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*拍手お礼SS(2):ペルソナ3より明彦×美鶴(?)(BYレースル)


「リーダー、ちょっと待ってくれ」
 タルタロスの探索も終盤に入り、そろそろメンバーにも疲労が見え始めるかなと思われた時、後方より声が上がった。
「どうしたんスか?真田先輩」
「いや、俺がどうこうっていうんじゃなくて」
 明彦はそう言い、自分の僅か後方を歩く美鶴を振り返った。
「美鶴が足を挫いているようだ」
「え?ほ、本当ッスか、桐条先輩!?」
「伊織、そんな慌てる程じゃない。というか明彦、相変わらず目敏いな」
 美鶴は「余計なことを」と言いたげに明彦を睨んでから、口元に苦笑を浮かべた。
「私も全然気付かなかった。さっき転んだ時ですか?」
 心配そうに額を曇らせるゆかりを安堵させる為か、美鶴は苦笑を微笑みに変えて頷いた。
「そのようだ。でも心配には及ばない。ちゃんと歩けるし、戦闘だって…」

「馬鹿」

 唐突に、単純明快な言葉が割り込む。それと同時に、美鶴の形の良い眉が歪んだ。
 天下の桐条家の令嬢を馬鹿呼ばわりできる人間など、そういない。この場では、たった一人。

「馬鹿とはなんだ、明彦」
「馬鹿だと思ったから馬鹿だと言ったんだ。今ここで無理をしてどうする」
 明彦は盛大にため息を吐き、言った。

「お前一人の身体じゃないんだから」
『!?』
 明彦の言葉に、美鶴と本人以外の全員が息を呑む。

「ほら、おぶされ」
 頭がホワイトアウトした二年生達など意にも介さず、明彦はそう言って、ごく自然なことのように美鶴の前に背を向けて屈んだ。
 掌を上に向けて促す明彦に、美鶴は僅かに躊躇の色を見せる。
「いや、それは流石に…」

「今更恥ずかしがるような仲か?」
『ッ!?』



「………分かった。恩に着る」
「よろしい」
 美鶴の口調を真似て澄ましたように言った明彦が、美鶴を背負って立ち上がる。
「ほら、みんな行くぞ…って、岳羽も順平も、何固まってるんだ?」
「いや、何でも何も…なあ?」
「うん…ねぇ?」
「さすがにその台詞のチョイスはビビるってゆーか…すげーよな、いろんな意味で」
『?』
 美鶴と明彦の二人は、順平とゆかりの会話と視線の行き交いを不思議そうに眺めた。


<了>


「一人の体じゃない」=「美鶴は特別課外活動部の長としてなくてはならない存在だ」…ってことでしょうか?どうなんですか明彦さん。
天然で既に夫婦な二人。そして二年生達は世渡り上手。臭い物には蓋(ちょっと違)。








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