奈良、大和は平野部から徐々に桜が咲き始めます。
その後、里山。そして山々へ。更には奥深い山々へ。
そして。。。
奈良の桜のラストを飾るのは県の花の「奈良八重桜」です。
この桜花は、4月下旬から5月初旬にかけて咲きます。
八重桜とはいっても、ひとつの花に30枚ほどの淡紅色の花弁をつけた清楚で優雅な気品にあふれた姿です。
蕾の頃は、濃い紅色をしていますが、花が開くと白に近い淡い紅色になり、散り際に花びらがまた紅色を深め、可憐で葉の陰に隠れる様にひそやかに咲きます。
花が開き始めると一度に咲いて3日間ほどで終わってしまうからよく見計らっておかないとシャッターチャンスを逃しますよ。
古い記録によると、その昔、奈良八重桜は興福寺の東円堂近くにあったそうな。現在は、そのゆかりの地として、奈良県庁のすぐ東側、登大路に面した駐車場に植えられています。
これは東大寺の塔頭(たっちゅう)、知足院から若木を移したもので、いまでは見上げるほど大きく育って、見事な花を咲かせています。
今日29日にやってきましたが行楽客の方はまったく知らんぷり。
「奈良八重桜」の原木は東大寺知足院(ちそくいん)にあります。
大正11年に、この地を訪れた植物学者、三好学博士によって、古記録にある奈良八重桜と同じ種類として認定され、翌年、国の天然記念物に指定されたものです。 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふここのへに 匂ひぬるかな 伊勢大輔『詞花和歌集』より (その昔、奈良の古き都でも咲き匂っていた八重桜が、
今日はここ九重の宮中で美しく咲き誇っていますよ)という意。
小倉百人一首でも知られるこの歌に詠まれたように、奈良八重桜は、平安時代、すでに京都の宮中にまで聞こえた名桜だったようですね。
奈良八重桜は、知足院、県庁東側駐車場のほか、東大寺境内、戒壇院、春日若宮、県立公会堂などでも楽しめま〜す。
探してみるとここにもあるんだーって。
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