バースディ大作戦


ジリリリリ・・・・。

「・・・んだよ、今日休みのはずだろ〜?」


新一は、自分がセットした覚えのない目覚まし時計に愚痴りながら手を伸ばした。
ベッド脇にある、サイドテーブルが目覚まし時計のいつもの定位置だ。



ジリリリリ・・・・・・・。


「ん、あれ??」

音を止めようとした手が空を切る。
さほど広いとは思えないサイドテーブルのどこを探しても目的のものは、見つからない。
不思議に思った新一は漸く布団から起き上がり、サイドテーブルを視界に入れた。

やっぱりその場所に新一の探すものは、ない。


ジリリリリ・・・・。

自分の居場所を自己主張するかの如く、目覚まし時計は大きな音を立て続けている。

「どこだ・・・?」

きょろきょろと部屋の中を見渡す。
一般家庭と比べたらちょっと?広めの新一の部屋。
だが、広いとは言っても東京ドーム何個分。ほどの広さではない。
視力のいい新一だったら、肉眼で部屋の隅々まで見渡せるほどの広さだ。

だが、観察眼に優れた新一であっても、この部屋の中に目覚まし時計は見あたらなかった。


「何だ・・・?音はするよな、確かに。」

少しだけ焦りの色が見える口調でじっ・・・と観察する。
起きぬけの耳には変化が見られなかったが、きっちりと目が覚めた今の状態ならば。
聞き慣れた音に僅かな違和感を感じとれた。


音が・・・篭ってる??


違和感を感じられれば、そこから推理するのは容易かった。
新一は、自分の部屋を出て、隣の客間への扉を開いた。


ジリリリリ・・・・。


かくして、そこには。
音の正体である目覚まし時計が客間のベッド脇にあるサイドテーブルに鎮座されていた。

「やっぱり・・・な。」

得意げに近づく新一はその目覚まし時計に挟まれた紙を見つけ出した。

「・・・。」


それは、このいたずら?を考え出した人物からの手紙だった。
それを簡単に読み終えると新一は自分の部屋へと戻り、さっさと支度を済ませて家を飛び出していった。







駅前の噴水前。
約束の時間まであと10分。

自分の仕掛けた作戦に彼は乗ってくれるだろうか?
怒らずに此処へ来てくれるだろうか?
まさか、二度寝したりしてないよね・・・??


悪い予想ばかりが頭に浮かび、蘭はドキドキと落ち着かない様子でその場に居た。
昨日、園子に付き合ってもらった買い物を悟られないようにかばんにしのばせ。
先ほどから何度も今日のスケジュールをシュミレートする。

そして、最後に願うのだ。


神様、お願いっ!
今日だけは、今日だけは事件が起きませんように・・・・!!

彼女の切実なお願い事だ。




「蘭っ!!」


!!!

声がした方向へとばっと顔を向ける。


来てくれた・・・!!

満面の笑みが零れ落ちた。





出かけるのはいいけど・・・。
蘭がどこかに待ち合わせをして。というのが好みなのは分かるけどっ!!

だったらもっと危機管理能力を身につけてくれ!というのが新一の主張なのだ。
目立つ蘭は、とかく人の目を惹き易い。

目に飛び込んできた蘭は、今日もすらりと長く白い足を惜しげもなく他人様に披露するミニスカートだ。
長い髪は枝毛など1本もなく、天使の輪っかがちゃんと光っている。
全体的に華奢なわりに胸だけは例外らしく、でっかく自己主張をしている。

そんな彼女を周りの奴らが放っておくわけもなく。
でれ〜・・・っと鼻の下を伸ばしながら蘭を伺っている。
周りに牽制をかけつつ、声をかけるタイミングを見計らっている男たち。

