オムニバス&その他作曲家 ルロイ・アンダーソン 芥川也寸志

 ルロイ・アンダーソン タイプライター
Leroy Anderson: The Typewriter
レナード・スラットキン セントルイス交響楽団 1993年~1995年
Leonard Slatkin Saint Louis Symphony Orchestra

軽快なアメリカン・ポップスが詰まっている楽曲で、ワタシが所有しているのは、トランペット吹きの休日 ~ルロイ・アンダーソン・ベスト・ヒット~  ここではご紹介できないが、当CDはジャケ買いをした。だって、タイプライターをもじったイラストが楽しいのだ。ルロイ・アンダーソン(Leroy Anderson)さんの楽曲が詰まったCDである。タイプライターという楽曲が、お楽しみだったが、どんな風に演奏しているのか聴いているだけではわからない。こんな場合は、やっぱり動画 YouTubeにかぎる! コンサートの動画を拝見したら、タイプライターは、コミカルな打楽器として使用されている。タイプライターは、今は、PCのワープロに変わっているが、その昔は、ビジネスに欠かせない事務用品だった。実際に、タイプライターのキーを打つ音 パチパチパチ・・・チーンっ!という音が鳴っていたのだろうか。チーンっ!の音は、動画のコンサートでは別に用意されている。ウィキで、この事務機器の構造を見たが、なかなかに複雑。この楽曲は、忙しいビジネスマンをモチーフに作曲されており、大事な世情を表現するアクセントとして音の1つになっている。アイディアとユーモアのセンスがありますね。実際には、演奏を拝見したことがないし、タイプライターは、すっかり年代物になっているので、これからも演奏できるのだろうかと、ちょっと要らぬ心配をしたり。

ルロイ・アンダーソンさんは、1908年生まれのアメリカの作曲家である。いつもながらに、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、軽快で、諧謔性に富んだ曲調の管弦楽曲で知られる。ほとんどの作品は、アーサー・フィードラーさんの指揮するボストン・ポップス・オーケストラによって紹介されている。アメリカ軽音楽の巨匠とも評されているが、まあ~ 聴いてみたら確かに。ただ、この方、ハーバード大学に入学して、みっちり、楽理や対位法などを学んでおられ、言語学の研究者でもある。スカンジナビア語担当の情報将校として、ペンタゴンで働いておられたという、すご~い学歴の持ち主なんである。それがひょんなことから、アーサー・フィードラーの目に止まり、オーケストレーションの能力を激賞された上、自作を書くように求められたことから、作曲の道へ。タイプライターだけでなく、大衆向けのような楽曲がCDに詰まっているが、商業的にも成功を収めたとのことで、ジャズやタンゴ、スコットランド民謡のようなヨナ抜きが使われおり多彩である。表向きは親しめる曲だが、内実は、知的な要素が含まれ奥が深そう。発想とユーモア、知的なアイディアを探る楽しみがあるのではないだろうか。

当盤のカップリングは、次のとおり。トランペット吹きの休日 ~ルロイ・アンダーソン・ベスト・ヒット~
舞踏会の美女、ファントム・レジメント、春が来た、そり滑り、プリンク、プレンク、プランク、ブルー・タンゴ、忘れられた夢、トランペット吹きの休日、ペニー・ウィッスル・ソング、クラリネット・キャンディ、馬と馬車、トランペット吹きの子守歌、フィドル・ファドル、ジャズ・ピチカート、ジャズ・レガート、シンコペイテッド・クロック、サンドペーパー・バレエ、タイプライター、ワルツィング・キャット

【所有盤】 ルロイ・アンダーソン タイプライター
1993年~1995年 スラットキン セントルイス響 SC


 芥川也寸志 交響三章(トリニタ・シンフォニカ)
Yasushi Akutagawa: Works
湯浅卓雄 ニュージーランド交響楽団 2002年
Takuo Yuasa New Zealand Symphony Orchestra

