2.どこで、何を食べるか?
これはタイプ別に見ていきましょう。
1)定食屋
これは趣味のモンダイでもありますけど、可能な限りぼくは定食屋がいいですね。
最大の理由は、野菜なども過不足なく適度に栄養がとれること。それに手頃な値段なのも嬉しい。
たいてい食事の時間にはちょうど市街地や集落を通るように想定しているんですが、駅前や繁華街を通 ればだいたい1件はなんとか定食屋があります。暖簾や看板が出ていて、全国的に何故か「おふくろの味」「定食の店」「大衆食堂」などがキーワード。他に定食が食べられる店としては「そば処」や「中華食堂」ももちろんアリ。また郊外の国道沿いでは「ドライブイン」と名を変えます。
ローカルなお店は店内に地域の特産品を装飾してあったり、汚いなら汚いなりに味があったり、とにかく目でも楽しめるのが嬉しいところ。注文を待つ間に新聞を読んだりTVのニュースを見たり、あるいは地元客の会話を聞いたりして、情報収集できるのも大きな利点です。(ちなみに定食屋のTVで最も見たいのは「天気予報」!)
ただしローカルなお店には当たり外れもあります。少なくともメニューが見えない(献立が表に出ていない)お店は苦手。店構えは小さくてもこだわりの本格派で高価だったり(それはそれでヨユウがあればいいんですけど)、最悪の場合汚くて不味いうえに高いという、三重苦を味わうハメになります。(オヤジが怖くてオカミが無愛想だと更に五重苦。)
ところで、定食屋で頼むメニューはその時々により様々ですが、例えば地域の名物などがあればやはりそれに惹かれますよね。そこで勝手に、思い出の定食屋メニュー・ランキング!
第1位
は、photo galleryにも写
真を掲載したけど、岐阜県中津川のR19沿い中華食堂「満州里」(もう1枚オマケ♪→)。
バイパス沿いの目立たないコンテナ店舗ですが、とにかく笑っちゃうくらい「馬鹿盛り」の店。キャベツのカットもデカいが、豪快なオヤジさんが一生懸命中華鍋を振るってます。何故か場違いなほど美人な店員さんも……!
詳しくは旅日誌の方で。
第2位は、長野県南木曾町は馬籠宿の「丸治屋」。
観光客の押し寄せる馬籠宿にあって、ぼくが食べている間一人の客も入らなかったので、おかげで靴下まで脱いでゆったりくつろげました(^-^)。
でも、味は決して悪くないですよ。山菜蕎麦と五平餅を食べましたが、両方大満足!それにお茶を大きな急須で出しくれるのも有り難い。 多分ほかの店が宿場らしい趣を演出しているのに比べると、割合平凡な店構えで目立たなかったんだと思います。そういうのもいいですよね。静かな旅情もあいまって、印象に残っているお店。
第3位は山梨県上野原町の「坂本屋」。
歴とした寿司屋なので定食屋の範疇では失礼かもしれませんが、昼のうな重定食が880円でこれまた美味!お店で使っている漆器が、旅で通 ってきた長野の奈良井宿で作られているというきっかけから、店員さんとの話に花が咲きました。あと僅かな旅を応援して下さって、その温かさがとても嬉しかったですね。
2)チェーン店
定食屋より安い、確実、気軽と利点もありますが、折角の旅なのでどちらかというと見覚えのあるチェーン店は避けたいもの。
でも逆に積極的に利用する場合もありました。それはトイレを借用したい時!
特に(大)の際にはやはり某マクドナルドが安心度NO.1……
それはともかく(^-^;。
またもや突然ですが、個人的な趣味として道中のチェーン店をチェック&ランキング!
第1位は揺るぎない全国チェーン店として不動の王者、某マクドナルド。
もう、日本全土が完全に「赤地に黄色のM」に占領されています。前述のトイレの信頼度もさることながら、安いこと、どこにでもあること、いつでも座れること(田舎ではね)、営業時間が長いこと(一般
的な飲食店が閉店している早朝や夜半に開いているのは大きい!)、アルバイト店員がさわやかなこと(これは例外も多いけど)、暇つぶしに「マックジョイ」が読めること(読むとこ少ないけど)など、賛否両論あるものの、良くも悪くも他の追随を許さない不滅のアメリカンスタンダード。不健康優良児と後ろ指をさされつつも、我々第二次ベビーブーマー(昭和48年組)は既に体内の何%かをマクドに侵されているはず。
ちなみに関西人としては信じられないけど、東京だけでなく、関西圏以外ではみんな「マクド」ではなく「マック」と略して呼んでいるようです。
第2位は牛丼チェーン某吉野家。かなり趣味入ってます。
定食屋好きなぼくなら某松屋とか某なか卯の方が便利なんじゃないの?否、違います。牛丼が違います。いや、ぼくも某松屋や某なか卯へも入りますが、牛丼は食べません。あれは牛丼屋ではなく一種の定食屋だと思っています。また首都圏や大都市では各チェーンとも対等に見えますが、郊外やバイパス沿いの出店数では某吉野屋が一歩リードしているようです(特に中部地方)。遠く遙か彼方にでも「オレンジ地に白抜き文字の看板」を発見すると、オアシスに辿り着いたような安らぎさえ感じてきます。色モノに弱いのね……ワタシだけ?
