「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ブルックナー テ・デウム
Bruckner:
Te deum


ブルックナーのテ・デウムは、1883年から84年にかけて作曲されたものです。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
テ・デウム(Te Deum)は、キリスト教のカトリック教会・ルーテル教会・正教会の聖歌の1つ。
テクストの冒頭の一文 Te deum laudamus (われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれます。

ブルックナーは、「全ては主の最大の誉れのために」作曲したとのことで、力強く荘厳な響きを持つ曲で、後期ロマン派の作曲家が書いた宗教曲の最高峰とも言われています。ワーグナーの死、および交響曲第7番の完成直後の作品で、途中の和声進行が、第7交響曲のアダージョに非常に似ていており、様式的には、典型的なこの時代の作曲者の作品です。
レオポルト・ノヴァークによると、1881年に、曲のスケッチを行っており、そのスケッチも残されているとのことですが、未完に終わっています。これは、交響曲第6番の作曲時期にあたります。初版は、85年に出版されており、フランツ・シャルクによる校訂が加わっています。ノヴァークによる原典版は、1962年に出版されており、このスコアには「テ・デウム 1884年版」と記されているそうです。
独唱:ソプラノ、アルト、テノール、バス 混声合唱
オーケストラ:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、オルガン、弦五部という編成で、約24分の楽曲です。

第1曲
「神なる御身を我らはたたえ」(Te Deum laudamus)の歌詞ではじまり、アレグロ・モデラートの速度で、ドイツ語で「力を持って荘厳に」と指定されています。全曲を支配する基本音型が提示された後、合唱が力強く歌うもの。
第2曲 「御身に願いまつります」(Te ergo quaesumus)の歌詞ではじまり、ヘ短調の静かな曲です。
第3曲 「御身の民を救いたまえ」(Salvum fac populum tuum)の歌詞ではじまり、第1曲と同様な指示がなされていますが、ニ短調で、和声法もいくらか大胆で、無伴奏のコラールによって結ばれるもの。
第4曲 第2曲に良く似た雰囲気ではじまりますが、途中から合唱も加わって力を増してゆく。
終曲  4人の独唱者の重唱から、交響曲第7番第2楽章の旋律に基づいたフーガへと発展してゆくもので、最後は第1曲との関連を見せており、勝利の凱歌となって力強く曲を締めくくるものです。

  オイゲン・ヨッフム ベルリンフィル 1965年
Eugen Jochum  Berliner Philharmoniker (Berlin Philharmonic Orchestra)

もえてるぅ〜

録音状態は、まずまず。高音域の音が硬くて、少し聞きづらい。
昔から、定番中の定番って感じのヨッフムさんの演奏であるが、いささか、強く、甲高い絶叫的な歌声で、神の逆鱗に触れたかのようで、ワタシは、ぎゃーっ!
恐れおののき、ひれ伏してしまった。
カップリング:
1〜5 ブルックナー テ・デウム
6  モテット集 昇階誦「この所を作り給うたのは神である」
7  モテット集 「アヴェ・マリア」
8  モテット集 アンティフォナ「マリアよ、あなたはことごとく美しく」
9  モテット集 アレルヤ誦「イサイの杖は芽を出し」
10 モテット集 昇階誦「これこそ大祭司である」
11 モテット集 奉献誦「乙女たちは王の前に招き入れられる」
12 モテット集 賛歌「パンジェ・リングワ」
13 モテット集 昇階誦「正しい者の口は」
14 モテット集 賛歌「王の御旗は翻る」
15 モテット集 昇階誦「キリストはおのれを低くして」
16 詩篇 第150篇

ソプラノ:マリア・シュターダー Maria Stader
アルト:ジークリンデ・ヴァーグナー Sieglinde Wagner
テノール:エルンスト・ヘフリガー Ernst Haefliger
バス:ペーター・ラッガー Peter Lagger
オルガン:ヴォルフガング・マイヤー Wolfgang Meyer
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団

冒頭、ガツンっと一発、「れらられ れらられ れらられ・・・」という、圧倒的な勢いで、ドスンという音と共に、オルガンのギーンっとした音が放出されて出てくる。
昔から、定番中の定番って感じでご紹介されていたヨッフム盤だが、改めて聴くと、速めのテンポで、カッチリした雰囲気を持っている。 オルガンの音は強く入ってて、ブルックナーの強い厚めの和音と共に、カシカシカシカシ・・・という感じの弦が、リズムを刻んで行く。聴けば聴くほど、なんとも硬い、がっちりとした堅牢感が漂う。
まるで、波打つ荒々しい海に面した、岬の先端に建っているかのような巌のようだ。
あまりにも冒頭の迫力が強くて・・・ いや〜 凄まじい。まるで神の逆鱗に触れたかのようで、鮮烈な印象を受ける。

