ロボット考

 註:私は権威も何もない一介の大学生・しかも文系ですし,SFの知識も全くといっていいほど皆無ですので,以下の内容はただの戯れ言だと思ってくださってかまいませんが,ふざけているどころか,私なりにまじめに考えているつもりですので,もしよければ貴方or貴女にも少し考えてほしいとも思います.意見交換など出来れば至上の喜びですね.

 04月07日は鉄腕アトムの誕生日です.2003年が誕生年ということになっています.

 科学もだいぶ進歩して,実現が難しいとされた2足歩行ロボットなどもずいぶん昔に出来ましたし,踊ったりしゃべったりするロボットも出来ました.

 しかし,鉄腕アトムのような――いや別に空を飛ばなくてもいいし鉄腕アトムじゃなくてもいいですが――人間のような心を持ったロボット――否,アンドロイドといったほうがいいかもしれません――などというのは実現するのでしょうか? 今,世の中に存在する・あるいは開発されているロボットは,しゃべるといってもプログラムされた言葉をしゃべるだけです.学習機能もありますが,それもプログラムされた範囲です.つまり,人工知能なのですね.しかし,鉄腕アトムレベルになると,「人工実存」という概念の実用化を待たなければならないとおもいます.そんなものは可能なのでしょうか.
 また,違う角度――「魂魄(こんぱく)思想」――から見ると,今のロボットは「魂魄」のうちの「魄(はく)」しかもっておりません(厳密には魄とは少し違いますが,肉体を司る,という意味で).「魂(こん)」がないのです.そんなものは開発できるのでしょうか? というよりも,開発する時点で「魂(こん)」ではないのではないでしょうか?

 また,ロボット(アンドロイド)が魂魄を持つなり,人工実存を持つなりしたとして,それは人間にとって望ましい事態なのでしょうか.かのSF作家アイザック‐アシモフ氏のロボット工学三原則を持ち出すまでもなく,ロボット(アンドロイド)が人間に近づくということは,悪いやつらも出てこないとも限らないということです(まさにSFの世界ですね).人間は工業用ではない,人間に近いロボット開発を進めていますが,われわれが求めるべきロボット像というものを,そろそろはっきりさせておいたほうがいいような気もします.

 また別の話になりますが,科学に客観はありえるのか,という話で,少なくとも18世紀頃までの科学は実証・経験に基づくもの,つまり主観的なものでした(主観的,というのは観測者問題のことを言っているのではありません,もっと根本的な問題です).つまりは“人類が”“今までに見たことがある”全ての現象と物質を矛盾なく説明する理屈.それが科学である.といえるわけです.そうなると,私たち人間と異なる感覚器官を持つ彼らに観測させたら,ちょっと面白いことになるかもしれませんね.パラダイム‐シフトではすまないくらいの.またそれは,今,自然科学が陥っている「ミクロからのアプローチとマクロからのアプローチが一致しない」という事態の解決の糸口になりえるかもしれません.ちなみに経済学もこの問題に陥っており,その解決のひとつに,(要素還元主義へのアンチテーゼとしての)複雑系,がありますが,今の所,複雑系はまだ胡散臭いですし,人生をかけて研究しても結論が出るかわからない状態で,人生を棒に振る可能性も多々あるため,このような研究はお金持ちのボンボンなどにやらせるしかない,と教授に言われました.

 何だか小難しい話になりましたが,所詮私は一介の大学生(しかも文系).このような問題は専門家の議論・研究を俟つことに致しましょう.

 最後に,最近は燃料電池の開発が進んでいますが,もっと燃料電池が実用的になって,ロボットの唯一の,あるいはメインの電源に使われるようになったらば,「水素を補給して水を排出する」というプロセスは,「食事を取って排泄する」のプロセスに非常に酷似するように思われます(現在も燃料電池を電源にするロボットはありますが,効率や排水の問題などもあり,唯一の,あるいはメインの電源とするには至っていないようです).こういった点でも形は人間に近づいているようです.

 私の戯れ言に最後までお付き合いいただき,有難うございました.