第3位は……、と思ったらもうないです。やっぱりあんまり利用しないんですね。
でも歩き旅なんて言うと、いきなり「茶店」とか「おにぎり」とかがイメージされがちですが、現代ニッポンでは量 販食品の洗礼を受けていない地域がもうかなり少ないのです。
ジャンクフードをわざと避けていくというのも、現実逃避的でナンセンスなのかも。あの乾いたカラフルな店内には、長旅の湿っぽい疲れを忘れさせる不思議な麻痺作用もありましたし。
余談ですが、東京の八王子から立川付近で何店か見かけた焼き肉チェーンの「安楽亭」は、1回しか入ってないけどグレートおすすめ!昼の定食が安くてタップリ、肉も満タン、おまけにオネーサンが休む間もなく水を注いでくれ、最後は熱ーいお茶が出てきます。近くにないかな〜?
3)弁当など
どうしてもお店が見あたらない場合は、コレです。
弁当屋がある場合もあれば、コンビニで買うこともありますが、どうしても情趣には欠けますね。というのも、弁当って当たり前のようにあの「燃えないゴミ」のトレーに入ってるじゃないですか?あれがどうしても物足りないのです。
でも、天気がいいときは河原で食べたり、青空の下で楽しめば味も数段グレードアップ。それに、コンビニ弁当などは意外に栄養価をきっちり考えたメニューになっているので、その点は安心できますね。
ところでコンビニくらいは全国どこにでもあるだろう、と考えていたのですが、それも車社会生活者の油断であることがよく分かりました。確かに市街地に入ればどこにでもありますが、肝心の人里離れた国道沿いには、欲しいときになかなか見つからなかったりします。自動販売機も同様。ニッポンは便利ですけど、あくまで車生活が規準となっていることが多いので、いざ歩いてみるとそれ程でもないのに気付かされます。
4)非常食
これは旅の身じたくのところで詳しく書いています。
とにかく市街地を離れると、上記のようなお店にありつける確率が極端に下がりますが、こういうエリアがまた多いのです。
この際味の贅沢は言えませんが、非常食として有効な、保存の利く栄養バランス食品はとてもたくさんの種類が出回っていますので、いろいろ試してみると案外ハマっちゃうかも!?
5)おやつ
軽食、といった方がいいかもしれません。コンビニのサンドイッチなどで、いわゆるスナック菓子は範疇外です。
今回特にこだわったのが「和菓子」。ちょっとmemoで詳しく書いていますが、桜餅への疑問から始まって、行く先々で和菓子を食っている内に、いつの間にか同じ和菓子でも地域差や特徴があることが分かってきました。
昔、街道の宿場町では旅客を呼び込むために、宿場毎の名産品を用意して宣伝していました。中でも和菓子は最もポピュラーな名産品のひとつで、今でも残る銘菓がたくさんあります。全国的に有名な伊勢の赤福や名古屋のういろう、八つ橋、柏餅、関町の白玉
、あま笠餅、信州の五平餅、木曽路のそば饅頭……。これらのほとんどが生菓子であるため、その地域でしか食べられないというのも魅力のひとつ。また山あいではヨモギ菓子が多いなど、地域と季節を両方楽しめるのも面
白いですね。
しかも本陣のある宿場などの菓子屋は、由緒ある「御用菓子」の老舗看板を挙げているお店も多く、300年来続くという立派な店構えを眺めながら、抹茶を出していただいてお話しするのも実に興味深いものでした(photo
galleryに三重県関町の老舗を掲載しました)。
6)お酒♪
独り旅だとあんまり飲みません。
お酒は好きですが、飲む機会がないのです。定食屋の見つからない町でも、たいてい赤提灯は3つくらいぶら下がっているので、店探しは事欠きません。しかしうまい具合に独りでも安心して飲めるか、手ごろな価格か、などが気になって、店内を覗きにくい酒場にはどうしても躊躇してしまいます。
それに疲れているし、翌朝早いということもあって、のんびり飲んでる気分にもなりにくいのが正直なところです。
というわけで残念ながら、今回は旅程であまり飲み歩くことがなかったのですが、お土産として買っておいて帰宅後に友人を呼んで飲んだりはしました。気に入った土地の銘酒は次の項に書いたのでご覧下さい。
7)名産品
土地の味。これが旅の醍醐味ですよね!
