「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

グノー 聖チェチーリア荘厳ミサ曲
Gounod: Messe Solennelle de
Sainte Cécile


  ジャン=クロード・アルトマン パリ音楽院管弦楽団 1963年
Jean-Claude Hartemann
Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire
ソプラノ:ピラール・ローレンガー Pilar Lorengar
テノール:ハインツ・ホッペ  Heinz Hoppe
バス:フランツ・クラス Franz Crass



録音状態は良い。古い録音ではあるが、奥行き感もあり、コーラスとソロ、オルガンの響きも良い。のびやかに明るく歌われている。リマスタリング盤 
カップリング:
1〜8  グノー 聖チェチーリア荘厳ミサ曲
9〜12 グノー 9つの管弦楽のための小交響曲
(バルビローリ ハレ管弦楽団 1958年)
グノーと言えば、まず、思い浮かべるのはアヴェ・マリア・・・でしょうか。

ここでご紹介するのは、グノーの聖チェチーリア荘厳ミサ曲とか、グノーの聖チェチーリアミサとも、聖チェチーリアのためのミサ・ソレムニス、とも言われている。
聖チェチーリアは、初期キリスト時代3世紀頃に殉教した女性の聖人で、音楽家の守護聖人としても有名だ。
ローマの貴族だったのだが、夫とその弟をキリスト教に改宗させたということで処刑となった。
初めは、蒸し風呂で窒息させよう〜という刑を受けたが死なず、次は、3度斬首されたが、首が落ちなかったという。

ワタシ、ローマに行った際、バチカンの南に位置するトラステヴェレ地区には、サンタ・チェチーリア教会(サンタ チェチーリア イン トラステヴェレ教会Santa Cecilia in Trastevere)があり、ここには、ルネサンスの彫刻家ステファノ・マデルノの聖セシリアの大理石像がある。ワタシが、この教会に足を運んだ時は、たまたま、日曜日だったので、結婚式が執り行われており、残念ながら、この教会のモザイクや彫刻を見ることはかなわなかった。

で、この曲、聖チェチーリアの荘厳ミサは、なんと言えば良いのか〜 とっても平明で、わかりやすく、とっても伸びやかで、朗々と歌われる。もちろん、キリエ、グローリアと続くが、レクイエムとは違う。
次の8曲で構成されている。

1 キリエ
2 グローリア
3 クレド
4 オッフェルトリウム
5 サンクトゥス
6 ベネディクトゥス
7 アニュス・デイ
8 ドミネ・サルヴム

宗教音楽といえば、レクイエムぐらいしか聴かなかったし、あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
ミサ・ソレムニス(Missa solemnis 盛儀ミサ)は、ミサの名称の一つ。
典礼文を唱えて行われる「読唱ミサ(missa lecta)」、歌唱によって行われる「歌ミサ(missa cantata)」に対し、主司式司祭と助祭・副助祭による読唱ミサに、合唱による歌ミサを伴うものを呼ぶ。
音楽用語としては「荘厳ミサ曲」と訳されることも多いが、日本カトリック教会では、現在は荘厳ミサを廃して「盛儀ミサ」を正式名としている。音楽作品としては、ベートーヴェンのものが有名である。・・・とあった。

グノーの聖チェリーチア荘厳ミサ曲は、とても優しく、柔らかく、前向きに明るく、幸福に満ちあふれている。
美しいコーラスが入ってくる、とてもハートフルな楽曲だ。
確かに、複雑な旋律があるわけでもないし、対位法を駆使したという旋律でないけれど、シンプルなだけに、ソロも、コーラスも美しく聞こえる。 オルガンも荘厳に響き、管弦楽と、声と、オルガンが、まろやかに調和しており、この響きが怖ろしく魅力的なのだ。 特に、3曲目のクレドは、合唱が力強くユニゾンで歌われており、うるっときちゃう〜涙しちゃうかも。

合唱をされる方には、お馴染みの曲かもしれないが、コーラス経験のないノー天気派のワタシは、聴いて直ぐに好きになっちゃた楽曲で、休日の朝に聴くには、うってつけの曲だと思う。
アルトマン盤では、約44分27秒とクレジットされた曲だが、何度繰り返しても、シアワセ感は損なわれることなく、耳に優しい曲で、繰り返すごとに、シアワセ感が充実してくるという楽曲でもあります。
あまり構えて、神妙に聴くことの苦手なワタシにとっては、とても嬉しい楽曲なのです。

