「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

バード 3つのミサ曲(3声のミサ、4声のミサ、5声のミサ)
Byrd:
The Three Masses (Mass for 3 Voices, Mass for 4 Voices, Mass for 5 Voices) 


  デヴィッド・ウィルコックス ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団  1959・63年
David Willcocks    Cambridge King's College Choir

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。確かに古めかしい録音だけど、教会で録音されているので、柔らかい声が聞こえてきて、しっとりしている。リマスタリング盤
1〜4   バード 3声のミサ(1963年)
5〜9   バード 4声のミサ(1963年)
10〜12 バード 5声のミサ(1959年)
ミサ曲は、カトリック教会の典礼音楽でラテン語で歌われ、ウィリアム・バードの3声、4声、5声のミサ曲は、男性のアカペラで歌われる。
で、バードのこの3つのミサ曲は、次の6つの通常文の構成になっている。

1 Kyrie キリエ
2 Gloria グロリア
3 Credo クレド
4 Sanctus サンクトゥス
5 Benedictus ベネディクトゥス
6 Agnus Dei アニュスデイ

「200CD音楽史を聴く」によると、バードの3曲のミサ曲は、連作として作曲されたらしいが、作曲の動機などは一切わかっていない。一番構成の小さい3声の作品は、傑作との誉れが高く、演奏される機会も多い。神への真摯な語りかけという感じのする音楽。・・・とあった。

バードのミサ曲は、3声がキリエとグロリアが続けて、4声と5声では、サンクトゥスとベネディクトゥスが続けて歌われる。
う〜ん ヘンリー8世がアン・ブーリンと結婚しようとして、カトリックからイギリス国教会に宗旨替えした後なので、カトリック教会のミサ曲を作曲することは、大丈夫だったのだろうか〜と心配してしまうが、一応、バードはエリザベス1世に保護されていたらしい。とはいっても、隠遁生活は避けられなかった模様で、とても困った立場だったことは推測できる。
そんななかで、この曲を作ったというので〜 秘曲だったのだろうか。
もしかしたら、隠れて作曲していたのかもしれない。

ミサ曲なので、歌う歌詞は、当然のことながら典礼文なので、だれが作曲しても、たいてい同じである。
キリエ (Kyrie)は、Kyrie eleison. Christe eleison. Kyrie eleison. たったこれだけの文である。
文というより文字って感じで、きぃ〜〜りぃぃ〜ぃ えっぇぇぇ・・・って感じで歌う。

日本でいうと、お盆時期に、おじいいちゃん、おばあちゃんに続いて歌わされる、ご詠歌と同じである。
アッハハ〜 それじゃ例えが、イマイチか。
まあ、グロリアとか、クレドなどは、もう少し長い文だが、それがまた、人の声って美しいのである。
なんともいえない、ハーモニーの美しさ。 ラテン語で歌われるので、意味は、ハハハ〜 どこを歌っているのか、文字を目で追っても、イマイチわからないけれど。それでも、心は洗われる。(と思っている)
このウィルコックス ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱盤は、 教会で録音されており、古い録音ではあるけれど、さほど差し障りなく聴けるし、あまり悪いとは感じない。

3声は、やっぱりシンプルではある。ずーっと聞き続けて、4声、5声と、高い声が入ってくると、おおっ〜 なんと豪勢な歌になるのだろうと驚いてしまう。その荘厳さに圧倒されるのだ。この人の声のボリュームは、説得力がある。

また、3声は、ポリフォニーの入門に最適な楽曲だとも思う。
まだまだワタシには、修行が足らないので、ハーモニーの美しいことはわかるが、3声のシンプルの良さが、よくわかっていないし、この各声部に、アタマと耳が全て、ついていけているかどうかも怪しい。
しかし、ホント、人の声ほど、美しいものはないなあ〜っと、つくづくそう思う。
5声になると、すばらしい。大人の男性の力強い太い声と、カウンターテナーの高い声まで、声の厚みというか、音域の広さに驚かされる。驚かされつつ、心が洗われる。(そう、思っている。)

タリス・スコラーズ 1984年
The Tallis Scholars    指揮:ピーター・フィリップス Peter Phillips

ばっちグー!