そんな周りにまるで気づくことなく、どこか思案顔の蘭。

何を考えているのかも気になる。
だが、それ以上に周りの奴らにむっとする。


そして、本能の赴くままに行動する。



「蘭っ!!」



彼女まではまだ、50m以上あるが、大声で呼びかける。
蘭も気づいたようだ。
ふわりと長い髪が蘭の動きに合わせてなびき、こちら側へと振り返る。


満面の笑顔。

大勢居る中で、自分だけに見せてくれる笑顔に新一は酔った。



「珍しいわね。新一が約束通りに来るなんて・・・。」

びっくりしたような声をわざと出して話しかける。

「オメーな。隣の部屋に大音量の目覚まし時計置いて起きねー奴いねーだろ。」
「ふふふっ。だって昨日夜に事件が解決して満足げな探偵さんなら?
 2日前に出たミステリーの新刊を読みふけって遅くまで起きてるだろうなって思ったから。」
「誰に聞いたんだよ?」
「ん?」

自分の昨日の行動が読みきられていることに新一はちょっと不機嫌そうに問いかける。

「佐藤刑事と高木刑事。昨日事務所に来られた時に聞いたの。」

蘭は、あっさりと種明かしをする。


言われてみれば昨日車で自宅まで送ってもらった際、佐藤刑事に毛利探偵事務所事務所に行くと聞いた気がする。
その時、蘭に対して伝言でもしようか?とからかわれたことも同時に思い出し、苦笑いを零した。

「聞いてたんなら、来てくれても良かったのに。・・・家。」
「どうしてよ?」
「わざわざ待ち合わせしなくてすんだじゃねーか。」
「今日は待ち合わせがしたかったの!!」
「なんで?」

思わず大声で『待ち合わせしたかった』という蘭に不思議そうに問いかける。

「え!?」

あからさまにうろたえる蘭。
新一は、尚も問いかけてくる。

「なあ、なんでだよ?」

蘭は追い詰められた犯罪者の気持ちを味わいながらも黙秘を押し通した。
新一はそんな蘭を見て、此処でどれだけ押しても口を割らないだろう。と追求を諦めた。


「まあ・・・いいや。で?今日は行きたいところがあるからって書いてあったけど?」
「あ、うん!まずはね、映画館。」

気を取り直した蘭が今日のスケジュールを完璧にやり遂げるために行動を開始した。
そんな蘭に新一は不思議そうに首をかしげながらも素直に従った。


到着したのは、新装オープンした米花シネマ。
表にずらりと現在上映中の映画の看板が並んでいる。
その中のひとつに新一の目がとまった。

マニア向けのような映画で、本格的な推理が楽しめると評判のミステリー。

これがいいなあ・・・。と思いながらも新一はその隣にある看板を見つめ、ため息をついた。
隣にあるのは、全米ナンバー1とかいう超大作で、話題のラブロマンス映画だ。

・・・蘭の見たいのは・・・こっちだろうな。

「なに、ボーッしてるの?行くわよ。」
「えっ。オメー、チケットは・・・!!」

新一を促して劇場へ向かおうとする蘭に驚いて財布を探りながら呼び止める。

「チケットはあるの。ほら。」
「って、これ・・・この映画って・・・。」

蘭が示したチケットに書かれた文字に新一は再び驚いた。
それは、蘭好みのラブロマンス映画ではなく。
新一が見たいと思った本格ミステリーだったから。

「なんでオメーが本格ミステリー・・・。」
「頂いたのよ!それで新一好きそうだな〜?って思ったから。」
「ふうん・・・?」


いまだ納得しきれてない様子の新一を引っ張って、蘭は劇場へと足を踏み入れた。

名探偵をだますために蘭の心臓はドキドキものだ。
だが、名演出家・園子のアドバイスの下、作り上げた今日という一日。
まだ、ばれるには早いのだ。


劇場の中央後ろよりの席に座り、新一はぐるりと周りを見渡す。
さすがに休日、マニアックと評判の高い映画であっても人はそこそこ入っていた。
新一自身はとても楽しみだ。
どんな事件で、どんなトリックで、どんなストーリーが展開されるのか。
わくわくする。

だが。
蘭は何が楽しくてこの映画を選んだのかがまるでわからない。
事前予約をしていることを考えると初めからこれを見ようとしていたとしか考えられない。
確かに人に譲ってもらった。といわれればそれまでかも知れない。
だけど、蘭が好んでみるような映画じゃない。

蘭の態度からすると・・・人にもらってって感じじゃねーんだよなあ・・・。
どんだけラブロマンスは苦手だといっても聞いてくれない奴なのに・・・。
なんで、今回だけ??


