「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プーランク グローリア
Poulenc:
Gloria


フランシス・プーランクのグローリア(作品FP177)は、ボストンのセルゲイ・クーセヴィツキ財団の委嘱作品として1959年に作曲され、61年には、ボストン交響楽団によって初演されています。

作品は、 6つに分かれた構成になっています。

1 Gloria in excelsis Deo
2 Laudamus te
3 Domine Deus
4 Domine Fili unigenite
5 Domine Deus, Agnus Dei
6 Qui sedes ad dextcram Patris

天のいと高きところには神に栄光
われら主を誉め
神なる主、天の王
主なる御ひとり子
神なる主、神の子羊
父の右に座したもう主よ


とても陽気な、ちょっとケッタイなグローリアで〜、ちょっぴり、ヒンシュクをかってしまったとか・・・。世俗的で、中世的で、枠にはまらない楽曲ですが、ひねりがあるものの爽やかで、とても親しみやすく、奇妙なシアワセ感じの漂う楽曲です。

ロペス=コボス スイス・ロマンド管弦楽団 1982年
Jesús López-Cobos
Orchestre de la Suisse Romande
ソプラノ:シルヴィア・グリーンベルグ Sylvia Greenberg

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。
オケは、ちょっと〜 大雑把に感じるが、コーラスは良いと思う。特に、ソプラノのお声は、なんとも色っぽくて・・・。
このCDには、異なる作曲家、演奏家が3つ収録されている。
で、カップリングは下記のとおり。
1〜8  デュリュフレ「レクイエム」 リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団 1982年
フォーレ「パヴァーヌ」 マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ 1981年
10〜15  プーランク「グロリア」  ヘスス・ロペス=コボス スイス・ロマンド管弦楽団 1982年

冒頭は、 まず、「しっ そっ ど しぃ〜そ しっ ど し ど しぃ〜 そ らそらそ そふぁふぁふぁ〜っ」 バンっ!
歯切れ良く、力強く、ご大層に始まるものの、テンポは遅め。
で、このフレーズを繰り返すのだが、アンサンブルが、う〜ん。3回目の繰り返しだと思うが、金管が合わさってくるのだが、トランペットとトロンボーンの音が、イマイチ綺麗ではない。
ここで、がっくりきてしまった。
オケの音は、細く、すーっと伸びていくというタイプではなく、太めで重い。フランスものなので、もう少し繊細な感じが欲しいかなあ〜っと思う。合唱が入ってくると、少し勢いが良くなり、美しい声で、ぐろぉ〜りあぁ〜っと歌い始めてくれるのだが、う〜ん。やっぱり、オケの演奏が遅めで、やっぱり重い。
推進力が、あまり感じられず、金管の音は濁った感じがして、アンサンブルもイマイチ。

2曲目は、ラウダー ムステ〜 ラダムステっ ベネディーチムステ〜 って歌うのだが、なんとも、軽やかだ。
オケの方も、少し心配したが、ここでは音に伸びがあって好ましい。
ここのオケ、金管がイマイチなんだな〜っ。
3曲目は、艶のある声で、ソプラノのソロが入ってくる。なんとも色っぽいのだが・・・。
4曲目は、おちゃらけ風の陽気な楽曲で、あのぉ〜 主なる御ひとり子って歌なのですけど。これで良いの?
いやいや、良いのですよ。楽しい雰囲気がしたら〜という感じで、なんとも。(神を冒涜することにならないのか心配)
5曲目は、木管のフレーズが、お化け屋敷風で、ブンチャッチャ ぴっぴろ〜っ 裏返ったような声で歌われるのだが、途中で、調が変わるのか、明るくなって来て、のどかになる。
6曲目は、不思議な旋律が続く。また、途中で、1曲目の回想のようになっており、ハープが入ってきて、美しい旋律となってる。最後には、最初のフレーズとなって、金管が高らかに吹かれている。
ソプラノの色っぽい、活き活きとした声が、この楽曲にふさわしいのかどうかは、ちょっと疑問だけど〜(というか、楽曲がこうなんだから良いと思うのだけど) 終わり方も意外で〜 こうくるかっ。という演出効果があり、なかなか憎めない。

