2.旅の七つ道具
服装同様、軽量化が最優先課題なので、できるだけ必要最小限のものに限定し、その都度途中で購入できそうなものはなるべく省くようにしました。以下に、今回悩みに悩んだ末持っていった物のうち、実際に歩いてみた結果
重宝した物を、七つ道具として重要な順に挙げてみます。
(あくまで個人的な考えであり、専門的な登山装備とは異なりますのでご注意ください!)
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1)靴
今回の歩き旅のために新しく購入した、本格的なトレッキングシューズ、「mont-bellアルパインクルーザー2000」(宣伝しとこう!)。決め手は店員さんの非常に熱心で親身な販売姿勢。手入れや注意点もいろいろ教わりました(ヨイショっ!!)。
しかし時間的ヨユウがなくて、履き馴らさないままに出発してしまったのは大失敗でした。これまでスニーカーの類しかほとんど履いていなかったので、靴擦れがあんなに痛いものだとは知らなかった(泣)。
結局革が足に馴染むのに1週間ほどかかってしまいましたが、いったん馴染んでしまうととても頼りがいのあるいいヤツです。足にガチッとハマって、どこまででも歩いて行けそうな活力が湧いてくる!(マジで)
ご褒美にその後もミンクオイルでお手入れしてます。これがまた、いいツヤ。
ところで、道中でも「そんな重い靴より、ハイテクシューズの方が楽なんじゃないの?」と人に聞かれました。実際に歩き比べた訳じゃないのでその真偽は分かりませんが、やはり日帰りのハイキングと違ってハードな状況が続くので、安定感、丈夫さ、耐水性の高さ等の点で重厚なキャラバンシューズのようなものの方が適しているように思います。(詳しくはこちら→)
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2)ザック
ザックは備品かな?まあ、しかし重要度という点では靴に次いでNO.2だと思います。
登山用のザックは人間工学的に設計の優れたものが多く、たくさんの荷物も安定して楽に持てるよう工夫されています。昨今ではいずれのメーカー品も非常に優秀なのではないでしょうか?
ところで、肝心なのは荷詰めと肩紐(及び腰ベルト)の調整。これを怠るとザックの性能も無意味です。(今回痛い目にあって学びました。。。)
まず荷詰めは「軽いものを下に、重いものを上に」、は常識ですかね。面倒でも毎日一度荷物を全部出して荷詰めし直した方が、道具を効率的に使う意味でもいいみたいです。(よく使うものほど手前に移動してくる。)
そして、肩紐の調整。大型のザックだと肩紐が伸縮式になっているものが多いので、これを逐一(少なくとも毎朝)調整することが疲労を軽減するポイント。例えば上着を1枚脱いでも、その分紐を短く調整します。
荷物を効率よく背負うポジションは、荷物の重量と背負う高さ、つまり重心の位置によりある一点に決まってきます。これを探し当てるコツは、荷物が後ろに引っ張られないようザック上部(肩紐の上付け根)が適度に身体に密着することと、重心が上がりすぎて前のめりの姿勢にならないこと、です。
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3)地図
登山の場合と違って主に国道などを歩くので、厳密な地形図などは用意しませんでした。今回持参したのは長年愛用の昭文社「ツーリングマップ」シリーズ(関西、中部、関東の3冊)です。現在ではリングノート式にグレードアップしているシリーズですが、この旧型A5小判のブックマップは、サイズも手頃で情報量
も多く、非常に便利で重宝しています。
厳密な地図は要らないといっても、今回歩き旅に使用してみて最低限必要だと感じた要素がいくつかありました。
まずは縮尺。「ツーリングマップ」は14万分の1です(北海道版を除く)。これだとハイキングや登山には情報量 が足りませんが、街道歩きなら大丈夫。市街地や宿場などでは、必要に応じて駅前の案内図を見たり、観光案内所で地図を貰ったりしてカバーできます。より縮尺の大きい地図だと細かく見られて便利ですが、その分枚数(ページ数)が多くなるのは欠点でしょう。
ツーリングマップだと、国道や県道の表示、それに主要幹線の区間距離が表記されているので、目安としてとても便利です。また、ある程度広範囲の地形が表記されていることも大事でしょう。
部分的な地図だと、遠景の山などを目印にして位置を確認したい場合に不便だからです。
今回のように主に幹線を長距離移動する場合、建造物や史跡などの名所よりも山、河川、集落など大きな地形的要素の方が状況を把握するのに役立ちました。
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4)非常食
非常食というと、厳寒の冬山登山とか、樹海探険とか、過酷な旅を想定しがちですが、市街地からそう遠くない平野部でも必ず3食分程度は所持しておくべきです。実際に何度か町中でも非常食を食べました。