「な、なあに?」
「あ、いや・・・なんでも。」

あまりにもじっと見つめていたせいなのか、蘭が視線に気づいて問いかける。
突然の事で、新一はごにょごにょと口ごもる。

「そ、そう?なら、いいけど。」

蘭もこれ以上追求するつもりはないらしく、簡単に会話を終わらせてしまった。

ビーっという映画館独特の始まりの合図が鳴り響き、あたりが暗くなる。
新一は、映画が始まることを自覚して、映画へと意識を集中させた。

蘭は新一に気づかれないようにほっと息をした。


映画は本格ミステリーを謳うだけあり、なかなか引き込まれる内容だ。
新一は、ごちゃごちゃと考えていた頭が全て映画に引き込まれていく心地よさを感じていた。

そんな新一をそっと盗み見て、蘭は本当に嬉しそうに微笑んだ。
新一が知ったら、見逃したととても悔しがっただろうと容易に想像できるくらいの笑顔だ。






「あ〜!面白かったっ!」

伸びをしながら映画館から出てきた二人。
映画の感想を口々に言い合っている。

「そう?本格的って嘘じゃないのね〜。全然解らなかった。」
「そうか?ああ、まあいくつかのミスリードがあったからな。」
「え!?新一解けたの!?」

蘭のびっくりした様な声に逆に新一が驚いた。

「あ?ああ。映画の中盤くらいでな。あのな〜、俺を誰だと思ってんだよ!」
「え?推理オタク。」
「んなろ。俺はな〜・・・。」


蘭のからかいに新一が応戦しようと口を開きかけた時同じくして、二人の後ろから若い女の声が聞こえた。


「あの〜・・・。名探偵の工藤新一さんですよね・・・?」
「は・・・?」


くるりと振り向いてしまった先には若い女性が数人。

「きゃあ、本物!?」
「うわ、すごーい!かっこいい〜!!」
「やった、ラッキーvv」

彼女たちは思ったことを素直に口に出し、見かけた有名人に夢中になっていた。

「工藤さんの大ファンなんですっ!握手してください〜!」
「あっ!咲ずる〜い!私もいいですか〜?」

「あ、いや、俺は・・・。」

断ろうとする新一に一人の女性が口を開いた。

「あ、そういえば今日・・・。」

蘭がぎくりとした。

や、やだっ!こんな風にばれるなんて・・・!

あせっていた蘭は、普段ならば絶対にしないであろう事をやってのけた。

「し、新一っ!!じ、時間ないよ・・・。」
「・・・ああ。すみませんが、時間がないので・・・。」

新一は外交的に断ると蘭の肩を抱いて、強引にその場を後にした。


「ごめんね?」
「は?」
「ファンの人たち・・との邪魔して・・・。」

蘭は済まなそうにそう謝る。
とっさの事とはいえ、普段ならば絶対にしないことまでやってのけてしまった。
反省しきりなのだ。

「ばぁか!逆に助かったよ。」
「え?」
「せっかくの蘭とのデートなんだぜ?他人に邪魔されてたまるかってんだ!」
「し、新一・・・!」

さり気に口から零れ落ちた新一の言葉に蘭は真っ赤になってしまった。

「で、次はどこに行きたいんだ?」
「え?」
「さっき自分で言ってたじゃねーか。時間ないって。」
「え、あ・・・。で、でもあれ口からでまかせって・・・!!・・・思わないの?」
「ああいうシーンで全くの嘘吐ける奴じゃねーだろ?」
「うん・・・。」