総体的には、冒頭だけが、ちょっとイマイチのように思ったが、コーラスも美しいし、途中からは、どっしりした感が心地よくなってくる。モーツァルトのレクイエムのようには、一般的に認知されていないし、競合盤も少なめ。
楽曲自身の評価が低いのかなあ〜 個人的には、もう少し広まって欲しい楽曲な〜と思っています。


ヒコックス シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア 1990年
Richard Hickox
City of London Sinfonia
ソプラノ:キャサリン・デュボスク Catherine Dubosc
ウェストミンスター・シンガーズ



録音状態は良い。 極めて見通しの良い、歯切れの良い、推進力の高い演奏である。メリハリがついてて都会的、そのくせリリカルで、不思議感覚もあり、微妙なバランスがあって、爽快っ。
カップリング:プーランク「グローリア」「スターバト・マーテル」「ロカマドゥールの黒衣の聖母への連祷」

このヒコックス盤は、録音状態が良い。
ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音だと書いてあったので、えっ デッドかな〜って、思わず心配してしまったのだが、凄く綺麗に入っている。
まず、「しっ そっどしぃ〜そ しっ どしどしぃ〜 そ らそらそ そふぁふぁふぁ〜っ」
この冒頭の切り口が強い。
鋭利な刃物で挑みかかってくるような、鋭い金管の響きがあって、驚かされる。
なにせ、トランペットの響きの硬くて鋭いこと。しっ しっ そっ。この頭出しの鋭さ、これに、まず、えぐり出されるかのような気分になってしまう。硬くて強烈な音だ。
繰り返して、ティンパニーが入ってくる方が、よほどまろやかな感じを与える。
コーラスが始まり、グローリア〜っと歌い始めると、まあ落ち着くんだけど。
はあ。驚いたっ。

録音状態を心配するどころか、スマートなラインで描かれ、すーっと涼しげでクールだし、透明度の高い録音で、テンポもスイスイ。推進力が良い。
高音域の広がり方も良く、テンポが気持ちよいほどに流れてくるのと、迫力がある。
食感で例えると、シャキシャキしていて、口のなかで、クールな粒が、はじけて飛び交うような感じだ。
ティンパニーのロールが、適度にまろやかに響いているなか、木管の低音の響きも、綺麗に入ってきており、彩りを添えているし、スイスイ走っていってくれる。コーラスの歌は、特に爽やかだ。

特に、ワタシ的には、2曲めがお気に入りなのだが、木管の和音も綺麗に入っている。
「Laudamus te」 ラウダー ムステ〜 ラダムステっ ベネディーチムステ〜 って歌うのだが、この爽やかさと、可愛らしさは、いっぺんに好きになっちゃった。
デュトワ盤で聴いた時は、オルフの「カルミナ・ブラーナ」を連想してしまったのだが、このヒコックス盤には、俗物的な要素が感じられない。極めて都会的で、楽しげで〜 見通しが良く、すーっと清楚に歌われて、スッキリしている。

3曲目の「Domine Deus」は、ソプラノ独奏なのだが、このヒコックス盤のソプラノの声は、少し硬めで、まるで少女のような少年のような質感がある。
えっ ボーイソプラノじゃーないよな。って思わず確認したが〜ちゃんと女性の方でした。(笑)
59年生まれの女性だったので、これまた驚き。えっ幾つだーっ?録音された90年当時は、31歳の年齢だったのだが、あらま。線の細い硬めの声だけど、それが意外と 楽しく聴けてしまった。
幾分クールすぎないかしらん。とは思ったのだが、いやー これが存外良いんだよねえ。
旋律が、ふわっと曲線的に伸びるような、弾力ある歌い方というよりは、いささか直線的に、すーっと、あがっていくような歌い方に聞こえるんですけど、この楽曲には合っているかもしれないな〜って思う。

