりマニアックという気がします。

1976年 デイビッド・サンガー saga ★★★
1981年 コルゼンパ Ph ★★★★
1984年 サイモン・プレストン ★★★★★
1985年 ピエール=イーヴ・アスラン De ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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