++ キャラクター描写お題 ++
いろんな性格描写に挑戦☆

01.のほほん

「か〜いと〜!」

能天気の極みのような声。
皆がテスト直前でぴりぴりしたムードをかもし出している時ですら。
のほほんと俺を呼ぶ声。

こんな奴は俺は一人しか知らない。

「んだよ、青子。余裕じゃねーか。」
「そっかな?快斗ほどじゃないと思うけどなあ、青子。」
「そうか?」
「そうだよ。テスト直前に寝てるなんて快斗くらいだよ?」

青子はそういいながら手に持ったテキストで俺の頭をパンパンと叩く。

俺は昨日キッドやってて眠いんだよ!

ふわあっと大きなあくびをして伸びをする。
大きな声で言えないコトを心の中で言いながら。





この時のクラスメイトたちの考えることは一致している。

オメーら、二人揃って余裕じゃねーか!!
揃ってのほほんとした雰囲気をかもし出すんじゃねえ!

当然、二人ともクラスメイトたちの心の叫びには気づかない。

 


02.冷静沈着

「そうですか?貴方は冷静さを失っているようですね。」

「僕の推理に間違いはありません。」

「証拠は全て揃っていますよ?ご心配なく。」


警視庁の刑事たちはこの場面でいつも思う。
目の前で推理ショーを繰り広げる人間が、若干17歳の少年だとは思わないと。

冷静沈着。
取り乱すところなど見たことがない。

・・・・数名の刑事を除いては。


高木・佐藤両刑事はいつもこの場面を不思議に思う。 

「いや、工藤君は事件現場では冷静沈着で流石ですね!」
「ホントにねえ。蘭ちゃんと居るときの工藤君が想像つかないくらい。」
「ははは・・・・・。」


佐藤刑事の冷静な台詞に高木刑事は苦笑いするしかない。


冷静沈着な彼がその本性を現す存在が現れるまで、後5分。



03.高飛車  

「せやから、こうなるっちゅーわけや。」
「ああ〜、なるほど、なるほど。」
「理解できたやろ?流石オレ。」
「・・・それ自分で言うてしもたら意味ないやん。」
「なんでや?」

心底不思議そうな目の前の幼なじみに思わずため息が零れる。

「普通アタシが『理解できたよ。流石平次』っていうんよ?」
「オレが教えたってんねんで?理解できへんわけないやろ。」


「・・・なんで、そこまで高飛車になれんのよ?あんたは・・・。」


最早何を言っても無駄だ。と、はあっと和葉はため息をついた。
だが、平次はそれには気づかない。
上には上が居ると、知っているからかもしれない。

いや、知っているというよりも、「上が居る」と思い込んでいるといったほうが正しい。
周りから見たら五十歩百歩。どんぐりの背比べ。なのだが・・・・・。


04.意地っ張り  

新一に背中を見せて身体いっぱいで拒絶しているような態度を取っている。
珍しく新一が何を言っても振り返ろうともしない。

怒らせた自覚はある。
だが、それも些細なことだ。

相変わらず意地っ張りなのは変わらない・・・・。

そう新一はため息を零す。

「らあん?」
「・・・・。」

やっぱりまだ怒ってる。
でも完全に拒絶しているわけではない。
それは解る。

その証拠に蘭が時折こちらを伺っているような雰囲気をかもし出している。
他人様には気づかないかも知れないが、この名探偵・工藤新一様をなめてもらっちゃ困る。

犯罪者を追い詰める鋭い洞察力の持ち主。
それに対象が毛利蘭ともなれば何倍に跳ね上がると思っているんだね?

さあってと。
「レディースアンドジェントルマン!」
キッドの如くの始まりの合図。

コキッと首を回して気合を入れて。



この目の前の意地っ張り姫の怒りを見事に解いて見せましょう?



05.猪突猛進

猪突猛進。
周りが見えなくて、突っ走ってしまう人という意味ですよね。
その意味に一番当てはまるのは、実は目の前の人じゃないかと僕は思います。

みんなが一番に思い浮かぶのは服部探偵や工藤探偵でしょうね。
あ、佐藤刑事もそれに当てはまりますね。


目の前の人と答えると誰もが皆、驚きます。

冷静沈着・クール。
そんな言葉が似合う人だから。


でも。
猪突猛進って、周りが見えなくて突っ走ってしまう人の事なんですよね?



