「お水送り」 福井県小浜市 神宮寺・遠敷川(鵜の瀬)
春を待つ東大寺二月堂修二会のお水取りは有名ですね。この「お水」は若狭から送られるものです。
天平の昔し、若狭の神宮寺から東大寺に行かれた実忠和尚が大仏開眼供養指導の後、二月堂を創建された。そこで、修二会をはじめて、二月初日に全国神々に招待したそうな。ところが、全ての神が参列したのに若狭遠敷(おにゅう)明神のみ来られなくて、十二日の夜中参列された。
川魚猟に夢中で遅れたことで、その詫びとして本尊に供えるお香水を送ることになった。そのとき、二月堂の地下から白・黒の鵜が飛び出して、穴から泉が湧き出したのを若狭井と名付けました。小浜の鵜の瀬からの水中洞穴から、鵜が奈良までもぐって送られたという伝からこの神事が行われています。
神事が始まるまでの昼過ぎに、神宮寺では、弓打ち神事が執り行われます。大和神社で見られる弓始め式と同じ形式のようで、厳かに弓を射られます。
夕刻に神宮寺で行われるダッタンの行、お松明から始まります。当寺で大護摩から火をもらって、1.8km離れた鵜の瀬まで何千人もの松明行列が進みます。「お水送り」神事のクライマックスは、この鵜の瀬で行われます。白装束の神宮寺住職が祝詞を読上げ、竹筒からお香水を遠敷川へ注ぎ、お香水を奈良まで送るのです。このお水は10日間かかって二月堂へ送られ、12日が「お水取り」神事となるものです。
「お水送り」は、前々から見に行きたかったものです。鵜の瀬でのお松明の灯かりは幻想的で厳かなものでとても感動しました。念願が叶って嬉しく思います。お松明沿道で小浜市連合婦人会の皆さんの暖かーいとん汁をいただき、ものすっごく明るい方ばかりで、”元気”をよばれてきました。(H15. 3. 2 撮影) |