マルケヴィッチ チェコ・フィル 1966年
Igor Markevitch
Ceska filharmonie  (Czech Philharmonic Orchestra)
ソプラノ:イルムガル・ゼーフリート Irmgard Seefried
テノール:ゲルハルト・シュトルツ Gerhard Stolze
バス:ヘルマン・ウーデ Hermann Uhde

まっ こんなモン

録音状態は良い。リマスタリング盤 66年の録音なので、少し古めかしい感じがしないでもないが、奥行き感もあるし、コーラスもしっかり聞こえてくる。
録音状態は、少し古めかしく感じないでもないが、豊かに響いており、全く問題はない。
そりゃ〜 大きなホールで演奏されたという、現在の音の広がり感は求められないが、特に、ペタンっとした平面的な窮屈さは、あまり感じない。

それよりも、演奏に、ふわっとした感じがあまりなく、タイトで、厳つく、硬め。
ワタシは、63年のアルトマン盤や、83年のプレートル盤を聴いてしまったので、このマルケヴィッチ盤を聴くと、あひゃ〜なんと、押し出しの強い、カッチリした堅牢な演奏なんだろう。と思ってしまった。
で、マルケヴィッチ盤は、他盤とは異なりインデックスを次のように細かく区分されている。

1       キリエ
2〜4    グロリア
5〜7    クレド
8       オッフェルトリウム
9〜10   サンクトゥス、ベネディクトゥス
11         アニュス・デイ
12〜14 ドミネ・サルヴム

1曲目のキリエは、雲がわいてくるかのように、優雅に、ゆったりと歌われている。
2曲目のグロリアは、ソプラノ、テナーの声が入ってくるが、音質が硬めで、コーラスも、 はっきりした口調で、センテンスに、しっかりとした区切り感がある。また、オーボエの音質は、少し金属っぽいというか・・・
金管の広がり感も、あはっ。倍音が豊かに響く〜という感じではなく、古楽器のような硬い広がり感の少ない響きだ。
いかにも、ドイツ臭く(?)変貌してしまって、さらっと、ふわっとした感覚というか、暖かみのある空気感があり、ふわっと旋律が移りゆく、なんというか〜 浮遊感というか、 さらっとした平明さが売りというか、そんな感覚が少ないなあ〜と思う。
特に、テナーの声は、う〜ん。余裕が感じられないような、ちょっと喉の締まった声のように聞こえる。
2曲目の終わりのオケとか、ごごごぉ〜という低音が入ってくる。

特に、3曲目のクレドになると、縦割りの、カシッとしたセンテンスを、区切っていく堅牢さが一層、際だってくる。
オケの響きも硬く、他盤と比較すると、なんとも歯切れが良すぎて〜
グノーの〜という感じではなく、ベートーヴェンに近くなってしまうような感じがしちゃった。
で、聴いてたワタシは、うわ〜っと、思わず固まってしまった。
フランスものとは一概に言えないとは思うのだが、なにも、そんなにぶつ切りにしなくても〜 力を入れて、歌わなくても良いんじゃーないの。と言いたくなってくる感じだ。
あらら〜 弦は、きっぱり、キッ キッ シャッ シャッ・・・
コーラス主体となっている部分で、プレートル盤は、低音の響きが、しっかり入ってきたのだが、マルケヴィッチ盤は、低音の副旋律は、あまり感じないので、立体的に響いてこない。
また、テンポが遅めで、一層、硬めに、塗り固めていくかのように、立派に仕上げていく。
プレートル盤では、テンポを速めたところで、マルケヴィッチ盤は、逆にテンポを落とす。あらまっ、反対じゃん・・・。

で、それ以降、サンクトゥスやベネディクトゥスから、うぐっ。と唾を飲み込んでしまうほと、テンポをぐぐっと落として、荘厳に歌って、それはそれは、う〜ん、とても立派に演奏されていく。

とあるサイトで、拝読したのだが、どうやら、プッチーニのグローリア、ロッシーニの小荘厳ミサ曲の曲と並んで、明るく優しいミサ曲だと、おっしゃっていた。(← もう少し、リアルで、わかりやすい単語をお使いだったが・・・)
それと聴くと、おおっ んじゃー  ロッシーニにプッチーニも聴かなくっちゃ〜と思って、ますます、エリアが広がっていくようで嬉しく思っている。

