「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ロッシーニ スターバト・マーテル
Rossini: Stabat Mater


ジュリーニ フィルハーモニア管弦楽団 1981年
Carlo Maria Giulini
Philharmonia Orchestra of London
ソプラノ:カーティア・リッチャレッリ Katia Ricciarelli
ソプラノ:ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ Lucia Valentini Terrani
テノール:ダルマシオ・ゴンザレス Dalmacio Gonzalez
バス:ルッジェーロ・ライモンディ Ruggero Raimondi

ばっちグー!

録音状態は良い。カッチリとした構成で、ドラマティックに演奏される。
1曲目、冒頭のチェロとファゴットだと思うが、静かに奏でられ、そこに、ふわーっと弦とクラ音を出してくる。
「らぁ〜〜 どぉ〜 れふぁら どれふぁ ふぁぁ〜 しぃ〜」
「そぉ〜〜 しぃ〜 そふぁら れ みぃ〜 みぃ〜 」
息を殺したかのような間合いと静けさ。弱音のなかのシーンっとしたところが、この静謐さこそが、宗教音楽っぽく鳴っているところだろうか。フレージングは硬め。
金管の「みみぃ〜 みみぃ〜 タラン れどらそっ れどらそっ」っと、畳みかけてくるフレージングが悲鳴にも似て鋭い。
この導入部は、やっぱり宗教性を、そこはかとなく感じさせる。
「らぁ〜しぃ〜どぉ〜し れぇど〜  ふぁ〜そぉ〜らぁ〜そ しぃ〜ら ふぁ〜み みそぉら そしぃ〜ら ふぁ〜・・・・」
低音からの男性の歌声、そして途中で女性の声に変わる。

ロッシーニのスターバト・マーテルは、次のように構成されている。

1  「悲しみに沈める聖母は涙にむせびて」 導入唱 独唱、混声4部合唱Andantino moderato
2  「嘆き憂い悲しめるその御魂は」 アリア:テノール Allegretto maestoso
3  「だれか涙を注がざる者あらん」 二重唱(ソプラノ T/U) Largo
4  「人々の罪のため」 アリア(バス) Allegretto maestoso
5  「慈しみの泉なる御母よ」 合唱(無伴奏)とレチタティーヴォ(バス) Andante mosso
6  「ああ聖母よ」 四重唱(独唱者) Allegretto moderato
7  「その御傷(キリストの死)を深くしのばしめ給え」 カヴァティーナ(ソプラノ U) Andante grazioso
8  「審判の日にわれを守り給え」 アリア(ソプラノ T) と合唱 Andante maestoso
9  「肉身は死して朽つるとも」 四重唱(無伴奏合唱) Andante
10 「アーメン、とこしえにわたり」 終曲 Allegro - Andantino moderato

2曲目は、テノールのアリアで、「嘆き憂い悲しめるその御魂は」を歌われるのだが、ここなんぞ、まるでオペラなのだ。
「らぁ〜 どぉれみぃ〜 どら らぁ〜らふぁみぃ み〜れぇ みれどぉ〜 それどぉ〜 れふぁら〜」
ハハっ はあ〜 確かにアリアだ。これは完全にオペラでしょう。
違うって言われても、素人のワタシの耳には、オペラでしょう・・・。としか言えません。
伴奏が行進曲風というか、ブンチャッチャ風なのだが、華麗で、緻密で、泰然とした感じで、格調高く歌いあげられ、感動的だ。う〜ん、惚れ惚れっ。

続く3曲目も、美しいソプラノの二重奏で歌いあげられていく、ホルンの響きが、ふわーっと鳴らされる。
フルートの二重奏、弦の甘いフレーズ「ふぁ〜そぉ〜らぁ そふぁそ れ〜  ふぁ〜 みれみどっ どぉ〜れ」
「みれ みぃ〜ど そふぁ らぁ〜そ そふぁ ら〜」
ソプラノの二重奏で、「みっふぁそぉ〜 みふぁっそぉ〜 らそ どふぁ〜」なんて歌われちゃうと、そりゃ〜 誰だって、舞い上がってしまいますよぉ。