すべての味を網羅したわけじゃないですが、旅程では可能な限りいろいろな名物を試してみたつもりです。
以下にジャンルを問わず、三たび勝手におすすめランキング!
1位 木曽の銘酒「七笑(ななわらい)」
旅先では飲んでいないにも関わらず1位
なんですが(^-^)。 木曽路では「木曽の桟(かけはし)」「中乗さん」などと並んで最もポピュラーなお酒。ちょっと辛口ですっきりしたやわらかい喉越しです。もう、冷やして飲むのが最高でしょう!
主に中津川から諏訪あたりまでの木曽路で買えますが、大きな酒屋ならそのほかでも扱っています。比較的安価なのも嬉しい。
これを教えてくれた南木曾駅前の土産屋の娘さんは、ちょうど夕暮れ時に店先を訪れた会社の同僚?に誘われて、小躍りしながら
「お母さーん!飲みに行ってくるからお店お願いねーっっ!!」
と、飲む前から既にハイテンションでした。
恐るべし!七笑……
2位
そば饅頭
これも木曽路の銘菓。高級菓子ではないですが、ほんのりと蕎麦の香のする薄皮でこしあんを包んだ上品な味です。どこにでもありそうな容貌を甘く見ていたら、足払いを食らわされる抜け目なさ!肌理細かい高貴な白の装いで、シンプル・イズ・ベスト。
3位 味噌煮込み玉 子入りきしめん
名古屋名物。普通のきしめんも大好きですが、この「味噌煮込み玉 子入り」という強固な接頭語に惹かれて思わず挑戦してみたら、電光石火2ラウンドKO負け
(^-^;/~
アツアツの鉄鍋でぐつぐつ踊りながらの登場、ビールと組めば無敵のタッグ!!
…… 一般には「鍋焼きうどん」と呼んでも差し支えなさそうな内容ですが、無骨な接頭語をあえて冠するあたりがやはり名古屋のプライドですかね。
4位
手打ち蕎麦
信州といえば蕎麦。中でも印象深い一品は、木曽路奈良井宿のそば処「山なか」のざるそば。おすすめは何ですか?と聞くぼくに、店のおばちゃん曰わく「蕎麦はやっぱりざる。あぁ蕎麦食べたなぁ、って思うのはやっぱりコレよ」。
補足説明は不要です。木工と漆器の産地でもあるので、内装から食器まで山路の旅情タップリ。打ち立ての蕎麦はうっすらと透明感が漂っていて、キラキラと輝いています!
5位 甲州ワイン
ワインは普段飲まないんです。でも、偶然訪れたワイナリーで「ここの3年物は全っ然違いますよ」、と朴訥な主人の、内に力を秘めた言葉に乗せられて買ってみると、これまた爽やかな気品溢れる美酒で大満足!その名は「かつぬ
まホンジョー・オールド」。ワイン通な方には癖がなくてさっぱりした印象かも知れませんが、そこはやっぱり国産品。ニッポン人らしいということで?
6位 五平餅
祭の露店などでも食べられますが、本場木曽路で食べるのはクルミの風味が濃厚でこれまた格別
。
一般には平らに伸ばして一玉を串刺しにしたタイプが多く、そのほかだんご3兄弟タイプなどのバリエーションもあります。単なるお茶菓子としてだけでなく、軽食としても通
用する食べ応えが、「道中の味」って感じで有り難いですね。
7位 味噌カツ
再び名古屋名物。ぼくは岐阜市内にある友人推薦の店「一楽」で食べましたが、味噌カツとオムレツにあさりの赤だしをセットした、関ヶ原の家康もかくやという布陣に、為す術もなく無条件降伏。
店ごとに持ち味が違うらしく、その世界は奥深いようです。なんといってもあの強引な味噌ダレの濃さ。圧倒的な食欲で挑まないと、重いカウンターパンチに弾き返されてしまいます。
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