荘厳というより、血が噴き出した感がして、怖ろしい。
音の出し方も、力強く、ぐわっとした圧があり、波に向かって叫ぶかのごとく荒々しい。合唱も、悲痛なほどで、う〜ん 絶叫しているかのような雰囲気で、呑み込まれてしまった。
まるで、ムンクの絵画「叫び」のように、キーンって感じで響き渡り、絶壁の孤島で叫んでいるかのようで、肝を冷やしちゃうぐらい。この曲は、ホントに久々に聴いたのだけど、あらまっ。え〜 こんなに悲痛に聞こえたっけ?
ヴァイオリンの旋律は、細くて美しく描かれているが、3曲目は、「みみどどし みみどどし・・・」と、これまた激しく、思わずのけぞってしまった。

何度か聞いたのだけど、ホントに力強いというか、リマスタリングされた盤なのだが、高音域が硬いように思う。
どことなく、キーンっとした音に聞こえてしまって、何度か繰り返すうちに、辛くなってしまった。金管の音が、あまりに強烈で絶句してしまったことと、奥行きは感じられるのだが、ちょっと劇的すぎて〜 怖すぎっ。
う〜ん。これは、他盤を探して出して、まずは他盤を聴いてみなければと思っている。

ヘルムート・リリング シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム 1996年
Helmuth Rilling    Bach-Collegium Stuttgart

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。残響が少し多めだが、のびやかで美しい。
奥ゆかしい雰囲気を持っており、慎ましやかに、神に向けて、喜びをもって讃え歌っているように思う。
カップリング:
1〜5 ブルックナー テ・デウム ハ長調WAB45
6 ブルックナー 詩篇150番 WAB38
7〜12 ブルックナー ミサ曲第2番 ホ短調 WAB27

ソプラノ:パメラ・コバーン Pamela Cobern
アルト:インゲボルグ・ダンツ Ingeborg Danz
テノール:クリスティアン・エルスナー Christian Elsner
バス:フランツ=ヨーゼフ・ゼーリッヒ Franz-Josef Selig
シュトゥットガルト・ゲヒンゲン聖歌隊 Gächinger Kantorei Stuttgart


冒頭から、ふあっと出てきて、ブルックナーならではの音型が繰り返されていくが、リリング盤は、とても美しい。
録音状態も極めて良く、少し残響が多めだが、品格のある演奏で、う〜ん これぞ、神を讃える歌って感じで、天使さまが登場するかのような感じに仕上がっている。
先般、定番のヨッフム盤を聴いたのだが、なんとも激しい、威嚇的で、断崖絶壁の海に向かって絶叫するかのような演奏だった。こういっちゃ、とても失礼だが、あのヨッフム盤は、昔から定番だというが、ホントに定番だったのだろうか。
まるで神の怒りに触れたかのごとく、恐れおののきひれ伏して、聴けっとばかりの演奏だった。
でも、このリリング盤は、穏やかで爽やかだ。それに、奥ゆかしく、密やかに、そして慎ましやかに、静謐さを感じさせてくれる。すんなり腑に落ちる感じがして、しみじみと聴き入っていける。
まあ、好みの問題もあるから、日頃ヨッフム盤を聴いておられる方は、ヤワな感じがしてしまうかもしれない。

しかし、ワタシ的には、天主にまします御身をわれらたたえ、主にまします御身を讃美し奉る。
永遠の父よ、全地は御身を拝みまつる。・・・と、歌われる歌詞、天主に御恵みを感謝する祈りである、公教会祈祷文を拝読すると、どうしても、親しみを持ちつつ、神に向けて、喜びを持って歌いたいように思う。

そういう意味では、リリング盤を聴いていると、純度の高い声が、残響を伴って広がっており、決して華やかではないが、しなやかで素直な感覚がある。
また、のびやかで、自然な喜びが、じわじわ〜っと感じられ、素直に、共感をおぼえつつ、高揚感が生まれていくように思うのだ。コーラスの柔らかい声が、とても嬉しく感じられる。
また、カラヤン盤の2種もあるので、別の機会に聴いてみたいと思う。
きっと、カラヤンだと、胸を張って晴れ晴れしく歌われるにちがいない・・・と思うのだが、ハテサテ。

1965年 ヨッフム ベルリン・フィル ★★★
1975年 カラヤン ベルリン・フィル  
1984年 カラヤン ベルリン・フィル  
1988年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 Berlin Classics  
1994年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1996年 リリング シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム Hanssler ★★★★★
所有盤を整理中です。

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