4曲目のメチャ可愛い曲で、洒脱が効いている。明るくてあか抜けており、これで良いのかしらん。って心配するほど明るくて楽しげ、で、キラキラした色彩と、朗らかなコーラスだ。
あー 楽曲が短かすぎて〜もったいないぐらい。

5曲目は、怪しい夜の雰囲気のする楽想だが、迷える小羊たちもスマートに歩いており、すっきりとまとまっている。
(↑ワタシの勝手な想像だが)
不思議感の漂う和音、半音階の不思議な旋律を、粘りの少ない音で、ソーシエ〜っと歌われていく。
ワタシ的には浮遊感と共に、透明度の高い球体が、すーっと天上に昇るように、すーっと魂の抜けるような感覚が、気持ち良い。
すーっと、ぬけることの快感みたいなモノを感じる。
調和された和音と、不思議な旋律な旋律が、交錯してて〜 なんとも言えない、鼻から抜けちゃうような芥子のようなスパイスが効いている。
抜けきるような音や、不思議な旋律から、音がスポンと落ちる落ち方とか、低音でふーっと鳴ってくる木管とか、昇り降りる、そのスポンっと落ちる気持ち良さを感じる。
例えが悪いが、アミューズメントパークのアトラクションで、空中で放り出された感じになって、ストンと落下するタワー型アトラクションに乗ってて、一瞬お尻が浮いたような感じだ。

6曲目は、カルミナ・ブラーナの世俗的カンタータ風の色濃い音だな〜って感じなのだが、どこか泥臭い旋律が流れてくるのだが、金管の力強さがある。
オルガン的響きが、キレ良く短く鳴っており、推進力の高い演奏であることと、スッキリと煮込まれている。
見通しの良さは、もしかしたら編成が小規模なのかもしれない。
でも、オルガン的な響きに不満はないし、力強さもある。 キレのよい金属的な音が、耳障りにならず、かえって効果をあげているのではないだろうか。 推進力とキレの良さには、瞠目する点だ。
かといって、この後半、コーラスのハモリ方の美しさ、ゆったりとしたテンポになって、ふわーっと演出してくるところなんぞ、思わず役者だっ。と言いたくなるほど変化し、緩急の妙が、絶妙なんである。
ソロの線の細さ、硬さが、これ良いなあ。
冒頭のフレーズに戻ってくるところも、シャープでありながら、残響豊かに響き、すーっと消え去るところが、う〜ん。凄い。
巧いと思う。

総体的に、硬いって感じるのだが、メリハリのある演奏で、柔らかさと硬さを、素早く展開して、飽きさせない。効率が良いというか、理にかなっているというか、すごく引き締まった演奏だと思う。
キレの良さは、ホント、都会的センスを感じさせるし、未来的に視野が広がっていくような感じがする。
どこか、超次元的で、とっても不思議な感覚を持ちつつ、リリカルだし〜 
ある意味、視座が高くて、次世代に繋がる演奏って感じがする。

ヒコックス盤で聴くと、プーランクのこの楽曲が、たまたま偶然的に、1つの塊にはなっているが、各パーツが寄せ集まって、偶然にぴしゃっと合っている場面や、パーツが蠢き、それぞれが違うベクトルで、離れていきそうな感じもする。不安定だが、不思議と安定しているような、なんか、微妙なバランスで結合感しているような感覚がするのと、偶然性、必然性、そして、動き出すと、遊離していくような予感がして、不安さと楽しさ。なーんか不思議な楽曲だな〜と、そう感じられる。
あまり、どっしり足を地に着けて演奏するのではなく、妙なバランス感覚が、刹那的に感じられる。
なんでしょうね〜 この不思議感は。聴いてて、第六感的なモノをくすぐられるっていうか・・・。
ワタシ的には、感度が鋭くなって〜 超楽しませていただいた演奏である。


