「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト レクイエム
Mozart: Requiem


カラヤン ウィーン・フィル 1986年
Herbert von Karajan
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)
ソプラノ:アンナ・トモワ=シントウ アルト:ヘルガ・ミューラー=モリナーリ
テノール:ヴィンソン・コール バス:パータ・ブルチュラーゼ
ウィーン楽友協会合唱団



録音状態は、まずまず。ヴァイオリンが前に出てきており、コーラスが奥にひっこんで、ちょっとバランスが悪い。綺麗なんだけど〜テカテカしたモツレクって感じがする。

カラヤンとウィーン・フィルのモツレクである。
カラヤンは、61年と75年に録音しているので、これが3度目になる。先の録音は、オケがベルリン・フィルだけど、これはウィーン・フィルを起用している。

最初の入祭唱とキリエは、かなりテンポを抑えていて、ゆったりと厳格に始まる。
木管の「み〜〜れ〜み〜ふぁ〜そぉ〜〜 ふぁ〜」というフレーズと、「ひひひぃ〜」とすすり泣いているような弦が絡む。
で、「どぉ〜 しぃ〜 ダンダン れ みっ〜」段々と険しく、ダンダンと叩かれるティンパニーで、硬直するような嶮しさ。結構、厳しい冒頭で、すげ〜っと思いつつ、息を殺して雰囲気にのみこまれてしまう。
まず、この冒頭とキリエで、すげ〜って思うのだが、弦の通った硬い音が直接的に入ってくる。
録音状態は、オケの方が前に出ており、コーラス部分が奥にひっこんでしまって、かなり分離された状態だ。弦の引きが強く、メチャ硬くて、 そのくせ、とっても美音なので綺麗だ〜。
しかし、この弦の音が、まともに聞こえてきて〜 肝心のコーラスが聴きづらい。
特に、ヴァイオリンの音色が、一番勝ってて、音としては綺麗だと感じるのだが ・・・
整いすぎた顔を、また一層濃い化粧で彩ってしまった感じで、キツイんだなあ〜。これが〜

総体的に、音の硬さ、置き方の律儀さが目立っているし、高音域の透明度の高さが特筆される。
特に、ヴァイオリン音の通りが良いのだが、良すぎて〜
声楽部分を、特に、最初は、コーラスを聴いてみたいのだが、恐ろしいほど高音域の方ばかり〜
つまり、ヴァイオリンの旋律ばっかりが 、聞こえちゃうんである。

ひぇ〜 モツレクで、ヴァイオリンの旋律ばっかりに耳が行くなんて〜と思うが、ホント、キリエと怒りの日は、ほとんど、コーラスの声より、ヴァイオリンの旋律が、前に出てきてて、必死になってカシカシ弾いているのがよくわかる。(っていうか、ここの部分は、声が聴きたいんだけど)
「そらそらそら〜」「っし しぃ〜し っし しぃ〜し」「みしそみ みしそみ〜」「みどそみ みどそみ ふぁどらふぁ〜」って、ずっとヴァイオリンのフレーズばっかりに、耳が釘付けになってしまうんである。(苦笑)
どひゃん。
演奏会で、カブリツキ状態の席に座っている感じなのである。バランスが超悪い。

4曲目のセクエンツィア「妙なるラッパ」に入ってくると、ソリスト達が出てくるので、ヴァイオリンさんは気にならないのだが〜ヴィンソン・コール(テノール) さんって、イタリア人なの? なんか変っ。アクセントっていうか、節の付け方が独特っていうか、これレクイエムなんですけど〜
7曲目の「呪われし者」は、強烈な音量で、のけぞるぐらい。
8曲目の「涙の日」は、かなり綺麗で、堂々としてて、まるでオペラを見ている感じがする。
9曲目の「主イエス・キリスト」は、勢いがあって〜 メチャメチャ華麗で綺麗なのだ。
オケは、とっても良い。ホント、室内楽のアンサンブルのように、キチンと正確に、美しい音色を響かせている。で、そこに、華麗に歌声がミキシングされてくる。
まあ、ホント、綺麗としか、言葉が浮かんでこない。華やかで、ピカピカしてて〜 締まった低弦の響きに、音が粒のように飛び交っててて〜 ソロの女性の声や、男性の声が、宙をまって踊っているって感じだ。
うっ すげっ 綺麗〜 綺麗すぎるっ。
活き活きとした、活力みなぎる、八頭身の筋肉隆盛なキリストって感じで、立派。立派すぎるっ。
えー そんなワケないやん〜 レクイエムなんだけどなあ。

とにかく、最後まで、綺麗で立派で・・・ テカテカした光を放った、モツレクって感じである。
立派な、御影石で作られた墓石のようで〜 なんか不釣り合いなのだ。こりゃ、まるでオペラ、ヴァチカンに鎮座するバロックの彫刻のようで、はたまた、ピカピカの 成金建築のような感じ。
ネオンサインかと見間違うような、神々しさという 演出臭い感じがする。
人を押し倒すような、人を強制するような圧迫感、専制君主みたいなパワーで圧倒してしまう演奏で、ワタシ的には、ちょっと嫌みだなあ。と思った。

受け付けない方には、全くダメかも。まあ〜 少なくとも、これは別格でしょうねえ。控えめな、清楚な演奏ではないので、ダメな方にはダメ、あわないと思う。
濃厚でピカピカ磨かれて、硬くて、豪華で、ある意味それは、それで美学、芸術なのだが、ちょっと滑稽な気がして ・・・ レクイエムなのに、、、行きすぎましたかね。
ワタシ的には、引いてしまったし、受け付けません。う〜ん。正直疲れます。
ところどころ、録音のバランスの悪さと、強調しすぎじゃん。ってところがあり、主張のハッキリした演奏である。 あまり大きな声では言いがたいが〜 これって、結構、トンデモ盤って感じがするんですけど。(笑)
1971年 ベーム ウィーン・フィル  
1975年 カラヤン ベルリン・フィル  
1979年 リリング バッハ・コレギウム・シュトゥットガルト SC  
1981年 アーノンクール ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス Tel
1982年 シュライアー シュターツカペレ・ドレスデン Ph  
1986年 カラヤン ウィーン・フィル ★★★
1986年 ガーディナー レヴォリューショネール・エ・ロマンティーク Ph  
1986年 クイケン ラ・プティット・バンド Accent  
1987年 ムーティ ベルリン・フィル EMI  
1988年 バーンスタイン バイエルン放送交響楽団
1995年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI
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