ちなみに、たまたま、書棚に「聖人事典」っていうのがあったので〜
 聖チェチーリアのことを調べてみたのだが、「セシリア」と表記されていた。

・・・セシリア(セシリー、セリア、ラテン語名はカエキリア)という名の女性が、ローマのトラステヴェレ地区に教会を創立した。・・・
6世紀以来、音楽家の守護聖人とみなされ、多くの祭と音楽作品を生み出してきた。受難物語は、彼女の婚礼で楽器が音楽を演奏している間、彼女が、「自分の心の中で」神に賛美を歌 っていたことについて語っているので、このような考えが怒ってきたのかもしれない。 こうしてオルガンが、しばしば彼女の表象として用いられる。・・・と書いてあった。

まあ、この聖人事典は、原著は、「The Penguin dictionary of saints」である。日本語訳が出ており、三淡社から発売されている。
(ドナルド・アットウォーター、キャサリン・レイチェル・ジョン 訳:山岡健) ちなみに、ワタシには、図説があったほうが嬉しいのだが〜 この本は、文字ばっかりである。今は、まあ、ネットがあるけれど。

ちなみに、右の絵画は、ラファエロのボローニャ国立絵画館蔵の絵画である。
The St. Cecilia Altarpiece
Pinacoteca Nazionale, Bologna


プレートル 新フランス放送フィル 1983年
Georges Prêtre
Nouvel Orchestre Philharmonique de Radio France
ソプラノ:バーバラ・ヘンドリックス Barbara Hendricks
テノール:ローレンス・デイル Laurence Dale
バリトン:ジャン=フィリップ・ラフォン Jean-Philippe Lafont



録音状態は良い。ダイナミックさも持ち合わせているし、ヘンドリックスさんの歌声が素敵だ。
聖チェチーリア荘厳ミサが気に入ったので、中古のCDを買い求めたもの。

1曲目のキリエは、優美に歌われている。静謐さのなかに、のびやかさがあり、
2曲目のグロリアは、ヘンドリックスさんの美声が収められている。バックのハミングをしたがえて、ゆったり〜清らかに歌う。
テンポが速くなって、力強くコーラスが歌う。
やがてテノールが加わる。次に、管弦楽のみとなってテノールが、そしてバリトンが絡んで二重奏に、また、そこにソプラノが加わる。オケの方はオーボエが、旋律をトレースするかのように描いていくが、最後にはコーラスが入っていく。
ふわーっとしつつも、優美さがある。

3曲目は、クレドで、オケが力強く荘厳に奏でられ、祝祭的なイメージが出てくる。
コーラスが、ユニゾンで歌われるのは場面は、大変美しく、ん〜っちゃっちゃ というリズムで、低音の金管だと思うが、力強く、対抗旋律を奏でており、そのうえを気持ち良くコーラスが歌う。また、弦もユニゾンで、一音を引いているのみなのだが、やっぱりユニゾンは力強いですねえ。
中間部分で、プレートル盤では、ちょっと急速にテンポをあげて、さらに力強く歌い始める。
このテンポの変え方は、ちょっと、急発進的で驚いちゃったが、アカンっ これじゃ〜遅いって思ったんだろうねえ。
しかし、テンポをあげても、ふわっとした感覚が残るというか、音が発せられてからの余韻に、ふわっとした感じが残っているので、とても気持ちが良い。

4曲目のオフェルトリウムは、オルガンが主になっている。
5曲目のサンクトゥスは、テナーの艶のある声が魅力的な楽章だ。そろっとコーラスが入ってくるところは、首筋が、ぞくっとするほど魅力的で、鳥肌が立っちゃう。
6曲目のベネディクトゥスは、ソプラノのソロの短い楽曲だが、続けて、7曲目のアニュス・デイ、8曲目のドミネ・サルヴムまで、いっきに聴かせてくれる。清潔で敬虔さが感じられて、とっても好ましい。

平明な楽曲だが、その平明さが命って感じだし、シンプルがいちばんっ。という感じがする。
とても穏やかで、素直に美しいと感じられる。嫌みの無い癖のない演奏が、純粋で〜 純度が高いように思う。
プレートル盤は、幾分、インパクトのある大太鼓の音やオルガンが入ってくるが、いやみなく聴けた。

ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 2007年
Mariss Jansons
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)
ソプラノ:リューバ・オルゴナソヴァ Ľuba Orgonášová
テノール:クリスティアン・エルスナー Christian Elsner
バス:グスタフ・バラーチェク Gustáv Belácek

ふむふむ。

録音状態は、21世紀のわりにはイマイチ。大きく、豊かにホールいっぱいに響いているという感じではなく、低音はデッドぎみ。拍手入り
カップリング:
1〜6 シューベルト ミサ曲第2番
7〜16 グノー 聖チェチーリアのための荘厳ミサ
このCDは、2007年3月のライブ盤である。ミュンヘン レジデンスでのヘラクレスホールで収録されたもの。