ミシェル・コルボ リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 1993年
Michel Corboz  Orquestra Gulbenkian
テノール:レイナルド・マシアス Reinaldo Macias
ソプラノ:ブリギット・フルニエ Brigitte Fournier
バス:マルコ・フィンク Marcos Fink

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。プーランクの匂いが、プンプンしてくる演奏です。
カップリング:
1〜17  ヴェルディ レクイエム(1994年)
1〜16  プッチーニ グローリア・ミサ(1993年)
17〜22 プーランク グローリア(1993年)

このCDは、ヴェルディとプッチーニ、プーランクの宗教音楽を収録したもの。原盤はヴァージン。
で、コルボさんのCDは、ローザンヌ室内管弦楽団との組み合わせが多いが、これは、リスボンのグルベンキアン財団管弦楽団というオケを振ったもので、客演をされているようである。

「しっ そっ ど しぃ〜そ しっ ど し ど しぃ〜そ らそらそ そふぁふぁふぁ〜っ」
このフレーズを繰り返す。
ここのオケは、分厚くないのだろうか、他盤で聴いた音に比べると薄いというか、まろやかさに欠いているというか、金管の音が、ちょっと・・・という感じがした。で、続いて、木管のフレーズがコーラスとの間に挟まって流れてくるのだが、奇妙な感じを受ける。えっ 古楽器? えっ 違うよねえ。
しかし、コーラスが始まると、ハイ、快調です。グローリア〜 ぐろっり あぁ〜っと力強く歌われる。

2曲目の木管のフレーズは、ファゴットとクラリネットのハモり具合が、よくわかっていい。
他盤だと違和感なく聞こえてくるプーランクらしい音なのだ。
なんて言えば良いのか、難しいのだが、あ〜っ なるほど。こういう音で演奏されると、プーランクの音楽らしい、匂いが伝わってくる。妙な音のズレとか〜
他盤では、ついついまろやかに響いているので、聞き逃していたような、プーランクらしい雰囲気が、木管主体の室内楽を聴いているような〜 妙な和音の響きが〜 楽しめる。

3曲目は、ソプラノが主となって歌われるが、ノビ感もあり、良い感じで、浮遊感も出ているし〜
4曲目は、明るく弾む感じが良く出ているし、金管が遅れてるんじゃーないのかなあ。と思いつつも楽しめる。
コーラスは巧いと思うが、オケの方も良く聞こえてくる。

5曲目は、プーランクの匂いがプンプンする楽曲で、なんとも言えない木管の不透明な、膜が張られた球体のなかで、蠢いている感じのする、ボスの快楽の園のような雰囲気が漂い、明るいものの、いささかグロテスクな感じだ。
他盤で聴いてたときは、コーラスの方に耳がいっていたが、オケの不思議な音階に耳がいく。
特に、木管ですよね〜 
室内楽的なフレーズの楽しさが、長調なのか短調なのか、曖昧な不思議な感覚が、面白い。
そぉ〜しえ とコーラスが歌ったあとの、木管の「ぱららぁ〜 ぱぁ〜らららぁ〜」というリズムが、ぬめっとしてて、それでいてアクがさほど強くなく、弦の入ってくるところの、うぉ〜ふぁ〜うぁ〜っという押しの粘りが、なんとも言えない気持ちに・・・。
アハハ〜 この5曲目は、とっても楽しい。
他盤になかった、プーランクらしさ、多彩なけったいな木管たちの響きが、ホント、良く聞こえてきて大満足だ。
気持ち悪いわけではないのだが、和音の不思議感が、充満してきて、うぉ〜ん。という、漂い感が、ソプラノの音と木管の音のコラボが、存分に「らしさ」を、楽しめちゃった。

