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*拍手お礼SS(5):ペルソナ3より順平×風花風味のゆかりと風花(BYビッグバード)


「――ってわけなのよ!信じらんないと思わない!?」

ガンッ、と景気のいい音を立ててゆかりはグラスをテーブルに叩きつけた。
お洒落な雰囲気のレストランでの居酒屋にいるかのような振る舞いに、周りにいた客がちらちらと視線を寄越してくる。店員に何も言われないのが救いだろうか、などと風花がぼんやり思っていると「聞いてる?」と対面の親友が口を尖らせていた。
高校時代から変わらないゆかりの明るさに、風花はおもわず笑う。

「ふふ…相変わらずみたいだね、真田先輩と美鶴先輩」
「相変わらずすぎなのよ!…傍で見てる方の気にもなってほしいわ、まったく…」

怒りとも呆れともつかいないため息をもらしたゆかりは、風花自身も付き合いの深い二人の先輩の変わらない関係についてぶつぶつと文句を言っている。
確かに、あの二人がいつまでたっても高校の頃と変わらない関係を保っていることは、周りの人間にとって非常にもどかしく思えることだろう。そう言えば“彼”も似たようなことを言っていたっけ――

「…で、風花はどうなの」

タイムリーなゆかりの質問に多少ぎくりとしながらも、風花は「何が?」とすっとぼけた答えを返す。そんな彼女の反応はある程度予想していたのか、ゆかりは今度はわかりやすく呆れたため息をついた。

「何が、じゃないわよ。…あのバカのこと」

あのバカ、とゆかりが言い切る人物の心当たりは一人しかない。風花は曖昧な笑みを浮かべてゆかりを見返した。

「あのさ、こんなこと私が言うのもなんだけど。…風花だったらもっといい相手、いくらでも見つかると思うんだよね」

はっきりしない風花の態度にゆかりは今までとはうって変わった真剣な口調で話し出す。
友達っていいなぁ、なんて思いながらも風花は目の前のゆかりの話に耳を傾けた。

「あのバカ、まだフラフラしてるんでしょ?女の子に声かけまくって、全敗して」
「あぁ…うーん、まぁそんな感じかなぁ…」
「だからね、もっと風花に合った相手がいると思うの。あんな格好悪いヤツとかじゃなくって…」


「順平君は、格好いいよ」


きっぱりと、話を遮るように言われた台詞にゆかりは思わず目を見開いて目の前に座る親友を見やった。
そこにあるのは昔と変わらない、穏やかでおとなしそうな、だが強い意志を持った揺ぎない瞳。
真っ直ぐに言い切られ、なおかつ微笑まれ。
他人事ながら顔が赤くなる気がして、ゆかりは視線をそらした。
そして同時に思う。この場にいない、どうしようもない男のことを。

「…順平のヤツ、風花泣かせたら弓の的にしてやる…」

本気でこぼした呟きに苦笑する風花を見て、ゆかりは再度決意を固めた。


しかし同時に思う。
過去に傷ついたあのバカ本人が一番、こんな風に綺麗に微笑む彼女のことを想っているのだろうとも。


≪終≫


ペルソナ3より、順平×風花風味のゆかりと風花。
風花ちゃんは順平のことずっと気にしてればいいよ。順平はチドリのこと乗り越えて、またバカやりつつも風花のことは気にしてたらいいよ。
そしてゆかりっちはメンバーの面倒見役だと信じて疑わないです(笑)








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