さらりと真相を口にする新一に蘭は驚きながらも素直にうなづく。

「で?どこに行くんだよ?」

くるりっと蘭のほうへと顔を向けたまま新一が問いかける。
そんな何気ない新一のしぐさに蘭は見ほれてしまい、それに気づかれないように指を指し示す。

「こっち・・・。美味しいって評判のレストランにね、予約入れてあるの・・・。」
「ふうん・・・。」

新一は蘭の言葉にちょっとつまらなそうについていく。
頭の中でのシュミレートに忙しい蘭に聞こえない絶妙な音量だ。


メシなら蘭のが一番うめーのに・・・。

これは新一の心からの心の声。
どんなに素敵なレストランも有名シェフの料理も蘭の料理には叶わないと信じている。
だが、作らせてばかりで居るのも悪いと自覚しているから、新一はレストランに行きたいという蘭に何も言わない。


第一此処で俺がみょーなこと言って、蘭が落ち込むのはヤだしな・・・。


そんな感情を一切出さずに蘭との語らいを楽しみながら歩く新一。
しかし、新一の疑問は消えては居なかった。

・・・しっかし!
此処まで用意周到な準備してるなんて・・・やっぱり何かあるのか?今日・・・。



「ここなの。」
「ふうん。蘭の好きそうなタイプの店だな。」

しばらく歩いて蘭が立ち止まった場所。
そこは、看板も何もない一見すると普通の家のように見えるこぢんまりとした店だった。


ドアを開けると、店主らしき人物がにこやかに二人を迎え入れた。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました、毛利様ですね?」
「は、はい。」


ふうん。と新一は心で思う。
きちんと予約者の名前を把握している。
もしかしたら時間ごとに一組と決めている店なのかもしれない。



派手でもなく、だからといって地味すぎるわけでもない。
落ち着いて食事するにはいいと思える店構えだ。

「し、新一は・・・嫌いだった・・??」
「は?」
「このお店・・・。」
「はあ?」

蘭の探るような言葉が本気で理解できずに新一は疑問の言葉しか出てこなかった。

「何言ってんだ?おめえ・・・。」
「だって、私が好きそうなお店って言うから。・・・新一はそうじゃないのかな?って・・・。」
「ばあか。」
「ば、ばかって何よ!?」

呆れたように口にする新一の言葉に蘭が顕著に反応を返す。

「ばかだからばかって言ったんだよ。だれも気にいらねえなんて言ってないだろーが。」
「え?」
「落ち着いて食事できそうないい店だと思うぜ?」
「ほ、ホント!?」

蘭は本当に嬉しそうな顔をしている。

・・・こんな嬉しそうな顔が見れるなら店なんてどうだっていいと新一は本気で思っていた。
もちろん。
そんなこと、口には出さないが・・・。

「しかし、こんな店、よく知ってたな?オメー。」
「・・・教えてもらったの。」
「だれに?」

即座に返す新一。
彼にとっては「誰に」教えてもらったかが一番重要なのだ。

「佐藤刑事。たまたま見つけたお店なんだって。」
「高木刑事とのデート用か?」
「うん。刑事さんたちにばれにくいって笑ってた。」
「まあ・・・確かにこんなとこに店があるとは思わねーよな。看板も出てなかったし。」
「佐藤刑事もそういってた。」


くすくすと笑いながら和やかに食事は進んでいく。
料理は美味しいし、出てくるタイミングも絶妙だ。
他に客も居ないし、十二分にプライベートも守られている。

新一も久しぶりにゆったりとした気分だった。

料理も終わりに近づいき、残すは多分デザートだろうと思っていた時。
蘭が店の人間に合図を送ったことに新一は目ざとく気づいた。


「蘭?」

なんだ?と新一が聞く前に綺麗に飾りつけられたデザートがやってきた。
蘭のものとほぼ変わらないその皿。

唯一の違いに新一は気づいた。



”Happy Barthday!Shinichi”

そうかかれている。


「誕生日おめでとう、新一!」

不意に聞こえる蘭の声。

「え・・・?」

ぽかんとしている新一に蘭は苦笑いを零す。

「やっぱり忘れてたのね?自分の誕生日。」
「誕生日・・・俺の・・・?」
「そっ!5月4日!国民の休日。工藤新一の誕生日。」
「あ・・・。」


コナンだった頃に誕生日にまつわる犯罪に巻き込まれてから自分の誕生日は忘れないと思っていた。
どうやらそう思っていたのも錯覚だったようだ。
今の今まで、すっかり忘れていた。
漸く今までもやもやしていたいろんなことがクリアになった。