6曲目は、ボーイソプラノなの?
ダイナミックなオケの響きが入ってくるのだが、かといって上品さを失わず、オルガンの響きも調和している。
キレもあるが、紋切り調ではなく、あくまでもコルボさんならではの、優しさ、柔軟さが感じられる。
アクの強い、どろっとした音ではなく、透明度と清潔感があって、とっても好ましい。
あ〜 やっぱ、この楽曲は、とっても風変わり面白い。
最初の主題に戻ってくるが、祈るという気持ちも少なからず含まれてきて〜 すーっと消えるように終わる。

とっても楽しめる、って・・・グローリアなんですけどね。
多少は敬虔さも醸し出されはいるけれど、ワタシ的には、ヒエロニムス・ボスの快楽の園という三連の祭壇画を見ているような気分に・・・
具象ではあるが、寓話的で、遊びがあって、ありえないよーな組み合わせで、摩訶不思議な奇怪な世界が描かれているように感じる。
わかりやすい、キッチリとした細密画が、奇怪な異物を描いてて、気持ち悪いテーマなのだが、そのくせ、んある意味、?という間合いがあって、動いているのに動いてないような錯覚感を与えるものだ。
美しいコーラスの裏では、普通では味わえない、木管の音が鳴って、奇妙に動いているだ。
これが、コルボ盤では、単純に美しい〜だけではなく、奇妙な音が、しっかりと提示されて耳に届く。ハイ、わかったようなわからないような、フレーズが、たんまりと匂うように演奏されていました。
あ〜 デュトワ盤だと綺麗過ぎた演奏だったんだ〜とか、そう思いました。異質感を失わず、醜いモノも、しっかりと描きだしており、美しく描き切っていないところが、好ましいかと・・・ そう思います。


デュトワ フランス国立管弦楽団 1994年
Charles Dutoit
Orchestre national de France
ソプラノ:フランソワーズ・ポレ Françoise Pollet
フランス国立放送少年合唱団



録音状態はまずまず。ちょっと、くぐもった感じがするが、総じて品良くまとまっている。カップリング:プーランク「グローリア」、「スターバト・マーテル」、「オルガン協奏曲」

プーランクのグローリアは、堅苦しい楽曲ではなく、親しみやすい。
というよりは、グローリアって言うわけだから、宗教曲なのだが〜 庶民派というか歌謡風に歌われ、ちょっぴり近代的な香りづけをしているものの、泥臭い世俗的な独特の風合いを持っている。

1曲目
「どっ らっどしぃ〜っそ しらしどしぃ〜 っそ らそらそ そふぁふぁ ふぁ〜っ」
これを再度繰り返す。
「どっ らっどしぃ〜っそ しらしどしぃ〜 っそ らそらそ そふぁふぁ らししし しぃ〜っ」
最初にファンファーレのように出てきて、そっからいったん静まり、ちょっとテンポをあげてコーラスが、グローリアっと歌い始める。
このCDは廉価版だっけ? 歌詞カードが無いので、困ってしまうのだが〜
タイトルどおり、Gloria in excelsis Deo グロリア・イン・エクチェルシス・デオ〜っと歌う。いと高きところ神に栄光あれ〜って、何度も繰り返すわけで、ミサ曲に使われている「グロリア」の部分の歌詞を、順番に歌っているわけかぁ〜っと、思ったのだが、それで正しいのかしらん。(苦笑)

デュトワ盤は、少し残響が多いかな。って思う。残響の部分が、柔らかくて、しなやかな雰囲気を与えているものの、もう少しヌケが良ければよかったのに・・・。ちょっと恨めしい。
プーランクって言うと、牝鹿とかオルガン曲とか、洒脱のきいた小品が多いように思うが、この曲は、作曲家が60歳頃の作品である。
他にも宗教曲があって、スターバト・マーテルとか黒い聖母への連祷等があるのだが、かなり晩年の作品にあたる。
で、このグローリアは、神妙に歌うというよりは、かなり世俗に近く、楽しげだ。
う〜ん。ホント陽気に楽しそうな雰囲気なんである。田舎の教会で、お祭の延長線上にあるような親しみやすさで、えーっ これで良いのぉ。と、一瞬にやりと笑ってしまう。

