「だめええええ〜〜〜!!」

帝丹高校の2年B組の教室に少女の声が響き渡った。
声の主は毛利蘭。

めったに無いことなので教室内にいたクラスメイトが全員蘭の方へと視線を向けていた。


視線の先を見て、クラスメイトたちは驚いていた。


真っ赤な顔をして蘭は新一に抱きついていたからだ。


「ら・・・蘭?」
「だ、駄目・・・。」

蘭はぎゅうっ・・・と新一が緩めかけていたネクタイを手にしていた。

クラスメイトたちはそんな2人に注目をしていたけれども。
めったに無い光景をニヤニヤしながら見ていたけれども。


蘭にはそんな周りの光景など目に入ってはいなかった。
新一の行動をとめることに精一杯だったのだ。

普段の新一ならそんな蘭の行動にわたわたしているはずなのだが
今回に限っては堂々としていた。

いつもの不敵な笑みまでも浮かべて・・・・。


「どうしたんだよ?蘭?」
「・・・・。」

漸く、落ち着いてきた蘭は今になって自分のやった行動を恥ずかしがって慌てて新一から離れた。

新一はいたずらっ子のような目を蘭に向けて少し乱れた制服のネクタイに手をかけた。

「ったく・・・。暑かったから少しネクタイ緩めようと思っただけじゃねーか。」
「や!だめ!駄目よ!!緩めちゃ駄目!」
「でもなあ・・・。」


新一がニヤニヤと笑いながらまたもネクタイを緩めようと手をかけた。
それに気付いた蘭がまたぎゅうっ・・・と新一の手ごとネクタイを握り締めていた。


涙まで流しそうなうるんだ目を向けられこれ以上からかうのも理由が分かっているだけに可哀想だと思ったのか
新一は蘭の頭をぽんぽんと軽く叩いて蘭が握り締めていた緩めかけていたネクタイをきちんと締めなおした。

「ほら、これでいいだろ?」

にやりと笑いながら見つめられ蘭は自分の行動を恥ずかしがって、また、新一の考えを見抜き、
顔を赤くし、新一を軽くにらみつけながら

「意地悪・・・。」

と小さな声で返した。


周りのクラスメイトたちは、そんな2人の怪しげなやり取りに口を挟もうとタイミングを見計らっていたが、
丁度いいタイミングでチャイムが鳴り響き、次の授業の担当教師が入ってきたためそれはかなわなかった。




授業中、どうしても気になった園子が蘭に小声で話しかける。

「ね、蘭、何があったってのよ?」
「や・・・・。ごめん・・・。何も聞かないで・・・。」


消えそうな小さな声で、顔を真っ赤にさせて言う蘭に園子も何も言えなくなって黙り込んでしまった。


新一と蘭の間で何かあったことは確かなのだが、それによって蘭が悲しむ・・・とかそういうのではなさそうなので
園子は黙認を決め込んだ。



・・・ま、コイビト同士の内緒事に分け入るほどヤボな真似しても・・・ね。



蘭は授業中・・だというのにその内容は、ちっとも入ってこなかった。
そおっと、気付かれないように斜め後ろの新一をのぞき見る。

退屈そうにシャーペンを回しながら授業を聞いている新一。
そのきっちりと結ばれたネクタイに目がいく蘭。
新一が視線に気が付いたのか、顔を上げそうになっていることに気付き、蘭はぱっと顔を背けた。



・・・なんであんなコトできたんだろう・・・・?私。
新一の瞳の魔力にとりつかれてたの・・かな?