非常食を摂る必要が生じるケースは実に頻繁にあります。
まず、当たり前かも知れませんが、食事がとれない場所。歩き旅での移動距離は1日で約20〜40km。半日だと、最も動けないときで10km程度です。半径10km以内に飲食店や食料品店(もちろんコンビニや自動販売機も)のない場所なんて、ニッポンにもざらにあります。集落があるからといって安心はできません。最近は過疎化が進んで、1件の店も営業していない集落だって珍しくないのです。
また、非常時でなくてもキャンディーやチョコレートは常備しておいて、空腹を感じたらその都度糖分を補給します。食事は食事できっちりとるのですが、思い通
りの時間に摂れるとは限らないので、エネルギーの消耗具合に応じて効率的に食べた方がいいようでした。 食品としては、いわゆる健康バランス食品を多用しました。乾燥食品で、加工しなくても食べられる物、「カロリーメイト」「バランスアップ」「健康生活」などです。カロリーメイトはグロスで買って毎朝食に食べてました。(ただし、一度に食べ過ぎると良くないらしいので注意が必要。)
そして、水分は言わずもがな。水筒の水は腐る可能性があるので、万が一の場合に(ミニ)ペットボトルの飲料水を持っておくと便利です。重量 をとりますが、こればかりは背に腹は代えられません。
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5)ビバークセット
寝袋、マット、グランドシート、ガムテープ。
これらは非常時の野営道具です。
今回は軽量化と時間の節約のため、テントを荷物から省きました。従って野営は基本的にするつもりはありませでしたが、山中で雨に降られたり怪我をして動けなくなるなど、緊急時はいつ何時訪れるか分かりません。
夏場ならまだしも、春先の山中であれば冬並に冷え込みます。最悪の場合グランドシートとガムテープで風よけを作って、その中でマットを敷いて寝袋にもぐる考えでした。ただし、無人駅舎など、利用できる建造物があればもちろんそれを利用した上で、です。
正直なところ、経済的な理由で何度かビバークすることも考えましたが、危険を冒して、しかも余計な疲労を蓄積してしまうデメリットを考慮すれば、あまり賢い選択とは言えないように思います。
結果的には無事ビバークをすることもありませんでしたが、それぞれの道具を使う機会は別 にありました。個々に応用の利く便利な備品なので、かさばりますがやはり必携でしょう。
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6)帽子
衣類のところで「つば(ひさし)のある帽子」があれば良かった、と書きましたが、今回持っていったのはニットの帽子でした。(ナイキ!……って、安かったけどホンモノかしら?)
防寒用としても大変重宝しましたが、それ以外にもうひとつ重要な役割があります。そう、「カモフラージュ」です。
宿泊しているとはいえ、毎朝整髪するわけじゃないので(当然、整髪料なんか軽量化の第一歩ではじかれちゃったし)、ぼっさり頭なわけです。 山中を歩いているときは構いませんが、町中を通る時はさすがに恥ずかしい。
上着も着替えないし、髭も伸ばしっぱなし。時間が経つと共に、だんだんいろんな意味で大らかになってきてしまいます。旅の恥をかきすてないで、ギリギリの理性を保っておくための「身だしなみ」でした。
(でも、そう見られているかどうかは別。)
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7)爪切り&耳掻き
これはまったく個人的な選択。
しかし誰もが日常必ず使うものでもありますよね?
爪切りは十徳ナイフのヤスリでも応用できますが、結果的に爪切りは2度使ったけれどもナイフはほとんど使いませんでした。それに、足の爪は伸ばしておくと思わぬ
怪我やトラブルに繋がるので、案外重要なのに盲点でもあります。
耳掻きは……、ぼくの趣味です。愛用の鉄製耳掻きで毎日掻かないと我慢できません。ヘビースモーカーのタバコと同じと思っていただければ結構です。
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その他の装備
雨傘
ザックカバー
湿布類(エア・サロンパス)
膝サポーター
靴擦れ防止用ナイロンストッキング
カメラ フィルム(テクニック参照→)
十徳ナイフ
懐中電灯
換え電池
ノート
筆記用具
財布
キャッシュカード
ハンカチ
ちり紙
荷造り用ゴムロープ
常備薬(風邪薬、腹痛薬、滋養栄養剤、のど飴)
文庫本(一冊)
ビニール袋
タオル(2本)
洗面具(歯ブラシ、歯磨き粉、洗顔石鹸)
腕時計
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