芥川也寸志さんの交響三章(トリニタ・シンフォニカ Trinita Sinfonica)は、1948年に作曲されている。Wikipediaを元に記載すると、東京音楽学校研究科在学中に作曲した作品で、曲想や全体の構成の類似点から、「交響管弦楽のための音楽」「弦楽のための三楽章」とは、姉妹関係に当たるとみなされているそうです。
第1楽章 カプリッチョ(Capriccio):ファゴットの規則正しい伴奏の上に軽妙な主題がクラリネットで現れる。この主題は楽器を変えながら展開を重ねていく。シンコペーションを用いた別主題も登場するが、低音のリズムはずっと反復されたままである。最後はさりげなく終わるもの。
第2楽章 ニンネレッラ(子守歌 Ninnerella):三部形式。ファゴットで情感豊かなメロディが奏される。師の伊福部昭の影響を受けた中間部のメロディはオーボエで奏されるもの。
第3楽章 フィナーレ(Finale):全合奏による導入の後、ABACABAというロンド形式に近い展開、最後は熱狂的に終わるもの。


演奏時間は約23分で、戦後まもなくの作品だが、典型的なオスティナートの楽曲で、明るく、暗さをぶっ飛ばすような活気に満ちている。師匠の伊福部昭さんの影響が色濃く出ているとも言われているようだが、このリズムは、やっぱり原初的でワクワクさせる。
伸びやかで軽快さのある、さらっとした旋律は、大衆的で面白いですねえ。冒頭のファゴットとクラリネットは、どことなくストラヴィンスキーを意識させるけど、スネア(小太鼓)が入ってくると、ショスタコを意識させられる。ピアノも登場するし、変拍子で、2拍子、3拍子と変わるところは、意表を突かれてドキドキするし。面白すぎる。ソロが登場してくるとこは、滑稽さがあるし、ピーヒャララ風の踊りの雰囲気が醸し出されるし、金管が登場すると吹奏楽風味も出てくるし。メチャ多彩だ。
第2楽章に入ると、いっきにノスタルジックになるが、ファゴットの甘い音色が、まるでコーラングレのように聞こえる。歌謡風フレーズが続くが、夕暮れ時の切なさがある。泣き節なのだが、爽やかさも一方であって、オーバーな慟哭にならないところが憎いところ。フルートの音色を聴いていると、やっぱり和風。オケがフルに奏でていても、静かな鎮魂歌のようなフレーズで、じわじわ~っ、ぐぐぅ~っと耐え忍ぶ切なさに、DNAが呼び覚まされるかのようだ。
第3楽章は、一気に開花するオスティナートの渦。すごい大衆受けしそうな、朗々としたリズム感で、これは人気を呼ぶわ。あっはは~ 楽しすぎる。この楽章だけで、何度も繰り返して聴いてしまった。滑るリズム感で5拍子の先頭に転ぶリズムがあるので、加速度的に聞こえる。クラの明るい音色が効いている。それに、打楽器がよく響いている。この楽章は、プロコフィエフ風味で解りやすい、開放的な楽章だ。前楽章の旋律が織り込まれて、むはは~と笑いながら楽しめた。ニュージーランド響に演奏していただいて楽しんでいることに、ちょっと恥ずかしさがあるが、感謝しながら聴かせていただいた1枚である。
カップリング:芥川也寸志 オーケストラのためのラプソディ、エローラ交響曲、交響三章(トリニタ・シンフォニカ)



 

YouTubeでの視聴

ルロイ・アンダーソン
Leroy Anderson: Ritvélin (The Typewriter)
Iceland Symphony Orchestra Leroy Anderson: The Typewriter
ルロイ・アンダーソン タイプライター
アイスランド交響楽団 2016年コンサートより。
https://www.youtube.com/watch?v=rVFR7wDZT9A

芥川也寸志 トリニタ・シンフォニカ
Yasushi Akutagawa Trinita Sinfonica
ニュージーランド交響楽団 - トピック
芥川也寸志 交響三章(トリニタ・シンフォニカ)
Provided to YouTube by NAXOS of America
1 Capriccio: Allegro https://www.youtube.com/watch?v=ZqF9yEZfeNM
2 Ninnerella https://www.youtube.com/watch?v=pvTIupJg3q0
3 Finale https://www.youtube.com/watch?v=WlkQiTBhZZ0



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