1曲目のキリエは、かなり、ゆったりと演奏され、じわ じわっと、足元を確かめるかのように歌われる。
合唱部分も美しいし、ソプラノの声が、控えめながら、美しく入ってくる。
あたりを掃き清めるかのように、すーっと声が入ってくるので、宗教音楽を聴いているんだな〜という雰囲気が、すぐに漂いはじめる。

2曲目のグロリアも、テンポは、かなりゆったりとして感じられる。
ソプラノのオルゴナソヴァさんの声は、少し控えめ。もっと力強くても良いかなあ〜と思ったが、コーラスが、力強く入ってくると、そんな不満は解消される。
やっぱり、最初のテンポが遅いんだよなあ。旋律が、なかなか進まないな〜って思っていたのだ。
これじゃ 眠くなっちゃう。最後の方は、力強いテンポが出てくるが、エンジンのかかりが遅いって感じがする。

3曲目のクレドは、「どぉ〜どぉ〜 そみど らぁ〜らぁ〜(バン) れぇ〜れぇ〜 らふぁれ しぃ〜しぃ〜(バン)」
シンプルなフレーズだが、力強い確信に満ちた歌だ。
もっと、テンポがねえ〜 速くても良いんですけど。
冒頭より、インテンポすぎて、せっかくのティンパニーの音が生きない。また、バックでシーシーっと弦が弾かれているのだが、
リズムを、刻む刻み方が、一本調子的で、ワタシ的には、腰の重たい演奏というか、硬い演奏に感じる。
コントラバスの音は入っているので厚みはあるのだ、そのくせ音の層が薄いと感じるし、歩き方が重い感じを受けるって、どういうこと?

コーラスは、強弱もあって美しさを感じるけど、オケの方が、柔軟性が欠けているといか、付点のリズム感がなく、音に伸びがなく、上向きに伸びて明るくないのだ。
音の響きが、もわ〜っとして、ごごごぉ〜的に低音が響く。遅すぎて残響にズレ感があるし。う〜ん。
痩身のくせに、節々が固まって、カラダの硬そうな、おじいちゃんの歩みのようで、シャキシャキしてない。
ギクシャクはしてないのだけど、はあ〜 なんか、この楽曲の良さを半減させちゃった感がする。
もっと平明に、おおらかに素直に、そのまま歌ったら良いのに、荘厳にしようと、テンポを落としたら、平凡になりました〜って感じがする。
シンバルの音は、結構、派手に、シャーン シャーンっと、五月蝿いぐらいに入ってくるが、そこだけ目立ってもねえ。
高揚感が伝わってこないし、硬いです。硬すぎ〜 やっぱり、このテンポ設定に難ありだと思う。音響も悪いっ。
なんか、超がっかり。これじゃー 63年のパリ管のCDの方が、納得して聴けるなあと思ってしまった。

4曲目のオフェルトリウム〜5曲目のサンクトゥスは、壮大になってくるし、コーラスが入ってくるところは良いが、やっぱり、低音のヌケがよろしくない。バスドラさんの音は、ちょっといただけない。
6曲目のベネディクトスは、ソプラノのソロを含めて、とても静謐に歌われており、とても好ましい。
7曲目のアニュス・デイは、とても魅力的だ。やっぱりコーラスは良いですね。
で、グノーのミサ曲は全8曲なのだが、ラストに、「Domine Salvum」付け加えられて演奏される。
「教会の祈り Priere de l'Eglise」 「軍の祈り Prierede l'Armee」 「国家の祈り Priere de la Nation」が歌われている。

総体的には、コーラスはとても優美に聞こえており、とても気持ち良かった。でも、最初の方がねえ〜 特に、オケの響きが悪く、テンポも遅く、活き活きとした表情がなかったのが、とっても残念。
段々に尻上がりに良くなってくるんだけど、エンジンの掛かりが悪かった〜としか言いようがない。
ラストだけ、妙に盛り上げてくるんだけど〜 う〜ん。ラストだけでは、なんとも言えない。最初からテンポよく、やって欲しかったデス。全曲51分51秒というクレジットがある。ちなみに、アルトマン盤は、約44分27秒です。

1963年 ジャン=クロード・アルトマン パリ音楽院管弦楽団 EMI ★★★★
1967年 マルケヴィッチ チェコ・フィル ★★★
1983年 プレートル フランス放送ニュー・フィル ★★★★
2007年 ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 BR-Klassik ★★★
所有盤を整理中です。

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