何故蘭が待ち合わせをしたかったのか。
何故好みに合わないミステリー映画なんかを見ようとしたのか。
何故普段ならしないような邪魔をしたのか。
何故こんな店を見つけてきたのか。


全部全部、俺の誕生日のため・・・。

「プレゼントはね、ばれると思ったから頼んできたの。」
「頼んで?」

蘭の意外な言葉に新一は目を丸くする。

「うん。園子にね。今頃は博士の家に移動してるはずよ?」
「そういえば昨日園子と出かけたって言ってたな、オメー。」
「そっ!その時に頼んでいたの。哀ちゃんと博士にもね。」
「・・・俺の知らないところでこんな計画立ててたなんてな〜・・・。」
「いつも忘れてる人をびっくりさせてやろうって思ったのよ!」


いたずらが成功した子供のように満面の笑みを浮かべる蘭。
そんな蘭を見て新一は「ま、いいか。」という気分になっていた。

蘭のこんな輝くような笑顔を見れただけで・・・十分なプレゼントなんだから。
でも、それを素直にはまだ言えない。

「まっ!俺の誕生日はなんてったって「国民の休日」だからな!皆が祝うってワケだ。」
「残念でした〜!」
「んでだよ?」

新一はあっさりと否定してくれる蘭にちょっとむっとする。

「新一知らないの?『国民の休日』ってなくなるんだよ?」
「へっ?」
「4月29日が『昭和の日』に変わって、4日は『みどりの日』になるの。」
「そうなのか?」
「うん。大体新一産まれた時まだ『国民の休日』なんてなかったじゃない。」
「まあな。これってつまりGWに飛び石にならないように作られたんだろ?確か。」
「確かね。ラッキーデーみたいなもの?いいじゃない。新一にぴったり〜!」
「んでだよ?」
「新一もわりとラッキーに助けられてきたじゃない?」
「・・・オメーみてーなバカヅキ女に言われたくね〜・・・。」

蘭のからかいにさすがに少しは反論を返した新一。
蘭は「失礼ねっ!」と怒って見せたがすぐに笑う。
そして少し神妙な顔をした。


「新一は・・・大勢の人に祝って欲しかった?」
「あ?」
「誕生日。沢山の人に祝って欲しかった?本当はどうしようか迷ったんだよ?」

蘭のテンションが少し下がる。
伺うような口調だ。

「迷ったって何をだよ?」
「沢山人を呼んでパーティしようかどうしようか。」


蘭の言葉に新一は思わず噴出した。


何を馬鹿なことをなやんでいるんだか・・・。


「な、何よ、笑うことないでしょ!?」

蘭が噴出した新一に気づいて声を上げる。

「ばあか。俺は、蘭に祝ってもらうだけでいいんだよ。」
「え・・・。」
「二人きりで過ごすほうがずっといいに決まってるだろ。」
「新一・・・。」

ふわりと蘭が綺麗に微笑んだ。
それにつられて新一も笑みを返す。


「新一。」
「ん?」
「誕生日おめでとう。産まれてきてくれてありがとう。」


蘭の言葉にどう返せばいいのか悩んだが・・・とりあえず答えを返した。


「どういたしまして。」


二人の目線の高さに持ち上げられたワイングラスがかちんっ!といい音を鳴らした。






祝日の日企画第7弾です。

「国民の休日」はどーしてもラッキーディとしか認識してないのですが。
とりあえずこの日はどーしてもコレははずせないでしょう!

というわけで、「新一誕生日話」です。
蘭ちゃんのドキドキ大作戦。
発案はとーぜん園子ちゃん。
ええ、いちおう第6弾企画とリンクしてます。そのつもりで見ていただけると幸いですv


新一君ハピバ〜v

あ、作中に出てます祝日変更のお話は本当です。
平成19年(2007年つまり来年ですね。)から実施予定のようです。