狸と狐のだましあい(昔話)

かしこい狐とかしこい狸が住んでいました。

ナッコジサン(若王寺)の狐がだまされたお話です。

昔の奈良街道の長池から寺田小学校の辺りで、松がいっぱいあるので

その街道のことを、松林と言いました。

その松林の奥にかしこい狸の一族が、住んでいました。

人の言葉も分かるくらいかしこい狸でした。ある日、

「明日は紀州の殿様が通らはるさかいに、門をきれいに掃いとかんなあかんで」

とか「表に干し物したらあかんで」とか言う人の話を狸が聞きました。

「こりゃ、うまいこっつゃ」と、狸は狐をだまそうと思いつきナッコジサンの狐に便りをだしました。

「明日、化けくらべをしょう。私が殿様の行列をするさかいに見に来ておくれ」

手紙を貰った狐さんは、どないして化けるんやろなぁと思いつつ、見にきました。

狸は本当の殿様の行列を自分が化けたみたいに、狐をだましました。

狐が「うまいこと化けたなぁ」と感心していると、

その行列の一番先頭の若いお供さんがジャガラという音のする杖を

落としました。その時、行列を見とれていた狐は「こんなとこに狐がおるわ」

と気付かれてしまいました。そして、狐は生け捕りにされてしまいした。

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「城陽市の民話と暮らし」を参考にさせて戴きました。