新一は蘭との情事のとき、よく蘭のカラダに印をつけたがる。
今も蘭の制服の下の見えないところには新一のつけたアトが沢山ある。

「恥ずかしいから・・・やめて・・・。」

そんな蘭の懇願にもかかわらず、新一は蘭の肌に吸い付くことをやめない。
やめないどころか、日を追っていくごとに。


カラダを重ねることが増えていくごとに。



その新一の行動は激化していっているように見える。


「どう・・して?」
「あん?」
「どうして・・・こんなコト・・・するの・・・?」

不思議に思った蘭が新一に行為の最中に掠れた声で問いかけた。

新一から返ってきた答えは実に単純なものだった。

「こうしておけば蘭がオレのものだって・・・実感できるから。」
「じ・・・っかん・・・?」
「そう。アトがあれば蘭がオレに愛されたって・・・証拠が出来るだろ?」
「証拠・・・・?」
「そう、証拠。」


じっと瞳を覗き込まれて息が苦しくなる。

新一が蘭の肌に吸い付き、その快感に蘭が我を忘れそうになりながら頭ではひとつの疑問がわいてきていた。

「で、でも、じゃあ、私が新一を愛したって・・・証拠は・・・なにも、ないじゃない・・・!!」

蘭の搾り出すような声に漸く新一は蘭の肌から唇を離した。


じっと覗き込むように見つめられた目。
不思議そうに見ていた新一の目が急に少し怪しげな光を宿した。

「じゃあ・・さ。蘭も・・・俺を愛して・・・・?」
「え・・・?」


いきなり言われた新一の言葉に蘭ははじめ付いていけなかった。

愛して・・・・って・・・愛してるのに・・・・?

頭の中で自問自答する。

頭がついていかず、きょとんとする蘭に笑いかけながら、新一は蘭の耳に唇を寄せる。

「蘭も・・・・俺を愛して・・・?蘭も・・・俺に”証拠”を残して・・・?」
「証拠・・・って・・・?」

そこまで声に出して、蘭ははっとした。

証拠って・・・・。

新一のさっきの言葉を思い出した。


  

  アトがあれば蘭がオレに愛された・・って証拠が出来るだろ・・・・?



・・・とたんに顔を真っ赤にする蘭。

自分の意図することに気付いたのだと気付いた新一がゆったりと笑う。

「蘭・・・?」

声を掛けられてビクリと肩を揺らし、新一を見上げた蘭。


「蘭・・・、俺を愛して・・・?」

三度言われた新一の声が蘭を媚薬のように誘う。

蘭の焦点が合わなくなる。

蘭の目が・・・新一の首筋・・・鎖骨に目が行く。

男の人の骨ばった・・・それでいて繊細で綺麗な鎖骨。


蘭の手が動いて・・・新一を抱きしめる。


蘭の唇は・・・真っ直ぐに・・・新一の鎖骨に伸びた。


新一を・・・愛してるの・・・・。
新一を・・・愛するの・・・・・。


新一は・・・・私のモノなの・・・・!!
誰にも渡さない・・・・!!


頭の中がスパークしながら蘭は新一の鎖骨を夢中で吸い付いた。




・・・気が付いたときには・・・新一の鎖骨には蘭が愛した印が沢山出来ていた。




や・・・やだああ・・・・・!!

蘭は顔を真っ赤にした。

授業中だというのに思わず、新一との情事を思い出したことに恥ずかしさがこみ上げてきた。

あ、あのときの私はどうかしてたのよ!!
新一の・・・瞳にとらわれて・・・何も考えられなくなってたのよ・・・!!


私のつけたアト・・・どれくらいで消えるんだろう??
それまで、お願い!!

新一、ネクタイ緩めたりしないで・・・。
鎖骨を人に見せたりしないで・・・!!


蘭は懇願するように胸の中で祈る。



・・・でも。


そう、でも。

恥ずかしさとは裏腹な気持ちが出てくる。


新一の鎖骨には今、私が新一を愛した確かな証拠がある・・・。
新一が、私のモノ・・という証拠が・・・・。


むくむくと蘭の心に芽生えてくる想い。

証拠を消したくない・・・。
新一を愛した証拠を・・・・。



ねえ、新一?


今日も・・・鎖骨に貴方を愛してる証拠を・・・・・。
貴方の鎖骨に残しても・・・いい・・・・??

うひゃああああ・・・!

ついにやってしまった、表に置けないヤバイ系。
直接的な表現はなるたけ避けたつもり。
でも、これを堂々とアップする度胸は私には無いのです。

裏サイト・・・作る余裕も無いので隠しておきます。

え?裏サイト?・・・ま、気が向いたらね(謎笑)。