「今日も学校に来ないと思ってたら何してるんですか!!」
「もうちょっとでこの実験、成功しそうなのよ。」
「また何にも食べずに徹夜ですか!?」
「あ、ちょっと光彦!何するのよ!」
「研究よりもまずは食事してください。」
「はあ〜い・・・。」


こんなことが日常茶飯事で繰り返されているんですよ?
やっぱり目の前の人は猪突猛進って、いえると思います。

「あ・・・・そっか!それなら上手くいくわ。」
「哀ぃぃぃぃ!!!」


06.自分一番  

「この名探偵・毛利小五郎にお任せください!」

何度聞いただろう?この台詞。
覚えても居ないはずなのにさも自分が解き明かしたように自信満々で。
見習いたくて見習いたくないところだなあ・・・とコナンはいつも思う。

自分も自信に満ち溢れているとは思うが、彼には敵わないと思う。

常に自分一番と思い込める毛利小五郎にコナンは心底、感心した。


07.人間不信  

「誰も信じない、信用しない。」
そうしてこなければ生き抜けなかった。

組織を抜け出すその瞬間まではそう信じて疑わなかった。

ある種の人間不信。


・・・なのになぜ、私は彼に保護されたときに素直に話してしまったのだろう?
自分が巨大組織の人間だということを。
そして、彼の友人を小さくした薬を作った人間だということを。


今、考えても分からない。



08.素直

「うん、哀ちゃんがそういうならそうするわ。」

素直な彼女の言葉。
そんな彼女に彼は救われている。
そして私も救われているのかもしれない。

「新一・・・なんでしょ?」
「・・・違うよ。」

何度となく繰り返されてきた彼らの台詞。
素直な彼女がいつも騙される。

・・・でも本当に騙されてるの・・・?

素直な彼女に私たちが騙されているのかもしれない。

 
09.猫かぶり

「え〜?ボクわかんないよ。」
「蘭ねえちゃん!あのね!」

慣れたはずのこの光景。
でもいつ見ても感心する。

くるりと振り向くヤツの鋭い目つき。

「んだよ、服部?」
「いや。相変わらずえさのいらない猫を手なづけとるようで。」

暗に猫かぶりを皮肉って嫌味を言ってやるつもりだった。
だけど、工藤はひるむ様子も無く、言い切りよった。

「ああ、手なづけは得意だぜ?なんせ10年ものだからな。」

その言葉に俺がひるんでしもた。

ヤツの猫かぶりは「コナン」になってからはじめたものではないことがはっきりと分かった。
そしてため息を大きく吐いた。


 
10.俺様的

「この名探偵毛利小五郎にお任せください!」
「この名探偵に解けない謎なんてありませんよ。」

私の周りには俺様的な人間が多い。
お父さんもそうだし、新一も。
それにお母さんだって、有希子おば様も園子だってそう。

とてもうらやましいなと思う。
私は・・・駄目。
とても自信なんて持てない。

でも皆に負けないように頑張らなきゃっていつも思ってる。
そうしていれば・・・少しは成長出来ているかな?


11.几帳面  

「お父さん、ちゃんと片付けなさい!」
「片付けたぞ?」
「嘘ばっかり!ほら、ここっ!ビールが零れてるじゃない!」
「ほんのちょびっとだろうが!」
「駄目っ!ビールって放っておいたら、べとべとしちゃうでしょ!?」
「へいへい。」

蘭はとことんまでに几帳面だ。
俺がこんなだから丁度いいのかもしれね〜が。
しかし、几帳面すぎる。

お小言を貰いながら俺は言われたとおりに零れていたビールを雑巾でふき取る。

「やれやれ。」
「あ、お父さんっ!拭いた雑巾きちんと洗っておいてよ?」


・・・やっぱりもう少し、ぐうたらであってもいいのかも知れねえ。
だが、やっぱりあいつに似ている。そう思うと嬉しく思う。

複雑だな。



12.鈍感  

この世で一番鈍感なのはやっぱり目の前の女だと俺は思うわけだ。

「あ、石山君、やってくれるの?ありがとう。」
「いやあ、気にすんなよ、中森。」

満面の笑みでお礼を口にする青子。
石山は青子に気があるともっぱらの噂。


でも俺はあまり気にしない。
何故かって?
見てろよ?

「あ、快斗!んもうっ!ちょっとは手伝ってよね!」
「石山がやってくれてんだろ?」
「いっつも人任せなんだからっ!」
「いいよ、中森。俺手伝うから。」
「駄目だよっ!快斗甘やかすと付け上がるんだからっ!」

