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特別「壬生狂言」鑑賞記
MIDNIGHT RENDEZVOUS


重要無形民族文化財「壬生狂言」鑑賞
平成14年(2002)4月27日
鑑賞しながらハガキ絵を描きました。
 「壬生狂言觧説」壬生大念仏講議長松浦俊海氏発行小冊子から文の引用をさせて頂きました。
 壬生狂言を正しくは「壬生大念佛狂言」と言い「壬生さんのカンデンデン」という愛称と共に、古来から
京の庶民大衆に親しまれているそうです。


狂言を演ずる大念佛堂(狂言堂)のスケッチ
安政3年(1856)の再建

☆ 壬生狂言の始まり
この壬生狂言は今から700年前の鎌
倉時代、壬生寺を大いに興隆した円
覚上人(1223〜1311)が始められ
たもので、この時に上人は、拡声器と
てない昔、群衆を前にして最もわかり
やすい方法で仏の教えを説こうとし
て、身ぶり手ぶりのパントマイム(無
言劇)に仕組んだ持斎融通(じさいゆ
うづう)念佛を考えついたのが壬生狂
言の始まりと伝えられているそうで
す。


☆ 壬生狂言の年間定例公開 (春・
秋・節分の3回。延べ14日間)

春の大念佛会
4月21日〜29日の9日間 
午後1時〜5時30分 29日のみ
夜の部もあり 午後6時から10時
有料公開

秋の特別公開 
10月の連休(体育の日を含む)の3
日間 午後1時〜5時30分
有料公開

開始を待つ人々

節分の公開 
2月初旬の節分の前日と当日の2日
間 無料公開 
午後1時〜8時、毎時0分開演、壬生
狂言30番のうち「節分」のみ8回上演


☆ 壬生狂言はお勤め

 朝・昼・夜の勤行(ごんぎょう)のうち
の昼の勤行として、壬生大念佛講
が、壬生寺の御本尊である延命地蔵
菩薩に奉納されるものであるそうで
す。
 この法要は正安2年以来、約700年
間も途絶えること無く、連綿と続けら
れてきいるそうです。

左 笛   中央 太鼓  右 かね

☆演技

 近世に入ると庶民大衆の娯楽とし
ても発展し、本来の宗教劇のみなら
ず、能 や物語などから色々と新しく
取材され、曲目やその数も変遷して
現在上演されるものは、30曲で、一
般の能狂言とは異なり、かね・太鼓・
笛の囃子に合わせ、すべての演者が
仮面をつけ、一切「せりふ」を用いず
無言で演じられる壬生狂言の形は変
わらず、娯楽的な演目の中にも勧善
懲悪、因果応報の理を教える宗教劇
としての性格を今日まで残しているそ
うです。



炮烙割りの一場面

☆ 炮烙割り

 毎年4月の春の壬生狂言、9日間
の公開中、毎日の序曲として演じら
れる。
 京都では2月の節分に壬生寺に参
詣して、素焼きの炮烙(ほうろくとも呼
ぶ)を境内で求め、家内一同の年齢、
性別を書き、寺に奉納するという風習
が古くからあるそうで、 これらの奉
納された多数の炮烙をこの狂言で割
り、奉納者の厄除開運が得られると
いう信仰だそうです。
 1回に1000枚の炮烙が割られる
そうです。
 割られるときは壮観でした。
 
 炮烙は9日で9000枚必要です
が、2月の節分の奉納には9000枚
以上あるそうです。


土 蜘 蛛の一場面

☆ 30演目

 1 愛宕詣り  16 道 成 寺
 2 安達が原  17 ぬ え(鵺)
 3 大 江 山  18 橋 弁 慶
 4 大 原 女  19 花   折
 5 桶  取   20 花 盗 人 
 6 餓鬼角力  21 舟 弁 慶
 7 蟹  殿  22 炮烙 割り
 8 熊  坂  23 堀川 御所
 9 賽の河原  24 本 能 寺
10 酒蔵 金蔵  25 棒   振
11 節  分  26 紅 葉 狩
12 大仏供養   27 山端とろろ
13 大 黒 狩  28 湯   立
14 玉 藻 前  29 夜討 曽我
15 土 蜘 蛛  30 羅 生 門

炮烙割りの一場面

☆ 演者
 
壬狂言を伝承して演じるのは、「壬生
大念佛講(こう)」の人達で、講員は、
壬生狂言がその職業ではなく、会社
員、自営業などの本職をもち、小学生
から80歳台の長老まで、おもに地元
に居住する約40名(「衣裳方(かた)」
と呼ばれる衣裳の着付担当者以外
は全員が男性)が狂言を演じられて
います。



炮烙割りの一場面

☆ 仮面・衣装の装具

 収蔵する仮面は室町時代から現代
の作まで、約190点。
 衣裳・小道具は江戸時代のものを
含めて数百点を数えるそうです。
 近年、それらの保存や復元が年々
難しくなる傾向にある中、その事業は
着々と進められているそうです。
 土蜘蛛に使われている糸は演技者
らが手作りされているそうです。


本能寺の人物スナップスケッチ

☆ 本能寺

 明智光秀が、主君の織田信長を討
つべく、本能寺を襲った。本能寺には
小姓の森蘭丸ら数名しかおらず、敗
れた信長は自刀して果てたという、
「本能寺の変」を描いた狂言です。

感想:はじめて壬生狂言を鑑賞しましたが、「笛・太鼓・かね」単調な調べのようであるのに、演者は仮面
   をかぶり、小さな目穴から見て演技しているそうで、大変なことと思いながら鑑賞しました。
   身振り、所作が鑑賞者に伝わってきて本当に楽しかったです。

あとがき
☆ 春の大念佛会約6000人が鑑賞に訪れるそうです。
☆ 壬生狂言の鑑賞料は全額、後継者育成や仮面・衣装等の新調修理事業など、壬生狂言の維持・
  伝承の費用に充てられるそうです。
☆ 鑑賞
◎ 全席当日の自由席のみです。予約や指定席はありません。 ¥800
◎ 鑑賞席約400席が満席の場合は、やむなく入場制限することがあるそうです。
☆ 禁止
◎ 鑑賞席での写真・ビデオなどの撮影は、お断り。
  昨年までは緩やかに黙認していたそうですが、マーナーの悪さに英断されたそうです。

☆ ところ
 京都市中京区四条坊城南入る 200m壬生寺境内北側 重要文化財大念仏堂(狂言堂)舞台にて

☆ 最寄駅
 市バス「壬生寺道」南入る200m 阪急電車「大宮」  京福電車「四条大宮」 各下車

☆ 壬生寺のホームページURL
  http://www.kyoto.zaq.ne.jp/mibu/ (ここをクリック)
  [壬生狂言]を選択すると[笛・かね・太鼓]の調べを聴くことが出来ます。


    このページの
BGMは
管理者「みかちん」さんのホームページファイルから提供を受けた
クラシック音楽MIDIを使用しています。
ピアノ曲はヘンデルの「ラルゴ] です。
  演奏時間  3分22秒 
 音楽も楽しんで下さい。   *無断転用禁止* 

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