録音状態は極めて良い。ホールトーンも残響も適度にあり、大変美しい歌声である。
カップリング:
1〜5   バード 5声のミサ
6〜10  バード 4声のミサ
11〜14 バード 3声のミサ
15 バード アヴェ・ヴェルム・コルプス
このCDは、輸入盤(イギリス)で、極めて録音状態は良い。
CDには、はっきりとレコーディングの情報がないのだが、84年には発売されているようだ。
発売元は「Gimell」というレーベルだが、これは、指揮者のピーター・フィリップスがタリス・スコラーズを創設して、その自主制作レーベルとして立ち上げたもの。

で、タリス・スコラーズさんの声は、すごくノビがあって、とても気持ちの良いものだ。
アカペラなので、当然、純粋に声だけ〜 ラテン語で歌われているので、素人のワタシには、さっぱり解りかねるけれど、その歌声だけを聴いても、とても澄み渡っており、とても安らぐものだ。
5声のミサから始まるので、4声、3声と、段々と声の層が薄くなるようになっている。この点は、ケンブリッジ・キングズ・カレッジ盤とは、収録が逆になっている。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
ウィリアム・バード(William Byrd 1543年(?)〜1623年)は、イングランドで活躍したルネサンス音楽の作曲家である。「ブリタニア音楽の父」 として現代イギリスにおいて敬愛されている。

エドワード6世と、メアリー1世のテューダー朝の時代に王室礼拝堂の音楽家であったトマス・バードの息子として生まれ、王室礼拝堂少年聖歌隊の一員としてトマス・タリスから音楽を学んだとされる。
1572年には、王室礼拝堂オルガニストとなり、トマス・タリスと同僚となった。
2人はエリザベス1世の手厚い保護を受けた。ところがイギリス国教会とカトリックが混在する時代にあって、カトリック教徒であったバードは、弾圧から逃れるため1570年代にロンドンからハーリントンに移住した。
1585年には、国教忌避者リストにバードが記載された。
バードは、カトリック教徒であると同時に、王立礼拝堂楽員であったため、その音楽は国教会のために作曲される。
しかし、バードの声楽曲の最高傑作は、国教会のイギリスにおいてカトリックの信仰を貫いたバードの信念が感じられるラテン語ミサ曲やモテットである。
特に、3声、4声、5声の3曲のラテン語ミサ曲は、ルネサンス音楽全体の中でも傑出した作品である。・・・とあった。

5声と4声は、この順番で〜
1 Kyrie キリエ
2 Gloria グロリア
3 Credo クレド
4 Sanctus〜Benedictus サンクトゥス〜ベネディクトゥス
5 Agnus Dei アニュスデイ

3声は、この順番で〜
1 Kyrie〜Gloria キリエ〜グロリア
2 Credo クレド
3 Sanctus・Benedictus サンクトゥス〜ベネディクトゥス
4 Agnus Dei アニュスデイ
ぼーっと聴いていると、いつの間にか終わってしまうということになってしまうのだが、何度も飽きずに繰り返して聴ける。
いつの間に、声が薄くなっていくの? って感じで、1曲はとても短い。

で、アヴェ・ヴェルム・コルプスも、モーツァルトの曲は大変有名だが、フォーレの曲も有名だ。
バードの曲も、派手さはないが、声の絡みが美しいが、どういえばよいのか切迫感を感じるものとなっている。
歌詞は、典礼文とは、ちょっと違うらしい。

Ave verum corpus, natum de Maria Virgine:
vere passum immolatum in cruce pro homine:
cujus latus perforatum, unda fluxit sanguine:
esto nobis praegustatum in mortis examine
O dulcis, o pie, o Jesu fili Mariae,
miserere mei, Amen

この一番最後の「ミゼレーレ・メーイ」と、アーメンの前に、何度も重なるように歌われているのが特徴だ。
このあたりは、迫害されそうになっていたバードの環境や、時代背景が、密かに表れているのかもしれないな〜と思う。
しみじみと、拝聴したい1曲である。
なお、ご紹介したタリス・スコラーズさんの盤は廃盤に近い状態なのだが、現在は、2枚組BOXが発売されている。

1959・63年 ウィルコックス ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団 Dec ★★★
1984年 ピーター・フィリップス タリス・スコラーズ Gimell ★★★★★ 
2006年(発売年) ピーター・フィリップス タリス・スコラーズ (BBC放送のCD) Gimell  
所有盤を整理中です。

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