ぷうっと頬を膨らませて青子は石山の持っていたノートを奪い取り俺へと押し付ける。

「な、中森?」
「石山君も快斗のいいなりになっちゃ駄目だよっ!」
「へ?」
「快斗がやるのっ!」

強い口調で青子はきっぱりと言い切る。

「しゃーねーなー・・・。」
「ほら、ほらっ!」

呆然としている石山を置いて青子はその場を離れる。

ごしゅーしょーさまv
俺はにやりと笑って蹴落としたライバルを盗み見てその場を離れた。


13.八方美人  

八方美人ってあまり良い言葉じゃないことはわかっているし。
親友にそんな言葉を贈るつもりも毛頭無いけど・・・。

でも、「無意識の」八方美人じゃないかって、思うわけよ。


「佐藤さん、連れてきてよ!」
「いいけど、佐藤さんも一緒だよね?」


警察関係者との合コンを企画すると必ず出てくるこの台詞。
美和子が警視庁のアイドルなのはわかっているけど。

・・・美和子、もう彼氏居るのになぁ・・・。と思うのも事実。

でも誘うと食べ物代、タダだし、案外簡単にノッてくれる。
無意識に引っ張ってる気さえする。

そのたんびに高木君がはらはらしてるけど、ソレにも気づいてない感じ。


誘うのやめたほうがいいのかなぁと思いつつも、私は今日も美和子を合コンへと誘う。


何故って?


だって、美和子を連れて行くと約束した合コン、男共が張り切って、ワンランク上のトコを指定するんだもん。
・・・美味しいじゃない?

美和子だって美味しいものタダで食べられるわけだし、損はしてないわよ?




14.あっさりさっぱり

「んなもん、オマエが悪いんやろっ!?」
「そんなこと無い!平次のほうがオカシイやん!」

また、始まったよ・・・。


クラスメートたちみんなの心の叫びだ。
この幼なじみと言い張る二人はどーにもこーにも些細なことでけんかしてくれる。
二人とも強情だから引かないし。

うんざりしつつも放っておくに限るので、余計な口を挟む輩も居ない。
故に平次と和葉の口げんかはヒートアップする一方だ。

こんな大声。
きっと職員室まで届いているだろう。
それでも教師が注意に来ないのはこのケンカの終幕を知っているから。


どーせあと5分もしないうちにヒートダウンする。
そして、周りがあっけに取られるほどあっさりさっぱりと。
まるで何事も無かったかのように彼らのケンカは終わりを告げる。

ソレが分かっているから、だれも何も言わない。
言うだけの時間がもったいないからだ。


そうやって平次と和葉のケンカが終りを告げる頃。
彼らのケンカの原因となった案件は、解決へと向かっていた。





15.一匹狼  

「ガキの転校じゃないんだし、やめましょうや、そういうのは。」

かつてそんな風にこの中へと飛び込んできたのは、一匹狼きどりの彼だった。

実は親友を亡くしたばかりで傷ついていた彼。
その事実を知ったのは、知り合って3日目だった。

同情するわけじゃない。
もちろん、そんなもので彼が喜ぶなんて思ってもいない。

だけどそれに気づいてから、彼の「一匹狼」はポーズだと気づいた。
其処からは随分と打ち解けたように思う。


分かり合えるのはこれからだった。
彼が一匹狼から群れの中に入ってきてくれるその第一歩を踏み出す前に、彼は私の前から去った。



16.優柔不断

「う〜ん、どうしようかなぁ?」
「なあに?まだ迷ってるの?」

哀ちゃんはさっきから呆れ顔で待っててくれてる。
でも焦れば焦るほど、選べなくなる。

だって、どっちも可愛いんだもん。

「そういうの、”優柔不断”っていうのよ?」
「”ゆうじゅうふだん”?・・・ってどういう意味?」
「簡単に言うとなかなか決められないこと。」
「ふうん。歩美そうかもしれないなぁ・・・。いっつも決められないの。」

歩美がはあっとため息を吐くと哀ちゃんが何かをぼそっと呟いた。
その声が小さすぎて歩美には聞こえなくて。
「なあに?」と問いかけてみても「なんでもないわ。」とそっけない。

こうなったら哀ちゃんは答えてはくれないから両方の手の中にあるものに目線を戻す。

「どっちにしようかなぁ?」

その時にはもう意識がそっちへ行っていたから哀ちゃんがため息を吐いたのは見えなかった。

「・・・素早く決められるものだってあるにねぇ・・・。」



17.頑固

「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」


コナンははあっとため息を吐いた。
約一時間、目の前の親子は居間のテーブルを囲んでずっと黙ったままだ。


く、空気が重い・・・!!

