バス待ちの列、ってありますよね。
着いた人から順に並んでいく、あれです。
まあ、バス通学の人間にとっては日常茶飯事的に遭遇する事象なので。
『心の揺れ』ってやつは、普段、発生しないものなんです。
でも。
今日は。
ちょっぴり、スパイシー。
僕は、普通に並んだんです。
ええ、いつも通りですよ。
最後尾に並んで、荷物を足元に降ろしただけ。
でもね、この時、すでにゴングは鳴っていたんです。
そう、スパイシーゴングが。
僕、視線を上げる。
見えたのは、女性の横顔。
もちろん、気付く。
お互い、気付く。
そして、同時に。
『FIGHT!』
逸らさない。(僕は、横顔から)
逸らさない。(彼女は、僕の視線から)
逸らさない。(目線が交錯するわけではなく)
それでも。
逸らさない。
決着がついたのは、バスが到着した時でした。
さすがに、横向きに歩くわけにはいきませんからね。
進んでいく列に従って、前を向いて歩き出すしかなかったんです。
オレの勝ちだ。
フフフ。