「か、海堂…!?」
 ぷるぷる、とフォークを持った手を震わせていたかと思うと、海堂はやおら猛然と戸口に向かってダッシュした。
 体当たりするようにドアを無理矢理開けたかと思うと、次の瞬間には全員の視界から消えていた。
 ただ全速力で駆けていく足音が、虚しく室内に響き渡る。
「そんなに不味いかな?」
「乾、無自覚にも程があるだろ…!」
 英二のツッコミに、他の面々が力強く、抜群のチームワークで同時に頷いていた。
「ぐあああああああっ!」
 どこからともなく海堂の叫び声が響いてきて、桃城は口元をひくつかせた。
「憐れだなマムシ…」
「じゃあ、海堂の勇気ある自己犠牲を称え、黙祷を捧げようか」
 不二はにこやかにそう言った。
「え、縁起でもない…というか自己犠牲じゃないだろう…」
 青ざめた大石の呟きに、一同は大きく頷いていた。



※あとがき※