特に2曲めは、メチャ明るい。
「ふぁどそし どらみし (どっら〜 どっ ふぁ〜み れどしら しどし〜ら)」
「れしふぁどっ (どふぁ しっどぉ〜し らふぁみふぁそ)」
ちょっとオチャメな序奏のあと、「Laudamus te」 ラウダー ムステ〜 ラダムステっ ベネディーチムステ〜
ワタシ、この曲を聴いた時、オルフの「カルミナ・ブラーナ」を、即座に連想してしまった。
歌の最後で、「へいっ!」って、みんなで唱和したいぐらい、へいっ!って、付け加えたいぐらいのノリノリ感覚なんである。
アハハ〜
こんなノリの良い曲を作っちゃって〜いいのかなあ。と思ったら、やっぱり、作品が出来た時は、これでは神への冒涜じゃーっと、不評だったようである。(やっぱりねえ)

4曲目も、カラフルな楽曲で、田舎のお祭演歌のような、遊園地のメリーゴーランドに乗っているかのような、可愛くて楽しげな曲である。

5曲目は、ちょっぴり怪しい夜の雰囲気がして、神の子羊は、都会の裏道を徘徊してまっせ〜って感じなんである。夜道を迷ったあげく酔っぱらいに絡まれ、また都会の亡霊や幽霊に出会い、びっくり仰天した小羊たちは、あわてて神さまに許しを請うが、怒られ、しょんぼり〜
地の精霊たちに囲まれ、冷やかされ、揶揄され、亡霊のように、まだ彷徨っております。って感じの曲に聞こえる。

6曲目は、これも、カルミナ・ブラーナの世界に近い。
カルミナ・ブラーナの世俗的カンタータ風の色濃い旋律から始まり、そこに、華々しい最初のフレーズが戻ってくる。
で、なんだか、泥臭い風合い+オルガン的な響きがする華やかなファンファーレになって〜
まるで、ごった煮のような独特の風合いとなっている。

う〜ん。人間のアクの強さ、酒臭さ、世俗的なアクの強さは、やっぱり抜けきらず。よくこれでグローリアって歌えるよなあ。という感じだ。 もはや終曲なのに、どうまとめるのか。
バックの和音の響きと、コーラス、音の弾み方が綺麗なものの、「しっふぁっしら〜 らっそらふぁっ〜 らっふぁしらっ〜」 
ようやく、最後の方では、ソプラノの声が天上に抜けていくようなイメージになるのだが、はあ〜?
これだけ世俗的カンタータ風に歌われてきたのに、あらら。最後は、まっとうになるんですねえ。
いささか唐突気味で、アッケにとられて、笑えてしまう。
あー なんか人間の一生みたいじゃん。最後の最後で、ようやく神を崇める気持ちになるんだ〜。
なんだか、最後までブラックユーモアを披露してくれるプーランクの楽曲で、大変申し訳なく、不躾ながら、笑いをかみ殺して聴いてしまった。

デュトワ盤は、品良く、柔らかく、清楚に演奏されている。
品良く演奏されれば、されたで、なにか、にひひぃ〜ってお腹をひねりそうになってしまうのだが、かといって、下品にされても困るし〜この頃合いが難しいかもしれない。


1982年 ロペス・コボス スイス・ロマンド管弦楽団 Dec ★★★
1987年 小澤征爾 ボストン交響楽団  
1988年 プレートル フランス国立管弦楽団  EMI  
1990年 ヒコックス シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア Virgin ★★★★★
1993年 コルボ リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 Virgin ★★★★★
1994年 デュトワ フランス国立管弦楽団 Dec ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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