この場から逃げたしたいほど淀んでいる室内。
しかしコナンはこの場に縫い付けられたように動けないで居た。


三者三様。
この親子はなかなかに皆、頑固だ。

小さな子供であり、この家で居候する身分であるコナンの言葉にも今は耳を貸さない。


早く終わって欲しいなぁ・・・。

そう思いながら、コナンはもう一度大きなため息を吐いた。



18.ナルシスト

クラスの女の子数名のくだらない議論。
ふとぼんやりと自分の席に座っている青子に話しかけた。

「なに考え込んでんの?青子。」
「恵子。・・・うん、お夕飯何にしようかなぁ?って迷ってたの。」
「もうすっかり主婦してるねぇ。」
「だってしょうがないんだもん。」
「はいはい。」

青子はクラスの誰よりも子供っぽく見えるのに、本当は誰よりも大人だ。
私はふとそんな青子の意見が聞きたくなってしまった。
先ほどのくだらない議論の意見を青子に求めた。

「ね、青子はどう思う?」
「?何が?」
「うん。このクラスで一番のナルシストって誰かなぁ?って話。」
「ナルシスト?」
「そうそう!」
「やっぱり白馬君じゃない?」
「でも小泉さんも捨てがたいよ〜。」
「やっぱりこのツートップで決まりかなぁ?」

数名の女の子たちが集まってきゃいきゃいと意見を通わせあう。
良く出てくる答えはだいたい白馬君と紅子ちゃん。

「ね?青子は誰だと思う?」
「なんだ、そんなの決まってるじゃない!」
「ええっ!?誰よ、だれっ!?」

あっさりといい切る青子の顔に迷いは無い。
結構気になる。
そう思うのは私だけではない様子で。
みんな青子の方へ乗り出している。

「クラスで一番のナルシストでしょ?快斗に決まってるじゃない!」


みんな一瞬にして静まった。
・・・幼なじみの貫禄なのか、ナンなのか?

今まで一度として名前の出なかった彼がクラス一の称号を密かに手にした。



19.冷酷


「次は無いと思え。」


あの一瞬後、目の前に居たはずの人は人ではなくなった。
ガラス玉のような目を向け、表情ひとつ変えることなく撃つ。


あの冷酷さは組織内でもずば抜けている。
殺害した後に喜ぶキャンティよりも。
無表情だけれども撃つ場所にこだわるコルンよりもそれは上だと判っている。




ジンにとって、それは殺害を楽しむわけではないからだ。
ジンにとって、それは殺せればそれでいいからだ。



20.ゴーイング・マイ・ウェイ


「んま〜!新ちゃんってば女の子の事全然わかってないんだからっ!」

そういって、母さんは蘭を連れて外出してそろそろ1時間になる。
やれやれとオレは重い腰を上げて母さんの昔からのなじみの店へと足を運ぶ。



「あ〜ら、新ちゃん。やっぱり来ちゃったのぉ?」
「テメーの勝手で蘭を振り回すなって言ってんだよ。」
「まぁまぁ。それより黙ってみてなさいってば!」

しぃっ!と自分の口元に人差し指をあてて、俺を黙らせる。
ガラス張りの試着室から聞こえる声。
当然、蘭だ。

「蘭ちゃ〜ん!大丈夫?」
「あ、は、はい。・・・でもこれ・・・。」
「ん〜??」

扉越しから聞こえる蘭の声はどこか戸惑いが混ざっている。

「私の見立てに間違いは無いわよぉ〜!」
「・・・。」

母さんの声はどこまでも楽しそうだ。
どうせオレが隣に居るからだろうと推測をつける。


その瞬間。
試着室の扉が開いた。



「・・・・。」


判っていたはずなのに、見とれた。

「え、新一!?」


蘭も居るはずのない人間に驚いている。


固まる俺たちを残して、母さん一人やけに楽しそうだ。

「ま〜!!蘭ちゃんやっぱり素敵っ!」
「あ、ありがとうございます・・・。」


かあっと照れて蘭がはにかむ。


ちくしょー!可愛すぎじゃねーか!!


「この子もついでに仕立ててやって。」
「はい、かしこまりました。」
「おい、母さん!?」


突然の母さんの言葉にオレが慌てる。


「今日は優作と二人でディナーなの。」
「だから?」
「新ちゃん一人でご飯食べるの嫌でしょ?」
「・・・・で?」
「レストラン別に予約はしてあるから蘭ちゃんと二人で行ってねv」

ハートマークを最後につけて母さんは言い切る。
言いたいことだけ言い終わると最後にもう一度蘭をぎゅうっと抱きしめてから店を後にした。


「工藤様、こちらなどいかがでしょうか?」


店員の声が呆然と残されたオレの耳に届いて、漸く意識を取り戻す。

あの人は本当に最強のゴーイングマイウェイだとため息を吐いて、俺は着替えることにした。

理由はどうあれ、蘭と二人きりなんだから文句も言いようはない。
蘭だって、「母さんがせっかく」といえば、断ることもしないだろう。


ま、オレも実際のところ、母さん譲りのゴーイングマイウェイな奴だと言われるしな。




ずい分前に、手ならしでやっていたお題もの。
あまりに放置しすぎで、とりあえず上げてみます。
お題が出来上がるごとにこんな風に纏めてあげます。



 コチラのサイト様からお題をお借りしています。