4曲目は、ティンパニーがそろっと叩かれて、行進曲風のように〜「しぃ〜そふぁみ れどしっ」と2度奏でられたあと、バスが登場する。「れぇ〜み ふぁみれど しらみ〜 ど〜れみ ふぁ みれどぉ〜」
「れぇ〜み ふぁ〜そ らしどれみぃ〜 れどしら そふぁみ・・・」
まあ、堂々と歌われることっ。力強く、逞しく〜伸びやかで、自信を持って、女性を口説いているみたいで・・・。
付点のリズムが心地よい。心地よすぎ〜 短調から長調に変わるところも、するっと華やかに転身しちゃう。

5曲目は、アカペラで合唱が歌い始めるので、おおっ これぞ宗教音楽という感じがする。
不思議な調で、いきなり、オペラから、グレゴリオ聖歌に変わったかのようだ。バスの太い声で安定感があり、伸びやかに、女性たちがのぼっていく感じがする。神秘的に、木霊のように歌われ、和声の美しさを堪能できちゃう。

6曲目は、軽やかに爽やかに、「どぉ〜しらっ どぉ〜しらっ」とという伴奏つきで、リズミカルにテナーが歌い出す。
まるで、若い女性を窓越しに、くどくみたいに歌われるのだが、これが、おおっ聖母!なの? うっそぉ〜っ。
また、女性が、この誘いのようなフレーズに呼応するのだ。えぇ〜 どうなってるの? この曲って、ロミオとジュリエットみたいに絡んじゃってるんだけど。甘い恋の歌ではないの。えっ ウソでしょ。信じられない・・・。

7曲目は、「その御傷(キリストの死)を深くしのばしめ給え」って曲なのだが、木管のフレーズが、穏やかで、透明度の高い音で奏でられ、ホルンをバックにして弦が寄り添ってくる。
淡い恋が叶わず、女性が、はかなんでいるかのようにも聞こえる。

8曲目は、「れぇ〜 れれぇ〜 れれぇ〜(ドスンっ)れぇ〜 れれぇ〜」と、金管が高らかに鳴らされる。
あっ ここは最後の審判なんでしょうねえ。
で、いきなりソプラノが高い声で「あぁ〜っ」っと歌い出しているのだが、まるで悲劇モノのオペラの最後のシーンのようだ。
それが静まると、長調に変わるものの、でも、コーラスに重々しい金管が被さってきて、押しつぶすかのように響く。
すごい高いキーのソプラノの声で、荘厳さを増している。

9曲目は、アカペラのコーラスで「肉親は死して朽つるとも」を静謐に歌い消えていく。で、ほどんど続けてラストのアーメンに入っていく。チャチャーンっと金管が鳴り響き、アーメンっ!と、歌い始めていく。
れれえぇ〜 アーメンっ。みみみぃ〜 アーメンっ。で、そこから、厳かでありながら、軽やかで、華やかなフーガが始まる。
圧巻だ。9曲目からの入りが、やっぱりインパクトがあり、テンポは速めで、音の膨らみを豊かにして〜 ほんと、劇的な効果がある。コーラスでの、アーメンフーガは、やっぱり心地よく、そして高揚感を生む。
とても親しみやすいが、飲み込まれちゃうかのようなフーガで、ホント、ワクワクしちゃって、チャチャチャー チャチャチャーっと、思わず口ずさんでしまうほど。
1曲目の回帰はあるものの、力強くフーガが圧倒して、人の声の力強さに圧倒され、金管の迫力に押され、荘厳に締めくくられる。

ジュリーニさんのスターバト・マーテルは、カッシリしたフレージングで、ちょっと重めだが重すぎず、品良く、ゆったりと歌いあげていく。ムーティ盤、シャイー盤があるので、また聞き比べてみます。

1981年 ジュリーニ フィルハーモニア管弦楽団 ★★★★
1981年 ムーティ フィレンツェ五月祭管弦楽団 EMI  
1998年 シャイー コンセルトヘボウ Dec  
所有盤を整理中です。

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